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大阪市立図書館 こどものほんだな

大阪市立図書館が選定した、おすすめの児童書リストです。

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絵本/絵童話幼児から

はじめてのクリスマス

マック・バーネット/文 ・ シドニー・スミス/絵

偕成社 (2024.1)

サンタのクリスマスは、一年中休まずに作ったプレゼントを配り終えたら、あとは眠るだけ。しろくまとエルフたちは、そんな彼に素敵なクリスマスを用意しようと計画する。はじめて特別なクリスマスを過ごすサンタたちの様子を、鮮やかな色調で描く。ごちそう作りや飾りつけを楽しむ彼らの姿に、クリスマスが待ち遠しくなる。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ぼくのカキだよ!

市川 里美/作

BL出版 (2024.1)

柿が大好きなケンちゃんは、実が赤くなるのが待ち遠しい。竹の棒を使った実の取り方を祖父から教えてもらい、ようやく熟した実を取ろうとするが、カラスに全て食べられてしまった。柿とともに日本の原風景が柔らかなタッチの水彩で描かれ、温かく味わい深い。祖母が伝える、渋柿を干して甘くする昔ながらの知恵も興味深い。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

バッタマンション

北川 佳奈/作 ・ 九ポ堂/絵

アリス館 (2024.9)

オンブバッタが経営する、美しい庭のある小さな古いマンションでは、様々な虫が暮らしている。壁のひびを気にする心配性のキリギリスや、使える家具もすぐに捨てる浪費家のマツムシなど、個性豊かな住人たちの交流をほのぼのと描いた連作短編。細部まで描き込まれた絵はお話の雰囲気に合っており、隅々まで楽しめる。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

ミツツボアリをもとめて -アボリジニ家族との旅-

今森 光彦/著

偕成社 (2024.9)

腹に蜜を蓄えるという特徴をもつミツツボアリ。著者はそれを採集するアボリジニ家族に同行した。旅の中で見た南オーストラリアの砂漠地帯の動植物や雄大な自然、それらを美しい写真で伝える。あめ色のガラス玉のような虫の姿は神秘的で、目を奪われる。昆虫食や壁画など、自然と共存するアボリジニの暮らしや文化も興味深い。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ケーキ(幼児絵本シリーズ)

小西 英子/さく

福音館書店 (2024.9)

「たまごと さとうを まぜますよ」「しゃか しゃか しゃか」生地を作りオーブンで焼いて、クリームを塗りフルーツで飾り付け。果物いっぱいのケーキが出来上がるまでを、やさしい言葉とオノマトペで伝える。写実的な絵からは、甘い匂いがしてきそうだ。ページをめくるたびにケーキができあがっていく様にわくわくする。(幼児から)

絵本/絵童話小学校中学年から

四角い空のむこうへ

由美村 嬉々/文 ・ 羽尻 利門/絵

晶文社 (2024.9)

中学2年生のあきらは、先天性の筋肉の病気で、人工呼吸器をつけてベッドで日々を過ごす。天気予報オタクの彼が空をよく見られるように、家族は天窓を作った。窓から望む空に思いをはせる彼は、憧れの気象予報士の勉強を始める。前向きなあきらと応援する家族の姿を温かく描く。少年の夢を励ますような空の青さが印象的だ。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

おちば(ほるぷ創作絵本)

おーなり 由子/ぶん ・ はた こうしろう/え

ほるぷ出版 (2024.9)

男の子が全身で落ち葉遊びを楽しむ様子を、あざやかな色彩で描く。森で落ち葉を見つけ、集めて両腕でかかえ「それっ!」とまき散らした。次はもっとたくさんかき集め、大きな山を作って飛び込んだ。画面いっぱいに広がる色とりどりの葉や、落ち葉のこすれる音、土の匂いなど、自然の美しさを五感でたっぷり味わえる絵本だ。(幼児から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

おかおあらうのみーせて(講談社の幼児えほん)

もりと いずみ/作 ・ きくち ちき/絵

講談社 (2024.8)

「ねぇ かえるさん おかお あらうの みーせて」かえるは「ぱしゃ」と顔を洗う。ねずみは「ぱしゃ ぱしゃ ぱしゃ ぱしゃ」と何度も洗い、ぞうは「ぱっしゃー」と豪快に洗う。動物たちが気持ちよさそうに顔を洗う場面が繰り返され、真似したくなる。淡い色調の水彩画でいきいきと描かれた動物たちの表情が愛らしい。(赤ちゃんから)

知識の本小学校中学年から

すごいトイレのはなし -1万以上の便器をみがきつづけて。-

佐藤 満春/著 ・ 伊藤 ハムスター/絵

Gakken (2024.8)

「トイレ大好き芸人」の著者が、豊富な写真や図を交えてトイレの知識を語る。便器の進化や掃除のコツ、流されたものの行方、災害時の問題など、多角的な視点で解説され、毎日使うトイレの面白さと意外な奥深さに驚かされる。ウォシュレットの名前の由来や外国のトイレの豆知識など、トリビアやクイズもあり楽しく読める。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

うちのキチント星人(ものがたりの庭)

佐藤 まどか/作 ・ 中田 いくみ/絵

フレーベル館 (2024.7)

4年生の千歌(ちか)はおおざっぱな性格だ。彼女ははとこで同級生のあっくんと一緒に暮らすことになるが、彼はブドウをナイフとフォークで食べるくらいの「キチント星人」だった。千歌があっくんの細やかな気配りに気づき、正反対の性格の2人が歩み寄っていく姿を丁寧に描く。お互いに個性を認め合えるようになる結末が爽やかだ。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

消えた校長先生(ジュニア文学館)

西村 友里/作 ・ 大庭 賢哉/絵

Gakken (2024.7)

暗闇が怖い4年生の潤也は、2泊3日の野外学習に不安を感じていた。彼は、手に入れたお守り札の残り半分をもらうために校長先生を探すが、声をかけようとするたびに先生はどこかに消えてしまう。先生の行動を怪しんで想像を巡らす様子は、ほほえましい。苦手なことを乗り越えようと努力する少年の姿は、応援したくなる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

千両みかん -絵本で落語!-

もとした いづみ/文 ・ 長谷川 義史/絵

フレーベル館 (2024.7)

暑い夏の日、気の病で寝込んだ若旦那。聞くと季節外れのみかんを食べたいという。主人想いの番頭は町中を探し回りやっと1つ見つけるが、代金は千両だと言われてしまう。みかんを前に喜びの涙を流したり、値段に驚いたりする番頭の様子が、表情豊かに描かれ笑いを誘う。大阪弁の台詞が、上方落語の世界を軽妙に再現している。(小学校低学年から)

知識の本小学校低学年から

たいせつなたまご(コドモエのえほん)

キッチンミノル/著

白泉社 (2024.7)

たまごはどこからくるのかな。にわとりは1日に1つしかたまごを産まない。おいしいたまごを産むよう、養鶏場のひとは健康に気を配り大切に育てる。たまごが食卓に届くまでが働く人々の視点に立った写真と親しみやすい語り口で紹介され、身近な食べ物についてもっと知りたくなる。たまごを産み落とす瞬間の写真も印象的だ。(小学校低学年から)

物語小・高学年から

わたしのカレーな夏休み

谷口 雅美/著 ・ KOUME絵

講談社 (2024.6)

食いしん坊で嗅覚の鋭い5年生のハルカは、夏休みに大阪でカレー屋を営む叔父の家へ行く。そこで商店街に住む少年2人と出会い、イベントに出すお店の新メニューを考えることになった。予算や宗教上のタブーも考えながら、カレー作りに試行錯誤する姿をいきいきと描く。主人公が香り豊かに語る食べものの描写が食欲をそそる。(小・高学年から)

物語中学生から

あるいは誰かのユーウツ

天川 栄人/著

講談社 (2024.6)

第二次性徴期を経て心と身体の問題にぶつかる中学2年生の6人を描く、連作短編集。声変わりを受け入れられない合唱部の悠太。重い生理痛に悩まされているが、父子家庭で相談をためらうあかり。戸惑いながらも、自身の変化に向き合おうとする彼らの姿が共感を呼ぶ。それぞれが前を向き、一歩を踏み出す結末が爽やかだ。(中学生から)

知識の本小・低学年から

きょうりゅうのわかっていること・わかっていないこと(ShoPro Books)

国立科学博物館/監修 ・ 吉森太助絵

小学館集英社プロダクション (2024.6)

ティラノサウルスの腕はなぜ短い? トリケラトプスの首のまわりのフリルはなんのため? 日進月歩の恐竜研究だが、わからないこともまだまだ多い。答えのない事柄についても疑問を持ち、仮説をたて、考えを深めていく科学の方法を、簡潔な文章で伝える。恐竜の特徴を捉えたとぼけた味わいのある絵が、自由な発想を助ける。(小学校低学年から)

物語小・高学年から

エイ・エイ・オー! -ぼくが足軽だった夏-

佐々木 ひとみ/作 ・ 浮雲宇一絵

新日本出版社 (2024.6)

5年生の直紀は、観光PRを行う「奥州・仙台おもてなし集団 杜乃(もりの)武将隊」の「伊達政宗」から足軽役を頼まれた。地味な役に不満な直紀だったが、活動の意義や自分に頼んだ理由を聞いて、真剣に向き合うようになる。地域の人に勇気を与えようとがんばる少年の、ひと夏の成長を描く。武将隊としての最後の口上が心を打つ。(小学校高学年から)

知識の本小・中学年から

深海魚に会える海 -日本でいちばん深い海とそこにくらす生き物のひみつ-

堀口 和重/写真・文

フレーベル館 (2024.6)

静岡県大瀬崎海岸近くの浅い海では、深海魚が何種類も見つかる。日本一深い海、駿河湾に面している特別な地形や、深海魚の習性が関わっているからだ。漁の現場や深海魚を使った料理、魚と触れ合える施設等も紹介され、興味を誘う。水中カメラマンの著者が撮ったいきいきとした写真から、深海魚の迫力と港町の活気が伝わる。(小・中学年から)

詩・随筆・記録小・高学年から

待ってろ!甲子園 -青鳥特別支援学校ベースボール部の挑戦-

日比野 恭三/著

ポプラ社 (2024.6)

知的障がいのある高校生が通う青鳥特別支援学校は2024年、特別支援学校として全国で初めて単独チームで甲子園を目指す。元は球技部しかなかった学校で、指導者の久保田先生が部員を集め、練習を重ねる日々を描く。様々な特性をもつ少年たちがいきいきと野球に取り組む様子と、それを支え見守る大人たちの姿に胸が熱くなる。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

海 -ビーグル号で海たんけん-

高久 至/写真・文

アリス館 (2024.6)

日本の海は、海流と地形の関係で様々な表情を持つ。そんな海に魅せられた著者は、「ビーグル号」と名付けた車に乗って全国を旅する。各地で海に潜り、海中や干潟の様子、生物を間近で撮影し、日本の海の魅力を伝えると共に、環境問題にも触れる。美しい海の中で力強く生きる生物の姿を捉えた、迫力ある写真が印象的だ。(小学校中学年から)

物語小・中学年から

リリの思い出せないものがたり(GO!GO!ブックス 8)

たかどの ほうこ/作 ・ 高橋 和枝/絵

ポプラ社 (2024.6)

小学2年生のリリは、昔祖母の家であった出来事を思い出せずにいた。ある日、祖母の友人が作った「水玉ハンカチのものがたり」を聞く。ハンカチが色々な人に拾われるお話で、リリは幼い自分が見たのはその続きの情景だと気づく。現実と空想が混ざり合う世界を柔らかな挿絵と共に丁寧に描く。小さな幸せの連鎖に心が温まる。(小・中学年から)

絵本/絵童話幼児から

万次郎さんとすいか(こどものとも絵本)

本田 いづみ/ぶん ・ 北村 人/え

福音館書店 (2024.6)

万次郎さんの畑でできた大きなすいかは、持ち上げようにも重くて動かない。するとすいかは跳ね上がり、川に飛び込んだ。追いかけた万次郎さんも川に入り、見かけた村人たちも一緒にどんぶらこと流れていく。すいかを取り巻くにぎやかな夏の一日を、鮮やかなクレヨン画で描く。素朴で味わいのある絵がお話によく合っている。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

トガリネズミひみつのくらし(世界文化社のワンダー絵本)

六田 晴洋/写真・文

世界文化ワンダーグループ (2024.6)

北海道に生息するトウキョウトガリネズミは、体長5センチ程の世界最小の哺乳類だ。実はモグラの仲間で、約4時間何も食べないと死んでしまう。力強く虫を捕える様子や赤ちゃんの姿など、希少で謎の多い生態を躍動感のある鮮明な写真とやさしい文章で伝える。丸々太った冬の姿は夏とは全く違っていて、その変身ぶりに驚く。(小学校低学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

どこにいるの?

イヌイ マサノリ/作・絵

ひさかたチャイルド (2024.5)

ぞうさんがいるピンクの丘は、ぶたさんのせなか。そのぶたさんが立つ黄色の砂山は、らくださんのせなか。ページをめくるたびに視界は広がり、動物たちが積みあがって増えてゆく。はっきりとした色使いのシンプルな絵で、動物たちのユーモラスな表情が可愛らしい。次は何が出てくるのか、問いかけながら楽しめる絵本だ。(赤ちゃんから)

物語中学生から

6days遭難者たち

安田 夏菜/著

講談社 (2024.5)

4か月だけ登山部だった高校1年生の美玖(みく)は、初心者の同級生2人と日帰り登山に出掛ける。温泉に寄ろうと下山ルートを変更したところ、道を見失い遭難した。乏しい食糧に寒さ、けがなど状況が悪化する中で、3人は目を逸らしてきた自分の悩みに向き合おうとする。生還を目指す彼女らの奮闘と、友情を深める姿が印象的だ。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

ふるかなふるかな?(児童図書館・絵本の部屋)

キム ジョンソン/さく ・ せな あいこ/やく

評論社 (2024.5)

雨が降るのを待ちきれない少女と子犬は、レインコート、長靴、傘をしっかり身につけ外に出てみた。じっと待つが雨は降らず諦めかけたとき、ついに空から水が落ちてくる。なめて味見をしたりしずくの音を聞いたり、全力で楽しむ姿がほほえましい。柔らかなタッチの絵はおはなしの雰囲気に合っており、雨具の黄色が印象的だ。(幼児から)

物語小・高学年から

ラッキーボトル号の冒険

クリス・ウォーメル/作 ・  柳井 薫/訳

徳間書店 (2024.5)

船が難破し孤島に漂着した10歳のジャックは、先住者「ロビンソン」に助けられる。2人で島に眠る海賊の宝を探す中、魔術書を見つけた。魔法の薬で体を縮め瓶に乗り込み、少年は故郷を目指す。漂流に宝探し、魔法が盛り込まれた、心沸き立つ冒険物語だ。孤島暮らしの中で男と少年が友情を育む姿に、胸が熱くなる。(小・高学年から)

物語小学校低学年から

となりのじいちゃんかんさつにっき

ななもり さちこ/作 ・ たまゑ/絵

理論社 (2024.5)

ようたは観察日記をつけるはずのあさがおを枯らしてしまう。こっそり隣家の庭に咲くあさがおを観察していたが、そこには河童のような洗濯物を干す怪しいおじいさんがいた。お年寄り専門のお助けヒーローをしている、実は人情家のおじいさんと少年の交流に心が温まる。ユーモラスなイラストが物語の楽しい雰囲気に合っている。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

うんこ虫を追え(たくさんのふしぎ傑作集)

舘野 鴻/文・絵

福音館書店 (2024.5)

美しく輝くオオセンチコガネはうんこが大好物。土の中にうんこの玉を作りそこに卵を産む。しかし、卵から成虫になるまでの様子は知られていない。彼らの生態を解明すべく、著者が自ら飼育しながら調査し、その過程を写実的な絵で描いた知識絵本だ。仮説を検証し、失敗を重ね、新たな謎に挑む研究の面白さがよく伝わる。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

ふろふき大根のゆうべ(安房直子絵ぶんこ 1)

安房 直子/文 ・ アヤ井 アキコ/絵

あすなろ書房 (2024.4)

峠の茶店を営む茂平は、山中でほっかむりをした大いのししに出会う。大根をあげるとお礼にふろふき大根のゆうべに招待される。集まったいのししたちと鍋を囲むと、白い湯気の中に鳥や百合、雲などが浮かんできた。人と動物の交流を、ゆったりとした会話と柔らかいタッチの水彩画で温かく描く。著者が残した数多くの童話の中からとりあげ、読みやすい絵童話としたシリーズだ。空想上の孫が老女を訪れる『遠い野ばらの村』、老人とタヌキがおでんの屋台を引く『雪窓』など全9巻。各巻で絵の描き手が異なり、どれも物語の雰囲気に合う。(小学校低学年から)

物語中学生から

スラムに水は流れない

ヴァルシャ・バジャージ/著 ・ 村上 利佳/訳

あすなろ書房 (2024.4)

12歳の少女ミンニが住むムンバイのスラムには、十分に水が供給されていない。マフィアが水を盗む現場を目撃したため命を狙われた兄を守ろうと、少女は知恵を絞り、彼らを告発しようと奮闘する。未だカースト制が残るインドで苦境に立ちながらも、周囲の人々に支えられ、自分の道を拓いて力強く歩むミンニの姿が、胸を打つ。(中学生から)

物語小学校高学年から

再会の日に

中山 聖子/作

岩崎書店 (2024.4)

両親が離婚したため、6年生の陽架(はるか)は母と、妹の未怜(みれい)は父と暮らしている。おばの入院を機に、陽架は未怜に会いに行く。3年半ぶりに再会した姉妹が、戸惑いながらも思いをぶつけ合うことで、次第に心を通わせていく姿を丁寧に描く。一度ばらばらになった家族が再び歩み寄る結末は、希望を感じさせ、静かに胸を打つ。(小学校高学年から)

詩・ずいひつ・記録小学校高学年から

おとうとのねじまきパン -ずっとむかし、満州という国であったこと-

高橋 うらら/著

合同出版 (2024.4)

1932年、日本は中国大陸に満州国を作った。和子は4歳で家族と移住するが、次第に戦況が悪化してゆく。和子が13歳の時、結核を患う弟が砂糖を食べたいと望む。彼女がようやく見つけたのは、甘いねじまきパンだった。当事者への取材を基に、人々が懸命に生き抜く姿を丁寧に描く。写真や地図が豊富で、時代背景を理解しやすい。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語幼児から

こいぬをつれたかりうど -中国の昔話-(こどものとも絵本)

牧野 夏子/再話 ・ 佐々木 マキ/絵

福音館書店 (2024.4)

年老いた狩人は、いつも鉄砲を持たずに狩りに行く。相棒の子犬には、毎日ゴマ油を飲ませ、ゴマ油で体を洗ってやっていた。ある日、トラ退治を頼まれた老人は、いつもどおり子犬だけをつれて山に入っていく。ゴマ油がトラ退治の鍵となる展開がユーモラスだ。とぼけた味わいのある絵が、中国の奇想天外なお話を引き立てる。(幼児から)

知識の本小学校高学年から

ブロックでなんでもつくる!ビルダーの頭の中(みんなの研究)

三井 淳平/[著]

偕成社 (2024.4)

レゴ認定プロビルダーの著者が、作品と制作過程を解説する。例えば北斎の浮世絵「神奈川沖浪裏」をブロックで作る際には、巨大波に関する研究論文を読み、波の動画を見て立体的な動きをイメージしてスケッチを描いた。作品ごとに変わる制作方法のユニークさに驚かされる。「好き」を仕事にするためのヒントが詰まった一冊。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

アチケと天のじゃがいも畑 -ペルーのむかしばなし-

宇野 和美/文 ・ 飯野 和好/絵

BL出版 (2024.3)

お腹を空かせた姉弟が招き入れられたのは、魔女アチケの家だった。コンドルやピューマに助けられ逃げ延びた2人は、天のじゃがいも畑にたどり着き、魔女は地に落ちて山になった。アンデスの岩山の成り立ちと、貴重な栄養源にまつわる昔話絵本だ。アチケと動物の対決が力強い筆致で描かれ、その迫力にハラハラさせられる。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

ロボットのたまごをひろったら(ノベルズ・エクスプレス 56)

奈雅月 ありす/作 ・ 酒井 以/絵

ポプラ社 (2024.3)

6年生の巧(こう)は物知りだが、人の気持ちに関心がない。ある日、同級生2人が箱を拾うが、それはロボットの赤ちゃんだった。一緒に面倒を見ることになった3人が、衝突しながら友情を育む姿をいきいきと描く。ロボットを狙う大人たちからの逃走劇は臨場感たっぷりだ。少年たちがロボットへの愛情を深めていく様子に、心温まる。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

いろ・いろ -色覚と進化のひみつ-

川端 裕人/作 ・ 中垣 ゆたか/絵

講談社 (2024.3)

色は目と脳のはたらきで頭の中に感じるものだ。色の見え方は人類の進化と共に変化し、その過程で赤と緑が近い色に見える「進化型」の人たちが生まれた。100人に数人の彼らが見ている世界と多数派の見え方を、わかりやすい絵で対比し紹介する。色覚多様性への理解が深まり、誰もが見やすい環境づくりを考えるきっかけになる。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

シロツメクサはともだち

鈴木 純/著

ブロンズ新社 (2024.3)

シロツメクサの花は、実はたくさんの小さい花が集まっている。その小さな花の中に種ができ、発芽し、色々な形や模様の葉が出てくる。茎は地面をはうように広がり、そこから根がのびる。シロツメクサの構造とその生態を、植物観察家がやさしい文章と鮮明な写真で解説する。自分でも身近な花を分解して観察してみたくなる。(小学校低学年から)

絵本・絵童話幼児から

すごいぜほんのちからって! -モーリスのおうちはライブラリー-

ディディエ・レヴィ/ぶん ・ ロレンツォ・サンジョ/え

イマジネイション・プラス (2024.2)

ネコのモーリスは本を読み聞かせることでネズミを集め、食べる作戦を立てた。しかし面白い本には一緒に笑い、退屈な本だと共に寝てしまい、ちっとも食べることができない。本をきっかけに天敵同士の関係が変化してゆく様子がほほえましい。有名映画や物語の絵がさりげなくちりばめられ、思わず細部まで見入ってしまう。(幼児から)

物語小学校高学年から

ボンジュール,トゥール

ハン ユンソブ/作 ・ キム ジナ/絵

影書房 (2024.2)

12歳の韓国人ボンジュは、フランスのトゥールに引っ越してきた。彼は自分の部屋で「愛するわが祖国」というハングルの落書きを見つける。書き手を探してたどり着いたのは、複雑な出自を持つ同級生のトシだった。国籍や偏見を超え、友情を深める2人の姿が感動的な物語だ。テンポのよい謎解きのような展開に引き込まれる。(小学校高学年から)

絵本・絵童話幼児から

りんごりらっぱ(こどものとも絵本)

あべ けんじ/作

福音館書店 (2024.2)

リンゴが1つ。そこにゴリラがやってきて「りんごりら」。ラッパも加わり「りんごりらっぱ」、さらにはパンダで「りんごりらっぱんだ」。動物やものが次々に登場し、どんどん言葉がつながっていく。はっきりした色合いとシンプルな造形のステンシル版画の絵が愛らしい。声に出して読みたくなる、楽しいしりとり遊びの絵本だ。(幼児から)

物語小学校低学年から

ふしぎなフーセンガム(わくわくえどうわ)

麻生 かづこ/作 ・ くすはら 順子/絵

文研出版 (2024.1)

指あみの好きな小学2年生のじゅんは、周りから男の子らしくないといわれている。なりたいものになれるガムで女の子に変身したじゅんは、「やまんばみこ」と呼ばれる同級生と遊ぶ。自分の気持ちに正直な彼女の姿に勇気づけられ、自身を認めるようになる少年の姿をいきいきと描く。自分らしく生きることの大切さが伝わる。(小学校低学年から)

絵本・絵童話幼児から

ネコになりたかったクモのルイージ

ミシェル・ヌードセン/さく ・ ケビン・ホークス/え

岩崎書店 (2024.1)

毛がもじゃもじゃのクモが住み着いたのは、こネコを飼いたいおばさんの家だった。ルイージと名付けられたクモは足をたたみ、ねこじゃらしで遊ぶなどネコになりきろうとする。温かい色調と柔らかいタッチの絵で、2人が少しずつ心を通わせていく様子を丁寧に描く。おばさんを喜ばせようとするルイージの健気さに心が和む。(幼児から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

ねえねえ、きょうのおはなしは… -世界の楽しいむかしばなし-

大塚 勇三/再話・訳 ・ PEIACO/画

福音館書店 (2024.1)

多くの海外児童文学の翻訳を手がけた大塚勇三。彼が日本の子どもたちに紹介してきた昔話の中から、言葉をかけるとおかゆを煮る鍋が騒動を起こす「おいしいおかゆ」など、20話を紹介する。やさしい言葉で語られるお話は、読者を物語の世界へ引き込み、想像力がかきたてられる。自分で読んでも、読んでもらっても楽しめる。(小学校中学年から)

知識の本小学校高学年から

石は元素の案内人(たくさんのふしぎ傑作集)

田中 陵二/文・写真

福音館書店 (2024.1)

自然界のすべては90種類の元素でできている。元素はそれ以上分けられない小さな粒のことだ。孔雀(くじゃく)石(いし)を熱して銅の元素を取り出したり、岩塩を原子になるまで割って電子顕微鏡で観察したり、様々な実験を平易な言葉と豊富な図版で紹介する。黒地のページに色鮮やかな鉱物や結晶の写真が映え、美しさと不思議さに魅了される。(小学校高学年から)

絵本・絵童話小学校低学年から

パパはたいちょうさんわたしはガイドさん

ゴンサロ・モウレ/作 ・ マリア・ヒロン/絵

PHP研究所 (2024.1)

目の見えないパパとかすかに見える娘は、学校まで手をつないで歩く。2人にとってその道のりは、光と影と音のジャングルだ。街を走る車をライオンやパンダに、横断歩道を大きな川に見立てて通学する様子を、娘の視点で描く。親子が見ている世界を色鮮やかな動物たちで表し、互いへの信頼と愛情を温かみのある絵で伝える。(小学校低学年から)

知識の本小学校低学年から

ゾウのはなのあなは、どこまでつづいているの?

中山 信一/え ・ 高岡 昌江/ぶん

あすなろ書房 (2023.12)

ゾウの鼻は長いが、中のつくりは人間と似ている。しかしその役割は、においを感じるだけでなく、水を貯えたり、仲間とあいさつをしたりと多岐にわたる。ゾウの鼻のしくみを易しい文章と明快な絵で解説する。鼻の扱いが不器用な天王寺動物園の雌ゾウの話では、孤独な彼女の育ちに思いを寄せる著者のエピソードに心温まる。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

今日もピアノ・ピアーノ(ティーンズ文学館)

有本 綾/作 ・ 今日 マチ子/絵

Gakken (2023.12)

6年生の海斗は、駅のストリートピアノを弾くおじいさんと出会う。美しい演奏に感動してピアノを教わることにした海斗は、彼の孫でバイオリンを弾く少女と2人で演奏会をすることになった。塾も習い事も中途半端だった少年が、主体的に行動するようになるまでを描く。つまずきながらも地道に努力を積み重ねる姿がまぶしい。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

わたしに続く道

山本 悦子/作 ・ 佐藤 真紀子/絵

金の星社 (2023.11)

日本とケニアの血を引く5年生のリイマ。級友から黒人と言われ、自分は日本人だという確信が揺らぐ中、ケニア旅行に行くことになる。旅を通して多様な価値観に触れ、自分を見つめ直していく様子を、彼女の一人称で丁寧につづる。ルーツを知って自分自身を受け入れられるようになる少女の姿に、勇気づけられる。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

いろんないきものかぞくのカタチ

澤口 たまみ/文 ・ たしろ ちさと/絵

福音館書店 (2023.11)

コウテイペンギンのお父さんは、ミルクのような液を出して子どもに与える。クマのお母さんは、秋に十分食べられた時だけ出産をする。5種類の動物の子育ての様子が温かみのある文章と写実的なカラーイラストで紹介され、絵本のように楽しめる。巻末の解説も明快で、動物の不思議な生態について、さらに理解を深められる。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

サンタクロースは空飛ぶ宅配便ではありません

市川 宣子/作 ・ 高橋 和枝/絵

ポプラ社 (2023.1)

4年生の黒須三太(くろすさんた)の前にトナカイのルドルフが現れ、消えたサンタクロースの代理の1人として、この町を担当するようにと言う。三太は友だちと協力し、子どもたちを喜ばせようと知恵を絞る。クリスマス本部が送りつけてきたプレゼントをただ配るのではなく、ひとりひとりを思って贈り物を選ぶ三太たちの姿に、心が温まる。(小学校中学年から)

歴史・伝記物語小学校中学年から

名探偵ホームズが生まれた日

リンダ・ベイリー/文 ・ イザベル・フォラス/絵

光村教育図書 (2023.1)

小さい頃から物語が好きだったアーサーは、医者になってからも、暇な時間に小説を書いていた。しかし彼が創作した名探偵ホームズは人気が出すぎて、書きたい歴史物語に割く時間が無くなってしまう。ホームズを創造したアーサー・コナン・ドイルの型破りな人生をユーモラスに紹介する伝記絵本。シックな色調の絵も魅力的だ。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

ネコはとってもいそがしい(くもんの児童文学)

吉野 万理子/作 ・ 森田 るり/絵

くもん出版 (2023.1)

小学1年生のターくんの家の飼い猫チャオ。みんなに寝てばかりと思われているが、夜になると電化製品たちとおしゃべりしたり、近所の猫とネコビームで交信したりと忙しい。ターくんの悪夢に入り、一緒に大切なものを取り返したりもする。一夜の冒険が猫の目線で描かれる。カラフルな挿絵が読者を不思議な体験の世界に誘う。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

しごとをみつけたサンタさん

スティーヴン・クレンスキー/さく ・ S.D.シンドラー/え

好学社 (2023.1)

サンタさんは若い頃、煙突掃除や郵便配達、動物園などの仕事に精を出すが、どれもうまくいかずクビになる。職を転々とするうちに、彼はトナカイや小人と仲良くなる。それまでの経験を生かして、サンタがプレゼントを配るようになるまでをユーモラスに描く。町の人々や動物が表情豊かで笑いを誘う、楽しいクリスマス絵本だ。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

ポコタのきのみ

しもかわら ゆみ/作

世界文化ブックス (2023.1)

木の実がいっぱいの森で動物たちは冬支度。たぬきのポコタは、りすやねずみを真似て木の実を埋めるが、場所を覚えられず落ち込む。けれど、たくさん食べて栄養を蓄えられるポコタもすごいよ、とりすたちが言った。個性を認め合う彼らの姿に心温まり、写実的な絵からは自然の美しさや動物の柔らかな毛並みまでも感じられる。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

さようならプラスチック・ストロー

ディー・ロミート/文 ・ ズユェ・チェン/絵

光村教育図書 (2023.9)

ビールのかすをよけて飲むため、古代人が植物の茎を使ったのが、ストローの始まりだ。現在に至るまでの素材の変遷をたどる。海洋汚染の一因となるプラスチック・ストローの削減を訴えつつ、病院などで必要な場面があることにも触れ、環境問題を考える際に多面的な切り口を提供する。各時代の雰囲気を伝える絵も魅力的だ。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

六歳の俳句 -孫娘とじっちゃんの十七音日記-

かとう ゆみ/著 ・ 加藤 宙/著

光文社 (2023.9)

ゆみちゃんは、彼女のことを詠んだ祖父の受賞句をきっかけに俳句に興味を持った。祖父に教わり小学1年生から作り始めた俳句を紹介しながら、その背景も日記風につづる。妹の誕生からウクライナの戦争まで、自由な感性にあふれた句に驚かされると同時に、親しみがわく。季語などのルールも解説され、一句詠んでみたくなる。(小学校中学年から)

歴史・伝記物語小学校中学年から

その絵ときたら! -新しい絵本の時代をつくったコールデコット-

ミシェル・マーケル/文 ・ バーバラ・マクリントック/絵

ほるぷ出版 (2023.9)

1846年英国に生まれたコールデコットは絵本の賞にも名を冠する著名な画家だ。文章がなくても物語が伝わる躍動感あふれる描写は、それまでの動きの少ない絵本の概念を一新した。絵本の新時代を創った彼の足跡を温かみのある色彩の絵でいきいきと紹介する。コールデコット自身の絵も散りばめられ、注記や解説も充実している。(小学校中学年から)

物語中学生から

杉森くんを殺すには(くもんの児童文学)

長谷川 まりる/作 ・ おさつ/装画・挿絵

くもん出版 (2023.9)

高校1年生のヒロは親友の杉森くんを殺すことにした。兄に電話で相談すると、裁判所で話せるように殺す理由をまとめておくよう言われた。助言のとおり実践するうちに自分の内面と向きあうようになる少女の姿を、細やかに描く。物騒な題名と計画の裏に隠された真相が章を追うごとに明かされ、その鮮やかな展開に目が離せない。(中学生から)

よみつがれてきた物語小学校高学年から

しかばねの物語 -チベットのむかしばなし-

星 泉/編訳 ・ 蔵西/絵

のら書店 (2023.9)

青年は、幸いを運ぶしかばねを一言も発さずに連れてくるよう命じられた。しかし、しかばねが語る物語の面白さについ言葉を発してしまい、しかばねは墓場に帰ってしまう。連れ戻すたびに違う物語を聞かされ、そのおかげで読者は愉快で不思議な昔話12編を楽しめる。物語の成り立ちや背景も丁寧に解説され、理解を助ける。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

アンナの戦争 -キンダートランスポートの少女の物語-

ヘレン・ピーターズ/作 ・ 尾崎 愛子/訳

偕成社 (2023.9)

第二次大戦前夜、12歳のアンナはナチのユダヤ人迫害を避け、子どもを対象とした国際救援活動キンダートランスポートの助けでドイツを脱出した。英国で理解ある里親に引き取られるが、ホームシックや地元民の偏見に苦しむ。史実をふまえ、戦争に翻弄される難民の少女の苦闘をいきいきと描く。戦時下の暮らしの描写も丁寧だ。(小学校高学年から)

知識の本小学校高学年から

林にかくれるキリンを追う -もっと知りたい野生の姿-(くもんジュニアサイエンス)

齋藤 美保/著 ・ タカギ ノネ/画

くもん出版 (2023.8)

著者はタンザニアで野生キリンの研究をしている。キリンの集団の子育ての様子を、各個体の模様をスケッチして判別し、徒歩で追って観察する。五感を駆使したフィールドワークを明快な文章で解説し、研究の厳しさや面白さを伝える。カラー写真とイラストからは、動物園では見られないキリンの姿を知ることができ興味深い。(小学校高学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

小泉八雲と妖怪(日本の伝記 知のパイオニア)

小泉 凡/著

玉川大学出版部 (2023.8)

明治時代に欧州から米国を経て来日したラフカディオ・ハーンは、帰化して小泉八雲と名乗った。自然や異界を畏敬し共生することを重んじたその生涯を、孫である著者が一人称形式で描く。異文化との出合いの喜びが、本人が語るように鮮やかに伝わってくる。「雪女」「耳なし芳一」等、彼の出会った民話も挿入され、楽しめる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ねずみ3きょうだいおつかいロボだいさくせん

こすぎ さなえ/作 ・ 出口 かずみ/絵

教育画劇 (2023.8)

兄ねずみは食いしん坊な弟ねずみにりんごを買ってやりたいが、天敵の猫たちが邪魔をする。そこで、特技の工作とプログラミングで、試行錯誤しておつかいロボットを開発した。自動で買い物する機能や、水鉄砲などの武器を仕込み、知恵と工夫で猫を出し抜く様子が愉快だ。コミカルで表情豊かな絵も、お話の雰囲気に合っている。(小学校低学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

生まれかわるヒロシマの折り鶴

佐藤 真澄/著

汐文社 (2023.8)

平和公園の「原爆の子の像」には、年間約1千万羽の折り鶴がささげられる。量が多いため永久保存は難しく、鶴に込められた思いを大切に、単なる保存ではなく「活用」するアイデアを市民から募った。再生紙化や追悼行事等、平和への願いを形にしようと試行錯誤する人々の姿に心打たれる。本書にも再生紙が一部使われている。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

うかぶかな?しずむかな?(かがくすっ)

川村 康文/文 ・ 遠藤 宏/写真

岩崎書店 (2023.8)

身の周りの物を水の中に入れてみよう。重いかぼちゃが浮かび、にんじんは沈んだ。丸めた粘土は沈むが、平たく伸ばすとどうだろう。野菜やおもちゃを次々と水槽に入れるという手軽な実験を、鮮やかな色彩の明解な写真で紹介する。重さや形からは想像がつかない意外な結果に好奇心をくすぐられ、自分でも試してみたくなる。(幼児から)

歴史・伝記物語小学校中学年から

心をひらいて、音をかんじて -耳のきこえない打楽器奏者エヴェリン・グレニー-

シャノン・ストッカー/文 ・ デヴォン・ホルズワース/絵

光村教育図書 (2023.7)

英国の少女エヴェリンは、中学生の頃までに聴力をほぼ失った。音楽家になりたかった彼女は打楽器と出会い、楽器が発する振動から音を全身で感じ取れることを知る。夢を諦めなかった彼女が世界的な打楽器奏者になるまでを、音楽が聞こえてきそうな色彩豊かな絵で描く。柔軟な心と強い意志で人生を切り開く彼女に勇気づけられる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

アゲイン(フレーベル館文学の森)

あんず ゆき/作 ・ 丹下 京子/絵

フレーベル館 (2023.7)

6年生のアオイは父のカレー店が休業し、将来に不安を抱えていた。ある日級友のカンナがフードバンク兼子ども食堂「アゲイン」を利用していると知り、一緒に通うようになる。何事も人任せの少女が、子ども食堂を手伝うことで主体的に行動するようになる姿をテンポよく描く。食品ロスや貧困などの問題を身近に感じられる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

図書館がくれた宝物

ケイト・アルバス/作 ・ 櫛田 理絵/訳

徳間書店 (2023.7)

戦火の迫る1940年のロンドンで親代わりの祖母を亡くした3兄妹は、学童疎開先で後見人を探すことにした。慣れない田舎でいじめやひもじさに苦しむが、図書館と優しい司書が本好きな3人の心の支えとなる。個性豊かな兄妹の三者三様な読書の様子が興味深い。辛い状況でも協力し健気に生き抜く子どもたちの姿に胸を打たれる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ねぞうプロレス

ひらぎ みつえ/作・絵

教育画劇 (2023.7)

ひろくんの寝相はとてつもない。最初は川の字に寝ていても、おとうさんおかあさんに、眠りながらキック!ブリッジ!幼児が縦横無尽に動き回る様子をプロレス実況風に伝える。明るい色とシンプルな線で、仲良し家族の日常の一コマをほほえましく描く。寝ぼけまなこで子どもを布団に戻す両親の、慣れた手つきに愛情がにじむ。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

錦鯉を創る -新潟から世界へ-(小学館の図鑑NEOの科学絵本)

松沢 陽士/写真と文

小学館 (2023.7)

錦鯉は、新潟県の雪深い集落で誕生した観賞魚だ。代々錦鯉を育てる家に生まれた和田卓さんは、誰も見たことのない模様の錦鯉を創りたいと考え、異なる品種同士で交配を試みる。飼育の過程や工夫、土地のおもむき、関わる人々の表情を、躍動感のある鮮やかな写真で紹介する。世界を魅了する錦鯉の誕生にわくわくさせられる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

わたしのおにいちゃん!

くすのき しげのり/作 ・ 大島 妙子/絵

光村教育図書 (2023.6)

終業式の日、学校から持ち帰る荷物は山のようにある。手伝ってもらおうと、ユキは兄を待ち受ける。「おもい」「てがいたい」と何度も兄に甘える妹と、少し困った気持ちをぐっと飲みこみ頑張る兄とのやりとりが、関西弁でテンポよく描かれる。表情豊かな絵と柔らかい色調で、夏休みを迎える高揚感と暑さ全開の空気感をよく伝える。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

宿場町の一日(講談社の創作絵本)

いわた 慎二郎/作・絵

講談社 (2023.6)

江戸時代の宿場町の一日を、時間軸に沿って描く。見開きページの隅々までが、宿の構造や旅の道具、調理風景、入浴などの明快な絵による紹介で埋めつくされた一冊だ。宿代のほか、茶屋の茶や串団子、髪ゆいの値段も、今のお金にも換算して書かれており、町歩き気分が味わえる。この時代に暮らす人々の風景が垣間見えて面白い。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ひと箱本屋とひみつの友だち

赤羽 じゅんこ/作 ・ はらぐち あつこ/絵

さ・え・ら書房 (2023.6)

5年生の朱莉(あかり)は「ひと箱本屋カフェ」で自作の本を売る6年生の理々亜と出会い、意気投合する。一緒に行った夏祭りで、車いすの理々亜はトラブルに遭い、以後音信不通になる。友だちでいるために、2人が周囲の協力を得つつ奮闘する様子をいきいきと描く。心のバリアフリーや社会のあり方についても、多面的に描かれている。(小学校高学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

マララ・ユスフザイ -1冊の本、1本のペンで世界を変える!-

リサ・ウィリアムソン/著 ・ マイク・スミス/絵

文溪堂 (2023.6)

女子教育の権利を主張し、15歳でタリバンに銃撃されるも奇跡的に生還したマララ。勇敢に活動し伝え続ける彼女を、パキスタンの歴史や社会状況も交えて紹介する。平易な文章とほぼ全ページにあるコミカルなイラストが親しみやすく、理解を助ける。家族との関係や、流行の音楽を楽しむ普通の女の子らしい一面も描かれ印象的だ。(小学校高学年から)

物語中学生から

虹色のパズル(文研じゅべにーるYA)

天川 栄人/作 ・ トミイ マサコ/画

文研出版 (2023.6)

中学2年生の琴子は、夏休み、初対面のゲイの叔父と暮らすことになった。彼女が新たな出会いを重ね、多様な生き方や個性について考えを深めていく様子をテンポよく描く。理科や数学が好きな自分を押し殺してきた少女が、ありのままの自分を認め、気持ちを素直に出せるようになる成長が鮮やかで、爽やかな読後感を生む。(中学生から)

歴史・伝記物語小学校中学年から

ユキエとくま(山烋のえほん)

アリーチェ・ケッレル/文 ・ はせがわ まき/絵

工学図書 (2023.6)

大正期、アイヌ文化の継承に尽くした知里幸恵の生涯を描く。ユキエは、動物の声色を織り交ぜたアイヌの歌物語を聞いて育った。物語を記録すべく訪れた学者と出会ったことから、文字のないアイヌ語をローマ字で写し、日本語に翻訳する。大きな仕事をやり遂げて19歳で逝った彼女の心情を、幻想的な絵と一人称の文で表現する。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

黒部の谷の小さな山小屋

星野 秀樹/写真・文

アリス館 (2023.5)

阿曽原(あぞはら)温泉小屋は、7月から10月の間だけ開設される山小屋だ。雪崩の被害を避けるため、毎年11月には小屋を解体し、6月に建て直す。山小屋で働く人々が山道の修理や登山者の救助をも行うこともわかりやすく紹介されている。山の美しさや厳しさ、登山者と心を交わす喜びが、構図や配置に工夫を凝らした写真からよく伝わる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

かげふみ

朽木 祥/作 ・ 網中 いづる/挿画

光村図書出版 (2023.5)

夏休みに広島へ遊びに来た5年生の拓海は、不思議な少女に出会う。原爆が街に残した痕跡を知った彼は、少女が図書室で影を見つける話を探している理由に気付く。素直な心で戦争の悲しみを受け止める拓海の姿を、透明感あふれる筆致で描く。広島が舞台の短編「たずねびと」も収録。かけがえのない平和と命に思いを寄せる2編だ。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

ホッキョククジラのボウ -200年のたび-

アレックス・ボースマ/作・絵 ・ ニック・パイエンソン/作

小学館 (2023.5)

本ホッキョククジラのボウは200年前、静かな北の海で生まれた。捕鯨船や潜水艦、プラスチックごみなど、ボウが生きる環境を脅かすものは次々と変わっていく。海洋のさまざまな変化を、200年生きると言われるクジラの女の子の視点でわかりやすく描く。抒情的でありつつ親しみやすい絵に、地球の過去と未来を考えさせられる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

おじいちゃんのくしゃみ(日本傑作絵本シリーズ)

阿部 結/[作]

福音館書店 (2023.5)

おじいちゃんのくしゃみは大きすぎて大迷惑だ。くしゃみで木の上のりんごを落としたり、空を飛んだりできるんだとおじいちゃんは言うが、孫娘は信じない。とぼけた祖父と、しっかり者の孫娘とのやりとりが楽しい絵本だ。明るく表情豊かな絵にはユーモアがあふれ、ダイナミックなくしゃみの描写には、つい笑ってしまう。(幼児から)

詩・随筆・記録小学校低学年から

おばけえんはすぐそこです(こどものとも絵本)

山崎 るり子/詩 ・ 石黒 亜矢子/絵

福音館書店 (2023.5)

カッパやおにたちが通うおばけえんの愉快な生活を、15編の詩で紹介する。のっぺらぼうが昼寝中に顔に落書きされたり、おおにゅうどうが豪快な積み木遊びをしたり、毎日大騒ぎだ。おどろおどろしくもどこか可愛らしい絵に、「あいうえ おにが かきくけ こけた」といったリズミカルな詩が添えられ、おばけに親しみがわく。(小学校低学年から)

知識の本小学校低学年から

せかいの「ありがとう」(せかいのあいさつ)

こが ようこ/文 ・ 下田 昌克/絵

童心社 (2023.4)

6つの国の子どもたちが、それぞれの言葉で「ありがとう」を言う。ドイツでは入学を祝ってくれた家族に、フィリピンではおやつを分けてくれた友だちに感謝を伝える場面を紹介する。子どもたちの笑顔がいきいきと描かれ、読者も温かい気持ちで満たされる。各国の風習等も解説され、異文化への理解が深まる知識絵本だ。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ねこはわたしのまねばかり

クォン ユンドク/さく ・ キム ファン/やく

あかね書房 (2023.4)

机の下に隠れる時も花の匂いをかぐ時も、猫は私のまねをする。「でも、きょうからは…」。自分が猫をまねたなら、おじけづかない、こわくない。孤独な少女が外の世界に踏み出す姿を、独特の表現で描く。人間と三毛猫の同調する動きを巧みに捉えた絵からは、愛らしくもしなやかな強さが感じられる。装飾的な図柄も印象深い。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

ハーベスト

花里 真希/著

講談社 (2023.4)

朔弥(さくや)は話すことが苦手だ。中学校で、人と関わることが少ない園芸部を選んだ彼は、一見怖そうな西森くんと、周囲から浮いている帰国子女のアズサ先輩に出会う。花と野菜の寄せ植えのように、個性の違う3人が影響しあい、成長する姿を丁寧に描く。さりげなく支える先生たちの優しさにも、何度でもやり直せるよ、と励まされる。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

キャンピングカーのたび

みねお みつ/[作]

福音館書店 (2023.4)

ぼくとお父さんは小さなキャンピングカーで、星空のきれいなキャンプ場へ出かけた。旅の途中で大小様々なキャンピングカーと出あう。屋根につけたソーラーパネルや折り畳み式の机など、車ごとの工夫の数々が丁寧な文章で紹介される。明るく温かみのある絵で、車の内部の様子や自然の美しさが描かれ、旅行気分を味わえる。(幼児から)

物語小学校高学年から

ぼくは学校ハムスター 3 ハンフリーと模型の町

ベティ・G.バーニー/作 ・ 尾高 薫/訳

偕成社 (2023.4)

アメリカの小学校の教室で飼われることになったハムスターのハンフリーは、人間の言葉が分かる。週末になるとクラスの生徒たちや担任の先生の家で過ごし、そこで彼らの抱える悩みを知る。ハンフリーはケージからこっそり抜け出し、問題が解決するよう手助けをする。人間にはハムスターの言葉は分からないが、陽気で行動的な彼の存在に勇気づけられて、内気だった少女に親友ができたり、学校の清掃員の男性が素敵な女性に出会い結婚したりする。登場人物の境遇が丁寧に描かれ、それぞれの人生がより明るく変わってゆく様子に心が温まる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

紫禁城の秘密のともだち 3 龍のベッドで寝る少年

常 怡/作 ・ 小島 敬太/訳

偕成社 (2023.4)

北京に住む10歳の少女小雨(シャオユウ)は、母親が働く博物館の紫禁城で、放課後から夜まで過ごしている。ある日城でイヤリングを拾って以来、猫や鳥の言葉が分かるようになり、城に住む伝説の生き物たちとも話ができるようになった。タクシーになりたい天馬の手伝いをしたり、ハンサムな龍の子吻獣(ウェンショウ)に連れられて夏祭りに参加したり、小雨(シャオユウ)の冒険が始まる。世話好きな少女と、意外に現代の文化になじんでいる神獣たちとの軽快なやりとりが面白い。ユーモラスな挿絵が神獣の姿を伝え、物語の中で紹介される中国の伝説や文化が読者の興味を引く。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語幼児から

プッチェットのぼうし -イタリアのむかしばなし-

中脇 初枝/再話 ・ アヤ井 アキコ/絵

あすなろ書房 (2023.3)

プッチェットはぼうしをなくしてしまった。拾ったチョッケットは「ぼうしはパンと交換だ」、パン屋は「パンはミルクと交換だ」と言う。最後に海に風をお願いし、全員の欲しいものが一気にそろう結末が爽快だ。頼む相手と交換する物が増えていくゆかいな積みあげ話で、繰り返し言葉が耳に心地良い。素朴で優しい絵も魅力的だ。(幼児から)

物語小学校高学年から

西の果ての白馬

マイケル・モーパーゴ/作 ・ ないとう ふみこ/訳

徳間書店 (2023.3)

遭難しかけた少女が海辺の洞窟で不思議な男たちに出会う話、わなから助けた小人からお礼に魔法の白馬と種もみを授かった姉弟の話など、英国の西の果ての村が舞台の連作短編集。美しくも厳しい自然と、そこで妖精や魔法と共存する人々が印象深く描かれる。5つの物語を順に読み、精緻に編み上げられた世界を堪能してほしい。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ブックキャット -ネコのないしょの仕事!-

ポリー・フェイバー/作 ・ クララ・ヴリアミー/絵

徳間書店 (2023.3)

第二次大戦下の英国、空襲で家族を失った黒猫モーガンは、ある出版社に転がり込んだ。彼は倉庫のネズミを退治し、作家を励ます「ブックキャット」となり重宝される。田舎住まいの作家の家に疎開させようと、子猫たちに作家との付き合い方を伝授する彼の姿に心温まる。豊富な挿絵が魅力的な、実在の猫をモデルにした物語だ。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

聞いて聞いて! -音と耳のはなし-

高津 修/文 ・ 遠藤 義人/文

福音館書店 (2023.3)

音は震える空気の波だ。大きい音は強く、高い音は細かく震える。場所の広さによっても響き方が変わる。動物や楽器などが発する音の振動の数や速度の違いが、具体的な数字で示され興味深い。シンプルな描線と彩色が、目に見えないものの動きや存在感をうまく表現し、音が伝わる様子や、鼓膜と脳で認識する仕組みがよくわかる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

やぎのタミエはおかあさん

すけの あずさ/作

BL出版 (2023.3)

うちで飼っているやぎのタミエは、お腹に赤ちゃんがいる。こやぎが生まれるのを楽しみに、わたしとお姉ちゃんはタミエの世話を張り切る。朝早く、大きな鳴き声が聞こえてお産が始まった。著者の飼育経験をもとに、やぎの出産を臨場感たっぷりに描く。新しい命の誕生を心待ちにする、農家の小さな姉妹の姿が、微笑ましい。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ちいさなふたりのいえさがし(こどものとも絵本)

たかお ゆうこ/さく

福音館書店 (2023.3)

くるみの実に小さなおじいさんとおばあさんが住んでいた。ある日くるみが壊れたので、いちごで新しい家を作るが、暑くなるとひしゃげてしまった。くるみ、いちご、すいか、と季節に沿って家を住み替えていくさまが楽しい。明るい色調の絵には温かみがあり、家作りの細かい描写も面白い。2人のたくましさにも心ひかれる。(幼児から)

物語小学校高学年から

ぼくは学校ハムスター 2 カエルとぼくのふしぎな友情

ベティ・G.バーニー/作 ・ 尾高 薫/訳

偕成社 (2023.3)

アメリカの小学校の教室で飼われることになったハムスターのハンフリーは、人間の言葉が分かる。週末になるとクラスの生徒たちや担任の先生の家で過ごし、そこで彼らの抱える悩みを知る。ハンフリーはケージからこっそり抜け出し、問題が解決するよう手助けをする。人間にはハムスターの言葉は分からないが、陽気で行動的な彼の存在に勇気づけられて、内気だった少女に親友ができたり、学校の清掃員の男性が素敵な女性に出会い結婚したりする。登場人物の境遇が丁寧に描かれ、それぞれの人生がより明るく変わってゆく様子に心が温まる。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

そんなのうそだ!

ジーン・メリル/作 ・ 小宮 由/訳

岩波書店 (2023.2)

怠け者のサルとブタとキツネは、車で通りかかった金持ちのイヌの豪華な服が欲しくなり、ほら話の勝負を挑む。話に驚き「そんなのうそだ!」と言ったら負け、相手の家来にされてしまう。はたして最後に勝つのは誰か?勝者の賢さと鮮やかな幕切れに、拍手せずにはいられない。おかしな対決をユーモラスな挿絵が盛り上げる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

リジーと雲

テリー・ファン/作 ・ エリック・ファン/作

化学同人 (2023.2)

リジーは公園の雲売りから小さな雲を買った。彼女は雲にミロと名付け、懸命に世話をする。しかしミロは部屋より大きく育ち、一緒に暮らせなくなる。雲をペットにして家族のように愛する日々を、ファンタジックに物語り、共感を呼ぶ。黄色をアクセントにした優しいタッチの絵で、緻密に描き込まれた公園や建物も目に楽しい。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

おちびさんじゃないよ

マヤ・マイヤーズ/ぶん ・ ヘウォン・ユン/え

イマジネイション・プラス (2023.2)

何でもできるけれど身体が小さいテンちゃんは、「おちびさん」と呼ばれるのが大嫌いだ。転校生のマルくんが大きな子に「ちび」とからかわれて黙っているのを見て、勇気を出して声を上げる。小柄だが性格の違う2人の間に友情が生まれる様子を、テンちゃんの視点でユーモラスに描く。表情豊かな色鉛筆画の挿絵もお話に合う。(幼児から)

物語小学校高学年から

ぼくは学校ハムスター 1 ハンフリーは友だちがかり

ベティ・G.バーニー/作 ・ 尾高 薫/訳

偕成社 (2023.2)

アメリカの小学校の教室で飼われることになったハムスターのハンフリーは、人間の言葉が分かる。週末になるとクラスの生徒たちや担任の先生の家で過ごし、そこで彼らの抱える悩みを知る。ハンフリーはケージからこっそり抜け出し、問題が解決するよう手助けをする。人間にはハムスターの言葉は分からないが、陽気で行動的な彼の存在に勇気づけられて、内気だった少女に親友ができたり、学校の清掃員の男性が素敵な女性に出会い結婚したりする。登場人物の境遇が丁寧に描かれ、それぞれの人生がより明るく変わってゆく様子に心が温まる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

起業家フェリックスは12歳

アンドリュー・ノリス/著 ・ 千葉 茂樹/訳

あすなろ書房 (2023.2)

母親への誕生日カードをきっかけに、フェリックスは手作りカードのオンライン販売を思いつく。個性的な仲間やビジネスマンの叔父の協力で大成功したが、次第に売上は停滞し、チームに亀裂が入る。インターネット普及初期の中学生たちの挑戦と、友情や家族の関係をテンポよく描く。物語を楽しむうちに経済の知識も得られる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

はんぶんこ(0.1.2.えほん)

杜 今日子/さく

福音館書店 (2023.2)

ドーナッツ、焼いも、おにぎり、肉まん。見開きの真ん中にどんと置かれた食べ物が、次のページでざっくり割られて「はんぶんこ」。みんな半分にして「いただきます」。繰り返される言葉のリズムが心地よく、割ってみてわかる食べ物の色や形の変化も楽しい。柔らかい色調の絵が、分かち合う優しい気持ちをじんわりと伝える。(赤ちゃんから)

物語小学校高学年から

紫禁城の秘密のともだち 2 夏の夜の神獣列車

常 怡/作 ・ 小島 敬太/訳

偕成社 (2023.2)

北京に住む10歳の少女小雨(シャオユウ)は、母親が働く博物館の紫禁城で、放課後から夜まで過ごしている。ある日城でイヤリングを拾って以来、猫や鳥の言葉が分かるようになり、城に住む伝説の生き物たちとも話ができるようになった。タクシーになりたい天馬の手伝いをしたり、ハンサムな龍の子吻獣(ウェンショウ)に連れられて夏祭りに参加したり、小雨(シャオユウ)の冒険が始まる。世話好きな少女と、意外に現代の文化になじんでいる神獣たちとの軽快なやりとりが面白い。ユーモラスな挿絵が神獣の姿を伝え、物語の中で紹介される中国の伝説や文化が読者の興味を引く。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

オリヒメ -人と人をつなぐ分身ロボット-

吉藤 オリィ/著 ・ 加藤 悦子/文

子どもの未来社 (2023.1)

オリヒメは行きたいところに行けない人のための分身ロボットだ。体が不自由でも、目やあご等のわずかな動きで遠隔操作ができる。開発者の思いやロボット誕生までの軌跡、オリヒメが活躍するカフェや演劇などが豊富な写真で紹介され、興味を引く。最新の技術が孤立した人の社会参加を助け、生き方を広げるさまに感嘆する。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

草原が大好きダリアちゃん -ロシア連邦-(ともだちみつけた!)

長倉 洋海/著

アリス館 (2023.1)

5歳のダリアちゃん一家は、シベリアの草原をトナカイとともに移動しながら暮らす。厳しい冬はトナカイの皮のテントで過ごし、短い夏は色鮮やかな民族衣装を着てベリーを摘む。遊牧民の伝統的な暮らしぶりや、アニメに夢中になる現代的な一面もとらえた写真絵本だ。雄大な自然と、子どもたちの愛らしい表情に魅了される。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

エツコさん

昼田 弥子/作 ・ 光用 千春/絵

アリス館 (2022.12)

道に迷った6年生の樹(たつき)は、「エツコ先生」と呼ばれるおばあさんに案内してもらう。するとなぜか、引っ越す前の町の友人宅に行き着いた。認知症のエツコさんと5人の小学生の交流を、ほのぼのと描いた連作短編集だ。現在と思い出が交錯する中を生きるお年寄りの姿が繊細に描写され、記憶というものの不思議さが実感できる。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

カメラにうつらなかった真実 -3人の写真家が見た日系人収容所-

エリザベス・パートリッジ/文 ・ ローレン・タマキ/絵

徳間書店 (2022.12)

真珠湾攻撃後、アメリカ西海岸の日系人は強制収容所へ送られた。ドロシア・ラング、宮武東洋、アンセル・アダムスの3人による写真で、日系人に起きたことを解説する。豊富な挿絵により時代背景が理解しやすく、絵と写真をつなぐ文章も明解でわかりやすい。立場の違う3人の写真は印象が異なり、何が真実か考えさせられる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ガリバーのむすこ

マイケル・モーパーゴ/作 ・ 杉田 七重/訳

小学館 (2022.12)

アフガニスタンの少年オマールは、戦争で故郷を脱出した。乗った船が嵐にあい、『ガリバー旅行記』に出てくる小人の国に流れ着く。巨人として歓待されたオマールは、隣国との争いをガリバーに倣って解決する。小人国家間のいがみ合いに託し、現実世界の戦争の愚かさを風刺的に描く。小人たちと少年の交流に心が温かくなる。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

箱舟に8時集合!

ウルリヒ・フーブ/作 ・ イョルク・ミューレ/絵

岩波書店 (2022.11)

大洪水で地球が滅ぶ日、3羽のペンギンはノアの箱舟の切符を2枚だけ手に入れた。彼らは世話役のハトをごまかし、全員乗り込んで助かろうとする。旧約聖書を背景にした物語で、普段ケンカばかりのペンギンたちの友情や、型破りな結末が楽しい。コミカルだが時に深みすら感じられる絶妙な会話に、とぼけた表情の挿絵が合う。(小学校中学年から)

歴史・伝記物語小学校中学年から

わたしは反対! -社会をかえたアメリカ最高裁判事RBG-

デビー・リヴィ/文 ・ エリザベス・バドリー/絵

子どもの未来社 (2022.11)

女性だけが家庭科を学び、大学進学や就職で男性が優位を占める。理不尽な差別が当然だったアメリカで、法曹界から声を上げ続けたルース・ベイダー・ギンズバーグは、1993年最高裁判事となった。人物は感情豊かに描かれ、主張は目を引く色や字体で表現され、その力強さに圧倒される。巻末の解説と年表も充実した伝記絵本だ。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

えんぴつはだまってて

あんず ゆき/作 ・ たごもり のりこ/絵

文溪堂 (2022.11)

4年生のエリカが拾った古い鉛筆には、つくも神がついていた。気味悪がっていたエリカだが、「100点取らせたる」と調子のいい鉛筆に情が移り、鉛筆の秘密を知った級友のリカオや宙太(そらた)とも仲良くなる。珍妙な妖怪と小学生の交流をユーモラスに描く。古い道具たちを救おうと繰り広げる、ガラクタ再生プロジェクトも楽しい。(小学校中学年から)

物語中学生から

手で見るぼくの世界は(くもんの児童文学)

樫崎 茜/作 ・ 酒井 以/装画・挿絵

くもん出版 (2022.11)

佑(たすく)と双葉は、視覚支援学校の中学部に進級した。だが、双葉は外出時に暴言を投げつけられて以来、家から出られずにいた。晴眼者への不信を抱え、葛藤しながらも、佑は白杖(はくじょう)での歩行、双葉は伴走者とのマラソンに挑戦し、成長していく姿に心打たれる。訓練や補助具の説明も具体的で、聴覚や触覚で立ち向かう世界がリアルに伝わる。(中学生から)

知識の本小学校低学年から

すいどう(かがくのとも絵本)

百木 一朗/さく

福音館書店 (2022.11)

水道の水は、どこから来てどこへ行くのか。山に降った雨が川となり、浄水場を経て、水道管を通り私たちの元に届き、下水は処理後、海へ流れ着き、また雨のもとになる。地下の配管も絵に示され、水の流れがよくわかる。上空から町全体を見おろした絵には、家やプール、火事の現場などあちこちで水が使われる様子が描かれ、探し絵のようにも楽しめる。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

紫禁城の秘密のともだち 1 神獣たちのふしぎな力

常 怡/作 ・ 小島 敬太/訳

偕成社 (2022.11)

北京に住む10歳の少女小雨(シャオユウ)は、母親が働く博物館の紫禁城で、放課後から夜まで過ごしている。ある日城でイヤリングを拾って以来、猫や鳥の言葉が分かるようになり、城に住む伝説の生き物たちとも話ができるようになった。タクシーになりたい天馬の手伝いをしたり、ハンサムな龍の子吻獣(ウェンショウ)に連れられて夏祭りに参加したり、小雨(シャオユウ)の冒険が始まる。世話好きな少女と、意外に現代の文化になじんでいる神獣たちとの軽快なやりとりが面白い。ユーモラスな挿絵が神獣の姿を伝え、物語の中で紹介される中国の伝説や文化が読者の興味を引く。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

だれもしらない小さな家

エリナー・クライマー/作 ・ 小宮 由/訳

岩波書店 (2022.1)

アリスとジェーンは、小さすぎて借り手がつかない隣の空き家が気になっていた。ある日、2人が中に入り、おうちごっこを始めると、大家さんが怒鳴り込んできた。いろいろな物を持ち寄るごっこ遊びの楽しさがいきいきと描かれ、空き家がすてきなクッキー屋さんになる結末にほっとする。表情に富んだ挿絵が、物語を盛り立てる。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

屋根のうえのバトンリレー -日本でいちばん南にあるかやぶきの家-

横塚 眞己人/写真と文

ほるぷ出版 (2022.1)

西表島には、沖縄県有形文化財であるかやぶき屋根の家がある。150年ほど前に建てられ、約10年ごとに村人総出で傷んだ屋根を修理し保存している。つる植物を使った下地作りや、年配者が若者に技術を継承する様子などを分かりやすく紹介する。様々な構図の写真は、人々が助け合う「ゆいまーる」の精神をいきいきと伝える。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

よるのあいだに… -みんなをささえるはたらく人たち-

ポリー・フェイバー/文 ・ ハリエット・ホブデイ/絵

BL出版 (2022.1)

私のママは夕食後に仕事に行く。私たちが眠る間も、警察官や保線工など多くの人が働き、町を支えている。オレンジ色を効果的に配置し、細かく描きこんだ夜の町の様子とともに、いきいきと働く人たちを紹介する。朝日が町を明るく照らす場面は、温かみが感じられ、仕事を終えて帰路につく人々の気持ちを代弁するかのようだ。(小学校低学年から)

よみつがれてきた物語幼児から

あずきがゆばあさんととら

ペク ヒナ/絵 ・ パク ユンギュ/文

偕成社 (2022.1)

昔、深い山奥に、おいしいあずきがゆを煮るばあさんが住んでいた。トラに食べられそうになった彼女を、くりやスッポンたちが助ける。彼らがトラをこらしめるさまが痛快な韓国の昔話絵本だ。登場人物は、韓国の伝統的な紙を用いて立体的に表現され、ユーモラスな表情が強烈な印象を残す。画面構成にも工夫が凝らされている。(幼児から)

物語小学校高学年から

カトリと眠れる石の街

東 曜太郎/著 ・ まくらくらま/装画

講談社 (2022.9)

1885年、エディンバラに住む13歳のカトリは、流行中の謎の眠り病を調べる14歳のリズと出会う。2人は協力し、街に伝わる昔話と病との関わりを突き止める。育ちも性格も違う少女たちの冒険をはつらつとした筆致で描く。将来は家業を継ぐだけと諦めていたカトリが、世界中に残る謎を解きたいと新たな夢を抱く結末が爽やかだ。(小学校高学年から)

物語中学生から

千に染める古の色

久保田 香里/著 ・ 紫昏 たう/絵

アリス館 (2022.9)

右大臣藤原実資の娘千古(ちふる)は13歳になり、成人の儀を控えていた。儀式に使う着物の色目に興味を持った彼女は、忍んで染の工房を訪れる。染色の不思議さに魅了されたり、恋の自覚にうろたえたりする千古の、少女らしい心情や成長に共感できる。日本古来の多彩な色の美が細やかに描写され、華やかな平安王朝の情景が目に浮かぶ。(中学生から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ひよこどこどこ(講談社の幼児えほん)

やまだ だり/作

講談社 (2022.9)

「ひよこ どこどこ」隠れているひよこを見つけてみよう。「ひよこ ここ」ページをめくると飛び出してくる。ポーカーフェイスなひよこが、どこかユーモラスで愛らしい。シンプルな線とはっきりした色合いの絵が楽しく、リズムよく繰り返す文章が心地よい。声に出して読みながら、赤ちゃんから遊べる絵探し絵本だ。(赤ちゃんから)

歴史・伝記物語中学生から

留岡幸助と自立支援(日本の伝記 知のパイオニア)

藤井 常文/著

玉川大学出版部 (2022.9)

留岡幸助は明治大正期、日本の児童福祉の基礎を築いた人物だ。牧師が説く魂の平等にひかれた彼は、父の反対を押してキリスト教に入信する。監獄で教誨師(きょうかいし)を務めた経験から、家庭の愛の欠如が悪さをする子どもを生むと考え、更生施設「家庭学校」開設に奔走した。一人称の記述が彼の信念と情熱を伝える。年表も理解を助ける。(中学生から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

おいちにのだーるまさん(0.1.2.えほん)

こばやし えみこ/文 ・ こいで やすこ/絵

福音館書店 (2022.9)

「おいちにの だーるまさん」のかけ声に合わせ、赤のだるまさんがボールをける。次のかけ声では緑のだるまさんも登場し、2人でシーソーに乗る。1人ずつ増えて、最後は5人が元気に遊ぶ。リズミカルな言葉の繰り返しが楽しい、わらべうたを元にした絵本だ。水彩で描かれた、カラフルで表情豊かなだるまさんに心が和む。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話小学校低学年から

じぶんのきもちみんなのきもち

サラ・オレアリー/さく ・ チィン・レン/え

あかね書房 (2022.9)

転校初日に聞かれたことは女か男かだった。別の子は、どこの国の人かを聞かれた。うわべのことだけ聞かれるのは嫌だ。何ができないかじゃなく、何ができるか聞いてほしい。自分の本質を知ってほしいという思いが、軽快で動きのある絵で表現される。多様性を尊重する大切さが、子どもの言葉で投げかけられ直感的に伝わる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

わすれないでね -ずっとだいすき-

ジーン・ウィリス/文 ・ ラケル・カタリナ/絵

小学館 (2022.9)

ジョージのおばあちゃんは、昨日会ったこともお菓子をくれたことも忘れ、彼の顔も忘れてしまうこともある。孫のことがわからず悲しむ祖母と、優しく寄り添う5歳の孫との愛情深いやりとりに心温まる。ぬくもりのあるタッチで、揺れ動く祖母の感情がこまやかに表現される。認知症の家族への接し方のヒントが詰まった絵本だ。(小学校低学年から)

知識の本小学校高学年から

チャコウラさんの秘密を知りたい!ナメクジの話(みんなの研究)

宇高 寛子/[著]

偕成社 (2022.9)

雨あがりによく見かけるナメクジが、チャコウラナメクジだ。著者は、飼育が簡単で研究者がいないから、と先生にすすめられ、大学で彼らの研究に取り組んだ。気温や昼夜の長さと繁殖との関係性の実験や、研究者の仕事の様子を飾らない言葉で語る。親しみやすいイラストは理解を助け、ナメクジが苦手な人にも読みやすい。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ふしぎなメリーゴーラウンド

リーザ=マリー・ブルーム/作 ・ はたさわ ゆうこ/訳

徳間書店 (2022.8)

移動遊園地のメリーゴーラウンドの動物たちは、毎晩30分だけ、エサをもらい、おしゃべりを楽しんでいた。ところが彼らを買い取った男は欲深で、エサもやらない。優しい子どもとの出会いにより、木の動物たちが次々と本物の命を得て、旅立つ様子を情感豊かに描く。ケチな男の滑稽さと、子どもの純粋さの対比が鮮やかな物語だ。(小学校中学年から)

物語中学生から

かわいい子ランキング(ほるぷ読み物シリーズ)

ブリジット・ヤング/作 ・ 三辺 律子/訳

ほるぷ出版 (2022.8)

目立つのが苦手なイヴは、誰かが拡散した中学校のかわいい子リストで1位になり、困惑する。彼女は、2位に納得できないソフィーや親友のネッサらと、拡散の犯人を探ろうとする。タイプの違う少女たちが互いの新たな一面を知り、理解と友情が生まれていく様子を丁寧に描く。外見至上主義に疑問を抱き、闘う姿に胸がすく。(中学生から)

物語小学校中学年から

やまの動物病院

なかがわ ちひろ/作・絵

徳間書店 (2022.8)

町の外れに小さな動物病院がある。昼は人間の先生が診察をするが、夜は猫のとらまるがお医者さん。先生の真似をして山のモグラの手荒れやリスの口内炎を治療する。猫の名医の活躍ぶりが楽しく、難しい患者の治療を動物たちに手伝ってもらい、一緒にやりとげる場面は痛快だ。全ページにある挿絵も、ほのぼのとして愛らしい。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

給食室のいちにち

大塚 菜生/文 ・ イシヤマ アズサ/絵

少年写真新聞社 (2022.8)

給食室で働く栄養士と調理員の一日を、マンガ形式で紹介する。身支度から検品、調理、片付け、献立づくりまで時間に沿って描かれ、わかりやすい。柔らかな絵は親しみやすく、巨大な鍋で煮込むカレーの湯気や匂いまで感じられる。安全でおいしい給食を届けるまでの苦労や熱意が伝わり、働く人と食への感謝の気持ちが湧く。(小学校低学年から)

知識の本中学生から

タガヤセ!日本 -「農水省の白石さん」が農業の魅力教えます-(14歳の世渡り術)

白石 優生/著

河出書房新社 (2022.7)

農林水産省職員の著者が、日本の農産物が一定の味と品質を保ち続ける理由を紹介する。農家の声や、農薬をまくドローンといったスマート農業の事例も取り上げ、重労働のイメージを払拭している。SNSや動画などでも農業の魅力を発信する著者の語りは、軽快だが説得力十分だ。命を支える産業を応援する熱意にあふれている。(中学生から)

物語小学校低学年から

いもうとなんかいらない

ロイス・ダンカン/作 ・ 小宮 由/訳

岩波書店 (2022.7)

メアリー・ケイは、自分にまとわりつき、まねや邪魔ばかりする小さな妹を、誰かにあげてしまおうと思いつく。妹を金魚と交換してもらうが、じきに後悔に変わる姉の気持ちの変化と愛情が、テンポよく描かれる。家族の心の機微が面白く、姉妹の成長にほっとする。挿絵は赤を効果的に使い、いきいきした可愛らしさが伝わる。(小学校低学年から)

知識の本小学校低学年から

かみなり

武田 康男/監修・写真 ・ 小杉 みのり/構成・文

岩崎書店 (2022.7)

入道雲が雷雲へと成長し、雲の中で氷の粒どうしがぶつかり合って電気が生まれ、雷が発生する。その様子を迫力ある写真とやさしい文章で紹介する。雷が地上や海に落ちるだけでなく、雲から雲へ、雲の上へと縦横に空を走る姿は壮大で美しく、未だに謎の多い雷への興味をかきたてる。巻末の解説により、いっそうの理解が深まる。(小学校低学年から)

物語中学生から

おにのまつり

天川 栄人/著

講談社 (2022.7)

中学3年生のあさひは、同級生4人と伝統の鬼の祭り「うらじゃ」で踊ることになる。兄を亡くしたあさひ、母に捨てられた楽々(らら)など、それぞれが抱える苦しい気持ちが5人の視点で語られる。共に練習し、きずなを深めた仲間との対話を通じて、荒ぶる感情と折り合いをつけ、成長する姿が清々しい。情熱的な踊りの描写も魅力的だ。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ねことわたしのまほうの日(本はともだち 24)

かわしま えつこ/作 ・ おくはら ゆめ/絵

ポプラ社 (2022.7)

小学2年生のまいは、朝起きると飼い猫クウと入れ替わっていた。鉄棒の授業が嫌で、猫になりたいと言ったためらしい。クウに学校も体育も任せ、猫の決闘にはまいが代理で出る。身軽な猫の体で新鮮な感覚を味わったり、自分を見直したりする様子が細やかに描かれる。まいは級友と、クウはライバルと親しさを増す結末もよい。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

サバンナで野生動物を守る

沢田 俊子/著

講談社 (2022.7)

野生動物を保護する職業に憧れ、南アフリカで政府公認サファリガイドになった太田ゆかさんの働く様子を紹介する。資格取得には銃の扱いや救急などの技術が必要なことや、サファリツアーや野生動物の保護活動の現状を、写真を織り交ぜて伝える。彼女の生き生きと働く姿からは、仕事への熱意や動物への深い愛情が感じられる。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

こうもり

アヤ井 アキコ/作 ・ 福井 大/監修

偕成社 (2022.7)

こうもりは、空を飛ぶ唯一の哺乳類だ。この絵本に登場するアブラコウモリは、建物の隙間に住んでいる。大人の親指ほどの体の仕組みから始まり、超音波で交信することや、一年間のくらしぶりを解説する。ひらがな主体の文章と柔らかな色合いの愛らしい絵が、ふと空にこうもりを探してみたくなるような親近感を抱かせる。(小学校低学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

宇宙食になったサバ缶

小坂 康之/著 ・ 別司 芳子/著

小学館 (2022.7)

福井の高校生がサバ缶の改良を重ね、宇宙食に採用されるまでの過程を、担当教諭や歴代の生徒たちの目線でつづる。開けた時に水分が飛び散らないことなど、宇宙食に必要な条件も分かりやすく書かれ、興味深い。JAXAの職員から指摘された課題に対し、生徒が自ら考え実験し、試行錯誤を繰り返しつつ解決していく姿が印象的だ。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

すごいゴミのはなし -ゴミ清掃員、10年間やってみた。-

滝沢 秀一/文 ・ スケラッコ/イラスト

学研プラス (2022.7)

お笑い芸人兼ゴミ清掃員である著者が、収集後のゴミの行方から世界のゴミ事情まで幅広く紹介する。近い将来に処理後の処分場が満杯になるといった深刻な話題を扱う一方、大量のマネキンの頭が捨てられ驚いた体験などもコミカルに語る。漫画やこぼれ話を交えて読みやすく、身近な問題として捉えられ、ゴミへの見方が変わる。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

フードバンクどろぼうをつかまえろ! -秘密の大作戦!-

オンジャリ Q.ラウフ/著 ・ 千葉 茂樹/訳

あすなろ書房 (2022.6)

ネルソンは母と妹と3人暮らしだ。ある日、利用しているフードバンクの食べ物が盗まれたと知った彼は、親友2人と泥棒を捕まえる計画を練る。食べ物に困らない友人へ引け目を感じ、常に空腹と戦いながらも家族を思いやるネルソンの心情を丁寧に描く。子どもならではのアイテムを使って泥棒を追い詰める展開は小気味よい。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

いのちの木のあるところ

新藤 悦子/作 ・ 佐竹 美保/絵

福音館書店 (2022.6)

今も世界遺産としてトルコに残る名建築をめぐる物語。13世紀、飾らない性格の姫君トゥーラーンは小国ディヴリーへ嫁ぐ。夫国王と共に推進したモスクと治癒院の建設は、戦乱を逃れてきた様々な出自の人々の力で、数十年かけ結実する。克明な描写と緻密な挿絵で当時の生活や文化を描く。いのちと平和への想いが深い余韻を残す。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

ホホジロザメ

沼口 麻子/文 ・ 関 俊一/絵

福音館書店 (2022.6)

体長が最大6メートルを超えるホホジロザメは、世界中のほぼ全ての海にすむ。彼らの狩りの様子、体の特徴、生態を分かりやすく伝える。獲物に近づき襲いかかる場面など、見開きをいっぱいに使った迫力のある絵が印象的だ。海の青色のグラデーションも美しく、うす暗い海で、獲物を求めて泳ぐ子ザメの後ろ姿が深い余韻を残す。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

はじめましてのダンネバード(くもんの児童文学)

工藤 純子/作 ・ マコカワイ/絵

くもん出版 (2022.6)

4年生の蒼太(そうた)のクラスに、ネパールからエリサが転校してきたが、言葉の壁もありクラスになじめない。彼女の父が経営するカレー店で仕事体験をした蒼太は、堂々と店を手伝うエリサに驚く。内気な蒼太が、仲良くなろうと学級会で提案するまでの成長を丁寧に描く。クラス全員がエリサを受け入れる展開も自然で、共感を呼ぶ。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

貝のふしぎ発見記

武田 晋一/写真・文 ・ 阿部 浩志/編集・文協力

少年写真新聞社 (2022.6)

水辺の生き物を撮るカメラマンが、近所の砂浜で見慣れない貝殻のようなものを見つけた。アサリなどおなじみの貝から、水が苦手なアラレタマキビ、一見貝の仲間とは思えないイカまで、多様な貝の仲間について著者が疑問に思い、観察したことを分かりやすくまとめた。実物大の写真も多用され、特徴や不思議さがよくわかる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

いい一日ってなあに?

ミーシャ・アーチャー/作 ・ 石津 ちひろ/訳

BL出版 (2022.6)

みんなに「いい一日を!」と挨拶されたダニエルは、いい一日とは何かを聞いてみた。ケーキ屋さんはお客さんの笑顔を見た時、おばあちゃんはダニエルのハグなど、様々な答えが返ってくる。油絵とコラージュで描かれた町は、色鮮やかで生命力にあふれる。表情豊かな人々からは、日常の中のささやかな幸せがじんわりと伝わる。(幼児から)

物語小学校中学年から

生まれかわりのポオ

森 絵都/作 ・ カシワイ/絵

金の星社 (2022.6)

生まれた時から一緒にいた猫のポオが死んで、9歳のルイは泣き続けた。見かねたママは、ポオが生まれ変わって帰ってくる物語を作って聞かせる。作り話に励まされるのに抵抗感があったルイが、新しいお話を聞くごとに母の想いを感じ、命のつながりに気づく様子に共感できる。テンポの良い会話と温かみのある挿絵も魅力的だ。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

こわいものなしの六人(グリムの本だな 2)

グリム/原作 ・ グリム/原作

あかね書房 (2022.6)

一番いい馬をつれて帰った者が水車小屋を譲ってもらえることになり、若者3人は旅に出る。年下のハンスは2人に置いていかれるが、森で出会った三毛猫に、うちで7年働いてくれたら馬を一頭あげると言われ、古いお城で真面目に働く。200以上あるグリム童話の中から、あまり知られていないお話を選び、多くの楽しい絵とともに読みやすい幼年童話としてまとめた。2巻目は、勇敢な兵隊がケチな王様からお宝をもらうため、力持ち、早足などの特技を持った仲間を集め、足の速いお姫様と競争する「こわいものなしの六人」をとりあげる。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

ブラックホールってなんだろう?(たくさんのふしぎ傑作集)

嶺重 慎/文 ・ 倉部 今日子/絵

福音館書店 (2022.6)

ブラックホールは何でも吸い込む奇妙な天体だ。一方で、げっぷのように噴き出すガスが、星を生み出すという説もある。すべり台や一円玉など、身近な物に例えたり比べたりして、ブラックホールのしくみや役割を説明する。モノクロが主体のイラストはシンプルで親しみやすい。はるかな宇宙に広がる謎にわくわくさせられる。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

光にむかって -サーロー節子ノーベル平和賞のスピーチ-

サーロー節子/[述] ・ くさば よしみ/編

汐文社 (2022.5)

13歳で被爆し、その後、核兵器廃絶運動を続けてきたサーロー節子さんのスピーチを元にした絵本だ。がれきの下から光に向かってはい出した体験や、家族や友人を失った悲しみと憤りが描かれる。焼き尽くされた凄惨な光景は核の恐ろしさを伝える。核兵器をなくすために声をあげ、行動しようと語る言葉は力強く、重く胸に響く。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

たぶんみんなは知らないこと

福田 隆浩/著 ・ しんや ゆう子/画

講談社 (2022.5)

5年生のすずは重い知的障がいがあり、言葉が出ない。特別支援学校の授業や学校行事の劇に、ままならない身体で精一杯取り組む毎日が、独り言のようなすずの一人称で描かれる。母と先生の連絡帳や兄のブログなども織り交ぜ、互いの思いの見えない部分まで細やかに伝える。優しく見守る周囲の人々の姿や、すずの成長に心温まる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ちいさな宇宙の扉のまえで -糸子の体重計 続-

いとう みく/作 ・ 佐藤 真紀子/絵

童心社 (2022.5)

元気で裏表のない6年生の糸子は、転校生の恵にまとわりつかれて困惑する。転校続きの恵は親友を作らなければと焦り、悪戦苦闘していた。友人関係や進路、家庭の事情など、糸子とクラスメイト4人の視点で語られる悩みはリアルで共感できる。それぞれが自分なりの答えを出し前へ踏み出す姿は、未来への希望を感じさせる。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

本おじさんのまちかど図書館(ものがたりの庭)

ウマ・クリシュナズワミー/作 ・ 長友 恵子/訳

フレーベル館 (2022.5)

ヤズミンは、本おじさんのまちかど図書館で本を借りるのが楽しみだ。だが、許可証がないという理由で図書館は立ち退きを迫られる。彼女は、市長候補者宛に嘆願の手紙を書こうと思いつき、友人や近所の人にも声をかける。おかしいと思うことに声を上げ、行動する少女の姿が痛快だ。インドでの暮らしぶりも伝わり興味深い。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ジェニーのぼうし

エズラ・ジャック・キーツ/さく ・ 石津 ちひろ/やく

好学社 (2022.5)

ジェニーは、おばさんから贈られた帽子が地味でがっかりする。ある日それをかぶって出かけると、仲良しの鳥たちが、花や葉っぱや飾りを運んできて彩ってくれた。あふれんばかりに飾られた帽子はコラージュで描かれ、華やかだ。女の子が簡素なものをおしゃれにしようと思案する様に親近感がわく。鳥たちとの交流も微笑ましい。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

へんしん -すがたをかえるイモムシ-

桃山 鈴子/作 ・ 井上 大成/解説・監修

福音館書店 (2022.4)

イモムシは、生まれてから何度も変身を繰り返した末、チョウになって飛び立つ。長い道のりを見守るような語りは優しく、よいしょ、よいしょとがんばるイモムシを応援したくなる。柔らかく温かみのある色彩の点描画で、ナミアゲハ、モンシロチョウなど3種類のチョウの生態を、それぞれ細やかに描く。巻末の解説も充実している。(小学校低学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

「オードリー・タン」の誕生 -だれも取り残さない台湾の天才IT相-

石崎 洋司/著

講談社 (2022.4)

台湾史上最年少の大臣となったオードリーは、新型コロナウイルス対応で全世界の注目を浴びた。10代で起業した天才だが、学校になじめず不登校になった経験もある。誰もが生きやすい社会を作るため、ITを駆使して奮闘する彼女の半生を、家族の思いを交えて丁寧に描く。私たち人間とITとの関係についても考えさせられる。(小学校高学年から)

物語中学生から

ソノリティ -はじまりのうた-

佐藤 いつ子/著

KADOKAWA (2022.4)

内気な早紀は、吹奏楽部員だからと、校内合唱コンクールの指揮者に指名される。戸惑いながらも練習するうち、級友の協力で次第にクラスは結束していく。早紀に魅かれる涼万(りょうま)や、仕切り役の晴美たちの視点からも、恋心や悩みが語られ、思春期のまっすぐな感情が伝わる。合唱を通して成長する中学1年生の姿が、まぶしく映る。(中学生から)

物語小学校低学年から

草のふえをならしたら(福音館創作童話シリーズ)

林原 玉枝/作 ・ 竹上 妙/画

福音館書店 (2022.4)

お料理中のまこちゃんが青ネギをくわえて鳴らすと、突然「得意は味見」とブタがやってきた。どんぐり笛を吹いたあっちゃんは、アオバズクの遊覧飛行に誘われる。草笛の楽しい響きとともに繰り広げられる、短いお話を8話収録する。動物たちとののどかな交流や、季節感あふれる描写に心温まる。ユーモラスな挿絵もお話に合う。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

病院図書館の青と空

令丈 ヒロ子/著

講談社 (2022.4)

5年生の空花(そらは)は、入院した病院の図書館で、挿絵の中の謎の少女アオに、本の中の世界に誘われる。意気投合した2人は、物語の中でおいしい物を食べ歩く。楽しげな様子に、自分ならばどの本に入ろうかと想像が広がる。現実とうまく折り合えず、本の世界に逃げていた2人が、本音で話せる友を得て、現実に向き合う結末は力強い。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

お祭りが大好きパヤベくん -パプアニューギニア-(ともだちみつけた!)

長倉 洋海/著

アリス館 (2022.4)

祭りの前日、3歳のパヤベくんは、土からとった染料を顔に塗り、羽根や飾りを身につける。太鼓に合わせ、極楽鳥をイメージして踊るのだ。パプアニューギニアの、800を超える部族が仲良くするための祭りを、写真で紹介する。民族や言語の壁を超え、色鮮やかな伝統衣装と化粧で着飾り踊る姿は、部族の誇りと威厳に満ちている。(小学校低学年から)

知識の本小学校高学年から

いのちのバトンをつなぎたい -世界の子どもの3人に1人は栄養不良-

ワールド・ビジョン・ジャパン/編著

合同出版 (2022.4)

困難な状況に置かれている子どもとその家族を支援する国際NGOが、世界の栄養不良の厳しい現状を伝える。地域の状況に合わせた支援活動は、栄養教室から農業指導まで多岐にわたる。統計データや多数の写真が理解を助け、私たちにできる支援も具体的に示される。小さな事からでも行動しようという呼びかけが心に響く。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

えんどうまめばあさんとそらまめじいさんのいそがしい毎日(日本傑作絵本シリーズ)

松岡 享子/原案・文 ・ 降矢 なな/文・絵

福音館書店 (2022.4)

えんどうまめばあさんとそらまめじいさんは働き者だ。やりたいことがみつかると、していることを中断し新しいことを始めてしまう。豆のつるの棒立てから草取りへ、うさぎの餌やりから小屋の修理へと、次々に仕事がみつかって1日が終わった。とぼけた味わいの絵とほのぼのした会話に、日々の暮らしの充実感が垣間見えるようだ。(幼児から)

物語小学校中学年から

タヌキの土居くん

富安 陽子/作 ・ 大島 妙子/画

福音館書店 (2022.3)

3年生のアカネが登校すると、土居くんの席にタヌキが座っていた。土居くんはもともとタヌキで、新学期の目標を守ろうと「正直に」本当の姿になったという。誰もが驚くが、一緒に授業を受けて、今まで以上に打ち解けていく様子は、ほのぼのしたユーモアにあふれている。挿絵も温かみがあり、おおらかな学校の楽しさが伝わる。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

だいじょうぶくん(GO!GO!ブックス 5)

魚住 直子/作 ・ 朝倉 世界一/絵

ポプラ社 (2022.3)

そうたは、ぬいぐるみのだいじょうぶくんに頼まれ、元の持ち主を探し始める。謎の男に邪魔されるが、だいじょうぶくんに教わった「モノ」と話す技を生かし、同級生の力も借りて見つけ出す。新しいクラスになじめない内気な少年が、前向きに変わろうと勇気を奮う心情が丁寧に描写され、共感を呼ぶ。コミカルな挿絵も楽しい。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

くまのピエール

イブ・スパング・オルセン/作 ・ 菱木 晃子/訳

こぐま社 (2022.3)

くまのぬいぐるみのピエールは、スティーヌと一緒に暮らすことになった。彼は、月を硬貨だと思い込んで取りに行こうとしたり、雪に埋もれて閉じ込められたりと、次々とおかしな事件を引き起こす。好奇心旺盛で愛情深いピエールの活躍を、ユーモアたっぷりに描く。温もりのある絵は、ほのぼのした物語に愛らしさを添えている。(小学校低学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

りぼんちょうだい

かんざわ としこ/文 ・ ましま せつこ/絵

こぐま社 (2022.3)

女の子が贈り物の箱についていたリボンをもらった。自分の髪と人形の髪におそろいで結ぶと、あひるや猫もきて、次々とリボンちょうだい、とねだる。縄跳びに使ったり、旗にしたり、だんだん短くなるリボンを、みんなで分け合って楽しむ様子に心が和む。1972年の作品の改訂で、水彩を使った美しい絵は、温かく味わい深い。(赤ちゃんから)

物語小学校低学年から

けんかのたね

ラッセル・ホーバン/作 ・ 小宮 由/訳

岩波書店 (2022.2)

お父さんが疲れて家に帰ると、子どもたちも犬も猫もけんかしていた。順々に原因をたどると、一番悪いのはネズミだということになった。ネズミが心から謝ると、一転して皆が反省し始める。ささいな怒りが連鎖して起きた大騒ぎが、素直な謝罪によって次々と回収されていく繰り返しが小気味よい。表情豊かな挿絵も魅力的だ。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

ぼくたちのスープ運動 -小さな思いやりが世界を変える!-

ベン・デイヴィス/作 ・ 渋谷 弘子/訳

評論社 (2022.2)

がんで入院していたジョーダンは、同室のリオと、誰かにいいことをしようと約束をした。退院後、スープをホームレスの人にあげたことが、地域を巻き込む支援運動に広がっていく。彼と周囲の人々がスープ運動を通して前向きに変わっていく心温まる物語だ。現在と入院中の過去を並行して描く構成が、作品に深みを与える。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録中学生から

夜間中学で学ぶ喜びを求めつづけた世界一幸せな先生

高橋 うらら/著

新日本出版社 (2022.2)

夜間中学は働きながら学べる場として設立され、近年は不登校や外国ルーツの生徒も多い。長年教員を務めた見城慶和(けんじょうよしかず)氏の足跡と、夜間中学の歩みについて丁寧に紹介する。生活に直結する教材として「夜間中学生のための生活基本漢字381字」を編み出すなど、生徒の直面する困難と真摯に向き合う教師の情熱に、胸を打たれる。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

こんとごん -てんてんありなしのまき-(かがくのとも絵本)

織田 道代/ぶん ・ 早川 純子/え

福音館書店 (2022.2)

きつねの子のこんとごんは、似ているけれど、ちょっと違う。左のごんのページには言葉に濁点があり、右のこんのページにはない。「ぶた」と「ふた」、「がらす」と「からす」など、濁点のあるなしだけで話の展開が変わり、2匹は違う冒険をする。左右の対比が鮮やかで楽しく、ユーモラスな絵で日本語の面白さを表現している。(幼児から)

よみつがれてきた物語幼児から

わたしがテピンギー -ハイチのおはなし-(女の子の昔話えほん)

中脇 初枝/再話 ・ あずみ虫/絵

偕成社 (2022.2)

テピンギーは、意地悪な継母に、知らない老人の召使いにされそうになる。作戦をひらめいた彼女は、友だちの助けを借りてこの難局を乗り越える。悪い大人たちを知恵と勇気で退散させ、幸せをつかみ取る少女の姿がいきいきと描かれ、痛快だ。金属板を切って絵具で着彩した絵は明快で力強く、鮮やかに昔話の魅力を伝える。(幼児から)

物語中学生から

シリアからきたバレリーナ

キャサリン・ブルートン/作 ・ 尾崎 愛子/訳

偕成社 (2022.2)

シリアでバレエに熱中するアーヤは、幸せな日常を内戦で奪われ英国に逃れて来た。母と幼い弟を支えつつ難民支援センターに通う彼女は、同じ建物内のバレエ教室の人々に出会う。誇りと希望を取り戻していく少女の姿を、故郷の生活や脱出行の回想を挟みながら丁寧に描く。ダンスの描写も目に浮かぶように鮮やかで、魅力的だ。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

へそまがりねこマックス

ソフィー・ブラッコール/作 ・ 石津 ちひろ/訳

光村教育図書 (2022.1)

猫を飼いたいと両親にねだり続けたぼくは、やっと保護シェルターから猫をひきとる。えさもおもちゃも喜ばず懐かなかったが、絵本を読むとすり寄ってきた。それを機に、クラスのみんなとシェルターで猫たちに読み聞かせをする展開は興味深い。温かい色調の絵で、動物と心を通いあわせていく子どもの喜びがとらえられている。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

彼の名はウォルター

エミリー・ロッダ/著 ・ さくま ゆみこ/訳

あすなろ書房 (2022.1)

遠足のバスが故障し、コリンたちは古い屋敷で嵐をしのいでいた。そこで見つけた1冊の本を読み進めると、不気味な現象が次々と起こる。作中作の孤児ウォルターの物語と、生徒たちの現状を交互に描き、屋敷の隠された謎が少しずつ明らかになる構成は巧みだ。現実が物語に引き寄せられる、臨場感あふれる描写に魅了される。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

どうしてパパとけっこんしたの? -どうぶつたちそれぞれのこたえ-(日本傑作絵本シリーズ)

桃戸 栗子/作

福音館書店 (2022.1)

ペンギンの子がママに、パパと結婚した理由を尋ねると、素敵な小石をくれたから、と答える。ペンギンのオスは結婚してほしいメスに小石をあげるという。色々な動物のメスがオスを選ぶ理由を、それぞれの生態を基に、親子のユーモアあふれるやりとりで紹介する。温かみのある優しい色彩の絵が、家族のぬくもりを伝えている。(幼児から)

物語小学校高学年から

おとなってこまっちゃう

ハビエル・マルピカ/作 ・ 宇野 和美/訳

偕成社 (2022.1)

9歳のサラの祖父が、ママと同年代の人と再婚するという。ママは人権派弁護士なのに、自分の父のこととなると感情的になり大反対する。祖父の再婚を応援する少女が、離婚したパパや周りの大人の協力を得て、母の説得に奮闘する様子を小気味よく描く。大人がみな個性的で、彼らが素直に行動できないさまにも共感できる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

空から見える、あの子の心

シェリー・ピアソル/作 ・ 久保 陽子/訳

童心社 (2021.12)

6年生のエイプリルは同級生たちが苦手なため、下級生の世話係を買って出た。いつも一人のジョーイを見守るうち、彼が足で校庭に巨大な絵を描いていることに気付く。自閉的な性格の少年の不思議な才能を守ろうとして、エイプリルが前向きに人と関わり始める姿に勇気づけられる。鳥の視点を持つ少年が描く地上絵も興味深い。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

おばあさんとトラ

ヤン・ユッテ/作・絵 ・ 西村 由美/訳

徳間書店 (2021.12)

おばあさんは冬の森で人懐っこいトラと出会い、連れ帰って仲良く暮らしていた。最初は怖がっていた町の人々もトラを受け入れていく。ホームシックにかかったトラを心配して、ジャングルまで見送ったおばあさんの思いは深く温かい。ぬくもりのある色彩の背景に輪郭が力強く描かれたトラの絵が印象的で、お話に合っている。(幼児から)

詩・随筆・記録小学校低学年から

伝え守る -アイヌ三世代の物語-

宇井 眞紀子/写真・文

少年写真新聞社 (2021.12)

アイヌの血を引くダイキとワカナは、大阪で育った。兄妹と母は、大好きな祖父が住む北海道に移住する。祖父が伝統の木彫りを作ったり、兄妹がアイヌの歌と踊りを披露したり、民族の文化を守り伝えようとする姿を写真でいきいきと紹介する。10年以上寄り添った著者の眼差しは温かく、家族のきずなと民族の誇りが伝わる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

こんなかお、できる?

ウィリアム・コール/さく ・ トミー・ウンゲラー/え

好学社 (2021.12)

フランシスは寝る時間になっても起きていようとする。困ったパパは、言う通りの顔をするゲームに誘い、彼女は、そのたびにその顔になりきる。「よく できました」とパパがほめる繰り返しが楽しく、親子の交流が温かい。くっきりした輪郭線の絵が、顔遊びの楽しさと、心ゆくまで楽しんで眠りにつく少女の満足感をよく表している。(幼児から)

物語小学校高学年から

博物館の少女 -怪異研究事始め-

富安 陽子/著

偕成社 (2021.12)

大阪の古物商の娘イカルは両親を亡くし、東京の親戚に引き取られた。鑑定眼を認められ、博物館で蔵の整理を手伝い始めるが、収蔵品の盗難事件に巻き込まれる。怪異と謎解きを絡め、まっすぐ力強く生きる少女の活躍を描く。登場人物たちの個性が魅力的で、明治前期の時代背景や美術工芸の話も興味深く、物語に引き込まれる。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

ハタハタ -荒海にかがやく命-

高久 至/写真・文

あかね書房 (2021.12)

秋田の冬の荒海は、深海からやってきたハタハタで埋め尽くされる。その生態や、天敵のいない冷たい海で産卵して稚魚になるまでの様子を、豊富な水中写真で紹介する。色鮮やかな卵やふ化の瞬間を捕えた写真が印象的で、命の輝きにあふれている。自主的禁漁を行った経緯も紹介され、持続可能な漁業について考えさせられる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

おもち(福音館の幼児絵本)

彦坂 有紀/さく ・ もりと いずみ/さく

福音館書店 (2021.11)

火鉢の網におもちをのせて、焼こう。「ちりちり ちりり」「ぱりぱり ぷくり」「ぷぅー ぷくっ」楽しい音がして、焼けてきた。おもちに焼き色がついてふくらむ様子が、温かみのある多色刷りの木版画で描かれ、柔らかそうな質感に期待もふくらむ。いそべ焼き、きなこもちなど食べ方も紹介され、焼いて食べる喜びが伝わる。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

うちのくるまはバン!!

鎌田 歩/作

アリス館 (2021.11)

便利屋さんの一家では、毎日違うものをバンに乗せ、毎日違う仕事をする。屋台、引越しなど様々な仕事が登場し、見開きいっぱい、あふれるほどの道具や品物が、ページをめくると、きれいに車に積まれている。頼れるバンは一家の休日にも大活躍する。明るく親しみやすい絵柄でバンの中を図解し、いきいきと情景を伝える。(幼児から)

知識の本小学校高学年から

海の中から地球を考える -プロダイバーが伝える気候危機-

武本 匡弘/著

汐文社 (2021.11)

著者は40年以上国内外の海を見てきたプロのダイバーだ。美しいサンゴ礁や豊かな海藻の森の激減に心を痛め、危機感から環境活動を始めた。気候温暖化、海洋プラスチックごみ問題、枯渇する水産資源の保護など、海の危機を多方面からわかりやすく解説する。環境を守るため、まず身近な自然に興味を持って、という訴えが心を打つ。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

おおきなトラとシカのはんぶんくん

バーニス・フランケル/さく ・ レナード・ワイスガード/え

好学社 (2021.11)

シカの三兄弟の末っ子は、兄たちの半分程の大きさで、「はんぶんくん」と呼ばれている。ある日兄弟は森でトラに出くわすが、大きな兄たちは尻込みする。そんな中、小さな弟が勇気と知恵でトラを手玉に取る様子に胸がすく。茶色と山吹色の濃淡で描かれた絵は特徴を強調した描写で、トラのユーモラスな表情とシカの賢さが際立つ。(幼児から)

物語中学生から

マイブラザー(teens' best selections 58)

草野 たき/著

ポプラ社 (2021.11)

中学2年生の海斗は、父がパン職人を目指し会社をやめたのを理由に受験を諦め、弟の世話を言い訳に現実から逃げ続ける毎日だ。だが、悩みを乗り越えようとする幼なじみたちを知り、海斗も父を理解し自身と向き合おうとする。彼の日常がコミカルな語りで細やかに描かれ、回り道しても、より力強く成長する姿を応援したくなる。(中学生から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

ねこのおひめさま(グリムの本だな 1)

グリム/原作 ・ グリム/原作

あかね書房 (2021.11)

一番いい馬をつれて帰った者が水車小屋を譲ってもらえることになり、若者3人は旅に出る。年下のハンスは2人に置いていかれるが、森で出会った三毛猫に、うちで7年働いてくれたら馬を一頭あげると言われ、古いお城で真面目に働く。200以上あるグリム童話の中から、あまり知られていないお話を選び、多くの楽しい絵とともに読みやすい幼年童話としてまとめた。2巻目は、勇敢な兵隊がケチな王様からお宝をもらうため、力持ち、早足などの特技を持った仲間を集め、足の速いお姫様と競争する「こわいものなしの六人」をとりあげる。(小学校低学年から)

物語中学生から

セカイを科学せよ!(講談社・文学の扉)

安田 夏菜/著

講談社 (2021.1)

日露をルーツに持つミハイルは目立つ外見が悩みで、平穏な中学校生活を願って科学部に入った。日米をルーツに持つ転校生の葉奈は対照的で、「蟲」好きを公言し、生物班の存続をかけた大騒動を引き起こす。自分の意志と知識で周囲の偏見に立ち向かう葉奈の姿は爽快だ。多様性や生命について考えさせられながら、愉快に読める。(中学生から)

物語小学校中学年から

オンボロやしきの人形たち

フランシス・ホジソン・バーネット/作 ・ 尾崎 愛子/訳

徳間書店 (2021.1)

8歳のシンシアの部屋には祖母の代からの古い人形の家があり、6人の人形たちが愉快に暮らしていた。新しい人形の家が来て、家ごと捨てられそうになるが、見守っていた妖精の女王が助けてくれる。前向きで明るく、苦境も笑顔でのりきる彼らは魅力的だ。1906年の作品の初邦訳で、色あせない優雅さとユーモアが感じられる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ちちんぷいぷい

谷川 俊太郎/ぶん ・ 堀内 誠一/え

くもん出版 (2021.1)

きつねが手品を始めると、りすがやってきた。ぼうしに布をかぶせてぱっと取ると、大好物のどんぐりが出て来てりすは大喜びする。手品を繰り返すうちに次々と観客が増え、期待がふくらんでいくさまが楽しい。動物たちが少しずつ手品のひみつに気づく様子も絵から伝わり、愉快だ。明るい色彩がお話の雰囲気によく合っている。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

こねこのウィンクルとクリスマスツリー(日本傑作絵本シリーズ)

ルース・エインズワース/さく ・ 上條 由美子/やく

福音館書店 (2021.1)

クリスマスツリーに興味しんしんの子猫のウィンクルは、夜中にこっそり登ってみた。ツリーの頂上で妖精の人形と出会った後、ガラス玉を落として割ってしまう。好奇心いっぱいの子猫が、失敗をなんとかしようとする懸命さが印象的な、ひと晩の冒険が描かれる。夜の幻想的な雰囲気と、子猫の愛らしさが伝わる絵が魅力的だ。(幼児から)

物語小学校高学年から

天の台所

落合 由佳/著

講談社 (2021.9)

6年生の天(てん)の家では祖母の死後、料理する人がいなくなった。家族への思いから、彼は近所の「がみババ」から料理を教わり、みそ汁を作り始め、台所をよみがえらせていく。料理を通じて喪失から立ち直り、きずなを深める家族の様子をはつらつと描く。みんなで料理を楽しみ、食べる喜びを共有しようとする天の成長がまぶしい。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

おてんばヨリーとひげおじさん

アニー・M.G.シュミット/作 ・ フィープ・ヴェステンドルプ/絵

岩波書店 (2021.9)

少女ヨリーは、車両の下のハリネズミを助けようと、車掌のひげおじさんに頼んで記念列車の発車を止めた。少女と車掌は、車両の下に爆弾が仕掛けられていたと後から気づく。出発した列車を二人が追う様子と、何も知らない乗客たちの滑稽なやりとりを交互に描く。とぼけた味わいの絵が、スリリングで愉快な物語を盛り上げる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

きょうものはらで

エズラ・ジャック・キーツ/え ・ 石津 ちひろ/やく

好学社 (2021.9)

広い野原のあちこちで、生き物の親子が暮らしている。母親の呼びかけで、1匹の子亀は砂を掘り、2匹の魚の子は仲良くばしゃばしゃ泳ぐ。1匹から10匹まで、アメリカの伝統的な数え歌をもとに構成され、リズミカルな文章が心地よい。幻想的で落ち着いた色調の絵は動物の親子のふれあいを温かく写し出し、心が和む。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

おちばのねどこでおやすみなさい

カレン・ジェイムソン/文 ・ マルク・ブタヴァン/絵

ほるぷ出版 (2021.9)

森の中では秋から冬にかけて、クマは巣穴で、ヘラジカは落ち葉の寝床で眠る準備をする。夕暮れ時、少女と犬が、出会った動物たちにおやすみのあいさつをしながら散歩する。動物たちと森の様子が落ち着いた色彩で描かれ、呼びかけをくり返す優しい言葉がゆったりした気分を誘う。少女が描いた動物スケッチの数々も楽しい。(幼児から)

物語中学生から

黄色い夏の日

高楼 方子/著 ・ 木村 彩子/画

福音館書店 (2021.9)

中学1年生の景介は、スケッチに赴いた古い洋館で謎の少女ゆりあと出会う。彼は秘密の時間を過ごす喜びで館に通いつめるが、その異変を案じた幼なじみの晶子は館の老女を訪ね、やがて真相を知る。過去と現在、虚実の間を揺れ動くひと夏の不思議な恋をつづる。キンポウゲの庭の妖しく美しい描写が印象的で、深い余韻が残る。

絵本/絵童話幼児から

おじさんのぼうしはどこいった?

ジョアン・L.ノドセット/ぶん ・ フリッツ・シーベル/え

出版ワークス (2021.9)

ある日強い風が農場のおじさんのお気に入りの麦わら帽子をさらってしまう。出会う動物たちに、帽子を見なかったかと尋ねると、誰もが見ていないと言う。植木鉢や舟など、帽子が色々なものに見える繰り返しが楽しく、結末はおじさんの優しさに心温まる。表情豊かなペン画が、ほのぼのとしたユーモアのあるお話の魅力を伝える。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

すずりくん -書道具のおはなし-

青柳 貴史/作 ・ 中川 学/絵

あかね書房 (2021.8)

書道セットには文房具の宝物である筆・墨・すずり・紙の「文房四宝(ぶんぼうしほう)」が入り、中でもすずりは王様と呼ばれる。選び抜かれた石で作られ、千年使っても壊れない。すずり職人が書の歴史と文化をわかりやすく紹介し、毛筆で書くことへの興味を誘う。和風な色調の絵は親しみやすく、見返しに漫画もあり、書道具を身近に感じる。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

くしゃみおじさん

オルガ・カブラル/作 ・ 小宮 由/訳

岩波書店 (2021.7)

荷馬車のおじさんのとんでもないくしゃみで、うさぎと猫の耳が入れ替わり、犬の鳴き声がニャーと変わった。元に戻してもらおうと3匹はおじさんを追いかける。道中次々と現れるくしゃみの被害者たちもへんてこな姿で、みんなでおじさんに迫る場面が愉快だ。くしゃみの音の表現がユニークで、表情豊かな挿絵もお話に合っている。(小学校低学年から)

物語中学生から

ミシシッピ冒険記 -ぼくらが3ドルで大金持ちになったわけ-

ダヴィデ・モロジノット/著 ・ 中村 智子/訳

岩崎書店 (2021.7)

1904年、ミシシッピ川の河口に住む少年テ・トワたち4人は、通販会社へ拳銃を注文した。間違って届いた懐中時計の価値に気づいた彼らは家出し、大金を求めてシカゴの本社まで2,000キロの旅をする。手に汗握る冒険と、差別や貧困に立ち向かい殺人事件を解決へ導く展開に胸躍る。当時の米国の雰囲気を楽しめる挿絵も魅力だ。(中学生から)

物語小学校高学年から

りぼんちゃん(フレーベル館文学の森)

村上 雅郁/作

フレーベル館 (2021.7)

小6の朱理((あかり)は転校生の理緒と親しくなるが、彼女が重い悩みを抱えていると知る。物語の創作が好きな朱理は、悩みの原因をオオカミになぞらえてお話の中で対決し、解決策を模索する。自分に関心が薄い家族に助けを求め、親友を救うために大人たちを変えていく姿は心を打つ。虐待という重い題材を軽妙な語りで描き、読みやすい。(小学校高学年から)

歴史・伝記物語小学校中学年から

きょうりゅうレディ -さいしょの女性古生物学者メアリー・アニング-

リンダ・スキアース/作 ・ マルタ・アルバレス・ミゲンス/絵

出版ワークス (2021.7)

化石集めが好きな少女は、数百万年前の恐竜の骨を掘り出した。それによって動物が絶滅することが初めて知られるようになる。女性が高等教育を受けることが許されなかった19世紀初めの英国で、独学で発掘を続け、古生物学に貢献した、メアリー・アニングの生涯を描く。表情を巧みに捉えた絵から、彼女の強い意志が伝わる。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

クモのアナンシ -ジャマイカのむかしばなし-

フィリップ・M.シャーロック/再話 ・ マーシャ・ブラウン/絵

岩波書店 (2021.6)

アナンシは弱いクモだが、時々人間の姿になる。ずるがしこくて、強いトラやワニを手玉に取ると思えば、欲張って危ない目にもあう憎めない存在だ。カリブ海の人々に長く愛されてきたアナンシが活躍する、愉快な昔話集だ。ジャマイカ出身の語りの名手による再話と、著名な絵本画家が描く表情豊かな挿絵が魅力を伝えている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

いろいろかえる

きくち ちき/[作]

偕成社 (2021.6)

緑色のかえるは食べるのが好きで、黄色のかえるは跳ねるのが好き。色鮮やかなかえるが次々と現れ、踊ったり泳いだり、みんなの好きなことをして一日を過ごす。一匹増えるたびに新しい色が増えて、場面がにぎやかになる様子が楽しい。見開きいっぱいに描かれたかえるたちは躍動感があり、いきいきとした表情が印象的だ。(赤ちゃんから)

物語小学校高学年から

縄文の狼(くもんの児童文学)

今井 恭子/作 ・ 岩本 ゼロゴ/画

くもん出版 (2021.6)

狩猟採集で生きる一族の少年キセキは、赤ん坊の時オオカミにさらわれ、救出後もオオカミの子と共に育てられた。ある日舟で海へ流され、農業を営む村に漂着する。波乱に満ちた冒険の中、異なる生活様式や生き方を知り、成長する少年の姿を、動物とのきずなを通して力強く描く。太古の生活技術や自然観も丁寧に描写され興味深い。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

みちとなつ(日本傑作絵本シリーズ)

杉田 比呂美/さく

福音館書店 (2021.6)

みちは町のマンションに母と住み、なつは海辺の家でにぎやかに暮らす。みちの宝物はハート形の石で、なつの宝物は丸いガラスのかけらだ。住む場所も性格も違う二人の少女が出会うまでの日々を交互に描く。互いの宝物を通じてすぐ友だちになれる、子どもならではの幸福感が心にしみわたる。夏らしく明るい色使いも魅力的だ。(小学校低学年から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

この世界からサイがいなくなってしまう -アフリカでサイを守る人たち-(環境ノンフィクション)

味田村 太郎/文

学研プラス (2021.6)

ツノをねらった密猟により、アフリカのサイは絶滅の危機にある。動物保護区でも被害が後を絶たず、サイの孤児院も作られている。女性レンジャーによる保護活動や、iPS細胞を用いた復活の研究など、新たな取り組みも紹介する。現地取材を元に、サイの生態から密猟の背景にある貧困の問題まで、わかりやすく書かれている。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

あしたもオカピ

斉藤 倫/作 ・ fancomi/絵

偕成社 (2021.6)

動物たちの願いがかなうという四つ葉形の月の夜、鹿や馬に間違えられる動物オカピは、柵から出て動物園のみんなの願いを聞いてみた。長い鼻が嫌いな象や、本を読みたいメガネザルは、夢の実現を通じて自分らしさに気づく。オカピが様々な出会いを経て、ありのままの自分に満足する結末に心和む。ユーモラスな会話も楽しい。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

海を見た日(鈴木出版の児童文学)

M.G.ヘネシー/作 ・ 杉田 七重/訳

鈴木出版 (2021.5)

同じ里親の下で暮らす子どもたちナヴェイア、ヴィク、マーラは、互いに無関心だ。だが、ふとしたきっかけで、新しく来た自閉症のクエンティンを実母に会わせる冒険を共にする。現実主義のナヴェイア、自分をヒーローと空想するヴィクなど各々の視点で語られ、引き込まれる。共に喪失に向き合い、心を通わせ始める姿が胸を打つ。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

帰れ野生のロボット

ピーター・ブラウン/作・絵 ・ 前沢 明枝/訳

福音館書店 (2021.5)

無人島から回収された感情を持つロボットのロズは、修理後農場に送られた。農場の子どもたちと仲良くなるが、島で育てた養子、ガンのキラリの元に戻ろうと脱走する。ロボットと自然の共生を描く『野生のロボット』の続編で、ロズが人間社会で信頼と友情を築き、道を開いていく様を描く。キラリとの深い親子愛に心打たれる。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校低学年から

アレッポのキャットマン

アイリーン・レイサム/著 ・ カリーム・シャムシ・バシャ/著

あかね書房 (2021.5)

内戦のため、シリアのアレッポからは多くの人が逃げた。仕事を続ける救急救命士のアラーは、見捨てられた猫たちも救いたいと世話を始め、やがて国内外から支援を得て「ねこの家」を作る。美しい街が戦場と化す中、信念を貫く一人の男性を描いた心温まる実話だ。力強く表情豊かな絵は、動物とともに生きる喜びを伝えている。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

海のアトリエ

堀川 理万子/著

偕成社 (2021.5)

おばあちゃんは孫娘に、学校が嫌になっていた小学生の時の特別な思い出を話してくれた。海のそばのアトリエで、お互いの顔を描くなどした画家との一週間が語られる。子ども扱いしない画家とゆったりと過ごすことで、少女の心が解きほぐされていく様子が伝わってくる。落ち着いた明るさの色彩で表現された夏の風景も魅力的だ。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

カブトムシの音がきこえる -土の中の11か月-(たくさんのふしぎ傑作集)

小島 渉/文 ・ 廣野 研一/絵

福音館書店 (2021.5)

カブトムシの一生はわずか1年で、大半を土の中で過ごす。幼虫が腐葉土を食べて短期間で大きくなる理由や、群れるように集まる生態などが紹介され、興味深い。仲間と近づきすぎないように、さなぎが天敵のモグラと同じ振動を発する姿にも驚く。地中の様子を忠実に再現した挿絵に幼虫たちのつぶやきが添えられ、親しみがわく。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

しんぱいせんせい(おはなしみーつけた!シリーズ)

北川 チハル/作 ・ 大野 八生/絵

佼成出版社 (2021.5)

1年生のたつやの担任は、心配性で「だいじょうぶかいなあ」が口ぐせだ。たつやはそれが苦手で、優しい先生なのにうまく話せない。しかし遠足に行った時、先生の失くした傘を探そうと初めて声を上げる。先生や友だちとの距離が縮まる様子を、主人公の視点で温かく描く。関西弁の語りはユーモラスで、挿絵も雰囲気に合う。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

ゴリランとわたし

フリーダ・ニルソン/作 ・ よこの なな/訳

岩波書店 (2021.4)

孤児院で暮らす9歳の少女ヨンナは、がらくたで商売をするゴリラのゴリランに引き取られた。最初は怖がるヨンナだが、見た目とは違うゴリランの深い優しさに気づく。個性を尊重しあうことで、自分らしく生きられるようになるヨンナの変化を丁寧に描く。ユーモラスな会話と、別れの危機を乗り越える二人のきずなに心温まる。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語小学校高学年から

火の鳥ときつねのリシカ -チェコの昔話-(岩波少年文庫 254)

木村 有子/編訳 ・ 出久根 育/絵

岩波書店 (2021.4)

まとまって紹介されることの少なかったチェコの昔話を24編収録する。親をも食べてしまう切り株の赤ん坊オテサーネクや、意地悪な妖精などの怪異な話は、独特の雰囲気が味わい深い。姫を救おうと奔走する王子や、賢い美女が試練に打ち勝つ話も多く含み、華やかさもある。訳文は読みやすく語りにも向き、骨太な魅力を伝える。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

けんだましょうぶ(福音館創作童話シリーズ)

にしひら あかね/作

福音館書店 (2021.4)

けいくんは、けん玉を持って出かけ、きつねやたぬきと勝負する。彼らのけん玉はへんてこで、玉がみかんになったり、けんがザリガニになったりする。ユーモアたっぷりで楽しく読め、てんぐの子と勝負の後で友だちになる満足感が心地よい。のびやかな線の絵が表情をよく伝え、見返しの技紹介も楽しく、けん玉で遊びたくなる。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

おかえり、ウミガメ

高久 至/写真・文

アリス館 (2021.4)

5月になると、アカウミガメが産卵のため、太平洋を越えて屋久島の浜に帰ってくる。約2か月後、ふ化した赤ちゃんたちは海を目指し走り出すが、他の動物や潮だまりに阻まれる。厳しい生存競争が静かに語られる一方、鮮明な水中写真のカメたちの表情はいとおしい。産卵に適した浜の減少など、環境問題にも言及した写真絵本だ。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

まよなかのトイレ(こどものとも絵本)

まるやま あやこ/さく

福音館書店 (2021.4)

ひろこは真夜中にトイレに行きたくなった。お母さんは赤ちゃんの世話で忙しい。勇気を出して暗がりを進むと、紙を食べるやぎに出くわした。トイレに現れる動物たちに助けられて緊張が解けていく様子や、初めて自力でやり遂げられた安心感に共感できる。淡い色彩の温かく親しみやすい絵は、お話の微笑ましい雰囲気に合う。(幼児から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

ヴォドニークの水の館 -チェコのむかしばなし-

まき あつこ/文 ・ 降矢 なな/絵

BL出版 (2021.4)

川に身を投げようとした娘は、不気味な水辺の主ヴォドニークに仕えることになる。彼女は、のぞくなと言われたつぼに溺れた者たちの魂が閉じ込められていることを知った。陰影のある美しい色彩の絵は、物語の不思議な雰囲気をよく伝える。娘がつぼの魂を解放し、水底から逃れる場面は、生きる決意が伝わり、力強く印象的だ。(小学校低学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

猿橋勝子 -女性科学者の先駆者-(はじめて読む科学者の伝記)

清水 洋美/文 ・ 野見山 響子/絵

汐文社 (2021.3)

化学分析の第一人者であり、水爆実験の「死の灰」の分析に携わった女性科学者の生涯をたどる。昭和初期に中央気象台に勤め、地道な努力を続け、私財で賞を創設し後進を育てた。核の危険を世に伝え、人類の幸福や平和に貢献したいと願う猿橋の使命感と信念が力強く語られる。研究への情熱と社会貢献の意識に感銘を受ける。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

地球がうみだす土のはなし

大西 健夫/文 ・ 龍澤 彩/文

福音館書店 (2021.3)

あるコナラの木が、自分を大きく育ててくれた土の誕生を語る。火山灰や砂つぶが固まってねん土になり、微生物や虫など様々な生き物の働きで命を育む土になる。長い時間をかけた地球の営みの中での、生命のつながりがわかりやすくつづられる。地面の広がりや地中の深さを感じさせる大胆な構図の絵に想像力をかきたてられる。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

つくしちゃんとおねえちゃん(福音館創作童話シリーズ)

いとう みく/作 ・ 丹地 陽子/絵

福音館書店 (2021.3)

2年生のつくしは、優等生でピアノも上手な2つ上の姉が自慢だ。おねえちゃんは口は悪いが思いやりがあり、歩くのが少し不自由なぶん、人知れず体育の練習をするがんばり屋だ。姉の強さと優しさが、のんびり屋の妹の視点で語られ、互いを思いやる姉妹のきずなが細やかに描かれる。温かみのある挿絵から二人の気持ちが伝わる。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

クローバーと魔法動物 3 ライバルは夏の終わりに

ケイリー・ジョージ/作 ・ 久保 陽子/訳

童心社 (2021.3)

動物好きな少女クローバーは、自分は運が悪いと思い込んでいる。夏休みのある日、魔物がすむという森で魔法動物紹介所を見つけた。ボランティアを始めた彼女は、ドラゴンやユニコーンなど魔法動物の世話をし、ぴったりの里親に引き合わせる仕事をこなしていく。動物たちと心を通わせることでトラブルを解決し、自信を取り戻す姿に勇気づけられる。魔法動物専門家のオリバーと友情を育み、学びあう喜びに気づく展開は希望に満ち胸が躍る。全3巻で、クローバーのひと夏の冒険を描き、不思議な物語の世界に引き込まれる。豊富な挿絵も楽しい。(小学校中学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

パラリンピックは世界をかえる -ルートヴィヒ・グットマンの物語-

ローリー・アレクサンダー/作 ・ アラン・ドラモンド/絵

福音館書店 (2021.3)

下半身まひの治療に革新をもたらし、リハビリに初めてスポーツを取り入れた医師の生涯を描く。ナチスのユダヤ人迫害で亡命した彼が英国の病院で開いた競技会は、パラリンピックの前身となった。患者の社会復帰に尽力する彼の信念と情熱が胸を打つ。写真と親しみやすいイラストを効果的に配置した構成で、引き込まれる。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

ロサリンドの庭

エルサ・ベスコフ/作 ・ 菱木 晃子/訳

あすなろ書房 (2021.2)

6歳の少年ラーシュは病弱で、壁紙に描かれた花を毎日ひとりぼっちで眺めていた。ある日、壁の中から現れた少女ロサリンドと友だちになり、秘密の庭で遊ぶようになる。楽しみを見出し、元気になる少年の姿がいきいきと描かれ、少女を通じて不思議な出会いが待つ結末も夢がある。温かみのある絵はお話の雰囲気に合っている。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

池の水なぜぬくの? -外来種を探すだけではない“ほんとうの理由"-

安斉 俊/著・絵 ・ 勝呂 尚之/監修

くもん出版 (2021.2)

人工の池の水抜きは、大雨や氾濫による浄化作用の代わりに、その環境を人の手で整えるために行われる。準備段階から、水と生き物を元の池に戻すまでを丁寧に説明する。作業の過程で行う調査や外来種の駆除、生息する生物の紹介も興味深い。添えられたイラストは具体的でわかりやすく、自然への理解を深めることができる。(小学校中学年から)

物語中学生から

あしたの幸福

いとう みく/著 ・ 松倉 香子/絵

理論社 (2021.2)

父を事故で亡くした中2の雨音(あまね)は、顔も知らない産みの母と暮らすことにした。感情表現の乏しい母に戸惑うが、父の婚約者も加わっての三人暮らしを経て、次第に心が通じていく。ヤングケアラーの友人との交流も描かれ、心の痛みを尊重しあう姿が胸を打つ。前向きに周囲との関係を紡いでいく少女の成長を軽やかに丁寧に描く。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

ひびけわたしのうたごえ(世界傑作絵本シリーズ)

カロライン・ウッドワード/文 ・ ジュリー・モースタッド/絵

福音館書店 (2021.2)

寒い冬の早朝、6歳の私はスクールバスに乗るためひとりで家を出る。雪の積もる坂を下り、近道をして暗い森を通ると、周りから不気味な音が追ってくる。不安を吹き飛ばすために歌い始めると、景色が明るく見えてきた。カナダで幼少期を過ごした著者の詩情豊かな語りと、落ち着いた色彩の絵は少女の心情をよく伝え、印象的だ。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

おすしやさんにいらっしゃい! -生きものが食べものになるまで-

おかだ だいすけ/文 ・ 遠藤 宏/写真

岩崎書店 (2021.2)

お寿司屋さんに来た子どもたちは、並んだ魚を見て、キンメダイ、アナゴ、イカを選ぶ。魚の特徴を職人と一緒に観察し、さばかれる様子を好奇心いっぱいに見守る。釣られた魚が食べ物になっていく過程が連続性のある写真で紹介され、わかりやすい。子どもたちの驚きや感動と、命に感謝して食べる気持ちが自然に伝わってくる。((小学校低学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

でんしゃくるかな?(0.1.2.えほん)

きくち ちき/[作]

福音館書店 (2021.2)

「くるかな? くるかな?」「きたー!」そわそわと待っていた動物たちは、ホームに滑りこんできた電車に大喜びしては、また次の電車を待つ。喜びで胸がはちきれそうな動物たちの姿が、明るい色調の水彩画で、のびやかに描かれる。電車がくるたびに動きが大きくなる様子には躍動感があり、楽しい気持ちがよく伝わってくる。(赤ちゃんから)

物語小学校高学年から

わたしのあのこあのこのわたし(わたしたちの本棚)

岩瀬 成子/著

PHP研究所 (2021.2)

小学5年生の秋(あき)は、大切なレコードを傷つけられたことがきっかけで、友だちのモッチと気持ちがすれちがう。変わっていると言われるのが嫌で人と距離を置く秋と、おっとりしていて誰の話も受け止めるモッチを、それぞれの視点で交互に描く。思春期前の少女の、自分にない部分への憧れといらだちが等身大に語られ、共感を呼ぶ。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

カメくんとイモリくん 小雨ぼっこ

いけだ けい/作 ・ 高畠 純/絵

偕成社 (2021.1)

大雨で家を流され、遠くの池に引っ越したイモリくんがカメくんのところへ遊びにきた。心地よい小雨の中でくつろいだり、水中で宝を探したり、大切な友だちと過ごすひと夏が細やかに描かれる。個性豊かな水辺の仲間たちのとぼけた会話が楽しく、ユーモラスな挿絵も物語を盛り上げる。離れても変わらない友情に心が温まる。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

オニタロウ(福音館創作童話シリーズ)

こさか まさみ/文 ・ 北村 人/絵

福音館書店 (2021.1)

オニタロウは、カキの木山で動物たちと仲良く暮らしていた。様子を見に来たとうさんオニに30人の子分を見せると約束してしまい、たけのこえんの子どもたちに子分になってもらおうと挑戦状を送る。心優しい鬼の子と、作戦を練って相撲勝負をする園児との交流を温かく描く。柔らかい筆致の挿絵もほのぼのとした味わいがある。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

みたらみられた

たけがみ たえ/作

アリス館 (2021.1)

屋根の上を歩く猫を見ていたら、目が合った。野原で牛を見ていたら、何頭もの牛に囲まれていた。目が合ってハッとする瞬間を、「みたら」「みられた」という短い言葉と大胆な構図で切り取り、驚きと緊張感が伝わる絵本だ。木版刷で表現された絵は色合いも鮮やかで、動物たちの迫力ある目の不思議な力にも魅了される。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

なりきりマイケルのきかんしゃりょこう

ルイス・スロボドキン/さく ・ こみや ゆう/やく

出版ワークス (2021.1)

三輪車で遊んでいたはずのマイケルが、突然大きな機関車で部屋に入ってきた。父親と姉を乗せて、運転手、駅員、車内販売員など何役も忙しくこなしながら旅は続く。車内の様子や風景が柔らかな筆致で勢いよく描かれ、想像の旅の弾むような楽しさが伝わる。父親による語りからは、ごっこ遊びにつきあう温かな関係が感じられる。(幼児から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

山をつくる -東京チェンソーズの挑戦-

菅 聖子/文

小峰書店 (2020.12)

:東京都檜原村(ひのはらむら)の東京チェンソーズは、若者が主体の林業会社だ。冬は木材を運び出す道をつくり、夏は炎天下で下草を刈る過酷な現場で働く彼らを紹介する。「森を育てる」だけでなく、木の玩具作りや植樹イベントなど「木を届ける」新しい試みも興味深い。数十年後の未来を見据える彼らの志には、自然への敬意があふれている。(小学校高学年から)

歴史・伝記物語中学生から

わたしは大統領の奴隷だった -ワシントン家から逃げ出した奴隷の物語-

エリカ・アームストロング・ダンバー/著 ・ キャサリン・ヴァン・クリーヴ/著

汐文社 (2020.12)

オーナはアメリカ初代大統領ワシントン夫妻の奴隷だった。有能で夫人に気に入られるが、贈り物として孫娘に譲渡されると知り、逃亡する。苦難の道を歩みながらも、自由を追い求めた黒人女性の一生が、豊富な資料をもとに語られる。大統領自ら多くの奴隷を使うような時代を丁寧に描写し、差別の理不尽さを浮き彫りにする。(中学生から)

知識の本小学校低学年から

わかめ -およいでそだってどんどんふえるうみのしょくぶつ-(海のナンジャコリャーズ 2)

青木 優和/文 ・ 畑中 富美子/絵

仮説社 (2020.12)

わかめは身近な食材だが、生えている姿を想像できるだろうか。根元のめかぶから「わかめのもと」である遊走子(ゆうそうし)が流されて繁殖するなど、その興味深い生態を紹介する。温かみのある絵は親しみやすく、細密に描かれてわかりやすい。見返しにもおまけ情報が満載で、大人も一緒に、わかめを楽しく知ることのできる絵本だ。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

きれいでふしぎな粘菌(森の小さな生きもの紀行 1)

新井 文彦/著 ・ 川上 新一/監修

文一総合出版 (2020.12)

粘菌は、植物でも動物でもなくアメーバの仲間で、形を変えながら成長する。網のように広がって移動し、やがてキノコのように胞子を飛ばす子(し)実体(じつたい)という姿になる。微細な世界を鮮やかな近接写真でとらえ、色や形も多様な粘菌の美しく不思議な魅力を伝えている。見つけにくい粘菌の採集のコツや育て方も書かれ、興味が尽きない。(小学校中学年から)

物語中学生から

チェリーシュリンプ -わたしは、わたし-

ファン ヨンミ/作 ・ 吉原 育子/訳

金の星社 (2020.11)

中学2年生のダヒョンは、自分を抑えて仲良し5人組に合わせてきた。しかし学校の課題で、彼女たちから嫌われているウンユと共にグループ活動をするうちに、ウンユに親近感を感じ始める。友人関係に悩む少女の心情が、韓国の日常生活の中で丁寧に描かれる。自分らしさを肯定できるようになる力強い結末に勇気づけられる。(中学生から)

物語中学生から

スーパー・ノヴァ

ニコール・パンティルイーキス/著 ・ 千葉 茂樹/訳

あすなろ書房 (2020.11)

大好きな姉がいなくなり、12歳のノヴァは新しい里親に引き取られた。それでも彼女は、スペースシャトルの打ち上げを姉と一緒に見る約束を信じていた。自閉症のノヴァの視点で見た回想と現在が交錯する情景から、姉妹を結んでいた愛の強さが浮かび上がり心を打つ。喪失を乗り越え、新たな一歩を踏み出す結末に力づけられる。(中学生から)

知識の本小学校中学年から

もしもトイレがなかったら(ちしきのもり)

加藤 篤/著

少年写真新聞社 (2020.11)

災害時に困るのは、トイレが使えなくなることだ。食べることは我慢できても排せつは我慢できない。人が安心して健康に暮らすためにトイレは欠かせないものだ。近年注目されている防災や衛生の視点を中心に、トイレの歴史や設備、使い方や災害時の備えなどを解説する。図解が豊富でわかりやすく、コラムも楽しく読める。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

イッカボッグ

J.K.ローリング/著 ・ 松岡 佑子/訳

静山社 (2020.11)

コルヌコピア王国の北の沼地には怪物イッカボッグがいる。その伝説を欲深な貴族が悪用し、国中に不幸をもたらした。平穏な日常や家族を奪われた少年と少女は平和を取りもどすための冒険に巻きこまれていく。大団円の結末にはほっとするが、うそが重ねられて一人歩きする怖さや、真実とどう向き合うかなどを考えさせられる。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

みそしるをつくる

高山 なおみ/文 ・ 長野 陽一/写真

ブロンズ新社 (2020.11)

あったかくておいしい豆腐と油あげのみそ汁をつくろう。昆布と煮干しを泳がせて、だしを取るところから始めるよ。「すとん とん」と歌いたくなるような文章に、楽しげに配置された写真が合わさり、見るだけで作りたくなる。料理家の著者により、子どもでも調理できるように手順が工夫されている。食育にも役立つ写真絵本だ。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

なにかがいる(かがくのとも絵本)

佐藤 雅彦/作 ・ ユーフラテス/作

福音館書店 (2020.11)

写真の中に「なにかがいる」。草むらの中の猛獣や、砂底に潜む魚など、背景に紛れた動物たちを見つけてみよう。動物のシルエットが、ページごとに表示され、ヒントになる。自然の造形や日常の風景が切り取られた一瞬の写真の中の、予想外の存在に驚かされる。じっと目を凝らせば、隠れた生き物たちの息づかいが感じられる。(幼児から)

知識の本幼児から

このかみなあに? -トイレットペーパーのはなし-

谷内 つねお/さく

福音館書店 (2020.11)

トイレットペーパーのロールは、ほどくと長くて、どんどんのびる。薄くてやわらか、細くよじれば強くなり、水を吸うと弱くなる。様々な特性が一目で伝わる実験の写真が次々と登場し、直感的に理解しやすい。ぐんと横長の判型や装丁にも遊び心が感じられる。製紙会社への質問と答もあり、幅広い年代が興味深く読める。(幼児から)

物語小学校高学年から

橋の上の子どもたち(文学の扉)

パドマ・ヴェンカトラマン/作 ・ 田中 奈津子/訳

講談社 (2020.11)

インドに住む11歳の少女ヴィジは、暴力をふるう父親を見限り、障がいのある姉のラクと家を出た。街で知り合った少年2人と、橋のたもとで助け合いながら暮らし始める。インドのストリートチルドレンの現状を知る著者が、貧困のなかでたくましく生きる子どもたちを描く。苦難にあいながらも誇りを失わない少女の姿が印象的だ。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

100さいの森

松岡 達英/著 ・ 伊藤 弥寿彦/監修

講談社 (2020.11)

明治神宮の広大な鎮守の森は、荒れ地に植林して以降、人の手が加わっていない。広葉樹スダジイが100年の歴史を思い出しながら、森で息づく動植物の営みを小鳥たちに語る。透明感のある色彩で、鳥の動きや小さな生きもの、空に広がる大木の枝を大胆な構図で描き、森を散策している気分になる。巻末の解説により理解も深まる。(幼児から)

物語小学校高学年から

夜の妖精フローリー(ティーンズ文学館)

ローラ・エイミー・シュリッツ/作 ・ 日当 陽子/訳

学研プラス (2020.11)

夜の妖精フローリーは、コウモリに翼を奪われ、人の庭に落ちた。昼の庭の美しさに感動し、昼の妖精になる決意をする。慣れない世界で、襲い来るリスやクモなどから身を守るため、知恵を絞っていく。次第に他の生き物を理解し、相手を尊重できるようになる彼女の姿が印象的だ。繊細な挿絵も魅力的で、物語をひきたてている。(小学校高学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ねこはすっぽり

石津 ちひろ/文 ・ 松田 奈那子/絵

こぐま社 (2020.11)

「ごろりーん」と寝っ転がったり、「のびーん」とのびたり、ねこが自由に過ごしている。がりがりひっかいたり、体をなめなめしたり、幸せそう。柔らかで軽やかな言葉にのせて、ねこのしなやかな動きが繰り返され、声に出すと楽しい。のびやかな線で描かれた白いねこの絵は、シンプルで明るい配色に映え、愛らしさが伝わる。(赤ちゃんから)

よみつがれてきた物語小学校高学年から

インド神話(岩波少年文庫 253)

沖田 瑞穂/編訳

岩波書店 (2020.1)

インドに伝わるヴェーダなどの聖典には、個性的な神々や悪魔が多く登場する。膨大な神話の中から、世界の起源である黄金の卵の話や、3つの目を持つシヴァ神の物語といった壮大で興味深い話を抜粋した。独特な世界観だが興味深く読め、丁寧な解説が理解を助ける。スズキコージの力強い挿絵も神話の魅力を引き立てている。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

やっこさんのけんか

殿内 真帆/作・絵

フレーベル館 (2020.1)

赤、青、黒、黄、緑の折り紙のやっこさんは、それぞれ自分が一番だと言い出す。お相撲さんになったり、飛行機になったり、形を変えて競うが、勝負がつかない。日本の伝統遊びである折り紙を題材に、薄墨色の背景に5色の鮮やかな色彩が目を楽しませる。見返しに、登場した折り方が紹介され、実際に自分で作ってみたくなる。(幼児から)

物語小学校高学年から

色どろぼうをさがして(ポプラせかいの文学 7)

エヴァ・ジョゼフコヴィッチ/作 ・ 大作 道子/訳

ポプラ社 (2020.1)

イギリスに住む12歳のイジーは、意識不明で入院中のママを見舞いに行く勇気が出ない。悪夢を見るたびママが描いた絵から色が消える奇妙な現象にも悩まされる。繊細な少女の心情を、ミステリー仕立てで緊迫感たっぷりに描く。新たな出会いや白鳥のヒナとの触れ合いにより、傷ついた心が再生してゆく描写も丁寧で印象深い。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

クローバーと魔法動物 2 魔法より大切なもの

ケイリー・ジョージ/作 ・ 久保 陽子/訳

童心社 (2020.1)

動物好きな少女クローバーは、自分は運が悪いと思い込んでいる。夏休みのある日、魔物がすむという森で魔法動物紹介所を見つけた。ボランティアを始めた彼女は、ドラゴンやユニコーンなど魔法動物の世話をし、ぴったりの里親に引き合わせる仕事をこなしていく。動物たちと心を通わせることでトラブルを解決し、自信を取り戻す姿に勇気づけられる。魔法動物専門家のオリバーと友情を育み、学びあう喜びに気づく展開は希望に満ち胸が躍る。全3巻で、クローバーのひと夏の冒険を描き、不思議な物語の世界に引き込まれる。豊富な挿絵も楽しい。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

アルマの名前がながいわけ

フアナ・マルティネス-ニール/作 ・ 宇野 和美/訳

ゴブリン書房 (2020.1)

アルマの長い名前には、彼女につながる家族の物語がある。本と花が好きだった祖母や絵描きだった祖父など、名前に込められた一つ一つの素敵な物語をパパが語ってくれる。自分らしく生きた彼らと似たところを知り、未来への希望を見出す彼女が微笑ましい。アルマが表情豊かに描かれ、自分の名前を誇らしく思う気持ちが伝わる。(小学校低学年から)

よみつがれてきた物語小学校高学年から

かじ屋と妖精たち -イギリスの昔話-(岩波少年文庫 252)

脇 明子/編訳

岩波書店 (2020.9)

イギリスの風土が感じられる31編を収めた昔話集だ。定番の「ジャックと豆の木」や、あまり他では紹介されていないスケールの大きい冒険物語「鳥の合戦」も含まれ、読み応えがある。ちょっとハラハラするお話、妖精たちの出てくるお話など、内容別に編集され、手に取りやすい。言葉づかいは耳になじみやすく、挿絵も温かい。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

おじいちゃんとの最後の旅

ウルフ・スタルク/作 ・ キティ・クローザー/絵

徳間書店 (2020.9)

ウルフ少年は偏屈な祖父が大好きだ。死期の近い祖父の願いをかなえるため、入院中の彼を連れ出し、祖母との思い出の家がある島へ向かう。口の悪い祖父、厳格な父、うそつきの天才を自称する孫、それぞれの抱く思いがユーモアを交えて丁寧に表現され、切ない余韻を残す。色鉛筆画のような挿絵も情感がこもっていて美しい。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

世界遺産知床の自然と人とヒグマの暮らし

伊藤 彰浩/写真 ・ 伊藤 かおり/文

少年写真新聞社 (2020.9)

自然の宝庫である知床半島では、観光客の前にもヒグマが姿を見せる。ヒグマの子育てやひとりだち、冬ごもりの準備など、一年の暮らしを美しい写真で詳しく紹介する。森の恵みを味わい、魚を獲ろうと躍動する姿には命の輝きが感じられる。共生のための地元の努力や歴史にも触れ、人間と自然の関係について考えさせられる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

しょうぼうしのくまさん(世界傑作絵本シリーズ)

フィービ・ウォージントン/さく・え ・ オリバー・ウィリアムス/さく・え

福音館書店 (2020.9)

ボートやのくまさんは、馬のデイジー、妹のスージーとボートの家に住んでいる。朝ご飯を食べたら、馬に引っ張ってもらって出発する。石炭や干し草を運ぶ仕事をし、人も乗せてあげる。屋根の上で昼ご飯を食べ、夜は歌を歌って眠る。くまさんがまじめに働くまる一日の様子を親しみやすい絵で追体験でき、幼い子に満足感を与える。消防車に乗ったくまさんが、猫を助け、納屋の火事を消す一日を語る『しょうぼうしの くまさん』とあわせて、大人のように仕事をするくまさんの日常を丁寧に描くシリーズの続編が、40年ぶりに刊行された。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ボートやのくまさん(世界傑作絵本シリーズ)

フィービ・ウォージントン/さく・え ・ こみや ゆう/やく

福音館書店 (2020.9)

ボートやのくまさんは、馬のデイジー、妹のスージーとボートの家に住んでいる。朝ご飯を食べたら、馬に引っ張ってもらって出発する。石炭や干し草を運ぶ仕事をし、人も乗せてあげる。屋根の上で昼ご飯を食べ、夜は歌を歌って眠る。くまさんがまじめに働くまる一日の様子を親しみやすい絵で追体験でき、幼い子に満足感を与える。消防車に乗ったくまさんが、猫を助け、納屋の火事を消す一日を語る『しょうぼうしの くまさん』とあわせて、大人のように仕事をするくまさんの日常を丁寧に描くシリーズの続編が、40年ぶりに刊行された。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

おとうふ2ちょう(ポプラ社の絵本 74)

くろだ かおる/さく ・ たけがみ たえ/え

ポプラ社 (2020.9)

ケンちゃんはお使いの帰りに追加で豆腐を1丁頼まれるが、遊びに行きたくて断る。代わりに行った双子の妹、三つ子の弟は、豆腐をひとり2丁ずつ買って寄り道をして帰る。勘違いが繰り返されていく展開が面白く、大量の豆腐を家族でワシワシ食べる結末も微笑ましい。躍動感あふれる絵で、登場人物の表情を豊かに描いている。(幼児から)

物語小学校中学年から

神様のパッチワーク(ポプラ物語館 81)

山本 悦子/作 ・ 佐藤 真紀子/絵

ポプラ社 (2020.9)

4年生の結(むすぶ)は、特別養子縁組で今の両親の元に来た。周りもそのことを知っている。家族4人自然体で仲良く暮らしていたが、転校生にかわいそうと言われ心が揺れる。パッチワークのように集まってできた家族のきずなを、少年の視点で温かく描く。血のつながりに関係なく、愛情あふれる家族のかたちがあることに気づかされる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ねられんねられんかぼちゃのこ(福音館の幼児絵本)

やぎゅう げんいちろう/さく

福音館書店 (2020.9)

お月さんがかぼちゃの子に、「はやく ねなさーい」 と言う。かぼちゃの子は、カエルが乗っているから、イモムシがくっついているから、「ねられん ねられん」と寝ようとしない。寝ない子とお月さんの、擬音を織り交ぜたのんびりした繰り返しのやりとりが心地よい。くっきりとした輪郭と鮮やかな色の絵も温かみがある。(赤ちゃんから)

物語小学校低学年から

はりねずみともぐらのふうせんりょこう -アリソン・アトリーのおはなし集-(世界傑作童話シリーズ)

アリソン・アトリー/作 ・ 上條 由美子/訳

福音館書店 (2020.9)

はりねずみともぐらは、昼寝中の女の人が持つ風船を見つけた。持っていた金貨と引き換えに風船を手にした2匹は、風に飛ばされ空の旅に出る。英国の自然豊かな田園を舞台に、人間の近くで暮らす小動物たちのささやかな冒険をいきいきと描いた3話を収録する。愛らしい白黒の版画は、素朴で温かな物語の雰囲気によく合う。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

珪藻美術館 -ちいさな・ちいさな・ガラスの世界-(たくさんのふしぎ傑作集)

奥 修/文・写真

福音館書店 (2020.9)

珪藻はガラス質の殻を持つ大きさ0.1ミリ以下の藻で、世界の水辺のいたるところで、数万種が存在する。著者はこの殻を採集し、顕微鏡下で並べて七色に輝く珪藻アートを作りあげる。職人的な手作業の工夫も興味深く、精緻な顕微鏡写真で紹介される極小の作品の美しさは圧巻だ。科学とアートの両面から新鮮な驚きが味わえる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

あるヘラジカの物語

星野 道夫/原案 ・ 鈴木 まもる/絵と文

あすなろ書房 (2020.9)

アラスカの山の麓で2頭の雄のヘラジカが激しく戦い、角が絡まって外れなくなった。疲れ果て、弱ったヘラジカの肉をほかの動物がむさぼり食い、時を経て白骨化した頭の骨に鳥が卵を産む。壮絶な物語を通して、命がつながる大自然の摂理が描かれる。見開きの絵は戦いの迫力を伝えるとともに、悠久な自然の広がりを感じさせる。(小学校低学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

梨の子ペリーナ -イタリアのむかしばなし-

イタロ・カルヴィーノ/再話 ・ 関口 英子/訳

BL出版 (2020.9)

梨のかごに入って宮殿に連れてこられた少女ペリーナは召使になる。王子と仲良くなったことをねたまれた彼女は、魔女の宝物を取りに行くことになった。不思議な老女の助けを得て、出会うものに恵みを与え、無事宝物を持ち帰る彼女の優しさと勇気が印象的だ。素描と陰影のある幻想的な絵を交え、少女の冒険を情感豊かに描く。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

これがぼくらにぴったり!

アン・ローズ/さく ・ アーノルド・ローベル/え

好学社 (2020.8)

切れた靴ひもを買い替えたロンソンさんは、履いている汚れた靴がつりあわないので、靴も新調してみた。すると上着や、妻の服さえ気になり始め、ついには家まで買ってしまう。見違えるほど立派になるが、結局は元の暮らしに戻る様子を、軽妙な味わいの絵で喜劇風に描く。自分らしさを再発見する夫婦の結末に安心できる。(幼児から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

牧野富太郎 -日本植物学の父-(はじめて読む科学者の伝記)

清水 洋美/文 ・ 里見 和彦/絵

汐文社 (2020.7)

独学で採集と研究を続け、植物を愛し抜いた牧野富太郎の94年の生涯を描く。幼少期から描き続けた絵の才能を発揮し、日本の植物学の発展の使命感から図鑑を自費出版した彼の情熱は格別だ。お金と名誉には関心がなく、貧乏だったが、周囲の人々に支えられた研究第一の人生だった。コラムや自筆の植物画も充実し、興味を誘う。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

4さいのこどもって、なにがすき?

ウィリアム・コール/さく ・ トミー・ウンゲラー/え

好学社 (2020.7)

4歳の子どもが4人、おばさんの家に遊びに来て、好きなことを口々に教えてくれる。お誕生日やくすぐりっこ、ジャングルジム、風船で空もとびたい。子どもたちの言葉にはそれぞれの個性が感じられ、リズミカルな文章も心弾ませる。抑えた色彩と線の絵には、空想や夢も忍び込み、子どもの喜びをいきいきと表現している。(幼児から)

物語小学校高学年から

フレンドシップウォー -こわれたボタンと友情のゆくえ-(講談社文学の扉)

アンドリュー・クレメンツ/著 ・ 田中 奈津子/訳

講談社 (2020.7)

6年生のグレースは、祖父の廃工場から大量のボタンを見つけた。学校に持っていくと、ボタンの自慢や交換が流行し、負けん気から親友のエリーと仲違いをしてしまう。一方で科学好きの少年と親しくなるなど、友人関係の機微が軽妙に描かれる。争いを契機に互いの理解を深めた少女たちが、友情を再確認する結末は清々しい。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

命のうた -ぼくは路上で生きた十歳の戦争孤児-

竹内 早希子/著 ・ 石井 勉/絵

童心社 (2020.7)

空襲で家族を失った10歳のセイちゃんは、終戦後の神戸で浮浪児となった。助けもなく、路上で眠り、生ごみをあさり、孤独に過ごしたつらい体験を、少年の視点で感受性豊かに語る。大人になり、教師を勤めあげた彼の「生きてこそ命」という言葉が心に残る。戦争孤児の実態を、当事者からの聞き書きで語り継ぐ貴重な記録だ。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

サンドイッチクラブ

長江 優子/作

岩波書店 (2020.6)

漫然と塾に通う6年生の珠(たま)子(こ)は、成績優秀なヒカルが無心に砂像を作る姿に興味を持つ。社会への鋭い目を持ち何事にも強気の彼女に巻き込まれ、砂像彫刻家志望の少年と対決したことから、砂像創作の奥深さに引き込まれていく。育ちも性格も違う少女たちが互いに認め合い友情を育む中で、自分らしさを見出す姿を軽やかに描く。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

希望、きこえる? -ルワンダのラジオに子どもの歌が流れた日-

榮谷 明子/著

汐文社 (2020.6)

内戦の痛手が残るルワンダでは、昔話などの伝承もままならず、子どもを育む場がない。優しい言葉や楽しい学びを届けようと、ユニセフ勤務の著者は、ルワンダ初の子ども向けラジオ番組を企画する。多様な人々と出会い、そこからアイデアを広げ、夢を実現してゆく描写が爽快だ。国際的な仕事ならではの困難や喜びも興味深い。 (小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ギフト、ぼくの場合

今井 恭子/作

小学館 (2020.6)

6年生の優太は両親の離婚以来、母と妹との3人暮らしだ。父を許せず、父との思い出のギターをたたき壊したが、代役として校内演奏会でギターを弾くことになる。貧困により道を阻まれる少年のやるせない心理を繊細に描き、共感を誘う。似た境遇の友人や身近な大人との交流を通し、苦境の中で夢を見出す姿は希望を感じさせる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

オオカミの旅

ロザンヌ・パリー/作 ・ モニカ・アルミーニョ/絵

あかね書房 (2020.6)

オオカミの子スウィフトは、別の群れに襲われて家族を失い、故郷を追われた。狩りもままならない中、新天地を探す長い旅が始まる。実在した一頭の移動記録に着想を得て、若いオオカミの孤独な旅と成長を、一人称でいきいきと描く。アメリカ西部に生きる動物や自然の細やかな描写と、豊富な挿絵が臨場感を引き立てている。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

山のうらがわの冒険(読書の時間 3)

みお ちづる/作 ・ 広瀬 弦/絵

あかね書房 (2020.6)

祖母の家で夏休みを過ごしていたヒロキは、山の裏側の世界に迷い込む。町育ちの彼が、厳しくも豊かな自然の中で、ヤマビトたちと野生の暮らしをすることになる。いじめから無気力になりがちだったヒロキが、冒険を経て成長する姿を描くファンタジーだ。食べることで他者の命をもらって生かされていると気づく場面が心に残る。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

ぼくらはもりのダンゴムシ(はじめてのいきもの)

まつおか たつひで/さく

ほるぷ出版 (2020.6)

ダンゴムシは夜行性で、日が暮れると石の下からはい出て、枯葉を食べてフンをする。そうして森を育てる栄養をつくり出す。外敵から身を守るために丸まる習性や、脱皮後の殻を食べる様子など、生態をわかりやすく説明する。優しい色合いで細かく描きこまれたイラストは、親しみやすく、森に住む他の生物にも視野を広げさせる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

みずをくむプリンセス

スーザン・ヴァーデ/文 ・ ピーター・H.レイノルズ/絵

さ・え・ら書房 (2020.5)

アフリカの少女ジージーは、毎朝早くから母と一日かけて水くみに行く。泥混じりの水を沸かし、畑から父が帰るとようやく水を飲むことができる。水のない過酷な暮らしでありながら、私の王国と呼ぶほどに彼女はその地を愛する。照りつける太陽と雄大な大地のもとで生きる人々の日常が褐色を基調に力強く描かれ、圧倒される。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

シェルパのポルパ エベレストにのぼる

石川 直樹/文 ・ 梨木 羊/絵

岩波書店 (2020.5)

ヒマラヤの麓で生まれたポルパは、登山者の荷物運びの仕事をする少年だ。先輩に認められた彼は登山の手ほどきを受け、シェルパとして念願のエベレスト登頂を目指す。迫力ある構図、細い線と丁寧な彩色で風景を描き、登山の臨場感を感じさせる。幼い頃から眺め、夢見ていた山の頂に到達する高揚感と純粋な喜びが伝わってくる。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

トリコロールをさがして(ポプラ物語館 80)

戸森 しるこ/作 ・ 結布/絵

ポプラ社 (2020.5)

4年生の真青(まお)は、幼なじみの6年生の真姫(まき)ちゃんが最近冷たいことが不満だ。今までどおりなんでも一緒にしたいと、真姫が憧れている子供服ブランドを見に出かける。女の子同士の友情と思春期前の繊細な心の揺れが、丁寧に描かれる。成長と共に変わっていく距離感をお互いに模索しながら、新しい関係を見出す姿に共感できる。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

わたしたちのカメムシずかん -やっかいものが宝ものになった話-(たくさんのふしぎ傑作集)

鈴木 海花/文 ・ はた こうしろう/絵

福音館書店 (2020.5)

カメムシにはいろんな種類がいるから調べてみよう。校長先生の提案に最初は戸惑っていた子どもたちが、35種ものカメムシを集め、手作りの図鑑ができた。岩手の小学校の実話をもとに、自ら調べ好奇心が広がる子どもをいきいきと描き、カメムシの生態も紹介する。躍動感のある絵は子どもたちの豊かな表情をよくとらえている。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

つかう?やめる?かんがえようプラスチック

キム ウンジュ/ぶん ・ 田崎 智宏/監修・解説

ほるぷ出版 (2020.5)

嵐で船から流れ出た大量のプラスチックのおもちゃが、ほとんど元の形のまま、あちこちに流れ着いた。それはプラスチックが軽くて丈夫だからだ。その特性ゆえに生活を便利にしてきたが、ゴミとなれば環境を脅かす。成り立ちから生き物への影響、リサイクル方法まで、親しみやすいイラストで説明され、子どもにもわかりやすい。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

クローバーと魔法動物 1 運のわるい女の子

ケイリー・ジョージ/作 ・ 久保 陽子/訳

童心社 (2020.5)

動物好きな少女クローバーは、自分は運が悪いと思い込んでいる。夏休みのある日、魔物がすむという森で魔法動物紹介所を見つけた。ボランティアを始めた彼女は、ドラゴンやユニコーンなど魔法動物の世話をし、ぴったりの里親に引き合わせる仕事をこなしていく。動物たちと心を通わせることでトラブルを解決し、自信を取り戻す姿に勇気づけられる。魔法動物専門家のオリバーと友情を育み、学びあう喜びに気づく展開は希望に満ち胸が躍る。全3巻で、クローバーのひと夏の冒険を描き、不思議な物語の世界に引き込まれる。豊富な挿絵も楽しい。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

こぶたのプーちゃん(幼児絵本シリーズ)

本田 いづみ/文 ・ さとう あや/絵

福音館書店 (2020.5)

プーちゃんは、ぬかるみに飛び込んではどろんこおばけに、干し草の山に飛び込んではもじゃもじゃおばけになる。動物たちは驚いて逃げるが、お母さんはプーちゃんだと気付く。太い描線と明るい色彩の絵はのびやかで、お話の楽しさをよく伝える。思う存分遊んだ子どもが母親に受け止められる結末は満足感にあふれ、共感できる。(幼児から)

よみつがれてきた物語幼児から

あかずきん -グリム童話-(日本傑作絵本シリーズ)

グリム/[原作] ・ グリム/[原作]

福音館書店 (2020.5)

デザイナーであり、絵本作家としても多くの絵本を生み出してきた堀内誠一氏による名作絵本だ。1970年に刊行されたものが、最新の印刷技術によって美しい色彩で生まれ変わった。よく知られた昔話が、やわらかな言葉と現代にも通じるモダンな絵で楽しめる。鮮やかな色と奔放な筆づかいの絵は、生き生きとお話を表現している。(幼児から)

物語小学校低学年から

雨の日は、いっしょに(おはなしみーつけた!シリーズ)

大久保 雨咲/作 ・ 殿内 真帆/絵

佼成出版社 (2020.5)

1年生のハルくんの黄色いかさは、違う人のかさになってみたくなり、風にとばされて旅に出た。初めての体験を楽しむが、新しい持ち主は見つからず、次第にハルくんが恋しくなってくる。ささやかな冒険を経て、持ち主の元に戻ってきた安心感に共感できる。折りたたみがさやビニールがさとのしゃれっ気のある会話も楽しい。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

囚われのアマル

アイシャ・サイード/作 ・ 相良 倫子/訳

さ・え・ら書房 (2020.4)

12歳の少女アマルは、横暴な大地主を怒らせ屋敷の使用人にされてしまう。教師になる夢や自由を奪われるが、仲間たちの協力を得て、地主の悪事を告発する機会をつかむ。現代のパキスタンを舞台に、今なお残る男女差別や経済格差に翻弄される少女の姿を鮮やかに描く。苦境にくじけず、立ち向かう彼女の芯の強さが魅力的だ。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ごきげんな毎日(文研ブックランド)

いとう みく/作 ・ 佐藤 真紀子/絵

文研出版 (2020.4)

新築一戸建てに引越し、ごきげんな毎日を過ごす喜一の家に突然祖母が同居することになった。自分を「きわ子さん」と呼ばせ、スマホを使いこなす彼女は、以前とは別人のように若々しい。家族の戸惑いや気遣いが自に描かれ、共感するとともに、今どきのシニアの行動力に元気をもらえる。祖母の秘密を追う謎解き要素も楽しい。(小学校中学年から)

物語中学生から

兄の名は、ジェシカ

ジョン・ボイン/著 ・ 原田 勝/訳

あすなろ書房 (2020.4)

サッカー部主将で人気者の兄ジェイソンが自分の性別への違和感を告白し、サムは衝撃を受けて悩む。閣僚の母とその秘書の父は選挙優先で現実に向き合おうとしない。切実な思いを容易に受け入れられない家族の葛藤と再生を、13歳の弟の視点から機知に富んだ表現で描く。自分らしく生きることの大切さと難しさが共感を呼ぶ。(中学生から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

あかちゃんとわらべうたであそびましょ!

さいとう しのぶ/構成・絵

のら書店 (2020.4)

泣いている赤ちゃんに「あーそーぼ!」とお母さんが呼びかける。お父さんとお姉ちゃんも来て、「おおかぜ こいこい」や「めんめん すーすー」など、家族みんなでわらべ歌を楽しむ。ふれあい方がイラストで説明され、巻末に楽譜もあり、遊び方がわかりやすい。擬人化された野菜たちの動きも楽しく、親子で一緒に遊びたくなる。(赤ちゃんから)

知識の本幼児から

かなへび(かがくのとも絵本)

竹中 践/ぶん ・ 石森 愛彦/え

福音館書店 (2020.4)

葉っぱの陰で目覚めたカナヘビは、朝露を飲み、枯れ木の上で陽を浴びる。トカゲの仲間なので、体温が上がらないと活動が鈍るからだ。夏の産卵や冬眠など、カナヘビの暮らしの1年を追い、生態がよくわかる。獲物の捕食や、天敵からの逃亡の場面は見開きを効果的に使っており、力強い線で描かれた絵は躍動感に満ちている。(幼児から)

絵本/絵童話小学校中学年から

ねえさんの青いヒジャブ

イブティハージ・ムハンマド/文 ・ S.K.アリ/文

BL出版 (2020.4)

ヒジャブはイスラム教の女性が髪を隠す布だ。初めて青いヒジャブをつけて登校する姉を妹のファイザーは誇らしく思うが、見慣れないその姿を男子がからかう。妹の心配をよそに姉は堂々と振舞い、その強さに憧れる様子が温かく描かれる。海と空が溶け合うような美しい青が大胆に使われ、偏見のない世界への願いが感じられる。(小学校中学年から)

知識の本小学校高学年から

オランウータンに会いたい

久世 濃子/著

あかね書房 (2020.3)

ボルネオ島を拠点にオランウータンを研究する著者が、その生態や絶滅の危機について解説する。雌は1頭の子どもを7年かけて育て、雄は群れで一番強いと自覚することで頬のひだが発達するなど、驚きが多い。ジャングルでの生態観察の難しさや、母親でもある著者の、人間の育児との比較も印象的だ。野生の写真も多く興味深い。(小学校高学年から)

物語中学生から

アーニャは、きっと来る

マイケル・モーパーゴ/作 ・ 佐藤 見果夢/訳

評論社 (2020.3)

第二次世界大戦時、フランス南西の国境近くの村に住む少年ジョーは、ユダヤ人の子どもたちの亡命を手伝うことになった。ドイツ軍が駐屯する中、やがて作戦は村をあげての大脱出劇になる。村人たちが団結して逃亡を成功させようとする姿は感動的だ。命の大切さを知りながら、戦争に翻弄される人々の姿を人間味豊かに描く。(中学生から)

物語中学生から

銀をつむぐ者 下 スターリクの王妃

ナオミ・ノヴィク/著 ・ 那波 かおり/訳

静山社 (2020.3)

金貸しの娘ミリエムは、銀を金に変えると評判になり、氷の異界スターリク王国へ連れ去られる。酒飲みの父を持つワンダ、魔物つきの皇帝に嫁いだイリーナ、3人の物語は次第に絡み合う。強い意志で運命に立ち向かう少女たちが魅力的で、大団円の結末まで目が離せない。冬の凍えまで感じさせる描写が織りなす世界観が圧倒的だ。(中学生から)

物語中学生から

銀をつむぐ者 上 氷の王国と魔法の銀

ナオミ・ノヴィク/著 ・ 那波 かおり/訳

静山社 (2020.3)

金貸しの娘ミリエムは、銀を金に変えると評判になり、氷の異界スターリク王国へ連れ去られる。酒飲みの父を持つワンダ、魔物つきの皇帝に嫁いだイリーナ、3人の物語は次第に絡み合う。強い意志で運命に立ち向かう少女たちが魅力的で、大団円の結末まで目が離せない。冬の凍えまで感じさせる描写が織りなす世界観が圧倒的だ。(中学生から)

物語小学校中学年から

トラブル旅行社(トラベル) -砂漠のフルーツ狩りツアー-

廣嶋 玲子/文 ・ コマツ シンヤ/絵

金の星社 (2020.3)

大悟は家族で飲む予定の珍しいジュースをうっかり全部飲んでしまった。代わりを探すうちにトラブル旅行社に迷い込み、必要な果物を求めて砂漠のツアーに出発した。料理の腕でキャラバンに居場所を得て、仲良くなった少年と冒険する展開が小気味よい。異世界の食材を使った料理や、案内役のミミズクとの軽妙な会話も面白い。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

おひめさまになったワニ(世界傑作童話シリーズ)

ローラ・エイミー・シュリッツ/さく ・ ブライアン・フロッカ/え

福音館書店 (2020.2)

立派な女王様になるために、コーラ姫は毎日3回もお風呂に入れられ、勉強に運動に忙しく遊ぶ暇もない。ある日、助けに来たワニを身代わりに城を抜け出す。木登りや川遊びを楽しみ、自信をつけた姫が堂々と意見を言う結末は満足感がある。軽妙な筆致で描かれたワニの暴れん坊ぶりも痛快で、表情豊かな絵が物語を盛り立てる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

きっとあえる -わたりどりのともだち-(日本傑作絵本シリーズ)

鎌田 暢子/さく

福音館書店 (2020.2)

マガンの子トットとコハクチョウのクークーは、遠い北の国からやってきて、日本で出会う。お互い助け合って仲良く過ごすが、やがて春になり、旅立つ時が来る。渡り鳥同士の友情は温かく、またきっと会える、と余韻を残した別れが印象的だ。横長の絵は広がりがあり、素朴な色合いも越冬地ののどかな雰囲気をよく伝える。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

お蚕さんから糸と綿と

大西 暢夫/著

アリス館 (2020.1)

滋賀県内で有数の養蚕地だった集落で、今もお蚕さんを育てている農家は1軒だけだ。命あるものが生み出した繭は、幾人もの職人の手を経て、生糸や真綿に姿を変える。受け継がれてきた営みが美しい写真と簡潔な言葉でつづられ、人々の蚕への愛情が伝わってくる。つややかに光る絹糸や、熟練を感じさせる職人の手が印象的だ。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

自分の力で肉を獲る -10歳から学ぶ狩猟の世界-

千松 信也/著

旬報社 (2020.1)

少年の頃から自給自足の生活に憧れていた著者は、現在週の半分を猟師として山で過ごしている。獲物の痕跡を探り、わなを仕掛け、仕留めて解体する過程をイラストも交え解説する。知識と経験を駆使した野生動物との駆け引きが興味深い。狩猟は生活の一部だとする著者の生き方からは、命への感謝や自然への敬意が感じられる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

のりまき(幼児絵本シリーズ)

小西 英子/さく

福音館書店 (2019.12)

のりまきを作る様子が描かれる。大きくて黒いのりに白いすしめしを広げ、卵焼きやきゅうりをのせてそうっと巻いて、切ったらできあがり。ページいっぱいののりに、ごはんや彩り豊かな具材が順番に並べられる様がテンポのよい文章とともに展開する。表面のつやまで丁寧に描かれたのりまきは美しく、本物以上においしそうだ。(幼児から)

物語小学校高学年から

<死に森>の白いオオカミ

グリゴーリー・ディーコフ/作 ・ ディム・レシコフ/絵

徳間書店 (2019.12)

人間が手を出してはいけないと言い伝えられる森があった。土地を広げようと森を焼き払った村人たちは、オオカミに襲われるようになる。ロシアの民話や伝承を下敷きに、複数の挿話が絡まり合い、オオカミと村人の迫真の闘いが描かれる。壮大な自然を背景に、追いつめられる村の緊迫感が氷のような冷気とともに伝わってくる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

みずたまり

アデレイド・ホール/さく ・ ロジャー・デュボアザン/え

好学社 (2019.12)

めんどりが水たまりをのぞいた。水面に映る自分を見て、水に落ちたかわいいめんどりを助けなきゃと大騒ぎする。それを聞いたぶたやひつじも、次々と水たまりをのぞき、やっぱり大騒ぎする。どの動物も自分が水面に映っていることに気づかない。絵は色鮮やかで躍動感があり、動物たちの愉快な話を表情豊かに伝えている。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

おれ、よびだしになる

中川 ひろたか/文 ・ 石川 えりこ/絵

アリス館 (2019.12)

相撲好きの少年の夢は、力士の名を呼びあげるよびだしになることだ。中学卒業後、憧れの相撲部屋に入門し、一人前になるために、声を出す稽古や太鼓の練習に奮闘する。また、よびだしの仕事は土俵を作ったり、懸賞幕を持つなど多様で興味深い。見開きを効果的に使った絵は臨場感があり、少年の喜びや驚きが伝わってくる。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

5000キロ逃げてきたアーメット(ティーンズ文学館)

オンジャリ Q.ラウフ/作 ・ 久保 陽子/訳

学研プラス (2019.12)

英国の9歳の少女アレクサと級友は転校生アーメットと仲良くなりたいと思った。彼はシリア難民で両親とはぐれたままだ。政府が難民の入国を禁止すると聞いた彼女たちは、大胆な行動に出る。友人の境遇に心を寄せた主人公が、難民を身近な問題として考え奮闘する姿をいきいきと描く。子どもと向き合う大人の存在も魅力的だ。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

うちの弟、どうしたらいい?

エリナー・クライマー/作 ・ 小宮 由/訳

岩波書店 (2019.11)

母が家出したため、12歳のアニーは、問題ばかり起こす弟のことをひとりで悩んでいた。気持ちを理解してくれたのは、弟の新しい担任のストーバー先生だった。突然休職した先生に会いたい一心で、姉弟は長距離列車に乗る。信頼できる大人に出会い、希望を見出す2人の姿が丁寧に描かれる。前向きに歩み出す結末に心が温まる。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

イワシ大王のゆめ -韓国のむかしばなし-

チョン ミジン/再話 ・ イ ジョンギュン/絵

光村教育図書 (2019.11)

イワシ大王は不思議な夢を見た。吉夢とハゼはおだてるが、ヒラメは焼き魚になる予兆とけなす。大王にひっぱたかれたヒラメの目は偏り、それを見て大笑いしたエビの腰は曲がってしまう。海の生きものがなぜそのような姿になったかを伝える、ゆかいな昔話だ。魚たちの姿や表情がのびのびとした線で描かれ、味わいがある。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

となりのアブダラくん

黒川 裕子/作 ・ 宮尾 和孝/絵

講談社 (2019.11)

6年生のハルは、パキスタンからの転校生の世話係になった。言葉や宗教、文化も違う彼に振り回され、迷いながら接するうちに、遠巻きにする級友らにも彼のことを知ってほしいと思い始める。趣味が編み物であることを隠していた少年が、異文化との交わりの中で、違いは個性だと気づく過程が丁寧に描かれ、読後感も爽やかだ。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

桜の木の見える場所

パオラ・ペレッティ/作 ・ 関口 英子/訳

小学館 (2019.11)

9歳の少女マファルダは少しずつ視力を失う難病と診断される。できないことが増える中、思いがけず仲良くなった少年や、率直に接してくれる大人との交流を経て成長していく。主人公と同じ病気の著者が経験を基に、知覚の変化や感情の揺れを丁寧に描く。失明の不安と向き合いつつ、希望をもって生きる姿に心揺さぶられる。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

あたまをつかった小さなおばあさんのんびりする(世界傑作童話シリーズ)

ホープ・ニューウェル/作 ・ 松岡 享子/訳

福音館書店 (2019.11)

ガチョウとネズミと一緒に暮らすおばあさんは、頭にぬれタオルを巻き、人差し指を鼻の横にあて、じっと考えると名案が浮かぶ。冬にはクリスマスツリーにする木が大きすぎたので床と屋根に穴をあけ、夏にはガチョウたちを涼ませるために米を雪に見せかけようとするなど、おばあさんの思いつきは突拍子もなく、思わず笑ってしまう。1970年出版の『あたまをつかった小さなおばあさん』の続刊で、前作の雰囲気を受け継いだ温かな色彩の絵は、のどかで親しみやすい。何事も前向きに楽しみ、人生を豊かに暮らすおばあさんの姿に元気づけられる。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

あたまをつかった小さなおばあさんがんばる(世界傑作童話シリーズ)

ホープ・ニューウェル/作 ・ 松岡 享子/訳

福音館書店 (2019.11)

ガチョウとネズミと一緒に暮らすおばあさんは、頭にぬれタオルを巻き、人差し指を鼻の横にあて、じっと考えると名案が浮かぶ。冬にはクリスマスツリーにする木が大きすぎたので床と屋根に穴をあけ、夏にはガチョウたちを涼ませるために米を雪に見せかけようとするなど、おばあさんの思いつきは突拍子もなく、思わず笑ってしまう。1970年出版の『あたまをつかった小さなおばあさん』の続刊で、前作の雰囲気を受け継いだ温かな色彩の絵は、のどかで親しみやすい。何事も前向きに楽しみ、人生を豊かに暮らすおばあさんの姿に元気づけられる。(小学校低学年から)

知識の本幼児から

ふゆとみずのまほうこおり(ふしぎいっぱい写真絵本 38)

片平 孝/写真・文

ポプラ社 (2019.11)

冬の寒さで水は氷に姿を変える。湖や川に行ってみると、きれいな模様の氷の花や、波しぶきが凍った面白い形のしぶきつららが見つかり楽しくなる。氷の多様な表情が美しい写真で紹介されていて興味深い。洞窟でみられる氷のたけのこや、海水に磨かれたジュエリーアイスなど、自然がつくりだす不思議なかたちに魅了される。(幼児から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

ライオンとタカとアリになった男の子 -ノルウェーのむかしばなし-

菱木 晃子/文 ・ MARUU/絵

BL出版 (2019.11)

貧乏な少年は、ライオンとタカとアリに姿を変える不思議な力を手に入れた。タカになったところをお姫様に捕えられて、彼女が9つ頭のトロルに狙われていることを知る。少年が変身する能力を使い、知恵と機転を利かせてお姫様を救う痛快な昔話である。刺しゅうを思わせるような繊細な絵は、幻想的な雰囲気を醸し出している。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

星くずクライミング(くもんの児童文学)

樫崎 茜/作 ・ 杉山 巧/画

くもん出版 (2019.11)

中学1年生のあかりはスポーツクライミングで怪我をしてから、登る気力を失っていた。障がい者と晴眼者がペアを組むブラインドクライミングに出会い、全盲の少年昴(すばる)の登頂を声で誘導するうち、彼女は再び情熱を取り戻す。二人で大会での完登を目指し、心を通わせていく様子が丁寧に描かれる。パラスポーツへの理解も深まる。(小学校高学年から)

物語中学生から

希望の図書館(ポプラせかいの文学 5)

リサ・クライン・ランサム/作 ・ 松浦 直美/訳

ポプラ社 (2019.11)

母の死後、ラングストンはシカゴの黒人居住地区に移住した。父と2人の生活の中で、中学校でもなじめず、望郷と孤独を感じていた。ある日、黒人も入れる図書館で、自分の心を代弁するような詩に出会い、夢中になる。1946年の米国で、少年が読書を糧に人間関係を再構築し、自信と希望を見出していく姿が描かれ、静かに胸に響く。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

スモンスモン

ソーニャ・ダノウスキ/文・絵 ・ 新本 史斉/訳

岩波書店 (2019.1)

ゴンゴン星に住むスモンスモンは、ロンロンをもぎに出かけるがゾンゾンに落ちてしまう。クロンクロンが助けてくれたのでお礼にロンロンをあげる。不思議な星に住む奇妙な生きものの小さな冒険を描く。繊細な筆致で描きこまれた絵は独特な魅力があり、次第に愛着が湧いてくる。ユーモラスな造語は声に出すと一層楽しく響く。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

コレットのにげたインコ

イザベル・アルスノー/作 ・ ふしみ みさを/訳

偕成社 (2019.1)

ペットを飼えずにがっかりしていたコレットは、引っ越し先で出会った子に、逃げたインコを探していると、思わずうそをついてしまう。どんなインコなのと尋ねられるたびに、少女の想像がふくらむ様子をいきいきと描く。面白がる友だちが次第に増えていくのも楽しい。青と黄のみで彩色された絵からは、遊び心が伝わってくる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

たいこ(幼児絵本シリーズ)

樋勝 朋巳/ぶん・え

福音館書店 (2019.1)

犬がトントントトトンとたいこをたたいていると「なかまに いれて」と男の子がやってきて、トントンポコポコと合奏をはじめる。次々と仲間が増え、音色も増えていく。たいこの音は文字の大きさや配置が工夫され、音が紙面からあふれてくるようで、声に出すと楽しい。細い線で描かれた動物たちは、表情豊かでユーモラスだ。(赤ちゃんから)

物語小学校中学年から

ハートウッドホテル 3 ねずみのモナとはじめてのジェラシー

ケイリー・ジョージ/作 ・ 久保 陽子/訳

童心社 (2019.1)

:ハートウッドホテルは「心もほっこり」をモットーにどんな動物でも歓迎する。嵐の夜、ホテルに迷い込んだネズミのモナは、メイドとして住み込むことになった。内気な歌手のツバメを励ましたり、食料泥棒を突き止めたりする中で、ホテルに居場所を得ていく。モナのまっすぐな気性と積極的に行動する姿には勇気づけられ、リスのティリーと友情を深める様子には心が温かくなる。ホテルの他の従業員やお客の動物も個性豊かに面白く描かれる。現在3巻まで刊行されており、周囲を思いやって幸せにしていく小さなネズミの活躍に、目が離せない。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

もうひとつの曲がり角

岩瀬 成子/著

講談社 (2019.9)

5年生の朋(とも)は、引っ越し先の町で英会話教室に嫌々通わされる。偶然通りかかった庭で朗読をする女性と出会い、教室を休んで彼女の元を訪れるようになる。新しい環境になじめず内気だった少女が、不思議な出会いを通じて自分らしさを見つけていく様子を一人称でつづる。思春期の感情の揺れが丁寧に描かれ、共感を呼ぶ。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

チェクポ -おばあちゃんがくれたたいせつなつつみ-(世界傑作絵本シリーズ)

イ チュニ/ぶん ・ キム ドンソン/え

福音館書店 (2019.9)

オギは、端切れを縫い合わせたチェクポ(風呂敷)を通学かばん代わりにしていた。新しいかばんを買ってもらった友だちに自慢され、古びたチェクポが嫌になるが、作ってくれた祖母の針仕事姿をふと思い出す。1970年代の韓国の農村部の風景が温かみのある素朴な絵で描かれ、暮らしの工夫や手仕事に込められた真心が感じられる。(小学校低学年から)

詩・随筆・記録中学生から

義足と歩む -ルワンダに生きる日本人義肢装具士-

松島 恵利子/著

汐文社 (2019.8)

1994年のルワンダ大虐殺で、多くの人々が手足を失った。ルワンダ人の夫と無償で義肢を作り続けている真美さんの活動を、ルワンダの現状を交えて紹介する。義肢には「人間の誇りを取りもどす力がある」という彼女の思いは共感を呼ぶ。民族の対立を乗り越え、共に生きようとするルワンダの人々の前向きな姿に勇気づけられる。(中学生から)

知識の本小学校高学年から

ミイラ学 -エジプトのミイラ職人の秘密-

タマラ・バウワー/著・絵 ・ こどもくらぶ/訳・編

今人舎 (2019.8)

王妃の父が死んだ。職人パネブは息子に技術を教えながら、遺体をミイラにする作業を行う。当時の職人の視点から、ミイラ作りの過程を詳しく説明する。古代エジプト人の神話や死生観、巻末では本書のモデルになったミイラについて取り上げており、知識が深まる。エジプト絵画を模した絵は色鮮やかで、眺めていて飽きない。(小学校高学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

じいじが迷子になっちゃった -あなたへと続く家族と戦争の物語-

城戸 久枝/著 ・ 羽尻 利門/画

偕成社 (2019.8)

日本に最初に帰国した中国残留孤児・城戸(きど)幹(かん)の人生を、その娘が子に語り継ぐ形でつづる。終戦直後の旧満州で縁者とはぐれ、残された幹は、その後中国人の養母に大切に育てられた。日本人であるために差別を受けるが、困難を乗り越え、25年後に帰国を果たす。養母への深い愛と、日本の家族を信じる強い思いに胸が揺さぶられる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

昔はおれと同い年だった田中さんとの友情(ブルーバトンブックス)

椰月 美智子/作 ・ 早川 世詩男/絵

小峰書店 (2019.8)

6年生の拓人たち3人は、田中というおじいさんにスケートボードを貸して、骨折させてしまう。親に叱られた彼らは、独居の田中さんを世話することになる。味気ない日常を持て余す少年たちと、戦災孤児だった老人との交流を温かく描く。聞き上手な田中さんとのやりとりを通して、前向きに成長していく主人公の姿が爽やかだ。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語幼児から

ナイチンゲール

アンデルセン/作 ・ カンタン・グレバン/絵

岩波書店 (2019.8)

美しい鳴き声の鳥ナイチンゲールは、中国の皇帝をその歌で感動させるが、作り物の黄金の鳥に宮廷の関心が移ると、森に帰ってしまった。アンデルセンの有名な童話を、簡潔でやさしい文章と美しい色彩の繊細な絵で表す。女官や皇帝の衣服、京劇の悪役のような死神の面相など、中国の伝統的な意匠を取り入れた表現が魅力的だ。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

プールのひは、おなかいたいひ

ヘウォン・ユン/作 ・ ふしみ みさを/訳

光村教育図書 (2019.7)

水泳教室の初日、おなかが痛くなった女の子はずっとプールサイドで見学する。翌週もプールに入らずにいると、先生が一緒に入ろうと誘ってくれた。先生に支えられて水に親しんでいく様子を、淡い水彩と温かみのある色鉛筆の絵で描く。気持ちの変化が丁寧につづられ、新しい世界を知った驚きや楽しさがよく伝わってくる。(幼児から)

物語小学校高学年から

貸出禁止の本をすくえ!

アラン・グラッツ/著 ・ ないとう ふみこ/訳

ほるぷ出版 (2019.7)

9歳のエイミー・アンは、家や学校で言いたいことを言えずにいた。しかし、PTAの独断で愛読書を貸出禁止にされ、彼女と友人は禁止本を集めた秘密の図書館を始める。引っ込み思案だった主人公が、対人関係や物事への視野を広げていく様子を軽快に描く。読書の自由を守るため、子どもたちがとった数々の作戦も面白い。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

月と珊瑚(講談社・文学の扉)

上條 さなえ/著

講談社 (2019.7)

沖縄の6年生、珊瑚(さんご)は漢字が書けないとばかにされ、勉強のために日記をつけ始めた。東京からの転校生、月(るな)への憧れや、民謡歌手の祖母との生活をつづる。心に傷を負う子どもたちが島の歴史や文化を知り、夢に向かっていく姿が軽やかに描かれる。貧困や基地問題が子どもの視点で切り取られ、沖縄の日常が浮かび上がってくる。(小学校中学年から)

物語中学生から

ゴースト(Sunnyside Books)

ジェイソン・レノルズ/作 ・ ないとう ふみこ/訳

小峰書店 (2019.7)

スラムで暮らす7年生のキャスは、酔った父に発砲されて以来「ゴースト」と名乗り、苛立ちを抱えていた。彼にとって走ることは、父から逃げる術にすぎなかったが、陸上クラブに勧誘され自分の可能性に気づいていく。主人公が監督や仲間との交流を通じ、成長する姿を軽快な一人称でつづる。疾走感のある文体で一気に読ませる。(中学生から)

物語小学校高学年から

11番目の取引(鈴木出版の児童文学)

アリッサ・ホリングスワース/作 ・ もりうち すみこ/訳

鈴木出版 (2019.6)

12歳のサミは、ルバーブ奏者の祖父とアフガニスタンからアメリカに逃れてきた。心の拠り所だった伝統楽器を盗まれ、買い戻すお金をためるために物々交換を始める。取引を重ねることで、友人や理解者を得ていく少年の1か月間の奮闘をいきいきと描く。辛い過去を背負いながらも前向きに進む主人公の姿は清々しく、胸を打つ。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

奈良監獄物語 -若かった明治日本が夢みたもの-

寮 美千子/文 ・ 磯 良一/絵

小学館クリエイティブ (2019.6)

旧奈良監獄は、罪人が再出発する希望の場所という新しい考えのもと、明治時代に造られた。レンガ造りの建物は、戦後に少年刑務所となり、2016年には重要文化財に指定された。建物が自身の歴史を振り返る語り口は、受刑者や地域の人々への優しさに満ちている。スクラッチの技法で描かれた挿画も、建築の美しさをよく伝える。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録中学生から

ふるさとって呼んでもいいですか -6歳で「移民」になった私の物語-

ナディ/著

大月書店 (2019.6)

ナディは6歳の時、出稼ぎの両親に連れられてイランから来日したが、超過滞在のまま育つ。小学校へ行けないなど苦労をするが、友人や支援団体に助けられ、言語の壁や文化の違いを乗り越えた。困難の中でも明るく努力し続ける前向きな姿に励まされる。就職、結婚を経て、「日本がふるさと」と言い切る彼女の言葉が力強い。(中学生から)

知識の本小学校中学年から

火山はめざめる(科学シリーズ)

はぎわら ふぐ/作 ・ 早川 由紀夫/監修

福音館書店 (2019.6)

浅間山の火山活動を2万5000年前まで遡り、噴火のたび、様子や規模が違うことを紹介する。昭和時代には煙をあげる噴火が度々あり、江戸時代には大噴火で溶岩が流れ出た。工夫された構図で、時間の経過による山の変化をわかりやすく伝える。各時代の暮らしぶりも描かれ、人々が火山と共に生きてきたことを実感させられる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

あついあつい(幼児絵本シリーズ)

垂石 眞子/さく

福音館書店 (2019.6)

「あつい あつい」とペンギンが涼んでいた日かげはアザラシの影だった。2匹で見つけた大きな日かげはカバの影だった。繰り返しの面白さに、次は何が出てくるのか期待がふくらむ。明るい色彩と伸びやかな筆づかいで、暑さにぐったりする動物を表情豊かに描く。皆で海に飛び込む結末には、弾けるような爽快感が得られる。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話幼児から

なっちゃんのなつ(かがくのとも絵本)

伊藤 比呂美/文 ・ 片山 健/絵

福音館書店 (2019.6)

夏の真っ盛り、なっちゃんは川原に出かけた。生い茂る草花の間に入り、セミの死骸を見つけ、夕立にあった後、おばあちゃんと墓参りに行った。ひしめく生命力と死が隣り合うことが感じられ、日本の田舎の、強烈なエネルギーに満ちた夏を追体験できる。画面いっぱいに描かれた迫力ある水彩の絵は濃密で、五感に訴えてくる。(幼児から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

自由への道 -奴隷解放に命をかけた黒人女性ハリエット・タブマンの物語-(ヒューマンノンフィクション)

池田 まき子/文 ・ 丹地 陽子/絵

学研プラス (2019.6)

1850年代に多くの奴隷の逃亡を助けたハリエット・タブマンの一生を紹介する。27歳で奴隷主から逃亡した彼女は、危険を顧みず秘密組織に加わって同胞を逃がし、南北戦争にも女性の身で従軍した。当時の情勢や奴隷制度も丁寧に説明されており、ハリエットの人生を追体験できる。自由のために戦い続けた不屈の闘志に感動する。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

ナマコ天国

本川 達雄/作 ・ こしだ ミカ/絵

偕成社 (2019.6)

海辺で遊ぶ子どもの前に超人ナ・マーコが現れ、ナマコの生態を解説する。ナマコには目耳鼻も、なんと脳も心臓もない。あるのは皮と管足、腸などの器官だけだ。生物学的なことだけでなく、ナマコが登場する神話、文豪が詠んだ詩、食べ方など幅広く紹介され、興味がつきない。メリハリのある筆線の絵が印象的な知識絵本だ。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

ワンダ・ガアグ グリムのゆかいなおはなし

グリム/[著] ・ グリム/[著]

のら書店 (2019.5)

アメリカの20世紀前半の絵本作家ワンダ・ガアグが、3編のユーモラスなグリムの昔話を紹介する。およめさんの勘違いが笑いを誘う「かしこいおよめさん」などあまり知られていないお話も含まれ、興味深い。グリムへの愛着が感じられるガアグ独自の再話と、力強い描線の表情豊かな挿絵で、昔話の魅力をいきいきと伝えている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ながーいはなでなにするの?(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

齋藤 槇/さく

福音館書店 (2019.5)

赤ちゃんゾウが得意気に、鼻を使って水を吸い込んだり、バナナをもいだりしてみせる。「みてみて」と楽しそうな姿を、お母さんゾウは優しく見守る。親のそばにいる安心感と、上手にできたという満足感が、子ゾウの表情から伝わってきて共感を誘う。色を塗り重ねて表現されたゾウの身体からは、手触りも感じられるようだ。(赤ちゃんから)

知識の本小学校中学年から

カタツムリ小笠原へ -総天然色自然科学漫画-(たくさんのふしぎ傑作集)

千葉 聡/文 ・ コマツ シンヤ/絵

福音館書店 (2019.5)

小笠原諸島はカタツムリの楽園と言われている。天敵のいない島には、土に潜ったり、殻が体より小さくなったり独自の進化を遂げた120種以上のカタツムリが暮らすからだ。環境に適応するためにどのように姿を変えたのか、柔らかな色彩で描かれた漫画で紹介する。カタツムリの興味深い生態と進化をやさしく学ぶことができる。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

ぜんぶわかる!アリ(しぜんのひみつ写真館 9)

島田 拓/著

ポプラ社 (2019.4)

クロオオアリの新しい女王が巣立ち、卵を産み、巣を完成させるまでを豊富な写真で紹介する。後半には、ハキリアリやミツツボアリといった珍しい外国種が登場する。繊毛が見えるほどの接写写真に加え、成虫がさなぎの皮をはがしているなど、虫の動作の解説が詳しく書かれ、興味を引く。アリの社会行動の精緻さに驚かされる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

おーい、こちら灯台(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

ソフィー・ブラッコール/さく ・ 山口 文生/やく

評論社 (2019.4)

孤島にひとりで暮らす灯台守は、毎日灯台のレンズを磨き、油を差し、日誌を書く。彼は話し相手が欲しくて、奥さんへの手紙を瓶に入れ、海に流した。灯台の全景と暮らしぶりを交互に描く。繊細な筆致と柔らかな色彩の絵が美しい。淡々とした文章と「……おーい!」の繰り返しが、波のようなリズムを生み出し、味わい深い。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集

斉藤 倫/著 ・ 高野 文子/画

福音館書店 (2019.4)

詩人を父に持つ少年「きみ」が、その父の友人「ぼく」に言葉について疑問をぶつける。ぼくは詩集を手渡し、詩の世界へ誘う。現代詩や沖縄の古い詩、俳句、ランボーの作品などを、2人のとぼけた会話の中で紹介する形式がユニークで、楽しく読める。全編に漂う言葉の自由さを存分に味わうことができ、詩が身近に感じられる。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

たべたらうんち!(しぜんにタッチ!)

大久保 茂徳/監修 ・ サンチャイルド・ビッグサイエンス編集部/文・構成

ひさかたチャイルド (2019.4)

ミツバチは蜜や花粉を食べ、飛びながら黄色い液状のうんちをする。カタツムリの体の中にたまったうんちは、殻の外から透けて見える。うんちの大きさや色、形は生き物によって違う。普段目にする機会の少ない排せつの瞬間が写真でとらえられ、興味を引く。生き物にとって「うんちは いきている しるし」だとよくわかる。(幼児から)

知識の本幼児から

イワシ -むれでいきるさかな-(かがくのとも絵本)

大片 忠明/さく

福音館書店 (2019.4)

イワシの大群は海鳥やクジラに襲われ、人間の巻き網に捕まり、数を減らしていく。生きのびたイワシは再び群れをつくり、卵を産む。イワシが命をつなぐ様子をやさしい文章で紹介する。卵が稚魚へと成長する過程や稚魚の天敵を見開きに並べるなど、工夫された構図が興味を引く。迫力のある絵から生命の力強さが伝わってくる。(幼児から)

知識の本幼児から

きょうりゅうのおおきさってどれくらい?(かがくのとも絵本)

大島 英太郎/さく

福音館書店 (2019.4)

恐竜が今でも生きていたら、と男の子は想像する。大通りをバスと同じ大きさのティラノサウルスが歩き、公園ではジャングルジムほどの高さのトリケラトプスと一緒に遊ぶ。子どもの身近な場所に古代生物を描くことで、大きさを実感させる仕組みが面白い。恐竜の特徴をよくとらえた絵は温かみのある色彩で描かれ、親しみやすい。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

もじもじこぶくん(こどものとも絵本)

小野寺 悦子/ぶん ・ きくち ちき/え

福音館書店 (2019.4)

こぶたのこぶくんは恥ずかしくてアイスクリームを注文できない。次々に先をこされて困ってしまうが、小さなありのために大きな声で2人分の注文をする。初めての経験に緊張しながらも勇気を出す姿は、思わず応援したくなる。躍動感のある線と淡い色調の水彩の絵は表情豊かで、自信をつけたこぶたの喜びがよく伝わってくる。(幼児から)

詩・随筆・記録小学校低学年から

あそびうたするものよっといで(日本傑作絵本シリーズ)

中脇 初枝/編 ・ ひろせ べに/絵

福音館書店 (2019.4)

歌い継がれてきたこどものあそびうた49編を、さそいうた、わるくちうた、おまじないうたなど6種類に分けて紹介する。「かごめ」や「ゆびきりげんまん」といったわらべうたや決まり文句だけでなく、「きらいでけっこう」のような調子の良い言い回しも収めている。歌から広がる自由な発想のイラストが鮮やかな色合いで描かれ、眺めるだけでも楽しい。巻末には遊びかたの例やどの地域のものかといった解説がルビつきで掲載されている。同時刊行された『あそびうたするもの よっといで』では、かぞえうたやえかきうたなど42編を収録している。(小学校低学年から)

詩・随筆・記録小学校低学年から

あそびうたするものこのゆびとまれ(日本傑作絵本シリーズ)

中脇 初枝/編 ・ ひろせ べに/絵

福音館書店 (2019.4)

歌い継がれてきたこどものあそびうた49編を、さそいうた、わるくちうた、おまじないうたなど6種類に分けて紹介する。「かごめ」や「ゆびきりげんまん」といったわらべうたや決まり文句だけでなく、「きらいでけっこう」のような調子の良い言い回しも収めている。歌から広がる自由な発想のイラストが鮮やかな色合いで描かれ、眺めるだけでも楽しい。巻末には遊びかたの例やどの地域のものかといった解説がルビつきで掲載されている。同時刊行された『あそびうたするもの よっといで』では、かぞえうたやえかきうたなど42編を収録している。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

嵐をしずめたネコの歌

アントニア・バーバー/作 ・ ニコラ・ベイリー/絵

徳間書店 (2019.3)

嵐が吹き荒れ、村には食べものがなくなった。老漁師のトムと飼い猫のモーザーは、村人のために海へ漁に出る。イギリスの伝説を下敷きに、嵐の化身の巨大な猫を、賢く勇気あるメス猫が喉を鳴らして歌い鎮めるという物語に作り直した。猫の毛並みや荒れ狂う波を繊細に描きこんだ絵は美しく、幻想的な雰囲気を盛り上げている。(小学校中学年から)

知識の本小学校高学年から

風船で宇宙を見たい! -やってみることから開ける無限の未来-(くもんジュニアサイエンス)

岩谷 圭介/著

くもん出版 (2019.3)

大学生だった著者は風船を使った宇宙撮影の記事に衝撃を受けた。自分もやってみようと、手探りの状態から試行錯誤を重ねていく。風船や釣り糸などを使った実験の過程が丁寧に書かれ、個人の身の丈の努力で、宇宙に手が届くことが実感できる。挑戦することで夢や可能性が無限に広がるという、著者の熱い思いが伝わってくる。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

ノロウェイの黒牛 -イギリス・スコットランドのむかしばなし-

なかがわ ちひろ/文 ・ さとう ゆうすけ/絵

BL出版 (2019.3)

三姉妹がどんな人と結婚したいかを話していた。「わたしは、ノロウェイの黒牛でもいいわ」と言う末娘のもとへ、大きな黒牛が現れ、ともに荒れ野へ旅に出る。呪いで姿を変えられた王子と美しい娘の、恋と試練の物語に引き込まれる。繊細な筆づかいで描かれた絵は重厚で迫力があり、不思議な昔話の雰囲気をよく伝えている。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

カイとティムよるのぼうけん

石井 睦美/作 ・ ささめや ゆき/絵

アリス館 (2019.3)

6歳になったカイくんは1人で寝ると宣言するが、暗い部屋が怖くてなかなか眠れない。そこにお手伝い妖精ティムが現れ、彼をジュラ紀や宇宙への冒険に連れ出す。夜を待ち遠しく思うようになる心の変化を丁寧に描いており、子どもの共感を呼ぶ。男の子と生意気な妖精の軽快なやりとりが大らかな描線の絵と合っており、楽しい。(小学校低学年から)

物語中学生から

秘密をもてないわたし

ペニー・ジョエルソン/著 ・ 河井 直子/訳

KADOKAWA (2019.2)

重度の脳性まひで、話せず、体も動かせない14歳のジェマは、殺人犯から秘密を聞かされる。周りに伝えられないもどかしさのなか、最新の支援機器により、彼女の意思表示が可能になる。勇気ある証言が事件を解決に導くという展開に引きつけられる。主人公の内面や里親家族との関わりが丁寧に描かれ、障がいへの理解が深まる。(中学生から)

物語中学生から

天使のにもつ

いとう みく/著 ・ 丹下 京子/絵

童心社 (2019.2)

中学2年生の風汰は、楽そうだという安易な理由で職場体験先を保育園にした。しかし、予想外の忙しさや子どもたちの言動に翻弄される。問題をかかえた園児との交流をきっかけに、周囲との関わり方や仕事への姿勢などの気づきを得る少年の姿を等身大に描く。自分なりに考え行動する主人公に共感を覚え、読後感も爽やかだ。(中学生から)

物語中学生から

ぼくにだけ見えるジェシカ

アンドリュー・ノリス/作 ・ 橋本 恵/訳

徳間書店 (2019.2)

学校で「ファッションオタク」とからかわれ孤立していたフランシスは、幽霊のジェシカと仲良くなる。ほかにも彼女の姿が見える2人と仲間になった彼は、その死因を調べ始める。生きにくさを抱えた少年たちが友情を育むことで、人生に前向きになっていく様子を丁寧に描く。主人公たちの成長する姿は、爽やかな読後感を残す。(中学生から)

歴史・伝記物語小学校中学年から

数字はわたしのことば -ぜったいにあきらめなかった数学者ソフィー・ジェルマン-

シェリル・バードー/文 ・ バーバラ・マクリントック/絵

ほるぷ出版 (2019.1)

ソフィーは幼い頃から数学に夢中だった。女性が勉強することが一般的でなかった19世紀、彼女は独学で振動の働きの方程式化に成功した。偏見に負けずに研究を続けた姿に心を打たれる。フランスの女性数学者を豊かな色彩で描いた伝記絵本で、数字や数式が踊る絵は、純粋に数学を楽しむ彼女の心の中を表すようで印象に残る。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

ハートウッドホテル 2 ねずみのモナと最高のおくりもの

ケイリー・ジョージ/作 ・ 久保 陽子/訳

童心社 (2019.1)

:ハートウッドホテルは「心もほっこり」をモットーにどんな動物でも歓迎する。嵐の夜、ホテルに迷い込んだネズミのモナは、メイドとして住み込むことになった。内気な歌手のツバメを励ましたり、食料泥棒を突き止めたりする中で、ホテルに居場所を得ていく。モナのまっすぐな気性と積極的に行動する姿には勇気づけられ、リスのティリーと友情を深める様子には心が温かくなる。ホテルの他の従業員やお客の動物も個性豊かに面白く描かれる。現在3巻まで刊行されており、周囲を思いやって幸せにしていく小さなネズミの活躍に、目が離せない。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

ひなにんぎょうができるまで(しぜんにタッチ!)

田村 孝介/写真 ・ 人形の東玉/監修

ひさかたチャイルド (2019.1)

ひな人形は体と顔を別の職人が作る。色の重ねを考えて衣を着付け、体の形を美しく整える。石こうでできた顔に化粧をして髪を結い上げ、最後に体を組み合わせる。製作の手順が豊富な写真とやさしい文章で説明され、興味を引く。ひな飾りの人形と道具の意味や、ひな祭りにこめられた願いも紹介し、伝統行事への理解が深まる。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

ウィリーのぼうけん(世界傑作童話シリーズ)

マーガレット・ワイズ・ブラウン/さく ・ 上條 由美子/やく

福音館書店 (2019.1)

ウィリーは自分だけの動物がほしいと、田舎のおばあちゃんに電話した。もらえるのはアヒルかな、カエルかなと想像をふくらませているうちに、木箱が届く。幼い男の子の小さな冒険を描いた3つの短編を収録する。主人公の気持ちや行動が丁寧に描かれ、読者の共感を呼ぶ。愛らしい挿絵が、物語の優しい雰囲気を引き立てている。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

やぎこ先生いちねんせい(福音館創作童話シリーズ)

ななもり さちこ/文 ・ 大島 妙子/絵

福音館書店 (2019.1)

やぎやま小学校1年生の担任は、先生1年目のやぎこ先生だ。夏休みが楽しみで宿題を出し忘れたり、授業中に雪合戦をしたりして、校長先生に怒られてばかりいる。無邪気な先生と、素直で先生思いの子どもたちが一緒に成長していく1年間を、連作短編の形で描く。ほのぼのとした物語を、柔らかな色使いの絵が引き立てている。(小学校低学年から)

詩・随筆・記録中学生から

世界のいまを伝えたい -フォトジャーナリスト久保田弘信-

久保田 弘信/著

汐文社 (2019.1)

旅行誌記者の著者は旅先で見た難民キャンプの様子に衝撃を受け、現状を世界に伝えるため、フリーの記者に転身した。米軍による爆撃下の実況など、戦場の様子を体験者ならではの迫力で語る。自費で支援を行うなど難民の生活に寄り添った取材は、ときに著者の心を苦しめる。それでも信念を持ち、取材を続ける姿が胸を打つ。(中学生から)

知識の本小学校低学年から

そらのうえのそうでんせん

鎌田 歩/作

アリス館 (2018.12)

送電線の部品を交換するラインマンの仕事を、絵とやさしい文章で伝える。彼らは10キログラムもの装備をつけて高い鉄塔に登り、宙乗り機1つで送電線の上に滑り出していく。地上50メートルの空中での作業が、空から見下ろす構図や見開きで効果的に表現されている。青空を背景に、真剣に仕事をするラインマンの姿が印象的だ。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

ゆかいな床井くん

戸森 しるこ/著

講談社 (2018.12)

6年生のクラス替えで暦(こよみ)の隣の席になった床井くんは、明るく優しくて物の見方に偏見がない。教室で起きる小さな事件が彼の何気ない一言で収まることに、暦は感心する。思春期の少女が個性的なクラスメイトと過ごす1年間を、連作短編でつづる。12歳の子どもの日常が等身大で描かれ、ユーモラスな会話が多く、楽しく読める。(小学校高学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

星の旅人 -伊能忠敬と伝説の怪魚-

小前 亮/著

小峰書店 (2018.12)

伊能忠敬は、幕府の命で蝦夷(えぞ)地に測量の旅に出る。その途上、蝦夷地での父の死の真相を探ろうとする平次は、測量隊に従者として加わる。丁寧な歩測、天体観測、誤差の計算で精確な測量を行った忠敬の姿を、供をする少年の目を通した伝記物語の形で描く。随所に忠敬の生涯や測量の歴史の解説コラムがあり、理解を助けてくれる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

お正月がやってくる(ポプラ社の絵本 60)

秋山 とも子/作・絵

ポプラ社 (2018.12)

なおこさんの家では、12月になると浅草の「がさいち」に正月飾りの材料を買いに行く。しめ飾りや門松を作り、家族みんなで売るのだ。年が明けると、しし舞をしながら町内を回る。都会に暮らす実在の一家の年末年始を通し、正月を迎える喜びを追体験できる。見開きいっぱいに人々の生活の様子が描き込まれ、細部まで楽しめる。(幼児から)

知識の本小学校高学年から

クジラのおなかからプラスチック

保坂 直紀/著

旬報社 (2018.12)

死んだクジラの胃から80枚以上のレジ袋が出てきた。プラスチックは自然に分解されず、生態系への影響が深刻化している。また、細粒化した破片は様々な生物の体内に取り込まれている。海洋ごみ問題の現状や、私たちにできることをわかりやすく説明する。プラスチックとは何かという解説から始まるので、問題を理解しやすい。(小学校高学年から)

物語中学生から

ジュリアが糸をつむいだ日

リンダ・スー・パーク/作 ・ ないとう ふみこ/訳

徳間書店 (2018.12)

韓国系アメリカ人のジュリアは、親友と一緒に自由研究で蚕を育てることになった。「韓国っぽい」と気が進まない彼女だが、しだいに蚕に愛着を持ち始める。アイデンティティに悩む少女が、養蚕の体験を通して成長する様子を描く。知らないがゆえに偏見を持つことに気づき、新たに踏み出そうとする主人公の姿が爽やかだ。(中学生から)

物語中学生から

むこう岸

安田 夏菜/著

講談社 (2018.12)

中学3年生の和真は、進学校での勉強についていけず転校した。それを同級生の樹希(いつき)に知られ、口止め替わりに頼みごとを引き受ける羽目になる。親からの期待に苦しむ少年と、家庭事情により進学を諦めていた少女が、反発しながらも、互いを認めていく心の変化を丁寧に描く。自分の居場所を懸命に模索する2人の姿が胸を打つ。(中学生から)

物語小学校高学年から

願いごとの樹

キャサリン・アップルゲイト/作 ・ 尾高 薫/訳

偕成社 (2018.12)

「願いごとの樹」と呼ばれる古木レッドは伐採される前に、イスラム系少女の「友だちが欲しい」という願いをかなえたいと思った。彼は仲間の動物たちに協力を仰ぎ、計画を練る。移民問題に揺れる現代のアメリカの町の出来事を木を語り手にユーモラスに描く。木と動物の奮闘が町の子どもたちを動かす結末に、心が温かくなる。(小学校高学年から)

物語中学生から

その魔球に、まだ名はない

エレン・クレイジス/著 ・ 橋本 恵/訳

あすなろ書房 (2018.11)

1950年代のアメリカで、10歳のケイティはリトルリーグの試験に合格するが、入団を拒まれる。女子は対象外という規定に反発した彼女は、女子野球の歴史を調べ、かつての選手たちから話を聞く。世間の常識や権力に屈することなく、信じる道を進む少女の姿に勇気づけられる。彼女の意思を尊重し、見守る周囲の大人も魅力的だ。(中学生から)

物語小学校高学年から

野生のロボット

ピーター・ブラウン/作・絵 ・ 前沢 明枝/訳

福音館書店 (2018.11)

無人島に漂着したロボットのロズは、環境に適応するため、人工知能を駆使して野生動物の行動や言語を習得する。親を亡くしたガンのヒナを懸命に育てようとするロズに、動物たちも次第に心を開いてゆく。ロボットが野生の中で、動物と友情を育み生きる姿を淡々と描く。ロズが最後に見せる情愛の深さは、静かな感動を呼ぶ。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

落語ねこ

赤羽 じゅんこ/作 ・ 大島 妙子/絵

文溪堂 (2018.11)

5年生の七海(ななみ)が祖父から預かった猫には、落語家如月亭大福の幽霊がとりついていた。自分が成仏できない理由を知りたい大福と、親友と絶交する破目になった七海は手を組んで問題の解決に乗り出す。少女のために奔走する猫の活躍を人情たっぷりに描く。軽妙な語り口が面白く、落語のオチになぞらえた結末に思わず膝を打つ。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

かいちゅうでんとう(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

みやこし あきこ/さく

福音館書店 (2018.11)

夜の暗い部屋で、兄弟が懐中電灯を手に探検を始める。巨人のような大きな影を作って遊び、遠くを照らして光が筋になったと喜ぶ。黒の濃淡で暗闇が丁寧に表現され、懐中電灯ひとつでいつもの部屋が表情を変える様子も印象的だ。子どもたちが光と影の変化に夢中になって楽しむ姿がいきいきと描かれ、思わず真似をしたくなる。(幼児から)

知識の本幼児から

あずき(かがくのとも絵本)

荒井 真紀/さく

福音館書店 (2018.11)

あずきを土にまくと芽がでて黄色い花が咲き、長いさやの中で豆が育った。あんこの材料としてなじみ深いあずきの成長過程を、ひとつひとつ丁寧に紹介する。細部まで描き込まれた絵は、茎の産毛やつややかな豆の表皮の質感をよく伝えており、豆が熟すときの色の変化も興味深い。あずきを使った和菓子も紹介され、知識が深まる。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

みずとはなんじゃ?

かこ さとし/作 ・ 鈴木 まもる/絵

小峰書店 (2018.11)

水は忍者や役者のように水蒸気や氷へ姿を変える。身体の中では料理人のように栄養を運び、大気中ではクーラーや布団のように気温を保つ働きをする。水の性質を身近な例えで楽しく紹介し、水の大切さや環境を守ることの重要性を訴える。科学をわかりやすく伝えようとする姿勢が貫かれており、親しみのある絵も理解を助ける。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

ユンボのいる朝

麦野 圭/作 ・ 大野 八生/絵

文溪堂 (2018.11)

5年生になった幹(みき)は、級友に万引きの共犯にされてしまう。心を病む父や忙しい母、親友にも相談できず思い悩んでいたが、ユンボ(油圧ショベル)の作業員博巳(ひろみ)と知り合い、次第に心を開いてゆく。主人公の行き場のない心情が丁寧に描かれ、胸に迫る。博巳の存在に励まされ、少しずつ前を向く少年の姿は爽やかな読後感を残す。(小学校中学年から)

物語中学生から

ヴンダーカンマー -ここは魅惑の博物館-

樫崎 茜/著 ・ 上路 ナオ子/画

理論社 (2018.11)

博物館の職場体験に行った中学生5人は、別々の実習に連れ出される。漁港に深海魚を見に行ったり、カピバラと園児との交流を手伝ったりと、予想外の内容に驚きつつも楽しむ姿を連作短編の形でつづる。中学生たちが非日常の体験を通して自分を見つめ直す様子が、等身大に描かれる。学芸員の仕事内容もよくわかり興味を引く。(中学生から)

物語中学生から

変化球男子(鈴木出版の児童文学)

M.G.ヘネシー/作 ・ 杉田 七重/訳

鈴木出版 (2018.1)

アメリカの少年野球チームで投手として活躍する12歳のシェーンは、身体が女であることを転校先では隠していた。しかし、同級生に数年前の写真を広められ、親友や恋人と気まずくなる。トランスジェンダーの子どもの心情がよく描かれ、引き込まれる。家族と友人の助けを得て、前を向き歩き出す主人公に声援を送りたくなる。(中学生から)

知識の本小学校中学年から

奄美の空にコウモリとんだ(奄美の生きもの調査)

木元 侑菜/文 ・ 松橋 利光/写真

アリス館 (2018.1)

奄美大島には、声は聞こえるが正体不明のコウモリがいる。森へ調査に入った著者は、古い防空ごうの中で3種類ものコウモリを見つけた。わなでの捕獲や希少種の発見の様子など、3年間にわたる研究の過程を豊富な写真と平易な文章で紹介する。若い研究者が熱心に観察を続ける姿からは、生きもの調査の楽しさが伝わってくる。(小学校中学年から)

知識の本小学校高学年から

ふしぎなカビ オリゼー -千年の物語-(ノンフィクション・生きるチカラ 24)

竹内 早希子/著

岩崎書店 (2018.1)

日本人は酒やみそ作りに欠かせないオリゼー(こうじ菌)を大切に育ててきた。醸造の仕組みや、種こうじを保管する「もやし屋」について紹介する。被災した醸造業者がもやし屋の助けで元の味を取り戻す話からは、和食文化を支えてきた人々の努力が伝わる。こうじの発酵具合に心を砕く職人の姿に、仕事に対する誇りを感じる。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

まめつぶこぞうパトゥフェ -スペイン・カタルーニャのむかしばなし-

宇野 和美/文 ・ ささめや ゆき/絵

BL出版 (2018.1)

パトゥフェは豆粒ぐらいの大きさだが、元気で力持ちの男の子だ。人に踏み潰されないように「パタン パティン パトン」と歌いながらおつかいに行く。カタルーニャ地方に語り継がれてきた昔話で、意表をつく展開が面白い。歌を交えた調子の良い文章と、のびのびと描かれた、とぼけた味わいのある絵がお話を引き立てている。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

右手にミミズク(フレーベル館文学の森)

蓼内 明子/作 ・ nakaban/絵

フレーベル館 (2018.1)

6年生の丈(たける)は、転校生の実里(みのり)に右手にミミズクを描かれたことから親しくなった。彼女が厳格な父との関係に苦しんでいると知った丈は、自分にできることはないか祖父に相談する。友人の悩みに寄り添い、解決しようと行動する主人公の姿を丁寧に描く。2人を見守る祖父や教師等の登場人物も魅力的で、物語に深みを与えている。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

明日のランチはきみと(フレーベル館文学の森)

サラ・ウィークス/作 ・ ギーター・ヴァラダラージャン/作

フレーベル館 (2018.1)

インドで優等生だった5年生のラビは、引越し先のアメリカの学校では、特別支援教室に行くことになった。聴力に障がいがあるジョーも同じ教室に通う。自信家のラビと気弱なジョーが、仲良くなるまでの1週間をそれぞれの視点からユーモラスに描く。互いを認め合った2人が協力し、いじめっ子にやり返す結末は爽快だ。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ハートウッドホテル 1 ねずみのモナと秘密のドア

ケイリー・ジョージ/作 ・ 久保 陽子/訳

童心社 (2018.1)

ハートウッドホテルは「心もほっこり」をモットーにどんな動物でも歓迎する。嵐の夜、ホテルに迷い込んだネズミのモナは、メイドとして住み込むことになった。内気な歌手のツバメを励ましたり、食料泥棒を突き止めたりする中で、ホテルに居場所を得ていく。モナのまっすぐな気性と積極的に行動する姿には勇気づけられ、リスのティリーと友情を深める様子には心が温かくなる。ホテルの他の従業員やお客の動物も個性豊かに面白く描かれる。現在3巻まで刊行されており、周囲を思いやって幸せにしていく小さなネズミの活躍に、目が離せない。(小学校中学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

どんどんばしわたれ(わらべうたえほん)

こばやし えみこ/案 ・ ましま せつこ/絵

こぐま社 (2018.1)

「どんどんばし わたれ さあ わたれ」と女の子が橋を渡ると、キツネが「こん!」と飛び出した。並んで元気に歩いていくと、タヌキとクマも仲間に加わる。わらべうたを元にした絵本で、行進したくなるような調子のよい文章に、温かい色合いの水彩画が合っている。巻末には楽譜と解説があり、子どもと歌って遊びたくなる。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話幼児から

クレーンからおりなさい!!

ティベ・フェルトカンプ/作 ・ アリス・ホッホスタット/絵

フレーベル館 (2018.1)

工事現場を見るのが大好きな男の子バートが、周りが止めるのを聞かず、ロードローラーに乗りこんだ。「ごろごろ ぐしゃん!」と車をつぶし、クレーンでパトカーをつり上げる。機転を利かせた働きで少年がうれしいごほうびをもらうまでを、ユーモアたっぷりに描く。意表をつく結末に、思わず絵の細部を見返したくなる。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

ぼく、アーサー

井上 こみち/文 ・ 堀川 理万子/絵

アリス館 (2018.1)

子犬のアーサーはボランティアの家庭で大切に育てられ、訓練所を経てノリオさんの盲導犬になる。飼い主を10年間に渡り助け、年を取り引退した。訓練の様子や引退後の老犬の生活についても書かれており、興味を引く。実在の盲導犬の一生を紹介した絵本であり、明るい色彩の絵は、いきいきと働く盲導犬の様子をよく伝えている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ねむたいねむたい(0.1.2.えほん)

やぎゅう げんいちろう/さく

福音館書店 (2018.1)

びーびーと泣いていたなすびの子がうとうとし始め、やがてすとんと眠りに落ちた。まぶたが重くなったバナナの子、かぼちゃの子、そらまめの子も次々と眠りにつく。「ねむたい」という言葉のくり返しや文章のゆったりした調子が耳に心地よく、子どもを眠りに誘う。野菜の特徴を捉えたシンプルな絵は、独特の味わいがある。(赤ちゃんから)

物語小学校高学年から

いいたいことがあります!

魚住 直子/著 ・ 西村 ツチカ/絵

偕成社 (2018.1)

6年生の陽菜子は、勉強や家事をしろと口うるさい母親に不満を抱えていた。ある日「親に支配されたくない」とつづられた古い手帳を拾い、その言葉に衝撃を受ける。思春期の娘と母親との確執と和解がテンポ良く描かれる。手帳を開くと出会える不思議な少女に励まされ、母親とまっすぐ向き合えるようになった主人公の姿がまぶしい。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

ハチごはん -季節のごちそう-

横塚 眞己人/写真と文

ほるぷ出版 (2018.9)

写真家の著者は岐阜県串原地区のヘボ(クロスズメバチ)を食べる風習を取材した。人々はハチに目印を持たせることで巣を突きとめ、その巣を持ち帰って巣箱で根気よく育てる。幼虫を調理し食べるまでのすべてを豊富な写真で紹介する。家族全員でハチの子を集める姿に、地域の伝統的食文化が今も息づいていることを実感する。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

カテリネッラとおにのフライパン -イタリアのおいしい話-(こぐまのどんどんぶんこ)

剣持 弘子/訳・再話 ・ 剣持 晶子/絵

こぐま社 (2018.9)

鬼からフライパンを借りたカテリネッラは、お礼にあげると約束したドーナツを全部食べてしまった。食いしんぼうな少女がひどい目にあう表題作や、パンでできた娘に恋をした王子の話など、食べ物が出てくる4話を収録する。ユーモラスな昔話がやさしい文章で語られる。素朴で温かみのある色使いの絵は、お話の雰囲気に合う。(小学校低学年から)

知識の本幼児から

きのこレストラン(ふしぎいっぱい写真絵本 34)

新開 孝/写真・文

ポプラ社 (2018.9)

タマゴタケが真っ赤な傘を開くと、コガネムシやアリの仲間が集まり食べ始めた。臭いにおいのスッポンダケ、皿のような形のホウロクタケにも、色んな虫が群がる。キノコが虫のえさとなり生態系を支えていることを、やさしい文章で紹介する。ふだん気づかない小さな生物の営みをとらえた、鮮やかな写真が興味をかきたてる。(幼児から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

くだものぱくっ(講談社の創作絵本)

彦坂 有紀/作 ・ もりと いずみ/作

講談社 (2018.9)

子どもが大好きなくだものが次々に登場し、ページをめくると食べやすい形になって現れる。みかんをむいて「ぱくっ」、メロンを切って「ぱくっ」と食べる繰り返しが楽しい。木版画ならではの風合いと色の濃淡が、温かな雰囲気を醸し出す。色鮮やかなくだものが薄いクリーム色の背景によく映え、思わず手を伸ばしたくなる。(赤ちゃんから)

物語小学校高学年から

流星と稲妻

落合 由佳/著

講談社 (2018.9)

6年生の善太は、剣道の模範試合で気弱な転校生の宝に負けてしまった。同じ道場の兄弟弟子になり、宝は押しの強い善太に振り回されることになる。力は強いが根気のない善太と、引っ込み思案だが努力家の宝が、ライバルだと認め合うまでの気持ちの変化を2人の視点で丁寧に描く。奉納試合の描写は迫力があり、爽快感がある。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

かぜのひ

サム・アッシャー/作・絵 ・ 吉上 恭太/訳

徳間書店 (2018.9)

風の強い秋の日、男の子はおじいちゃんと家中をひっくり返してたこを探し、公園へ行く。風はどんどん強くなり、2人はたこと一緒に空へ舞い上がった。大風の日に空想が広がる様子を色彩豊かなペン画で描く。たこや鯨、竜までもが乱れ飛ぶ空の場面は躍動感にあふれ、わくわくする。仲の良い孫と祖父のとぼけた会話も面白い。(幼児から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

おせんべやけたかな(わらべうたでひろがるあかちゃん絵本)

こが ようこ/構成・文 ・ 降矢 なな/絵

童心社 (2018.9)

「ねーずみ ねーずみ どーこ いきゃ?」の呼びかけに、愛らしい子ねずみは巣で待つ親のふところに飛びこんでゆく。子うさぎ、子ぐま、あかちゃんも次々と親の胸に抱かれていく。わらべうたを元にした絵本で、リズミカルな言葉のくり返しが楽しい。やわらかくも力強い筆の線と、温かく明るい彩色の絵はわらべうたの雰囲気に合っており、あかちゃんにも見やすい。巻末に楽譜と遊びかたのイラストがあり、ふれあって楽しむ際の参考になる。シリーズとして『へっこ ぷっと たれた』『おせんべ やけたかな』も同時刊行された。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話赤ちゃんから

へっこぷっとたれた(わらべうたでひろがるあかちゃん絵本)

こが ようこ/構成・文 ・ 降矢 なな/絵

童心社 (2018.9)

「ねーずみ ねーずみ どーこ いきゃ?」の呼びかけに、愛らしい子ねずみは巣で待つ親のふところに飛びこんでゆく。子うさぎ、子ぐま、あかちゃんも次々と親の胸に抱かれていく。わらべうたを元にした絵本で、リズミカルな言葉のくり返しが楽しい。やわらかくも力強い筆の線と、温かく明るい彩色の絵はわらべうたの雰囲気に合っており、あかちゃんにも見やすい。巻末に楽譜と遊びかたのイラストがあり、ふれあって楽しむ際の参考になる。シリーズとして『へっこ ぷっと たれた』『おせんべ やけたかな』も同時刊行された。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ねーずみねーずみどーこいきゃ?(わらべうたでひろがるあかちゃん絵本)

こが ようこ/構成・文 ・ 降矢 なな/絵

童心社 (2018.9)

「ねーずみ ねーずみ どーこ いきゃ?」の呼びかけに、愛らしい子ねずみは巣で待つ親のふところに飛びこんでゆく。子うさぎ、子ぐま、あかちゃんも次々と親の胸に抱かれていく。わらべうたを元にした絵本で、リズミカルな言葉のくり返しが楽しい。やわらかくも力強い筆の線と、温かく明るい彩色の絵はわらべうたの雰囲気に合っており、あかちゃんにも見やすい。巻末に楽譜と遊びかたのイラストがあり、ふれあって楽しむ際の参考になる。シリーズとして『へっこ ぷっと たれた』『おせんべ やけたかな』も同時刊行された。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話小学校低学年から

スタンリーとちいさな火星人

サイモン・ジェームズ/作 ・ 千葉 茂樹/訳

あすなろ書房 (2018.8)

お母さんが出張に出かけてしまった日、スタンリーは段ボールの宇宙船で飛び立った。代わりにやって来た彼そっくりの火星人は、歯は磨かないし野菜を食べない。空想を広げることで寂しさを紛らわせようとする子どもと、温かく受けとめる家族をユーモラスに描く。シンプルな描線の絵はほのぼのとした話の雰囲気にあっている。(小学校低学年から)

物語中学生から

星を見あげたふたりの夏

シンシア・ロード/著 ・ 吉井 知代子/訳

あかね書房 (2018.8)

愛犬の逃走がきっかけで、12歳のリリーは季節労働者の娘サルマと親しくなる。ブルーベリー女王コンテストに挑戦するサルマに、リリーは亡き母の姿を重ねて協力する。内気な少女が新しい友人を得て変わっていく姿をみずみずしく描く。夏が終わり離れ離れになっても、同じ星を見あげようと誓いあうふたりの友情が爽やかだ。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ソフィーとちいさなおともだち

パット・ジトロー・ミラー/文 ・ アン・ウィルスドルフ/絵

光村教育図書 (2018.8)

ソフィーは夕食用のかぼちゃを気に入り、顔を描いてバーニスと名づける。腐る前に食べようとママに言われても知らん顔で、毎日いっしょに遊ぶうちに、バーニスは茶色くなってしまう。お気に入りと離れたくない幼い少女の思いをよく描いており、再会の結末に心温まる。表情豊かな絵は主人公の気持ちをいきいきと伝えている。(小学校低学年から)

物語中学生から

ある晴れた夏の朝

小手鞠 るい/著

偕成社 (2018.8)

アメリカの高校生たちが、日本への原爆投下の是非を問う公開討論会を開くことにした。日系人のメイは否定派として参加する。中国系やユダヤ人など8人の学生が、自分のルーツに基づく視点で熱弁をふるう。どの主張も入念な調査に裏づけられ、説得力がある。互いを認め合い、平和の尊さを訴える最後のスピーチが感動的だ。(中学生から)

詩・随筆・記録中学生から

ヒロシマをのこす -平和記念資料館をつくった人・長岡省吾-

佐藤 真澄/著

汐文社 (2018.7)

広島に原爆が投下された翌日、地質学者の長岡省吾は、高熱で溶けた石の表面を見て爆弾の威力に衝撃を受ける。科学的究明を志した彼は、瓦や石などの被爆資料の調査と、犠牲者の遺品の収集を続け、平和記念資料館の礎を築いた。周囲の非難を物ともせず、無私の心で戦争の愚かさを訴えた長岡の信念に激しく心を揺さぶられる。(中学生から)

知識の本小学校低学年から

巣箱のなかで

鈴木 まもる/作・絵

あかね書房 (2018.7)

シジュウカラの巣作りからヒナの巣立ちまでを紹介する。著者は窓ガラスに直接巣箱を貼り付け、子育ての様子を観察した。巣の変化やヒナの成長が同じアングルで描かれ、読者はヒナの成長を見守っているような気持ちになる。羽毛の柔らかな質感まで描きこんだ温かみのある絵からは、著者の鳥に対する深い愛情が感じられる。(小学校低学年から)

物語中学生から

あたしが乗った列車は進む(鈴木出版の児童文学)

ポール・モーシャー/作 ・ 代田 亜香子/訳

鈴木出版 (2018.6)

母と祖母を相次いで亡くした12歳の少女は、長距離列車で1人、シカゴに向かうことになった。彼女は乗り合わせた人々に最初は強がってみせていたが、初恋をし、誕生日を祝われ、少しずつ心を開いてゆく。3日間の旅を通して、主人公が押し殺していた感情を吐き出し、新たな人生に希望を見出していく姿に心を揺さぶられる。(中学生から)

知識の本小学校低学年から

クルミの森のニホンリス(小学館の図鑑NEOの科学絵本)

ゆうき えつこ/文 ・ 福田 幸広/写真

小学館 (2018.6)

ニホンリスの生態を豊富な写真とやさしい文章で紹介する。枝の上を走り回る夏の姿から始まり、秋の木の実集め、冬の巣作り、春の子リス誕生と、ページごとに1年間の様子がよくわかる。素早い動きを鮮明に捉えた写真からは、ジャンプの力強さや走る速さも伝わってくる。豊かな自然の中で暮らすいきいきとした姿が印象に残る。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

凸凹あいうえおの手紙

別司 芳子/著 ・ ながおか えつこ/絵

くもん出版 (2018.6)

小学校で地域の高齢者と交流会を毎月開くが、6年生の大地が招待する佐山さんからはいつも返事がない。彼女の目が不自由だと知り、大地は点字の手紙を書こうと思い立つ。気弱な少年が近所の老婦人に亡き祖母の姿を重ね、親しみを感じるようになる様子を丁寧に描く。点字の説明もわかりやすく、心の通じ合う結末は胸に迫る。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

ぼくのなまえはへいたろう(ランドセルブックス)

灰島 かり/文 ・ 殿内 真帆/絵

福音館書店 (2018.6)

名前を笑われた僕が文句を言うと、お父さんは「平太郎」に込めた思いを話してくれた。他にも、長すぎる名前を変えた人の話や、魔よけのため赤ん坊に汚い名前をつけるアイヌの風習について教えてもらう。名前にまつわる様々なエピソードが物語の中で紹介され、興味を引く。自分の名前から広く思いをめぐらすきっかけになる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

あかちゃんがどんぶらこ!

アラン・アールバーグ/文 ・ エマ・チチェスター・クラーク/絵

徳間書店 (2018.6)

赤ちゃんの乗った乳母車が、どんぶらこと海に流された。一緒に乗っていた人形とぬいぐるみは、赤ちゃんにミルクを飲ませたり嵐から守ったりと大活躍する。海の上で次から次に起こる冒険が、リズミカルな文章と大きな判型を活かした画面構成でのびのびと描かれる。温かみのある色彩が人形たちの愛らしさを引き立てている。(幼児から)

物語小学校高学年から

大坂オナラ草紙

谷口 雅美/著 ・ イシヤマ アズサ/画

講談社 (2018.6)

5年生の平太は似顔絵を描いたことで親友を傷つけてしまい、悩んでいた。ある日、平太は古文書に吸い込まれ、江戸時代の大坂へタイムスリップする。そこで会った少女お篤を助けるため人相書きを描いたところ、瓦版屋の絵師にならないかと誘われる。主人公が違う世界で多くの人と出会い、絵が好きと再確認する姿が感動的だ。(小学校高学年から)

物語中学生から

リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ

こまつ あやこ/著

講談社 (2018.6)

マレーシアからの帰国子女である中学2年生の沙弥は、学校で目立たぬよう過ごしていた。ある日、変わり者の先輩莉々子(りりこ)に吟行に誘われ、短歌の世界に魅せられていく。気持ちを歌にすることで自分らしさを表現し、成長していく主人公の姿を瑞々しく描く。短歌にマレーシア語を詠み込むというアイデアがユニークだ。(中学生から)

物語中学生から

ドリーム・プロジェクト(わたしたちの本棚)

濱野 京子/著

PHP研究所 (2018.6)

中学2年生の拓真は、同居を始めた祖父を元気づけたいと悩んでいた。友人からクラウドファンディングを勧められた彼は、祖父が住んでいた家を修繕して地域の憩いの場とする計画を立てる。中学生たちが資金集めに奮闘する過程が丁寧に描かれ、興味深い。それぞれの特技を生かし、目標に向かってがんばる彼らの姿が爽やかだ。(中学生から)

物語小学校低学年から

ホイホイとフムフム -たいへんなさんぽ-

マージョリー・ワインマン・シャーマット/文 ・ バーバラ・クーニー/絵

ほるぷ出版 (2018.5)

オポッサム(フクロネズミ)のホイホイは、家にいるのが好きなフムフムを散歩に誘う。フムフムの世話を焼くうち、ホイホイは疲れてしまうが、散歩を好きになったフムフムは帰りたがらない。立場が逆転する展開と、とぼけた2匹の会話が面白い。線画の挿絵はしぐさや表情をよく表し、ほのぼのとした話の雰囲気に合っている。(小学校低学年から)

知識の本幼児から

もぐらはすごい

アヤ井 アキコ/著 ・ 川田 伸一郎/監修

アリス館 (2018.5)

もぐらは鼻先の器官で振動を感じ、暗闇でも自由に動くことができる。その体の特徴や暮らしをやさしい文章で紹介する。もぐらの腕力や食べる量を人間と比べたり、トンネルを断面図で表したりと、構成が工夫されている。やわらかい色合いで描かれた愛きょうのある表情が、謎に包まれたもぐらを身近に感じさせる。(幼児から)

絵本/絵童話小学校中学年から

クマと少年

あべ 弘士/作

ブロンズ新社 (2018.5)

少年と兄弟のように育てられた子グマのキムルンは、「イオマンテ(クマおくり)」の儀式を前に山へ消えた。たくましく成長した少年はクマを追って旅に出る。アイヌに伝わる風習を、北海道の豊かな自然と共に力強い筆さばきで描きだす。葛藤の末、少年がキムルンの願いを受け入れて矢を放つラストシーンは、静かな余韻を残す。(小学校中学年から)

知識の本幼児から

にゅうどうぐも(かがくのとも絵本)

野坂 勇作/さく ・ 根本 順吉/監修

福音館書店 (2018.5)

入道雲が生まれて夕立になるまでを、子どもの夏の1日を通してわかりやすい文章で伝える。早朝の曇り空が快晴になり、やがて小さな雲が巨大な入道雲に成長していく様子が縦長の画面いっぱいに描かれる。人や建物を影絵で表現することで風や雲の変化が際立ち、上へと開くページのめくり方も空の高さを感じさせ、印象に残る。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

せかいでさいしょのポテトチップス

アン・ルノー/文 ・ フェリシタ・サラ/絵

BL出版 (2018.5)

19世紀のアメリカで、コックのクラムさんの作ったフライドポテトに、ある紳士がぶ厚すぎると文句をつける。いたずら好きなコックは、ポテトをごく薄く切って揚げてみた。身近な食品が生まれた意外ないきさつが興味を引く。服装や表情など、登場人物の個性を巧みに描き分けた絵は、物語のユーモラスな雰囲気をよく伝えている。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

コクルおばあさんとねこ

フィリパ・ピアス/作 ・ アントニー・メイトランド/絵

徳間書店 (2018.4)

風船売りのコクルおばあさんは黒猫のピーターを可愛がっていた。ところが魚欲しさに猫が家出し、心配でやせ細ったおばあさんは、ある日大風に風船ごと空へ運ばれてしまう。空の旅に驚きつつも楽しむ様子がいきいきと描かれ、引きこまれる。意外な場所で猫と再会する結末もほほえましく、豊富な挿絵が物語を引き立てている。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

あむ(こどものとも絵本)

小風 さち/さく ・ 山口 マオ/え

福音館書店 (2018.4)

大好きなかっちゃんが友だちと海に出かけてしまった。留守番を言いつけられた犬のあむは、一緒に行きたくて首輪を外す。生命力あふれる夏の情景とともに、犬の涙でゆがんだ顔や得意げな眼差しが表情豊かに描かれる。大きな犬がへこたれそうになりながらも必死で追いかける健気さに共感を覚える。歯切れの良い文章も味がある。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

うどんやのたあちゃん(こどものとも絵本)

鍋田 敬子/さく

福音館書店 (2018.4)

うどん屋の女の子たあちゃんは、こんたと名乗る男の子にうどんをごちそうしてあげた。2人が遊びに出かけるとこんたのお父さんに出くわし、商店街のお稲荷様へ連れて行かれる。のんびりとした香川の方言の会話が、不思議なお話の雰囲気に合っている。ほっとするような温かな色づかいと、伸びやかな線で描かれた絵が楽しい。(幼児から)

知識の本中学生から

もうひとつの屋久島から -世界遺産の森が伝えたいこと-(フレーベル館ノンフィクション 1)

武田 剛/著

フレーベル館 (2018.3)

屋久島には世界自然遺産に登録された貴重な生態系が存在する。しかし過去には林業以外に収入を得る手段がなく、大規模な原生林伐採が行われていた。縄文杉ばかりが注目される屋久島の、環境問題や歴史などを紹介し、今後の課題にも言及する。島に移住し取材を続ける著者の、豊かな自然を守り伝えたいという思いがよく伝わる。(中学生から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

王さまになった羊飼い -チベットの昔話-(世界傑作絵本シリーズ)

松瀬 七織/再話 ・ イ ヨンギョン/絵

福音館書店 (2018.3)

羊飼いの男の子は、天の神に動物の言葉がわかる力を授けてもらった。その力で王の使いの馬を助けた彼は、王子の病気を治してほしいと頼まれ、宮殿に連れて行かれる。貧しい少年が親切な行いによって幸せを得るチベットの昔話を、やさしい文章でつづる。大らかな筆致で、色彩豊かに描き出された高原の風景が印象的だ。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

チトくんとにぎやかないちば

アティヌーケ/文 ・ アンジェラ・ブルックスバンク/絵

徳間書店 (2018.3)

買い物をするお母さんにおんぶされたチトは、市場の人からバナナやココナツを次々ともらう。チトはひとつ食べては残りをお母さんの頭の上のかごに入れ、かごはいっぱいになる。プレゼントにご機嫌な男の子と、買い物に夢中で気づかない母親の対比が楽しい。鮮やかな色彩が、西アフリカの市場のにぎやかな様子を伝えている。(幼児から)

物語小学校高学年から

ガーティのミッション世界一

ケイト・ビーズリー/作 ・ 井上 里/訳

岩波書店 (2018.2)

家を出た母を見返すために、ガーティは「世界一」の5年生になろうとする。スピーチや学校劇で活躍しようとするが、意地悪な転校生に邪魔されうまくいかない。負けず嫌いな少女が巻き起こす騒動をコミカルに描く。些細なことで変わる級友たちの移り気な態度に傷つきながらも、懸命にがんばる主人公の一途さが魅力的だ。(小学校高学年から)

物語中学生から

ヒトラーと暮らした少年

ジョン・ボイン/著 ・ 原田 勝/訳

あすなろ書房 (2018.2)

ドイツ人の父とフランス人の母を相次いで亡くした7歳のピエロは、ヒトラーの山荘で働く叔母に引き取られた。総統やナチス党員に傾倒した彼は横暴になり、身近な人々を傷つけていく。心優しい少年が冷徹な人間に変貌する姿を通して戦争の残酷さを描く。成人した主人公が、ユダヤ人の旧友に罪を告白する結末に希望を感じる。(中学生から)

歴史・伝記物語小学校中学年から

炎をきりさく風になって -ボストンマラソンをはじめて走った女性ランナー-

フランシス・ポレッティ/作 ・ クリスティーナ・イー/作

汐文社 (2018.2)

1966年当時、女性はボストンマラソンの参加が許されていなかった。周囲が反対する中、走ることが好きなボビーは諦めずに男装して大会に出場する。女性もマラソンを完走できることを身をもって示し、スポーツの歴史を変えた彼女の勇気に、心が励まされる。のびのびとしたタッチの絵は躍動感があり、走る喜びが伝わってくる。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

パイパーさんのバス

エリナー・クライマー/作 ・ クルト・ヴィーゼ/絵

徳間書店 (2018.2)

バスの運転手のパイパーさんは一人暮らしを寂しく思っていた。そんなある日、犬、猫、ヒヨコを次々に拾う。アパートで動物とは暮らせないので、引き取り先を探すため古いバスで一緒に旅に出る。手放すつもりが逆に増えてしまう展開や、動物と通じ合っているようなやりとりが面白い。みんなの願いがかなう結末にほっとする。(小学校中学年から)

物語中学生から

わたしの空と五・七・五(講談社文学の扉)

森埜 こみち/作 ・ 山田 和明/絵

講談社 (2018.2)

中学入学後、やりたいことが見つからない空良(そら)は部活を決めかねていた。文芸部を見学した彼女は、新入生歓迎の句会に誘われ、初めて俳句作りに挑む。話すのが苦手で自分に自信のない主人公が、俳句で気持ちを表現し、クラスにとけこんでいく様子を等身大に描く。俳句の基礎が易しく語られ、思わず一句詠みたくなる。(中学生から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

くらやみのゾウ -ペルシャのふるい詩から-(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

[ルーミー/原作] ・ ミナ・ジャバアービン/再話

評論社 (2018.1)

商人アフマドが、インドから大きな生き物を連れ帰り、蔵に入れた。その正体を知りたくて真っ暗な蔵の中に潜り込んだ村人たちは、鼻につまずき「ヘビみたいだ」、耳に包まれ「まるでうちわだ」等と言い立てる。13世紀のペルシャの詩が、風刺のきいた物語となってよみがえる。色鮮やかに描き込まれた絵は細密画のようで美しい。(小学校低学年から)

物語中学生から

レモンの図書室

ジョー・コットリル/作 ・ 杉田 七重/訳

小学館 (2018.1)

10歳の少女カリプソは、妻を亡くして仕事に没頭する父と暮らしていた。彼女は読書という共通の趣味をきっかけに転校生メイと親友になり、一緒に小説を書き始める。親友やその家族との交流を通して、孤独から抜け出していく少女の成長を丁寧に描く。悩みながらも父に寄り添い、その心を癒す主人公のひたむきな姿がまぶしい。(中学生から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

巨人の花よめ -スウェーデン・サーメのむかしばなし-

菱木 晃子/文 ・ 平澤 朋子/絵

BL出版 (2018.1)

昔々、北の国に美しくて賢い娘チャルミがいた。山の上に住む恐ろしい巨人に求婚され、たくさんの金銀を持ってくるよう難題を出すが、巨人はそれをかなえてしまう。スウェーデンのサーメ人に伝わる昔話を、親しみやすい文章で語る。冬を象徴するような巨人の灰色と、人々のまとう民族衣装の鮮やかな色彩の対比が印象的だ。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ペーパープレーン(ブルーバトンブックス)

スティーブ・ワーランド/作 ・ 井上 里/訳

小峰書店 (2017.12)

12歳のディランは、妻を事故で亡くしてから無気力になってしまった父と色あせた毎日を過ごしていた。ある日の授業で紙飛行機を作る楽しさに目覚め、世界大会に出場しようと特訓を始める。新しい世界でライバルや友人を得、父とのきずなを取り戻す少年の姿を爽やかに描く。何かに夢中になることの素晴らしさが伝わってくる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

シロクマが家にやってきた!(スプラッシュ・ストーリーズ 32)

マリア・ファラー/作 ・ ダニエル・リエリー/絵

あかね書房 (2017.12)

アーサーが障がいのある弟優先の生活にうんざりしていると、なぞのシロクマ「ミスターP」が現れた。ミスターPは家に住みつき、学校やサッカー大会で愉快な騒動を巻き起こす。優しいシロクマと過ごすうちに主人公が弟を受け入れていく様子が自然に描かれ、共感できる。ユーモラスなイラストが数多く添えられ親しみやすい。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

こんぴら狗(くもんの児童文学)

今井 恭子/作 ・ いぬんこ/画

くもん出版 (2017.12)

江戸に暮らす犬のムツキは、飼い主の平癒祈願のため金毘羅(こんぴら)さんへ旅に出された。ムツキは道に迷いながらも、様々な人に助けられ目的地を目指す。実際にあった「こんぴら狗」の風習を元にした物語で、江戸時代の旅の様子を丁寧に描く。自由な旅ができなかった時代の人々が、犬に願いを託す姿に胸が熱くなる。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語小学校高学年から

絵物語古事記

富安 陽子/文 ・ 山村 浩二/絵

偕成社 (2017.12)

『古事記』に登場する神々の物語を紹介する。最初の神アメノミナカヌシの登場からイザナギ・イザナミの国生み、オオクニヌシの冒険などを簡潔な文章でつづる。神々が世代交代を重ねる様子には時の流れが感じられ、壮大な歴史物語に引き込まれる。大らかな筆致の挿絵が全ページに添えられ、絵巻物を眺めるような趣がある。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ぼくたち負け組クラブ(講談社文学の扉)

アンドリュー・クレメンツ/著 ・ 田中 奈津子/訳

講談社 (2017.11)

「本の虫」の6年生アレックは放課後プログラムに参加することになった。他の子に邪魔されないよう「負け組」と名付けた読書クラブを立ち上げるが、次第に参加者が増えてしまう。読書好きの少年が本を通じて人との関わりを深めてゆく様子を丁寧に描く。クラブ発表会での活躍は痛快で、成長した主人公の姿が共感を呼ぶ。(小学校高学年から)

物語中学生から

笑う化石の謎

ピッパ・グッドハート/著 ・ 千葉 茂樹/訳

あすなろ書房 (2017.11)

1860年、ケンブリッジ郊外に暮らす13歳のビルは、父の解雇をきっかけに採掘場で働き始めた。ある日、笑ったような顔つきの恐竜の骨を発見し、生活のため売ろうとする。知的好奇心を持ち、逆境に負けず行動する少年の心情がつぶさに語られ、引き込まれる。学ぶことで自由を得た主人公の姿からは未来への希望が伝わってくる。(中学生から)

物語小学校高学年から

ふたりのスケーター

ノエル・ストレトフィールド/著 ・ 中村 妙子/訳

教文館 (2017.11)

療養のためスケートを勧められた10歳のハリエットは、天才フィギュアスケーターの遺児ララに出会う。生まれも性格も違う少女たちは友情を育み、挫折やすれ違いを経験しながらも将来の夢を見出していく。第2次世界大戦前の英国を舞台に、周囲の人に支えられ成長する2人を描く。1951年に出版された作品だが魅力は色あせない。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

しずかにあみものさせとくれー!

ベラ・ブロスゴル/さく ・ おびか ゆうこ/やく

ほるぷ出版 (2017.11)

小さな村に住むおばあさんは、孫たちが騒ぐので編み物がはかどらない。静かな場所を探すが、森ではクマが、山ではヤギが寄ってくるので、ついには月に出かける。次々に現れるじゃまものを豪快に叱り飛ばすおばあさんの姿がユーモラスで、笑いを誘う。登場人物のコミカルな動きや表情の描写は、テンポのよいお話に合っている。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

なずずこのっぺ?

カーソン・エリス/さく ・ アーサー・ビナード/やく

フレーベル館 (2017.11)

2匹の昆虫が小さな芽を見つけるが、それが何かわからない。「なずず このっぺ?」「わっぱど がららん。」と昆虫語で会話しながら芽の成長を見守る。虫たちの表情や身振りが表現力豊かに描かれ、楽しげな様子が伝わってくる。詩人の翻訳による昆虫語は独創的で、音の響きが面白い。声に出して読むとさらに楽しい。(幼児から)

物語小学校高学年から

木の中の魚(講談社文学の扉)

リンダ・マラリー・ハント/著 ・ 中井 はるの/訳

講談社 (2017.11)

6年生のアリーは字がうまく読めず学校になじめない。ダニエルズ先生は難読症(ディスレクシア)の彼女に数学の才能があると気づき、粘り強く導く。物知りだが気弱なアルバートや勝気な転入生キーシャという個性的な友人も得て、成長する少女の姿を丁寧に描く。主人公が自分の可能性を知り、自信を取り戻す様子に心打たれる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

じょやのかね(日本傑作絵本シリーズ)

とうごう なりさ/さく

福音館書店 (2017.11)

おおみそかの夜、ぼくはお父さんとお寺まで歩き、鐘をつく行列に並んだ。「12じまで あと なんぷん?」と気にしながら、ふるまいの甘酒をもらったり線香のけむりをかぶったりして順番を待つ。初めて年越しの行事を経験する高揚感を、男の子の一人称でつづる。黒一色刷りの版画が新年を迎える厳かな雰囲気をよく表している。(小学校低学年から)

物語中学生から

さよなら、スパイダーマン

アナベル・ピッチャー/著 ・ 中野 怜奈/訳

偕成社 (2017.11)

10歳のジェイミーは5年前、姉をロンドンの爆破テロで失った。酒に溺れる父と家を出た母の気を引きたい一心で、彼はもう一人の姉とタレントショーに出場する。愛する者を失った衝撃から回復してゆく家族の様子を、繊細な少年の視点からユーモア混じりに語る。傷つきながらも一歩前に踏み出す主人公の姿に心を揺さぶられる。(中学生から)

物語中学生から

ぼくはO・C・ダニエル(鈴木出版の児童文学)

ウェスリー・キング/作 ・ 大西 昧/訳

鈴木出版 (2017.1)

13歳のダニエルはつきまとう強迫観念や恐怖を誰にも話せず悩んでいた。ある日「サイコ・サラ」と呼ばれる同級生と親しくなり、彼女の行方不明の父親探しを手伝うことになる。強迫性障がいをもつ著者が、実体験をもとに主人公の症状や思いをリアルにつづる。理解者を得て障がいに向き合おうとする少年の姿に勇気づけられる。(中学生から)

物語中学生から

パンツ・プロジェクト

キャット・クラーク/著 ・ 三辺 律子/訳

あすなろ書房 (2017.1)

リヴは、外見は女の子だが心は男の子だと感じていることを家族にも話せずにいた。しかし進学した中学校でスカート着用を強制されることに我慢できず、校則を変えようと立ち上がる。トランスジェンダーに悩むリヴの心情と、家族や友人との交流が細やかに描かれる。信念を持って行動する主人公の姿が爽快で、勇気づけられる。(中学生から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

世界を救うパンの缶詰

菅 聖子/文 ・ やました こうへい/絵

ほるぷ出版 (2017.1)

パン職人の秋元さんは阪神淡路大震災をきっかけにパンの缶詰を開発した。缶詰は被災地や飢餓地域へ届けられ、多くの人を救っている。失敗を重ねた製作の苦労や、社会貢献の取り組みをわかりやすく紹介する。世界を舞台に仕事をするという夢を持ち、自分にできることを活かして社会の役に立つ道を模索し続ける熱意が心に残る。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

かわいいおとうさん

山崎 ナオコーラ/ぶん ・ ささめや ゆき/え

こぐま社 (2017.1)

あっくんは大好きなお父さんの顔をぺちぺちと触る。眼鏡をはずし、耳をひっぱり、鼻にかみつく。全身で甘える子どもと、それを笑って受け入れる父親のふれあいが、クレヨンで画面いっぱいに描かれる。「かわいいよー おとうさんは かわいいよー」という男の子の言葉に父親へのまっすぐな愛情が感じられ、心が温かくなる。(幼児から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

よ・だ・れ(0.1.2.えほん)

小風 さち/文 ・ 及川 賢治/絵

福音館書店 (2017.1)

あーちゃんが笑うとよだれが「たあ たあ たあ」、怒ると「ぶくぶく ぶう」と出てくる。歯が生えはじめる時期の赤ちゃんの成長をほほえましく描く。画面いっぱいに描かれた赤ちゃんのくるくる変わる表情が、愛らしい。よだれを出す赤ちゃんの様子を愉快な響きの擬音語で表しており、声に出して読むといっそう楽しめる。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話赤ちゃんから

があちゃん(0.1.2.えほん)

かつや かおり/さく

福音館書店 (2017.1)

「いっしょに おふろに はいろうか」と、おもちゃのあひるのがあちゃんをお風呂に入れる。お湯にもぐらせるとぽんと飛び出したり、石けんで泡だらけになったりする。リズミカルな文章は語りかけるようで親しみやすい。ピンクやオレンジを多く用いた温かみのある色づかいの絵からは、お風呂の心地よさが伝わってくる。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話幼児から

きのうえのおうちへようこそ!

ドロシア・ウォーレン・フォックス/作 ・ おびか ゆうこ/訳

偕成社 (2017.1)

人に会うのが苦手なツイグリーさんは、犬と一緒に木の上の家に住む。その気ままな暮らしぶりから、町の人には変わり者と思われていた。ある日、大雨で町じゅうの家が水に沈むが、彼女はみんなを自分の家に助けあげる。変わり者のおばあさんと町の人の交流に心温まる。木の上での生活の様子が丁寧に描き込まれた絵も楽しい。(幼児から)

物語小学校中学年から

メリーメリーへんしんする

ジョーン・G.ロビンソン/作・絵 ・ 小宮 由/訳

岩波書店 (2017.9)

5人きょうだいの末っ子メリーメリーは、兄姉たちからいつも赤ちゃん扱いされるのが気に入らない。ある日、取り残されてひとりで遊んでいた彼女は、新しく越してきたお隣さんから庭でのお茶会に招かれる。おしゃまで想像力豊かな女の子が巻き起こす、数々の騒動を描いた楽しいお話が、全3巻に15話収録されている。末っ子が兄姉たちを感心させたりやりこめたりする展開が痛快だ。メリーメリーの突飛な行動を受けとめ、優しく見守るまわりの大人たちも魅力的で心温まる。子どもの表情やしぐさをいきいきと描いた挿絵が、物語をひきたてている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ぽちっとあかいおともだち

コーリン・アーヴェリス/文 ・ フィオーナ・ウッドコック/絵

少年写真新聞社 (2017.8)

ホッキョクグマのミキは母親との魚とりの練習から逃げ出して遊びに行く。雪の中を駆けていると「ぽちっとあかいもの」を見つける。それは初めて会った人間の女の子だった。清らかな雪の世界に浮かぶような赤色の服が印象的だ。クマの子と女の子、母と子が触れ合う様子からは互いを思いやる気持ちが伝わり、心が温かくなる。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

サイモンは、ねこである。

ガリア・バーンスタイン/作 ・ なかがわ ちひろ/訳

あすなろ書房 (2017.8)

子猫のサイモンが「ぼくたち、にてますね」とあいさつをすると、大笑いされた。ライオンはたてがみを、チーターは足の速さを猫にはないものだと自慢するが、お互いを見比べるうちに似ているところもあると気付く。シンプルな描線がネコ科の動物のしなやかさをよく表している。いきいきとした動物たちの表情が魅力的だ。(幼児から)

物語中学生から

わたしがいどんだ戦い1939年

キンバリー・ブルベイカー・ブラッドリー/作 ・ 大作 道子/訳

評論社 (2017.8)

第2次世界大戦中のロンドンで、足に障がいを持つ10歳のエイダは母親から虐待を受けていた。彼女は母に黙って弟と学童疎開に紛れ、受入先の村で気難しい女性スーザンに引き取られる。人に大切にされる喜びを知ったエイダは尊厳を持って生きようとする。障がいや劣悪な生活環境に負けまいと戦う少女の強い心に感銘を受ける。(中学生から)

歴史・伝記物語小学校中学年から

6この点 -点字を発明したルイ・ブライユのおはなし-

ジェン・ブライアント/文 ・ ボリス・クリコフ/絵

岩崎書店 (2017.8)

幼少時に失明したルイは、知識を求めて王立盲学校に入学した。目が見えない人のための本の使いづらさに失望した彼は、陸軍の点字暗号に改良を加えた6点点字を15歳で考え出す。ルイの生い立ちから発明までの半生を、語りかけるような文章で丁寧に描く。自分で読み書きしたいと懸命に努力した少年の熱意が感動を呼ぶ。(小学校中学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

Mr.トルネード -航空事故を激減させた気象学者藤田哲也-

佐々木 健一/著

小学館 (2017.8)

気象学者藤田哲也は戦後間もなく30代で渡米し、竜巻の研究で注目された。のちに、航空機墜落事故の原因が特殊な突風であることを突き止め、空の安全に大きく貢献する。多数の図版とインタビューを交え、彼の生涯と功績を紹介する。自らの目で確かめることを重んじ、時には危険も顧みずに研究を続けた熱意に感銘を受ける。(小学校高学年から)

物語中学生から

ジャパン・トリップ

岩城 けい/著

KADOKAWA (2017.8)

オーストラリアの小学生たちが海外研修で大阪にやってきた。ショーンは幼い頃に別れた日本人の母への思慕、ハイリーは日本語を真剣に学びたい気持ちを抱え来日する。彼らがホームステイ先での生活や観光を通し、異文化になじもうと奮闘する1週間をつづる。言葉の壁を乗り越え互いに心を通じ合わせる様子に胸を揺さぶられる。(中学生から)

よみつがれてきた物語幼児から

ごちそうの木 -タンザニアのむかしばなし-

ジョン・キラカ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

西村書店 (2017.8)

昔々、日照り続きでお腹を空かせた動物たちは「ごちそうの木」から実を取る方法を、賢いカメに聞きに行くことにした。ゾウと水牛が呪文を教わるが、帰り道で忘れてしまう。大きな動物が次々と失敗するなか、小さなノウサギが成功するという展開が楽しい。動物の個性的な衣装や鮮やかな色使いの絵は独特の趣がある。(幼児から)

詩・随筆・記録中学生から

いのちは贈りもの -ホロコーストを生きのびて-(海外文学コレクション 5)

フランシーヌ・クリストフ/著 ・ 河野 万里子/訳

岩崎書店 (2017.7)

第2次世界大戦時、ドイツ占領下のフランスでもユダヤ人迫害が始まった。著者は母と国外に逃れようとするが捕まり、9歳から12歳まで収容所で過ごす。飢えや病気に脅かされた日々を、当時の気持ちを交えて回想する。収容所の生活やそこにいた人々の姿を克明にとらえた文章はホロコーストの悲惨さを浮き彫りにし、胸をつく。(中学生から)

物語中学生から

マイナス・ヒーロー

落合 由佳/著

講談社 (2017.7)

中学2年生の凪人(なぎと)は体が弱いためバドミントンを諦め、退屈な日々を過ごしていた。ある日同級生の少女羽野に、万年2位の自分を勝たせてほしいと頼まれる。ひねくれていた少年が自分の欠点と向き合い、マネージャーとして部員を支え、成長する姿を爽やかに描く。試合の描写は臨場感にあふれ、熱気が伝わってくる。(中学生から)

知識の本小学校低学年から

さかなのたまご -いきのこりをかけただいさくせん-(ふしぎいっぱい写真絵本 31)

内山 りゅう/写真・文

ポプラ社 (2017.7)

日本の淡水魚が卵を守る方法を、豊富な写真とやさしい文章で紹介する。タナゴは安全な貝の中に産みつけ、コイは一度に数万個も産むことで、少しでも多くの卵を残そうとする。ぎりぎりまで近づいて撮った写真は鮮明で、魚たちを育む自然の美しさも見てとれる。命をつなごうとする生き物の懸命な様子に、心を打たれる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

きみもこねこなの?

エズラ・ジャック・キーツ/作・絵 ・ 当麻 ゆか/訳

徳間書店 (2017.7)

1匹の子犬が子猫たちのところへやってきた。「きみも こねこなの?」と聞かれた子犬は子猫になりきって、「ニャ……ワンワン!」と鳴いたり高いところを歩いたり、一緒に遊ぶ。小さな動物たちが無邪気にじゃれ合う様子が、いきいきと描かれている。「また あそぼう」と手をあげて帰っていく子犬の姿が、何とも愛らしい。(幼児から)

歴史・伝記物語中学生から

正義の声は消えない -反ナチス・白バラ抵抗運動の学生たち-

ラッセル・フリードマン/著 ・ 渋谷 弘子/訳

汐文社 (2017.7)

第2次世界大戦下のドイツで、ナチス政権打倒を呼びかける「白バラのビラ」を配り、抵抗運動を行った学生たちがいた。リーダー格のショル兄妹に焦点をあて、ナチスに心酔した少年期から国家反逆罪で処刑されるまでを当時の手紙や日記、関係者への取材をもとに描く。命を賭けて正義を貫いた彼らの勇気の尊さに心打たれる。(中学生から)

知識の本小学校低学年から

すごいね!みんなの通学路(世界に生きる子どもたち)

ローズマリー・マカーニー/文 ・ 西田 佳子/訳

西村書店 (2017.7)

様々な国の通学風景を豊富な写真で紹介する。空中に張ったロープを伝ったり、落ちかけた橋を渡ったりと怖い思いをする場所もある。飲み水を入れた大きなたらいを頭にのせて通学する国もある。困難な道のりを行く子どもたちの姿からは、学校が好きという気持ちが伝わってくる。写真には小さく国名が添えられ、理解を助ける。(小学校低学年から)

物語中学生から

こんとんじいちゃんの裏庭

村上 しいこ/作

小学館 (2017.7)

認知症の祖父が交通事故で意識不明に陥ったうえ、相手から損害賠償を請求された。不登校中の孫の悠斗は納得できず、自分で真相を調べ始める。大人のずるさや弱さに傷つきながらも、善悪だけでは割り切れない現実に立ち向かう14歳の少年の奮闘を描く。周囲の手助けを得て、主人公が自分なりに一矢報いる結末に胸がすく。(中学生から)

物語小学校高学年から

奮闘するたすく

まはら 三桃/著

講談社 (2017.6)

夏休みに5年生の佑(たすく)は友だちの一平と、認知症の祖父が通う老人福祉施設について調べることになった。個性的な職員やお年寄りと過ごすうちに、佑は祖父の気持ちや考えに寄り添えるようになる。施設で繰り広げられる出来事が小学生の視線で軽妙に描かれ、引き込まれる。介護現場についても詳しく知ることができる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

タイガー・ボーイ(鈴木出版の児童文学)

ミタリ・パーキンス/作 ・ ジェイミー・ホーガン/絵

鈴木出版 (2017.6)

ニールは都会の中学校へ奨学金で進学することを期待されているが、生まれ育った島での暮らしが好きで勉強に身が入らない。ある日、保護区から虎の子どもが逃げ、島じゅうで探索が始まる。虎を密猟者から救おうとする少年の奮闘と、家族のきずなを丁寧に描く。故郷の自然や暮らしを守るため、進学を決意する彼の志が胸を打つ。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

メリーメリーのびっくりプレゼント

ジョーン・G.ロビンソン/作・絵 ・ 小宮 由/訳

岩波書店 (2017.6)

5人きょうだいの末っ子メリーメリーは、兄姉たちからいつも赤ちゃん扱いされるのが気に入らない。ある日、取り残されてひとりで遊んでいた彼女は、新しく越してきたお隣さんから庭でのお茶会に招かれる。おしゃまで想像力豊かな女の子が巻き起こす、数々の騒動を描いた楽しいお話が、全3巻に15話収録されている。末っ子が兄姉たちを感心させたりやりこめたりする展開が痛快だ。メリーメリーの突飛な行動を受けとめ、優しく見守るまわりの大人たちも魅力的で心温まる。子どもの表情やしぐさをいきいきと描いた挿絵が、物語をひきたてている。(小学校中学年から)

知識の本幼児から

はまべでひろったよ(しぜんにタッチ!)

池田 等/監修 ・ 大久保 茂徳/監修

ひさかたチャイルド (2017.6)

海藻や貝殻、ヤシの実と浜辺には色々なものが流れ着く。「これ なんだ?」と子どもたちが拾い集めたものを、実物大の写真で紹介する。どうやってその形になったかを解説したイラストは工夫が凝らされ分かりやすい。陶器のかけらや木の実など意外なものも見つかり、浜辺での遊びを通じて発見の喜びと観察の楽しさを味わえる。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

エルマーとブルーベリーパイ

ジェーン・セアー/さく ・ シーモア・フレイシュマン/え

ほるぷ出版 (2017.6)

人間の家に住む妖精のエルマーは、家の人たちが作ったブルーベリーパイをもう一度食べたくてしかたがない。だが妖精の姿は人間には見えず声も聞こえないため、家の仕事を手伝い、気持ちを伝えようとする。小さな妖精が頑張る姿が微笑ましく、応援したくなる。モノトーンに赤と紫でアクセントをつけた絵は、お話に合っている。(小学校低学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

ふしぎな銀の木 -スリランカの昔話-(世界傑作絵本シリーズ)

シビル・ウェッタシンハ/再話・絵 ・ 松岡 享子/訳

福音館書店 (2017.6)

王様は夢で見た銀の木を探し出すよう、3人の王子に命じた。2人の兄は失敗するが、末の王子は隠者の忠告を得て蛇の大王を倒し、美しい3人の乙女から銀の木を見つける方法を教えられる。謎めいたやり取りや意表をつく展開に、はらはらする。柔らかな描線と独特な色使いの絵が、物語の神秘的な雰囲気をよく伝えている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

よるのおと

たむら しげる/著

偕成社 (2017.6)

夜、男の子が池のほとりを歩いている。草むらではスズムシが鳴き、遠くから汽笛が聞こえる。フクロウに狙われたカエルが飛び込み、池に波紋が広がった。わずかな時間に起こった出来事を、ページごとに構図を変えて大胆に描く。夏の夜の静けさが美しい青で彩られた絵と聞こえてくる音だけで表現されており、深い余韻を残す。(幼児から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

金剛山のトラ -韓国の昔話-(世界傑作絵本シリーズ)

クォン ジョンセン/再話 ・ チョン スンガク/絵

福音館書店 (2017.6)

虎に殺された父のかたきを討つため、少年ユボギは体を鍛え立派な若者になった。金剛山に向かったユボギは、弓の腕前を発揮し人間に化けた虎たちを次々と打ち負かす。朝鮮半島に伝わる昔話がダイナミックな筆づかいの絵で表現される。見開き一面に描かれたユボギと虎が対決する場面は、思わず息をのむほど迫力がある。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ちいさなかえるくん(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

甲斐 信枝/さく

福音館書店 (2017.5)

おなかをすかせた小さなカエルが、虫を追いかける。モンシロチョウに跳びついて逃げられ、草むらに潜むヘビに驚かされる。レンゲやハルジオンなど色とりどりの野草が登場し、小さな虫になって春の野原にいるような気持ちになる。植物の特徴をよくとらえた絵からは、自然を慈しむ著者の気持ちがまっすぐに伝わってくる。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ヒルダさんと3びきのこざる

クェンティン・ブレイク/文 ・ エマ・チチェスター・クラーク/絵

徳間書店 (2017.5)

ヒルダさんは3匹の子ざると暮らしていた。ヒルダさんが外出するたびに、3匹は家の中に粉石けんやソースをまき散らすなど悪いことばかりするので、優しい彼女もとうとう腹をたてる。子ざるが無邪気にきれいな部屋をむちゃくちゃにする様子が、笑いを誘う。洋服の模様や家具のデザインはセンスが良く、見ていて飽きない。(幼児から)

物語小学校中学年から

アルバートさんと赤ちゃんアザラシ

ジュディス・カー/作・絵 ・ 三原 泉/訳

徳間書店 (2017.5)

海でみなしごアザラシを見つけたアルバートさんは、町に連れ帰って自分のアパートで面倒を見ることにした。階下に住む動物好きの女性と一緒に世話をするが、口うるさい管理人に見つかってしまう。動物への愛情が作品から伝わり、幸せな気持ちになる。素朴な鉛筆描きの挿絵が、ほのぼのとしたお話の雰囲気を引き立てている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

このあいだになにがあった?(かがくのとも絵本)

佐藤 雅彦/作 ・ ユーフラテス/作

福音館書店 (2017.5)

毛がもこもこの羊と短い羊、おたまじゃくしとカエルなど、2枚の写真を並べ「このあいだに なにがあった?」と問いかける。ぺージをめくると答えが写真で示され、クイズのように楽しめる。想像力を働かせる面白さと同時に、日常の出来事に秘められたドラマを発見する喜びも味わえる。親子で一緒に読むとさらに楽しい。(小学校低学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ほっぷすてっぷかぶとむし(0.1.2.えほん)

増田 純子/作

福音館書店 (2017.5)

「かたあし あげて けん けん けん」と、カブトムシが準備体操をしてから飛び立つまでをリズミカルな言葉で描く。足を上げ下げしたり、目玉をぐるぐる回したりする様子がひょうきんで笑いを誘う。カブトムシの体の形は大胆に単純化されており、白い背景に映えて目を引く。言葉に合わせて一緒に体を動かすのも楽しい。(赤ちゃんから)

物語小学校高学年から

メキシコへ わたしをさがして

パム・ムニョス・ライアン/作 ・ 神戸 万知/訳

偕成社 (2017.5)

曾祖母と弟と住む13歳のナオミの元へ、突然母が現われ彼女だけを引き取ろうとする。身勝手な母から逃れたナオミたちは父を探しに、カリフォルニア州からメキシコへと旅立つ。臆病だった少女は自分の彫刻の才能に父とのつながりを知り、出自に誇りを持つようになる。逆境と向き合い、成長してゆく主人公の姿が胸を打つ。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

くじらじゃくし(わくわくライブラリー)

安田 夏菜/作 ・ 中西 らつ子/絵

講談社 (2017.4)

米問屋のお嬢さまが、誰も飼っていないペットがほしい、と言い出した。困り果てた丁稚の定吉が偶然見つけたのは、自分はくじらの子だと言い張るおたまじゃくしだった。落語風の奇想天外な物語で、大阪弁の軽妙なやりとりが面白い。わがままで力持ちのお嬢さま、調子のよい町医者など、登場人物もユニークで楽しく読める。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

イードのおくりもの

ファウズィア・ギラニ・ウィリアムズ/文 ・ プロイティ・ロイ/絵

光村教育図書 (2017.4)

断食明けの祭り「イード」のために、イスマトは奥さんや娘に贈り物を選んだ。自分にもと買ったズボンの裾上げを頼むが、イードの準備で忙しいと皆から断られる。トルコ民話を下敷きに、イスラームの祭りを迎える家族のやりとりをユーモアたっぷりに描く。暖かみのある色使いの絵は親しみやすく、家族の温もりが感じられる。(小学校中学年から)

物語中学生から

明日のひこうき雲(teens' best selections 44)

八束 澄子/著

ポプラ社 (2017.4)

14歳の遊は、無気力な母の代わりに幼い弟の面倒を見なければならない生活に不満を感じていた。サッカー部の男子に一目ぼれした彼女は、友人たちと押しかけマネージャーを始める。恋をきっかけに変わっていく少女の日常を描く。両親に対して素直になれない気持ちや思春期らしい感情の揺れが丁寧に描写され、共感を呼ぶ。(中学生から)

物語小学校中学年から

メリーメリーおとまりにでかける

ジョーン・G.ロビンソン/作・絵 ・ 小宮 由/訳

岩波書店 (2017.3)

5人きょうだいの末っ子メリーメリーは、兄姉たちからいつも赤ちゃん扱いされるのが気に入らない。ある日、取り残されてひとりで遊んでいた彼女は、新しく越してきたお隣さんから庭でのお茶会に招かれる。おしゃまで想像力豊かな女の子が巻き起こす、数々の騒動を描いた楽しいお話が、全3巻に15話収録されている。末っ子が兄姉たちを感心させたりやりこめたりする展開が痛快だ。メリーメリーの突飛な行動を受けとめ、優しく見守るまわりの大人たちも魅力的で心温まる。子どもの表情やしぐさをいきいきと描いた挿絵が、物語をひきたてている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

どのはないちばんすきなはな?(0.1.2.えほん)

いしげ まりこ/ぶん ・ わきさか かつじ/え

福音館書店 (2017.3)

「ぱーっと ひらいた あかい はな」「ぽん ぽん ならんだ きいろい はな」と色とりどりの花が咲く様子を描く。言葉のリズムが心地よく、声に出して読みたくなる。ページをめくる度に色や形の違う花が次々と登場し、わくわくさせられる。見開きいっぱいに広がる鮮やかな色の絵は生命力にあふれ、眺めるだけでも楽しい。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ひよこさん(0.1.2.えほん)

征矢 清/さく ・ 林 明子/え

福音館書店 (2017.3)

ひとりでお出かけしたひよこさんは、日が暮れて歩けなくなってしまった。葉っぱを布団にして眠っている間におかあさんが迎えに来て、朝まで温めてくれる。語りかけるような親しみやすい文章で、親子の信頼感に満ちたやりとりを表現する。羽毛の柔らかな質感や移り変わる空の色の美しさが丁寧に描かれており、心に残る。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話小学校低学年から

ぼくのもものき

広野 多珂子/文・絵

福音館書店 (2017.3)

男の子と母親が桃の苗木をベランダで大事に育てる。鉢に植え替え、小さな実に新聞紙の袋をかけ、ようやく1つの実が育った。花の大きさを指で計ったり、ふくらみかけた実を親指の爪と比べたりと、親子が植物の成長を見守る姿が柔らかな色彩で丁寧に描写されている。桃の栽培の手順がよくわかり、自分でも育ててみたくなる。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

どこにいるのイリオモテヤマネコ(ふれあい写真えほん)

横塚 眞己人/写真・文

小学館クリエイティブ (2017.2)

イリオモテヤマネコは西表島の住民でさえ滅多に姿を見ることのない野生動物だ。動物写真家の著者は、まずそのフンや足跡を観察することから始め、そこから行動を予測して撮影にこぎつける。探索するうちに著者の関心は、島の生態系全体へと広がっていく。亜熱帯の自然や動物の姿をとらえた鮮やかな写真に引きつけられる。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

サンタクロースのはるやすみ(こころのほんばこシリーズ)

ロジャー・デュボアザン/ぶん・え ・ 小宮 由/やく

大日本図書 (2017.2)

サンタクロースは春の花が見たくなり、変装して町へ遊びに行く。ところが子どもたちにサンタのヒゲを盗んだとからかわれ、正体を言っても信じてもらえず、町は大騒ぎになる。サンタクロースと町の人々とのほのぼのとした交流が描かれ、心がなごむ。鮮やかな黄色で彩色された挿絵は、物語の明るい雰囲気によく合っている。(小学校低学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

くまさん

まど みちお/詩 ・ ましま せつこ/絵

こぐま社 (2017.2)

春が来て目が覚めたくまの子は「ぼくは だれだっけ」とぼんやり考える。タンポポやスミレの咲く山を歩き、川に映る自分の顔を見て、「そうだ ぼくは くまだった」と笑顔になる。野山の春の訪れと子ぐまの愛らしい様子が、温かな色合いの水彩でのびやかに描かれる。リズミカルな優しい言葉でつづられた詩の世界が心地よい。(赤ちゃんから)

物語小学校高学年から

ぼくとベルさん -友だちは発明王-(わたしたちの本棚)

フィリップ・ロイ/著 ・ 櫛田 理絵/訳

PHP研究所 (2017.2)

読み書きができずに悩む10歳のエディは発明家ベル博士と出会う。彼の数学の才能を見出した博士は、諦めず挑戦するよう励ます。滑車の力で父の命を救うなど、少年が自分なりに学び続けた知識をいかし、家族を助ける姿を丁寧に描く。劣等感を抱く子どもが信頼できる大人との交流を通じ、才能を開花させる姿に勇気づけられる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

おむかえパパ(おはなしシリーズ)

ナディーヌ・ブランコム/文 ・ オレリー・ギュレ/絵

主婦の友社 (2017.2)

車が動かなくなったらどうやってお迎えに来るのと子どもが聞くと、パパは隣の赤いトラクターを借りて来ると言う。それも壊れたらと子どもが次々に問うと、おもちゃの舟やドラゴンに乗ってでも迎えに行くとパパは答える。親子の愛情あるやりとりが楽しい。カラフルで洗練された絵は現代的で、ユーモラスな物語に合っている。(幼児から)

物語小学校中学年から

バクのバンバン、船にのる(ふたりはなかよしマンゴーとバンバン [2])

ポリー・フェイバー/作 ・ クララ・ヴリアミー/絵

徳間書店 (2017.1)

大都会でパパと暮らすマンゴー・ナンデモデキルは、空手もチェスもできる賢い女の子だ。ある日、ジャングルから迷い込んだマレーバクのバンバンを助けて友だちになる。一緒に暮らすことになったマンゴーとバンバンが巻き起こす騒動を描く。珍しい物の収集家から逃げ出したり、音楽会で2人で共演して観客を感動させたりと、愉快な出来事が2巻に4話ずつ収められている。しっかり者で優しいマンゴーと、怖がりだが好奇心旺盛なバンバンが、お互いを思い合って行動する様子が微笑ましい。愛らしい挿絵が全ページにあり、手に取りたくなる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

クララ -300年前にはじめてヨーロッパを旅したサイのはなし-

エミリー・アーノルド・マッカリー/作 ・ よしい かずみ/訳

BL出版 (2017.1)

300年前、オランダ船の船長はインドで出会ったサイの子クララを気に入り、連れて帰る。彼はこの珍しい動物を見せて回ろうと、荷馬車や船でヨーロッパ中を旅する。旅先での奮闘ぶりやクララが大評判になった様子が、水彩で丁寧に描かれている。多くの人がサイに夢中になる姿と、おっとりとしたクララの表情の対比が愉快だ。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

人と出会う場所 -世界の市場-

小松 義夫/写真・文

アリス館 (2016.12)

インドでは花輪市場がにぎわい、ミャンマーでは小舟の店が湖上を行き交う。おしゃべりを楽しむ人々や所狭しと並ぶ珍しい食材など、活気に満ちた市場の様子を豊富な写真で紹介する。売り手や買い手の表情までがくっきりと写し出されており、生活を営む人々の力強さが感じられる。写真のあちこちに添えられた解説が楽しい。(小学校中学年から)

物語中学生から

紅のトキの空(評論社の児童図書館・文学の部屋)

ジル・ルイス/作 ・ さくま ゆみこ/訳

評論社 (2016.12)

12歳のスカーレットは学校に通いながら、自閉症で鳥好きの弟レッドと心の病気を持つ母の2人の世話をする。しかし、家が火事になり家族は引き離されてしまう。愛する弟を取り戻そうと奮闘する少女と、彼女に手をさしのべる周囲の人々との交流が丁寧につづられる。紅のトキなどの鳥が希望の象徴として描かれ、深い余韻を残す。(中学生から)

物語小学校高学年から

ジョージと秘密のメリッサ

アレックス・ジーノ/作 ・ 島村 浩子/訳

偕成社 (2016.12)

10歳のジョージはトランスジェンダーであると誰にも話せず悩んでいた。学校の劇で女の子役を希望し、本当の自分を知ってもらおうとする。生まれ持った性に葛藤する主人公の姿と、理解しようとする周囲の人々の心の動きを丁寧に描く。親友と連れだって女の子として出かけるジョージのうれしそうな姿に、胸がいっぱいになる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

まっしょうめん! [1](偕成社ノベルフリーク)

あさだ りん/作 ・ 新井 陽次郎/絵

偕成社 (2016.12)

6年生の成美は、父が海外赴任先で「娘はサムライ」と言ってしまったため、剣道教室に通うことになった。そして、仲間や監督との関わりの中で、消極的な自分を変えたいと思うようになる。夢や悩みを持つ登場人物の姿が等身大に描かれ、共感を呼ぶ。剣道を通して人とまっすぐに向き合い、成長していく主人公の姿が清々しい。(小学校高学年から)

物語中学生から

スピニー通りの秘密の絵

L.M.フィッツジェラルド/著 ・ 千葉 茂樹/訳

あすなろ書房 (2016.11)

13歳の少女セオは、急死した祖父が隠していた中世絵画を偶然見つけ、友人のボーディと絵の作者は誰なのかを調べ始める。祖父譲りの鑑識眼を持つセオが、牧師や司書など多彩な登場人物の助けを得て謎に取り組む様子がテンポよく描かれ、引き込まれる。画家や祖父が家族に向けた愛情の深さが時を越えて伝わり、胸を打つ。(中学生から)

知識の本中学生から

見えない大気を見る -身近な天気から、未来の気候まで-(くもんジュニアサイエンス)

日下 博幸/著

くもん出版 (2016.11)

夕焼けが赤く見える理由を牛乳と水で説明するなど、身近な物を用いた実験を交え、様々な大気現象を解説する。また、スーパーコンピュータでの未来予測や大昔の気候再現を紹介し、最先端研究の魅力も伝える。クイズや図解など読者を飽きさせない工夫が凝らされ、楽しい。自然科学の法則を実感でき、興味がかきたてられる。(中学生から)

物語小学校中学年から

バクのバンバン、町にきた(ふたりはなかよしマンゴーとバンバン [1])

ポリー・フェイバー/作 ・ クララ・ヴリアミー/絵

徳間書店 (2016.11)

大都会でパパと暮らすマンゴー・ナンデモデキルは、空手もチェスもできる賢い女の子だ。ある日、ジャングルから迷い込んだマレーバクのバンバンを助けて友だちになる。一緒に暮らすことになったマンゴーとバンバンが巻き起こす騒動を描く。珍しい物の収集家から逃げ出したり、音楽会で2人で共演して観客を感動させたりと、愉快な出来事が2巻に4話ずつ収められている。しっかり者で優しいマンゴーと、怖がりだが好奇心旺盛なバンバンが、お互いを思い合って行動する様子が微笑ましい。愛らしい挿絵が全ページにあり、手に取りたくなる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

人形の家にすんでいたネズミ一家のおはなし

マイケル・ボンド/文 ・ エミリー・サットン/絵

徳間書店 (2016.11)

伯爵のお屋敷にある立派な人形の家で、15匹のネズミ一家は幸せに暮らしていた。しかし、みすぼらしくなった人形の家を子ネズミたちが洗おうとし、大変なことになってしまう。優雅な英国貴族の生活を描いた絵は美しく、華やかな色使いに引き込まれる。細かな調度や衣装の模様も丁寧に描き込まれ、じっくり眺めて楽しめる。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

あなのなかには…

レベッカ・コッブ/作・絵 ・ 長友 恵子/訳

フレーベル館 (2016.11)

男の子がボールを庭の穴に落としてしまう。穴の中に何かいると感じた男の子は、家族や友だちと一緒にその正体に思いをめぐらす。ネズミやトロール、ドラゴンと、どこまでも広がっていく空想の世界にわくわくさせられる。細かな描線と優しい色使いで描かれた水彩画は、子どもの豊かな想像力をのびやかに表現している。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

こわい、こわい、こわい? -しりたがりネズミのおはなし-

ラフィク・シャミ/文 ・ カトリーン・シェーラー/絵

西村書店 (2016.11)

子ネズミのミナは、お母さんがつぶやいた「こわい」が何なのかを知りたくなり、ひとりで外へ出る。ライオンやカメなどに聞いて回るがよく分からない。怖いという気持ちを初めて知るまでのやりとりが、ユーモラスに描かれる。画面いっぱいに広がる絵は臨場感があり、毛皮や甲羅の質感など動物たちの特徴もよくとらえている。(小学校低学年から)

歴史・伝記物語小学校低学年から

耳の聞こえないメジャーリーガー ウィリアム・ホイ

ナンシー・チャーニン/文 ・ ジェズ・ツヤ/絵

光村教育図書 (2016.1)

19世紀末のアメリカで、耳が聞こえないホイは才能を認められプロ野球選手になった。判定が聞こえず笑われたことをきっかけに、ストライクなど今も使われる審判のジェスチャーを考えつく。障がいに負けず前向きに努力した姿がいきいきと描かれ、爽やかな印象を残す。素朴なタッチの絵は当時のアメリカの雰囲気を伝えている。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

ふたりはバレリーナ

バーバラ・マクリントック/作 ・ 福本 友美子/訳

ほるぷ出版 (2016.1)

バレエが大好きな少女エマとバレリーナのジュリアの、ある一日を描く。朝起きて着替え、レッスンに行く2人の様子が見開きの左右や上下に並行して描かれ、工夫された画面構成が目を引く。踊るときの表情やバレエのポーズを的確にとらえた絵からは彼女たちがバレエを愛する気持ちが伝わってくる。色使いも華やかで楽しい。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

ざざ虫 -伊那谷の虫を食べる文化-(ふしぎびっくり写真えほん)

松沢 陽士/写真・文

フレーベル館 (2016.1)

漁師のおじさんは冬の川で「ざざ虫」と呼ばれるトビケラ等の幼虫をとる。つくだ煮にしたざざ虫は小エビのようでおいしい。長野県伊那地方の食文化とそれを支える技術を豊富な写真で紹介する。大漁を喜ぶ笑顔や「うまいら?」と胸をはる様子からは、郷土食を次世代につなげたいという漁師の思いがまっすぐに伝わってくる。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

ギュレギュレ!

斉藤 洋/作 ・ 樋口 たつの/画

偕成社 (2016.1)

ある朝、私の暮らすマンションにトルコの商人がやってきた。空飛ぶ玄関マットや魔女が出てくる掛け時計など、来るたびに不思議な品物を売りつけていく。トルコ語の挨拶「ギュナイドゥン」から毎回始まる私と商人との会話が、とんちんかんで笑いを誘う。役に立つのかわからない商品の使い道をあれこれ想像するのも楽しい。(小学校中学年から)

物語中学生から

ミスターオレンジ

トゥルース・マティ/作 ・ 野坂 悦子/訳

朔北社 (2016.9)

戦時下のニューヨークで、八百屋の息子ライナスはオレンジが好きな画家と知り合う。ナチスから逃れてきた彼は、絵で自由な未来を表現しようとしていた。心の支えにしていた空想のヒーローは戦争という現実の前には無力だと悩む少年に、「すべては想像からはじまる」と語る画家の思いが胸を打つ。少年の成長を爽やかに描く。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

カレーライス(幼児絵本シリーズ)

小西 英子/さく

福音館書店 (2016.9)

「ほら、きりますよ トントントン」「コトコト コトコト にこみます」と、カレーライスができあがるまでをテンポの良い言葉でたどる。見開きいっぱいに描かれた絵は迫力があり、まるで自分が料理しているようで楽しい。丁寧に描き込まれた画面からは、においや味、温度まで伝わってくるようで、思わず食べたくなる。(幼児から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

りゅうおうさまのたからもの(世界傑作絵本シリーズ)

イチンノロブ・ガンバートル/文 ・ バーサンスレン・ボロルマー/絵

福音館書店 (2016.9)

昔、モンゴルの草原に働き者の弟と怠け者の兄がいた。竜王の娘を助けた弟は、開けてはならない宝箱をもらうが、兄が箱を開けたため大地は干からびてしまう。若者が3つの謎を解き、緑の草原を取り戻すまでを色彩豊かに描く。衣装や家屋の細部まで描きこまれた絵からはモンゴルの風物が見て取れ、物語をひきたてている。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

ゾウはおことわり!

リサ・マンチェフ/作 ・ ユ テウン/絵

徳間書店 (2016.9)

ぼくは小さなゾウを飼っている。ペットと集まるパーティーに行くが入れてもらえない。がっかりして帰る途中スカンクを連れた女の子と会い、誰でも歓迎のペットクラブを作ることにした。大好きな動物と遊ぶ子どもの様子が、温かみのある色彩でいきいきと描かれている。キリンやアルマジロなど、ペットが個性的で面白い。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

かげはどこ(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

木坂 涼/ぶん ・ 辻 恵子/え

福音館書店 (2016.9)

かげとぼくはいつも一緒だけど、離れて見えることもある。階段では段々の形に折れ曲がり、夕方には長く伸びる。場面ごとに形を変えるかげと男の子が楽しそうに遊ぶ様子が描かれる。切り絵を用いた画面の中で、かげが黒一色で表現され目を引く。かげの不思議さとおもしろさをリズミカルな言葉でわかりやすく伝えている。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

パパとママのつかいかた

ピーター・ベントリー/ぶん ・ サラ・オギルヴィー/え

BL出版 (2016.9)

ママの服はどろんこの手をふくタオルにちょうどよく、毎晩お話も読んでくれる。パパはぐるぐる回しもできるし、木のぼりの木にもなる。やんちゃな子どもが親をうまく使っているかのような表現が、ユーモアたっぷりで笑いを誘う。親子の表情が伸びやかなタッチで描かれ、愛情あふれる日常の触れ合いをいきいきと伝えている。(幼児から)

歴史・伝記物語小学校中学年から

サリバン先生とヘレン -ふたりの奇跡の4か月-

デボラ・ホプキンソン/文 ・ ラウル・コローン/絵

光村教育図書 (2016.8)

全盲で耳の聞こえないヘレンに、サリバンは指文字で言葉を教える。わずか4か月で少女は点字も覚え、アルファベットで文章を書くまでになる。2人の生活の様子を書いたサリバンの手紙が引用され、ヘレンが言葉を獲得する過程や成長がよくわかる。少女の表情を丁寧に描いた絵からは、知識を得る喜びが伝わってきて胸を打つ。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

おばあちゃんのあかいマント

ローレン・カスティーヨ/さく ・ たが きょうこ/やく

ほるぷ出版 (2016.8)

おばあちゃんの家に泊まりに来たぼくは、都会の騒がしさにおじけづく。だけど、おばあちゃんが編んでくれた赤いマントをはおると、ぼくは勇気がわいてきた。次第に色鮮やかになっていく画面が、男の子の気持ちの変化をよく表している。高いビルやたくさんの人々が描き込まれた絵からは、大都会の活気が感じられる。(小学校低学年から)

知識の本小学校高学年から

転んでも、大丈夫 -ぼくが義足を作る理由-(ポプラ社ノンフィクション 26)

臼井 二美男/著

ポプラ社 (2016.8)

日本のスポーツ義足作りの第一人者である著者が、義肢装具士としての自らの仕事について語る。サッカー好きの少年や、パラリンピック出場を目指すアスリートといった患者一人ひとりに寄り添い、共に試行錯誤する姿からは、彼の情熱と信念がよく伝わる。写真やコラムの丁寧な解説が、義足を使用する人々への理解を深める。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

なつめやしのおむこさん

市川 里美/作

BL出版 (2016.8)

少年マンスールの住む山のふもとには、実をつけないなつめやしのメスの木がある。その木におむこさんの木をもらうため、彼はロバのハムザと遠い山を目指す。家族に甘いなつめやしの実を食べさせたい、とがんばる少年の姿に心が温まる。鉛筆と水彩絵の具で丁寧に描かれた絵からは、オマーンの人々の暮らしが見て取れる。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

シロナガスクジラ

ジェニ・デズモンド/さく ・ 福本 由紀子/やく

BL出版 (2016.7)

地球最大の動物であるシロナガスクジラについて、男の子が紹介する。160トンの体重は50頭以上のカバと同じ重さであることなど、身近な例での説明により、その巨大さがよくわかる。親しみやすく楽しい語り口にクジラへの興味がわく。色鉛筆や水彩で描かれた絵は、透明感にあふれ美しく、悠々と泳ぐクジラの姿が印象的だ。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

かぁかぁもうもう

丹治 匠/さく

こぐま社 (2016.7)

カラスとウシが歌くらべをする。声の大きさや速さ、長さを張りあううち、楽しくなって一緒に歌いだす。2匹のかけあいはリズミカルで、声に出して読みたくなる。歌声の変化に合わせ、文字の配置や大きさが工夫されていて面白い。見開きいっぱいに青いカラスと黄色いウシがのびのびと描かれ、鮮やかな色の対比が印象的だ。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

あおのじかん

イザベル・シムレール/文・絵 ・ 石津 ちひろ/訳

岩波書店 (2016.6)

日が沈み、辺りが青色に染まる「あおのじかん」が始まる。空の色が水色から群青へと深まっていく中でルリツグミやブルーモンキーなどの青い生き物が夜を迎える姿を描く。光を効果的に取り入れた幻想的な絵は美しく、動植物や風景を繊細に写した青の多様さに魅了される。詩的な文章も絵本の静かな雰囲気を引き立てている。(幼児から)

物語中学生から

ゴーストの騎士

コルネーリア・フンケ/著 ・ 浅見 昇吾/訳

WAVE出版 (2016.6)

11歳のジョンは、寄宿学校で恐ろしい幽霊たちに命を狙われる。彼は幽霊に対抗するため、霊感のある少女エラとともに大聖堂に眠る中世の騎士の幽霊を呼び出す。騎士と少年が共に戦いながら信頼関係を築く様子が丁寧に描かれる。英国を舞台に多彩な登場人物が織り成す冒険物語は魅力的で、スリリングな展開に引き込まれる。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

ジャック船長とちびっこかいぞく

ピーター・ベントリー/文 ・ ヘレン・オクセンバリー/絵

BL出版 (2016.6)

ジャックとザック、カスパーの3人のちびっこが、海辺で砂の海賊船を作り始める。彼らは雨を嵐に、海の家を敵の隠れ家に見立てて冒険を繰り広げる。子どもたちが想像力を働かせてごっこ遊びをする姿が、いきいきと描かれており、微笑ましい。勇ましい口調も、強い海賊になりきって心を躍らせる様子をよく表している。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ソーニャのめんどり

フィービー・ウォール/作 ・ なかがわ ちひろ/訳

くもん出版 (2016.6)

ソーニャが大事に育てためんどりがきつねにさらわれた。悲しむ娘に父親は、子ぎつねのためだったのかもしれないと言い、動物も命を懸けてわが子を守るのだと諭す。自分の手で生き物を育てることで、自然の厳しさと命のつながりを実感する少女の姿を丁寧に描く。深みのある色彩とコラージュを用いた絵は、温かな印象を残す。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

ぼくたちのリアル

戸森 しるこ/著 ・ 佐藤 真紀子/絵

講談社 (2016.6)

5年生の組替えで渡は隣家のリアルと同じ組になった。人気者の彼に憧れつつも敬遠してきた渡だが、転校生の少年サジを加えた3人で過ごすうち、リアルの明るさに隠された心の傷に触れる。幼なじみとの微妙な距離感や学校生活の様子が一人称で語られ、共感を呼ぶ。互いの長所を認め合い、成長していく少年たちの姿が爽やかだ。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

ハワイ島のボンダンス

いわね あい/ぶん ・ おおとも やすお/え

福音館書店 (2016.6)

夏休み、まさるはおばあちゃんと一緒に、ハワイに住む親戚に会いに行った。ハワイでもお盆はみんなで寺に集まり墓参りをし、「ボンダンス」を踊る。ごちそう作りの手伝いなど少年の体験を通し、日本人移民の子孫に伝わるふるさとの文化をわかりやすく紹介する。色鉛筆の優しい彩色が物語ののどかな雰囲気を引き立てている。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

きかせたがりやの魔女

岡田 淳/作 ・ はた こうしろう/絵

偕成社 (2016.6)

5年生の「ぼく」の前に突然現れた魔女は、学校の魔女たちのことを語って聞かせる。たいていの小学校には魔女がいて、皆を踊らせたり顔にヒゲを描いたり色々な不思議を起こす。魔女が現れては語る5つの話はユーモラスで、笑いを誘う。子どもの仕草や表情をとらえた挿絵が随所にちりばめられ、物語の魅力を引き立てている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ぺんぎんたいそう(0.1.2.えほん)

齋藤 槙/さく

福音館書店 (2016.6)

「いきを すって~ はいて~」と2羽のペンギンが体操する様子を描く。短い羽根をパタパタ振ったり、首を縮めたりするペンギンらしい動きがうまく取り入れられている。鮮やかな黄色を背景にペンギンの黒や白が映えて明るく楽しい雰囲気が伝わってくる。愛らしい動作やのびやかな掛け声に合わせ、一緒に体を動かしたくなる。(赤ちゃんから)

知識の本小学校中学年から

ファーブル先生の昆虫教室 [1] 本能のかしこさとおろかさ

奥本 大三郎/文 ・ やました こうへい/絵

ポプラ社 (2016.6)

『昆虫記』の著者ファーブルを案内役として昆虫の生態を紹介する。ハチが麻酔で獲物を動けなくしたり、アリが行きも帰りも同じ道を通ったりする本能の面白さがよくわかる。昆虫の習性やファーブルの研究を見開きのコラムで解説し、気軽に読める。ユーモラスな文章とイラストで、虫に興味がない子どもでも手に取りやすい。(小学校中学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

知里幸恵物語 -アイヌの「物語」を命がけで伝えた人-(PHP心のノンフィクション)

金治 直美/著

PHP研究所 (2016.6)

アイヌに語りつがれる物語を日本語に訳した知里幸恵の生涯をわかりやすく紹介する。幸恵は学校で差別に苦しむが、国語学者の金田一京助と出会い、アイヌの言葉の美しさに気づく。病身をおして「銀のしずく降る降る」で知られる『アイヌ神謡集』を執筆後、19歳で亡くなった。自分の選んだ道をひたむきに進む姿が感動を呼ぶ。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ピーレットのやさいづくり -ちいさなこどものためのやさいばたけのおはなし-

ウルリカ・ヴィドマーク/文 ・ イングリッド・ニイマン/絵

岩波書店 (2016.5)

小さな女の子ピーレットは犬のピフと野菜畑を作る。土を耕して種をまき、いたずらをしにくる動物たちを追いはらうなど、懸命に畑の世話をする。野菜の成長の様子が順を追って描かれ、幼い子にも園芸の楽しさや喜びが伝わる。鮮やかな赤・黄・緑の色彩の絵が、少女の愛らしさや植物の生き生きとした様子をよく表している。(幼児から)

絵本/絵童話小学校中学年から

300年まえから伝わるとびきりおいしいデザート

エミリー・ジェンキンス/文 ・ ソフィー・ブラッコール/絵

あすなろ書房 (2016.5)

「ブラックベリー・フール」という冷たいデザートを作る4つの時代の家族の姿を描く。昔は束ねた小枝で生クリームを泡立てたのが今では電動泡立て器を使うなど、道具は変わる。けれどもおいしいものを囲む幸せは変わらないことが、親子の笑顔から伝わってくる。家具や布地の模様を細かく描き込んだ絵は魅力にあふれている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

みずたまり

殿内 真帆/作

フレーベル館 (2016.5)

おうちの前の大きなみずたまりに、ふくちゃんは毎日「なにが みえるの?」とたずねる。その度にみずたまりは、虹、飛行機と見えたものを教えてくれる。水面に映る反転した風景が、洗練された色使いと構図で表現されており目をひく。男の子とだんだん小さくなっていくみずたまりとの束の間の交流に、心が温かくなる。(幼児から)

知識の本幼児から

ウミガメものがたり

鈴木 まもる/作・絵

童心社 (2016.5)

砂浜で卵からかえった子ガメは、温かなカリフォルニアの海をめざす。鳥や魚に襲われる、網にからまるなどの危険からうまく逃れ大きく育ったカメは、再び故郷の日本の海に戻り産卵する。ウミガメが成長し、次代へ生命をつなぐ様子が丁寧に描かれ、本能の不思議さが感じられる。海の生きものたちの絵も美しく躍動感が伝わる。(幼児から)

物語中学生から

夜間中学へようこそ(物語の王国 2-8)

山本 悦子/作

岩崎書店 (2016.5)

中学1年生の優菜は、けがをした祖母の夜間中学への通学に付き添う。そこで戦災孤児だった松本さんやブラジル人のカルロスといった、国籍も年齢も様々な生徒に出会い刺激を受ける。夜間中学で楽しく過ごす少女の目を通して、彼らの学校生活や想いを丁寧に描く。悩みながらも真摯に学ぶ生徒たちの前向きな姿が胸を打つ。(中学生から)

知識の本小学校低学年から

はちみつ(かがくのとも絵本)

ふじわら ゆみこ/文 ・ いせ ひでこ/絵

福音館書店 (2016.5)

女の子は父の仕事場である山の養蜂場へ連れていってもらう。仕事の合間にお父さんは、花の蜜がミツバチの働きでどのようにはちみつになるのかを教えてくれた。少女の視点から養蜂家の1年の仕事が分かりやすく紹介される。緑の木や白い花などの鮮やかな色彩に、はちみつの黄色が輝くように映え、自然の豊かさが感じられる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

すずめくんどこでごはんたべるの? -マルシャークの詩より-(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

たしろ ちさと/ぶん・え

福音館書店 (2016.5)

すずめくんは動物園を飛びまわりながら、いろいろな動物のごはんを少しずつ食べていく。かばのところでさつまいもを食べ、きりんのところで水を飲み、きつねがよそみしている間に果物を一口つまみ食いする。動物たちの食べ物や暮らしもわかり、興味深い。すずめの動きや動物の表情がいきいきと描かれており、楽しく読める。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

トルーシー・トルトルとトラ

ヘレン・スティーヴンズ/作 ・ ふしみ みさを/訳

BL出版 (2016.5)

トルーシー・トルトルは大泥棒のパパと動物園にやってきた。パパは娘が止めるのも聞かず、ペンギンのえさやおばあさんの帽子を次々に盗んでしまう。一部始終を見ていたトラが泥棒をこらしめる様子を、ユーモアたっぷりに描く。温かな色彩でのびのびと描かれる登場人物たちの表情が、とぼけたお話の雰囲気に合っている。(小学校低学年から)

知識の本小学校低学年から

すばこ

キム ファン/文 ・ イ スンウォン/絵

ほるぷ出版 (2016.4)

巣箱は元々は鳥を捕まえるわなだったが、100年程前、ある鳥好きのドイツの貴族が野鳥の家として使い始めた。そこに住む鳥が害虫を食べ、森が守られたことから世界中に巣箱が広がった。巣箱の歴史や種類を語りかけるような文章と色鮮やかな絵で紹介し、子どもの興味をひく。森林伐採にも触れており、環境を考えるきっかけになる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

ねこどけい(こどものとも絵本)

きしだ えりこ/さく ・ やまわき ゆりこ/え

福音館書店 (2016.4)

猫のねねこはハト時計のハトと遊びたくて飛びかかり、壊してしまう。飼い主のことちゃんに修理を頼まれた時計屋さんは時計を直したうえ、ねねこに良いものを作ってくれた。猫のむじゃきな仕草と見守る少女の様子が、優しく語りかけるような文章でつづられ心温まる。素朴な描線と色使いの絵はほのぼのとした物語に合っている。(幼児から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

うらしまたろう(日本昔ばなし)

おざわ としお/再話 ・ かないだ えつこ/絵

くもん出版 (2016.4)

亀を助けたうらしまたろうは竜宮城に招かれる。故郷に戻ると長い時が過ぎていて、家はなくなっていた。たろうは玉手箱を開けて鶴になり、亀となった乙姫と天竺(てんじく)にあがる。鳥取地方の伝承を再話した文章は、平易な語り口で親しみやすい。スクラッチ技法を用いた絵は、引き締まった印象で力強さを感じさせる。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

おおふじひっこし大作戦(たくさんのふしぎ傑作集)

塚本 こなみ/文 ・ 一ノ関 圭/絵

福音館書店 (2016.4)

樹木医の著者は、藤棚が600平方メートルもある大藤の移植に挑んだ。トレーラーに乗る大きさにまで根や枝を切り、幹が傷つかないよう保護して、慎重に移送する。延べ2千人の手をかけた3年にわたる作業の様子を、親しみやすいイラストとわかりやすい文章で伝える。困難を経て花開いた藤の見開き写真は圧巻で、心が打たれる。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

自転車ものがたり(たくさんのふしぎ傑作集)

高頭 祥八/文・絵

福音館書店 (2016.4)

1817年にドイツで発明された自転車の元祖は、地面を蹴って走る器械だった。ペダルやチェーンなどの新しい工夫を次々に取り入れ、身近な乗り物として現在の形になるまでの歴史を紹介する。発明家達が作った水陸両用自転車や人力飛行機など、ユニークな自転車の数々が興味深い。特徴をよくとらえたイラストが理解を助ける。(小学校中学年から)

物語中学生から

霧のなかの白い犬

アン・ブース/著 ・ 杉田 七重/訳

あかね書房 (2016.3)

祖母は白い犬を飼い始めてから認知症になり、何かにおびえるようになった。助けになろうと祖母の過去を調べた中学3年生のジェシーは、ナチスについての授業をきっかけにある秘密を知る。戦争が心に残す傷を、現代の少女の視点から描く。時代を経ても消えない罪の意識と、それを許す心の気高さが丁寧に描写され、胸を打つ。(中学生から)

物語小学校高学年から

さよなら、ママ

キャロル・ガイトナー/著 ・ 藤崎 順子/訳

早川書房 (2016.3)

13歳のコリーナは夏休みに母親をガンで亡くし、新学期を迎える。何もなかったように接する親友の態度や周囲の心ない言葉に傷つき戸惑う中、同じ境遇の友人と出会い、少しずつ立ち直っていく。肉親との死別を経験した少女の1年間の心の動きを一人称で丁寧に描く。日常を取り戻そうとするひたむきな姿がひしひしと胸に迫る。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

干したから…(ふしぎびっくり写真えほん)

森枝 卓士/写真・文

フレーベル館 (2016.3)

世界の国々では、様々なものを干して食べている。干し柿やかつおぶしをはじめチーズやコウモリまで、世界中で撮られた干物の写真が子どもの好奇心をくすぐる。食べ物をなぜ干すか、干すとどうなるかを鮮やかな写真と歯切れの良い文章で紹介する。身近な食べ物に自然の恵みと人の知恵がつまっていることがよくわかる。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

オバケ屋敷にお引っ越し(スギナ屋敷のオバケさん [1])

富安 陽子/作 ・ たしろ ちさと/絵

ひさかたチャイルド (2016.3)

料理研究家の「オバケさん」こと尾羽健一郎が引っ越した山の中の一軒家は、オバケ屋敷だった。遊びに来た女の子が化けダヌキだったり、ケーキのたねがオバケになってしまったりと不思議なことばかり起こる。個性的な登場人物とテンポのよい展開に引き込まれる。柔らかい色調の挿絵がユーモラスな物語の雰囲気に合っている。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

まるごとごくり! -ロシアの昔話-(こころのほんばこシリーズ)

シンシア・ジェイムソン/再話 ・ アーノルド・ローベル/え

大日本図書 (2016.3)

子どものないおじいさんとおばあさんが、土から小さな男の子の土ぐうを作った。土ぐうは動き出して食べ物をねだり、村中の牛乳やパン、ついには村の人まで次々と丸のみにする。「おいらは くった。」と飲み込んだものを順にあげていく台詞がリズミカルで楽しい。線描の挿絵はユーモラスで、薄茶色の彩色には味わいがある。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

テオの「ありがとう」ノート

クロディーヌ・ル・グイック=プリエト/著 ・ 坂田 雪子/訳

PHP研究所 (2016.3)

両足と左手が不自由な12歳のテオは、障がい者施設で暮らしている。何か頼むたびに礼を言うことが嫌になった彼は「ありがとう」の数を減らそうとする。車いす卓球のコーチとの出会いをきっかけに、自分でできることを増やそうと奮闘する様子を丁寧に描く。周囲との関わりの中で困難と向き合い前進する少年の姿が爽やかだ。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

ポンちゃんはお金もち(こぐまのどんどんぶんこ)

たかどの ほうこ/さく・え

こぐま社 (2016.3)

お母さんに勉強させられているコータのところへ、「ポンちゃん」と名乗る男の子が誘いにきた。2人で移動遊園地に行くと、その子は次々と十円玉を取り出して、コータにアイスや風船を買ってくれる。少年の不思議な体験を素朴な挿絵と文章で楽しく描いて、子どもの共感をよぶ。最後にわかるポンちゃんの正体に驚かされる。(小学校低学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

<10秒00の壁>を破れ! -陸上男子100m若きアスリートたちの挑戦-(世の中への扉)

高野 祐太/著

講談社 (2016.2)

陸上男子100メートルの日本記録10秒00は20年近く更新されていない。その壁に迫りつつある若手選手たちの挑戦を多くのインタビューを交えて紹介する。走りの技術や精神的強さ、ライバルの存在といった様々な要素が絡み合って記録が作られていくのがよくわかる。レース中に何を考えているか等、選手本人が語る内容が興味深い。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

それでも、海へ -陸前高田に生きる-(シリーズ・自然いのちひと 17)

安田 菜津紀/写真・文

ポプラ社 (2016.2)

陸前高田市の漁師の菅野(かんの)さんは震災のショックで海に出られなくなる。だが、じいちゃんの魚が食べたいという孫の言葉に心動かされ再び漁に出る。祖父と孫の姿を通して、以前の暮らしを取り戻そうとする町の人々の様子が伝わってくる。豊富な写真から、陸前高田の海で生きる人々の思いが胸に迫り、強い印象を残す。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

しおちゃんとこしょうちゃん(こどものとも絵本)

ルース・エインズワース/さく ・ こうもと さちこ/やく・え

福音館書店 (2016.2)

真っ白な子猫の「しおちゃん」と、白い毛に灰色の毛が混じる子猫の「こしょうちゃん」は、意地の張り合いで高い木に登り、降りられなくなる。何をするのも一緒で競い合う双子の子猫と、やさしい母猫の様子が語りかけるような文章で描かれていて、共感できる。猫の毛並みをうまく表現した絵は温かみがあり、親しみが持てる。(幼児から)

知識の本小学校高学年から

空から宝ものが降ってきた! -雪の力で未来をひらく-

伊藤 親臣/著

旬報社 (2016.2)

雪を資源として活用する「利雪」の専門家が雪の力について語る。冬に雪を貯めて夏の冷房に使い、雪冷蔵庫で肉や米のおいしさを引き出す。じゃまもの扱いしてきた雪が新たなエネルギーとなることを豊富な実例をあげてわかりやすく紹介する。利雪技術で雪国の暮らしを、そして世界を変えたいという著者の思いが伝わってくる。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

北をめざして -動物たちの大旅行-

ニック ドーソン/さく ・ パトリック ベンソン/え

福音館書店 (2016.1)

北極の冬は、太陽が昇らず雪と氷に閉ざされるが、春には植物が芽吹き海にもプランクトンが増える。その恵みを求め、メキシコから泳いでくるコククジラなど世界中から多くの動物が集まってくる。懸命に北をめざす動物の姿や四季で移り変わる北極の様子が、清澄で柔らかなタッチの絵で描かれ、生命のひたむきさを感じさせる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

しあわせないぬになるには -にんげんにはないしょだよ!-

ジョー・ウィリアムソン/作・絵 ・ 木坂 涼/訳

徳間書店 (2016.1)

犬が犬のために、人間と楽しく暮らす方法を紹介する。好きという気持ちを伝える時はとびかかって顔中をなめ回す、もう一度食事をもらうためには食べていないふりをするなど、数々のコツをあげていく。犬の得意顔と人間の表情との対比がおもしろい。シンプルな色使いの絵は、のびのびとした犬たちの様子をよくとらえている。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

あーそーぼ(幼児絵本シリーズ)

やぎゅう まちこ/さく

福音館書店 (2016.1)

女の子が「あーそーぼ」と声をかけると、ごはんを食べていたぶたこちゃんは「あーとーで」と答える。2人はいっしょにごはんを食べて、遊ぶ友だちを探しにいく。動物の友だちが次々に登場し、呼びかけと返事の繰り返しが楽しい。クレヨンの線と明るい色彩の絵で、幼い子どもの毎日をのびのびと描き、愛らしく親しみやすい。(幼児から)

物語小学校低学年から

ウォーリーと16人のギャング(こころのほんばこシリーズ)

リチャード・ケネディ/ぶん ・ マーク・シーモント/え

大日本図書 (2015.12)

おまわりさんが出かけて留守の町に、16人のギャングがやって来た。大人たちがかくれる中、ウォーリーはたった1人でかけっこ勝負やはしごのぼりをいどむ。少年が知恵を使い、悪者をだしぬく姿が痛快で楽しく読める。素朴なタッチの挿絵が、登場人物の個性をいきいきと描き出し、西部劇を思わせる古風な物語をひきたてている。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

ゆうかんな猫ミランダ

エレナー・エスティス/作 ・ エドワード・アーディゾーニ/絵

岩波書店 (2015.12)

古代ローマで、猫のミランダは娘プンカとお屋敷で優雅に暮らしていた。異民族が街を襲った日、2匹は炎の中で行き会う子猫を次々と助け、コロッセオにたどり着く。33匹の子猫を養うため雌ライオンを出し抜き、猫の王国を作り上げていく様子は痛快で一気に読ませる。繊細な線描の挿絵は想像力をかきたて、物語を盛り上げる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ぼくたちの相棒

ケイト・バンクス/著 ・ ルパート・シェルドレイク/著

あすなろ書房 (2015.11)

小学6年生のジョージは、親友が引っ越して寂しい。転校生のレスターは、元いた街に戻りたい。2人は、学校の課題で犬が飼い主の帰宅をテレパシーで予知できるかを調べることになった。少年たちの実験の様子などの日常生活や心の動きを丁寧に描く。物事の移り変わりを受け入れられるようになった彼らの成長に心が温まる。(小学校高学年から)

歴史・伝記物語小学校中学年から

「エルマーのぼうけん」をかいた女性ルース・S・ガネット

前沢 明枝/著

福音館書店 (2015.11)

世界中で読みつがれている『エルマーのぼうけん』の著者にインタビューし、名作が生まれた背景を探る。人種や性別で差別をしない両親のもとで育ち、自主性を尊重する学校で過ごした子ども時代のことから、エルマーを書いた経緯までがいきいきと語られる。92歳の今なお茶目っ気たっぷりなガネットの人となりに魅了される。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

子どもばやしのお正月(ランドセルブックス)

さげさか のりこ/作

福音館書店 (2015.11)

元日の朝、子どもたちは近所の神社でおはやしを奉納する。ハナちゃんは着物におかめの面をつけて踊り、たいちゃんは獅子(しし)になって舞台をはね回る。衣装の着方や獅子舞の動きが丁寧に描かれ、興味をひく。準備から舞台での踊り、町内を回るところまでが順に紹介され、子どもばやしの様子がいきいきと伝わってくる。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

おとうふやさん(かがくのとも絵本)

飯野 まき/さく

福音館書店 (2015.11)

男の子が、おとうふやさんで豆腐を作るところを見せてもらう。すりつぶした大豆を蒸すところを間近で見て驚いたり、できたての豆乳を飲ませてもらったりする。子どもの目を通して豆腐作りの様子が説明されていて、親しみがもてる。ひとつひとつの手作業が、温もりを感じさせるタッチで丁寧に描かれ、子どもの興味をひく。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

あつめた・そだてたぼくのマメ図鑑(ちしきのぽけっと 21)

盛口 満/絵・文

岩崎書店 (2015.11)

いろいろな豆の姿を色鮮やかな絵とやさしい文章で紹介する。さやえんどうや豆苗(とうみょう)と、食べる時期でエンドウの呼び方が変わることなど、様々な切り口から豆をとりあげ、好奇心をそそる。色とりどりの19種のインゲンマメや世界一大きな豆モダマなど、細かく描き込まれた絵は美しく、じっくり眺めて楽しめる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

おじいちゃんのコート

ジム・エイルズワース/文 ・ バーバラ・マクリントック/絵

ほるぷ出版 (2015.1)

おじいちゃんは若い頃、身ひとつでアメリカにやって来て仕立屋になった。結婚する時に作ったコートが古くなると上着に作り直し、次はベストと、大切に使い続ける。ユダヤで長く愛されてきた民謡を元にした絵本で、コートの変化とともに、おじいちゃんと家族の歩みが落ち着いた色合いの絵で丹念に描かれ、味わい深い。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

レッド・フォックス -カナダの森のキツネ物語-

チャールズ・G.D.ロバーツ/作 ・ 桂 宥子/訳

福音館書店 (2015.1)

カナダの森に住む強くて賢い子ギツネの「レッド・フォックス」は、母に狩りを学び、成長してからは自然の中で生きるすべを学ぶ。ミンクやワシなどと命がけで戦ったり、人間につかまりそうになったりと、様々な危機を知恵で乗り越えていく姿が力強く描かれる。徹底した生態観察に裏付けされた動物たちの描写に引き込まれる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

カボチャのなかにたねいくつ?

マーガレット・マクナマラ/作 ・ G.ブライアン・カラス/絵

フレーベル館 (2015.9)

ある日チャーリーのクラスでは、大中小3つのカボチャの中に種がいくつ入っているか調べてみることになった。それぞれのカボチャのチームに分かれて、いろいろな数え方を実際に試してみる様子がおもしろい。皆で意見を出し合い、思い思いに取り組む子どもたちを描いた絵にも温かみがあり、自由な授業風景が伝わってくる。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

ルイージといじわるなへいたいさん

ルイス・スロボドキン/作・絵 ・ こみや ゆう/訳

徳間書店 (2015.9)

イタリア国境近くに住む男の子ルイージは、毎週バスでスイスへバイオリンを習いに通う。新入りの国境警備の兵隊さんは意地悪で、ルイージの持ち物を調べ、お弁当やおみやげのケーキをだいなしにする。怒ったバイオリンの先生のしかえしが痛快で楽しく読める。温かみのある挿絵もユーモラスなお話の雰囲気によく合っている。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

ちゃいろいつつみ紙のはなし(世界傑作童話シリーズ)

アリソン・アトリー/作 ・ 松野 正子/訳

福音館書店 (2015.9)

旅に出たいと願う茶色い紙は、贈り物を包んでおばあさんの家に送られる。リボンにうっとりしたり、熱い封ろうにびっくりしたりする。知らない場所にわくわくする気持ちや贈り物を守ろうとがんばる様子が丁寧に描かれ、幼い子どもの共感を呼ぶ。コラージュを用いた挿絵には赤が印象的に使われており、物語を引き立てている。(小学校低学年から)

知識の本中学生から

すぐそこに、カヤネズミ -身近にくらす野生動物を守る方法-(くもんジュニアサイエンス)

畠 佐代子/著

くもん出版 (2015.9)

人の親指ほどの大きさのカヤネズミは、河川敷や休耕田に巣を作る野生動物だ。現在は開発によって生息地が減り、絶滅のおそれがある。著者は淀川水系を中心に巣を探し、飼育や観察を続ける中で様々な発見をする。草刈りの時期を2回に分ける簡単な工夫により、巣を守ることができた保護活動等が詳しく書かれ、興味深い。(中学生から)

知識の本小学校高学年から

かしこい単細胞粘菌(たくさんのふしぎ傑作集)

中垣 俊之/文 ・ 斉藤 俊行/絵

福音館書店 (2015.9)

粘菌はユニークな存在である。一つしか細胞がない原始的な生物なのに「かしこい」粘菌を、写真やイラストを用いてわかりやすく紹介する。観察や実験を通し、食べ物の好き嫌いがあったり、えさを求めて迷路を解いたりする粘菌の不思議に迫る。子どもの興味を引く巧みな切り口で、科学的なものの考え方をやさしく伝える。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

いっぽんの木のそばで

G.ブライアン・カラス/作 ・ いしづ ちひろ/訳

BL出版 (2015.9)

1775年、森に住む男の子が丘の上に埋めたどんぐりが芽を出した。200年の間に木は育ち、あたりはひらかれて町になった。25年ごとに木を中心にした同じ構図で描くことにより、家や車が増えていくなど、周囲の人々の暮らしのめまぐるしい移り変わりがよくわかる。時代ごとの風物や道具類も細かに描きこまれており、興味をひく。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

おばけ道、ただいま工事中!?(おはなしガーデン 49)

草野 あきこ/作 ・ 平澤 朋子/絵

岩崎書店 (2015.8)

ある夜、小学4年生の翔太(しょうた)の部屋におばけの少女サトが現れた。死んだ人が通るおばけ道を工事する間、この部屋に1週間だけ仮の道を通したいとサトは言う。お礼のクーポン券でおばけ界を体験するというユニークな設定が楽しい。死んだ人たちの心残りを晴らすために券を使う、少年の行動力と優しさに心が温まる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

グッドジョブガールズ(teens' best selections 38)

草野 たき/著

ポプラ社 (2015.8)

あかりと由香と桃子は、べたべたしない自分たちの関係を「悪友」と呼び、気楽につきあってきた。ところが、小学校最後の思い出にチアダンスをすることになり、3人の関係が変わり始める。素直に本音を言えず悩む思春期の少女の気持ちが繊細につづられる。先生など周囲の大人の助けを得て、成長していく3人の姿が共感を呼ぶ。(小学校高学年から)

物語中学生から

月にハミング

マイケル・モーパーゴ/作 ・ 杉田 七重/訳

小学館 (2015.8)

第1次世界大戦中の英国の離島で、少年アルフィは衰弱した口のきけない少女を見つけた。一家の献身的な世話で彼女は次第に回復するが、敵国のドイツ人ではとのうわさが立つ。戦争の雰囲気にのまれる人々、それに抗う人々を、少女の過去をめぐる謎をからめて描き、深い余韻を残す。戦時下でも変わらぬ人の優しさが胸を打つ。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

さあ、しゃしんをとりますよ

ナンシー・ウィラード/文 ・ トミー・デ・パオラ/絵

光村教育図書 (2015.8)

記念写真を撮ることにしたくつやとおかみさんは、「とりますよ」と言われるたびに一緒に写るものを思いつく。写真屋の「しゃしんは、ありのままが いいんですよ」の言葉も聞かず、カボチャにバイオリンと、ものを増やしていく繰り返しが笑いを誘う。セピア色の描線と落ち着いた色彩もユーモラスな物語を引き立てている。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

いちばにいくファルガさん

チトラ・サウンダー/文 ・ カニカ・ナイル/絵

光村教育図書 (2015.8)

農場の動物がうるさいと言って、ファルガさんは静けさを探しに旅に出た。「トロット トロット」と音を立てて進む荷車に、ヘビ使いや踊り子などいろいろな人が乗り込んできて、にぎやかな道中となる。力強い線で描かれた絵とさまざまに表現される音が、ゆかいで味わいがある。続編に『いちばにいく ファルガさん』もある。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

シルヴィーどうぶつえんへいく

ジョン・バーニンガム/さく ・ たにかわ しゅんたろう/やく

BL出版 (2015.8)

シルヴィーの部屋には動物園につながる秘密のドアがある。シルヴィーはクマの子やトラなど、毎晩違う動物を連れてきて一緒に眠る。ところが、ある日ドアを閉め忘れてしまった。子どもの夢想と日常が入り混じった不思議な物語が、淡々とした語り口でつづられる。柔らかな線と優しい色彩の絵からは温かさが伝わってくる。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

ジンベエザメのはこびかた(ほるぷ水族館えほん)

松橋 利光/写真 ・ 高岡 昌江/文

ほるぷ出版 (2015.7)

高知県で網にかかった体長5メートルのジンベエザメが、大阪の「海遊館」まで460キロメートルの道のりを運ばれてきた。飼育係や獣医などの「いきもののプロ」と、運送や工事の専門家「はこぶプロ」の協力で、無事到着するまでの様子が順を追って説明される。写真も豊富で、輸送に使う専用の機材や道具も紹介され、興味深い。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

つまさきさん、おやすみ!

バーバラ・ボットナー/文 ・ マギー・スミス/絵

光村教育図書 (2015.7)

寝る時間になっても眠くないフィオナは、ママに見守られながらベッドに入る。海で遊んだ一日を振り返り、自分のつまさきからあしのうらへと順々に「おやすみ」と語りかけながら眠りにつく。楽しく過ごした昼間の光景が、青を基調とした鮮やかな色彩で画面いっぱいに描かれ、子どもの満ち足りた気持ちが十分に伝わってくる。(幼児から)

物語小学校高学年から

ワンダー

R.J.パラシオ/作 ・ 中井 はるの/訳

ほるぷ出版 (2015.7)

生まれつき顔に障がいのあるオーガストは、10歳で初めて学校に通うことになる。周りの生徒は、見かけに驚いて避けたり、人柄にひかれて親しくなったりと様々な反応を見せる。入学後の1年を本人や姉、親友などの視点からつづる物語で、人と人との関係を深く考えさせる。現実を前向きに受け止め、明るく生きる姿が感動をよぶ。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

へんないきものすいぞくかんナゾの1日

松橋 利光/写真 ・ なかの ひろみ/文

アリス館 (2015.7)

1年間食べなくても平気なダイオウグソクムシや体長10メートルのヒモムシなど、鳥羽水族館のめずらしい生き物が登場する。軽妙なセリフで生き物が自己紹介するなど、ユーモラスなつくりとなっている。海の生き物の色彩は鮮やかで美しく、写真を見るだけでも楽しい。えさやりや水槽の掃除などの飼育者の仕事ぶりも興味深い。(小学校低学年から)

詩・随筆・記録中学生から

広島の木に会いにいく

石田 優子/著

偕成社 (2015.7)

原爆投下から生き延び、原爆の傷を現在に伝える「被爆樹木」が広島市内には170本ほどある。著者はそれらを見て回り、樹木医や当時を知る人々にインタビューを行う。「生きている被爆遺産」を守ろうとする人々の姿が丁寧に紹介され、戦争の悲惨さについて考える新たなきっかけとなる。写真やイラストも多く、理解を助ける。(中学生から)

物語小学校低学年から

スプーン王子のぼうけん(おはなしのくに)

竹下 文子/作 ・ こば ようこ/絵

鈴木出版 (2015.6)

生まれた時に妖精から特別なスプーンを贈られた王子さまは、くいしんぼうでしりたがりやの男の子に育つ。ある日、王子さまはご先祖のように悪い竜を退治しようと出かけた。けんかしている竜たちの抱える問題を王子さまがうまく解決する結末が楽しい。登場人物の表情をとらえた挿絵が豊富に添えられ、物語を引き立てている。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

青い目の人形物語 1 平和への願い アメリカ編

シャーリー・パレントー/作 ・ 河野 万里子/訳

岩崎書店 (2015.6)

1926年のアメリカで、祖父母と暮らす11歳のレキシーは「友情の人形」に添える手紙を書く。日米が友好の証に、人形を親善大使として交換したという史実をもとに、少女の思いを丁寧に描く。人形の洋服作りや人形の旅立ちを見送るための船旅など、レキシーの体験を通して、家族の愛情に気づき成長していく姿が温かな印象を残す。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

ライフタイム -いきものたちの一生と数字-(ポプラせかいの絵本 48)

ローラ・M.シェーファー/ぶん ・ クリストファー・サイラス・ニール/え

ポプラ社 (2015.6)

一生の間に、トナカイの角は10回はえかわり、キリンのあみめもようは200個できる。いきものたちの一生にまつわる様々な数が、シンプルな絵とともに次々と紹介される。数から導かれるいきものたちのエピソードが興味深い。あとがきでは、とりあげた数字をどのように考えて計算したかをやさしく解説してあり、理解を助ける。(幼児から)

知識の本幼児から

よるになると(かがくのとも絵本)

松岡 達英/さく

福音館書店 (2015.6)

昼にチョウが花に集まる公園では、夜になるとあかりに集まるガをコウモリが狙う。池や森などさまざまな場所で、昼と夜で活動する生き物の種類が違うことを、昼夜同じ構図の絵で紹介する。動植物の特徴をとらえた透明感のある色彩の絵は、夜の静かな雰囲気を伝えている。普段見られない夜の生き物の営みに好奇心をそそられる。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

たびにでたファルガさん

チトラ・サウンダー/文 ・ カニカ・ナイル/絵

光村教育図書 (2015.6)

農場の動物がうるさいと言って、ファルガさんは静けさを探しに旅に出た。「トロット トロット」と音を立てて進む荷車に、ヘビ使いや踊り子などいろいろな人が乗り込んできて、にぎやかな道中となる。力強い線で描かれた絵とさまざまに表現される音が、ゆかいで味わいがある。続編に『いちばにいく ファルガさん』もある。(幼児から)

物語小学校低学年から

ベッツィ・メイとにんぎょう

イーニッド・ブライトン/作 ・ ジョーン・G.トーマス/絵

岩波書店 (2015.5)

6歳の女の子のベッツィ・メイは、自分ではもう一人前の大人だと思っている。ある日、ベッツィ・メイは手紙を出しに行くが、ポストの穴に手が届かない。こいぬを追いかけて迷子になってしまったり、人形たちとパーティーを開いたりという日々の出来事をつづった18のお話が、全2巻に収録されている。思うようにいかないこともあるけれど、乳母のナニーさんや庭師のビドルさんなどの周囲の大人に見守られながら、彼女が成長していく様子を温かいまなざしで描く。素朴な線画の挿絵も幼い子どもの表情をよくとらえており、物語と合っている。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

ぼくは、チューズデー -介助犬チューズデーのいちにち-

ルイス・カルロス・モンタルバン/文 ・ ブレット・ウィッター/共著

ほるぷ出版 (2015.5)

退役軍人のルイスと暮らす介助犬チューズデーは、身辺の世話や外出の補助など、戦争で傷ついた彼の心身を支えている。のびのびと遊ぶ普通の犬としての姿も含め、彼らの1日を豊富な写真とチューズデーが語る言葉で親しみやすく紹介する。巻末にルイスからのメッセージがあり、介助犬とそれを必要とする人への理解が深まる。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

ボルネオでオランウータンに会う -ケンタのジャングル体験-

たかはし あきら/ぶん ・ おおとも やすお/え

福音館書店 (2015.5)

小学6年生のケンタは夏休みにジャングル体験スクールに参加して、マレーシアのボルネオ島に行くことになった。はしごで登る樹木観察用のツリータワーや、夜のジャングル探検など、自然の中でけんかをしたり励ましあったりする子どもたちの姿が等身大に描かれ、共感できる。色鉛筆のやさしい色合いの絵が親しみをよぶ。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ことりのみずあび

マリサビーナ・ルッソ/作 ・ なかがわ ちひろ/訳

あすなろ書房 (2015.5)

雨が大嫌いなことりだが、雨の降った次の日は大好きな水浴びをしたくて水たまりをさがしにいく。ところが、ボールが飛んできたり、犬がやってきたりと、なかなかゆっくり水浴びができない。最後に噴水を見つけ、大喜びで飛び込む。明るい色彩でのびやかに描かれた絵からは、ことりのその時々の気持ちが豊かに伝わってくる。(幼児から)

物語中学生から

勇者ライと3つの扉 3 木の扉

エミリー・ロッダ/著 ・ 岡田 好惠/訳

KADOKAWA (2015.5)

高い壁に囲まれた都市ウェルドは、人を食べる怪鳥の襲撃により絶滅の危機に陥っていた。ライの2人の兄は、街を救うため勇者として志願し、壁の外で行方不明になった。兄たちを探すため、ライも志願する。壁の外に出るには、金、銀、木の魔法の扉のどれかを通るしかない。金の扉を出て「禁断の森」の一族から魔法の品々を授かったライは、不思議な少女ソニアと旅に出る。3つの扉を開けるごとに、違う世界が現れるという設定に引き込まれる。優秀な兄たちと比べ、平凡さに悩みながらも、困難に立ち向かおうとする主人公の姿が感動を呼ぶ。(中学生から)

物語小学校高学年から

ジャングル・ブック(岩波少年文庫 225)

ラドヤード・キプリング/作 ・ 三辺 律子/訳

岩波書店 (2015.5)

インドのジャングルでオオカミに育てられた少年モウグリは、ヒグマのバルー、黒ヒョウのバギーラなどから愛情を受け、たくましく成長する。ジャングルのおきてやそれぞれの動物の特性など、独自の世界観にひきこまれる。モウグリの冒険が躍動感たっぷりに描かれ一気に読ませる。古典の名作が親しみやすい新訳で出版された。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

あーといってよあー(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

小野寺 悦子/ぶん ・ 堀川 理万子/え

福音館書店 (2015.5)

男の子の「あー」と言う声が、さまざまな色や形で描かれる。上を向いて出した声は、泡を出す噴水のようだ。胸をたたいたりのどを押さえたり、いろいろな「あー」が描き分けられ、その表現がおもしろい。声を出すことを楽しむ気持ちが伝わってきて、自分でも試してみたくなる。ゆったりと語りかけるような文章も親しみやすい。(幼児から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

わたしが外人だったころ(たくさんのふしぎ傑作集)

鶴見 俊輔/文 ・ 佐々木 マキ/絵

福音館書店 (2015.5)

哲学者である著者は15歳でアメリカに渡るが、大学生の時に日米間で戦争が始まり、交換船で日本に戻る。帰国した日本も異国のようで、どこにいても自分のことを「外人」と感じるようになった。著者の気持ちが淡々と語りかけるような文章でつづられ、国とは何かを考えさせられる。心象風景を表現したような挿絵も余韻を残す。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

かき氷 -天然氷をつくる-(ちしきのぽけっと 20)

細島 雅代/写真 ・ 伊地知 英信/文

岩崎書店 (2015.5)

天然氷は冷蔵庫を使わず自然の寒さだけでできる。冬に池で作られ、落ち葉の掃除など絶えず人の手がかけられながらゆっくりと厚くなり、切り出されて夏まで保管され、おいしいかき氷になる。埼玉県の長瀞(ながとろ)で、明治時代から続く氷屋の仕事を豊富な写真で紹介する。代々受け継がれ工夫されてきた道具や技も興味深い。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

天井からジネズミ(動物感動ノンフィクション)

佐伯 元子/文 ・ あべ 弘士/絵

学研教育出版 (2015.5)

ある日、著者が働くわさび園の作業場の天井から、ジネズミの赤んぼうが落ちてきた。著者は「ちう」と名づけ、工夫を凝らしたジネズミハウスを作り、エサになる虫を採り与える。あまり生態が知られていないジネズミを手探りで育てた日々が、愛情をこめてつづられる。小さな生き物を同じ命として尊重する姿勢に共感が持てる。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

ベッツィ・メイとこいぬ

イーニッド・ブライトン/作 ・ ジョーン・G.トーマス/絵

岩波書店 (2015.4)

6歳の女の子のベッツィ・メイは、自分ではもう一人前の大人だと思っている。ある日、ベッツィ・メイは手紙を出しに行くが、ポストの穴に手が届かない。こいぬを追いかけて迷子になってしまったり、人形たちとパーティーを開いたりという日々の出来事をつづった18のお話が、全2巻に収録されている。思うようにいかないこともあるけれど、乳母のナニーさんや庭師のビドルさんなどの周囲の大人に見守られながら、彼女が成長していく様子を温かいまなざしで描く。素朴な線画の挿絵も幼い子どもの表情をよくとらえており、物語と合っている。(小学校低学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

三つのまほうのおくりもの

ジェイムズ・リオーダン/文 ・ エロール・ル・カイン/絵

ほるぷ出版 (2015.4)

昔、ロシアの村に、金持ちの兄と貧乏な弟がいた。兄から借りた小麦粉を強い風に吹き飛ばされ、怒った弟は風を追いかける。弟は、風に食べ物が出てくる魔法のテーブルかけをもらうが、ずる賢い兄にだましとられてしまう。落ち着きのある豊かな色使いと、さまざまな意匠や模様で縁取られた絵は美しく、不思議な味わいがある。(小学校低学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

しんぞうとひげ -アフリカの民話-(ポプラせかいの絵本 47)

しまおか ゆみこ/再話 ・ モハメッド・チャリンダ/絵

ポプラ社 (2015.4)

昔、あるところに「しんぞう」と「ひげ」がいた。しんぞうは、腹ぺこのひげに食べられそうになり、人間の男の体の中にかくれようとする。奇想天外な登場人物と物語の展開にひきつけられる、ユーモラスな味わいの民話絵本。力強い線にカラフルな色使いの絵が魅力的で、背景に描かれた動植物などのタンザニアの風物も楽しい。(小学校低学年から)

知識の本幼児から

アリとくらすむし(ふしぎいっぱい写真絵本 26)

島田 たく/写真・文

ポプラ社 (2015.4)

アリはいろんな虫たちと関わり、くらしている。ハネカクシはアリにまぎれて、敵から身をかくす。クロシジミの幼虫は、甘い汁を出すかわりに、アリからエサをもらう。虫たちの世界を間近でとらえた写真は、触覚や繊毛の質感までも伝えており、迫力に満ちている。食う食われるだけでない虫たちの多様な関係に驚かされる。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

のっていこう(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

木内 達朗/さく

福音館書店 (2015.4)

男の子が、お父さんとのりものに乗って出かける。バスに乗り、「大きな駅」で降りて、電車で海辺沿いの「小さな駅」に行って、ロープウェーで山のてっぺんまで登る。のりものや町の風景が大胆な構図でかつ細部まで描き込まれ、見応えがある。父親といっしょにお出かけをする子どものわくわくする気持ちが伝わってくる。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

巣のはなし -くふういっぱいの、いきものたちのいえ-

ダイアナ・アストン/文 ・ シルビア・ロング/絵

ほるぷ出版 (2015.3)

ゴルフボール大のマメハチドリの巣は、クモの糸でつなぎあわされヒナが育つにつれて広がる。腐った植物と泥でできたミシシッピワニの巣はほかほかと温かい。どの巣にも様々な工夫がこらされ、巧みさに驚くとともに、いきもの全般への親しみがわく。鮮やかな色使いで細部まで描き込まれた絵は、自然界の様子をよく伝えている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

世界のまんなかの島 -わたしのオラーニ-

クレア・A.ニヴォラ/作 ・ 伊東 晶子/訳

きじとら出版 (2015.3)

子どもの頃、わたしは毎年のように父の故郷イタリアのサルデーニャ島を訪れていた。いとこたちと走りまわった狭い通り、大勢で囲む食卓、お祭りなど、小さな村オラーニでの思い出を、明るい色彩の絵でみずみずしく描き出す。心の中に鮮やかに残る風景が細やかに写し取られ、ふるさとを懐かしみ、愛する心が伝わってくる。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

太陽の花(ふしぎびっくり写真えほん)

横塚 眞己人/写真・文

フレーベル館 (2015.3)

熱帯に咲くオオハマボウは不思議な花だ。朝は黄色い花が夕方にはオレンジ色に変わる。著者は西表島でオオハマボウと花に集まる虫を観察し、写真に撮った。カメムシにかみつき追い払うアリの群れや花粉を体中につけたハチの姿が、細部まで見て取れる。鮮明な写真とやさしい文章からは、著者の驚きや感動がまっすぐに伝わる。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

ロックウッド除霊探偵局 1[下] 霊を呼ぶペンダント 下

ジョナサン・ストラウド/作 ・ 金原 瑞人/訳

小学館 (2015.3)

霊が出没し死者も出るロンドンでは、霊を感じられない大人に代わり、子どもたちが社会を霊から守っている。有能だが謎の多い局長と毒舌家ジョージの少年2人だけのロックウッド除霊探偵局に、霊の声を聞くことに優れた家出少女ルーシーがやってきた。3人で事件に取り組み、霊の正体が失踪した女優であることを突き止めるも、それは更なる事件の始まりだった。架空の英国を舞台に、霊の種類や力、それに対する武器など、設定は細部まで練り上げられ、世界観に引き込まれる。謎解きの面白さとスリリングな展開で一気に読ませるシリーズの第1作。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ロックウッド除霊探偵局 1[上] 霊を呼ぶペンダント 上

ジョナサン・ストラウド/作 ・ 金原 瑞人/訳

小学館 (2015.3)

霊が出没し死者も出るロンドンでは、霊を感じられない大人に代わり、子どもたちが社会を霊から守っている。有能だが謎の多い局長と毒舌家ジョージの少年2人だけのロックウッド除霊探偵局に、霊の声を聞くことに優れた家出少女ルーシーがやってきた。3人で事件に取り組み、霊の正体が失踪した女優であることを突き止めるも、それは更なる事件の始まりだった。架空の英国を舞台に、霊の種類や力、それに対する武器など、設定は細部まで練り上げられ、世界観に引き込まれる。謎解きの面白さとスリリングな展開で一気に読ませるシリーズの第1作。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

アレハンドロの大旅行(福音館創作童話シリーズ)

きたむら えり/さく・え

福音館書店 (2015.3)

イノシシの子どもアレハンドロは、おしゃべり好きな家族の中、物静かで何も話さない。心配した両親は、うらない師のすすめで、アレハンドロを1人で遠くの丘まで行かせる。アルマジロやダチョウなど途中で出会う動物たちとのやりとりがおもしろい。温かみのある水彩画の挿絵が、ほのぼのとした印象の物語を引き立てている。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

おひめさまはねむりたくないけれど(そうえんしゃ・世界のえほん 8)

メアリー・ルージュ/さく ・ パメラ・ザガレンスキー/え

そうえん社 (2015.3)

おひめさまは「ねむりたくないもん」となかなか寝つこうとしない。おうさまとおきさきさまは、クジラやカタツムリなどいろんな動物が眠りにつく様子をやさしく話して、眠らせようとする。どの家庭でもある親子のやりとりが、空想力豊かに表現されていて楽しい。落ち着いた色使いの洗練された絵は、じっくりと眺めたくなる。(幼児から)

物語小学校中学年から

あたし、アンバー・ブラウン!(文研ブックランド)

ポーラ・ダンジガー/作 ・ 若林 千鶴/訳

文研出版 (2015.2)

小学3年生の女の子アンバーには、親友の男の子ジャスティンがいる。いつも一緒の気心の知れた友だちだったのに、ジャスティンの引っ越しが決まってからは、うまくいかなくなる。2人の友情を軸に、別れのさみしさや素直になれない気持ちが丁寧に描かれる。ユニークな授業風景や給食など学校生活の様子もおもしろい。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

ようふくなおしのモモーヌ

片山 令子/作 ・ さとう あや/絵

のら書店 (2015.2)

町からやって来たきつねのモモーヌは、シナモン村で洋服なおしの店を開く。元気なりすの女の子、妻をなくしてさびしいおおかみのおじいさんなど、いろいろな動物たちが店を訪れる。みんなで一緒にお茶を飲んだり、手仕事をしたりといった交流の様子に、心が温かくなる。味わいのある挿絵は、物語の雰囲気によく合っている。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

こぶたのピクルス(福音館創作童話シリーズ)

小風 さち/文 ・ 夏目 ちさ/絵

福音館書店 (2015.2)

こぶたのピクルスは忘れ物がないのを確かめて、張り切って学校へ出かける。牛乳屋さんなど、途中で次々に出会う人から配達を引き受け、うっかり学校へ行くのを忘れてしまう。おっちょこちょいで気のいいピクルスの日常を、素直な文章でほのぼのと描く。セピア色の描線とやわらかな色調の挿絵が、おはなしによく合っている。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

うめぼしさん

かんざわ としこ/文 ・ ましま せつこ/絵

こぐま社 (2015.2)

梅の花が咲くところから、実が梅干しになり、最後に種の中から天神さんが出てくるまでの様子が描かれる。貼り絵や水彩絵の具のぼかしの技法を使った絵には温かみがある。塩をふられてしくしく泣くなど、梅干しひとつひとつに表情がつけられており楽しい。「うめぼしさん うめぼしさん」と歌うようなくりかえしが心地よい。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

トヤのひっこし(世界傑作絵本シリーズ)

イチンノロブ・ガンバートル/文 ・ バーサンスレン・ボロルマー/絵

福音館書店 (2015.1)

モンゴルの少女トヤの一家は、馬に乗り羊やラクダを連れ、新しい草場を目指す。ゴビ砂漠や険しい山を越え、美しい草原にたどりつくまでの旅が、横長の画面いっぱいに描かれ、モンゴルの大地の広大さが感じられる。背景には相撲や羊毛刈りの様子が、落ち着いた色調で丁寧に描きこまれ、遊牧民の暮らしぶりが見て取れる。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

アラスカの小さな家族 -バラードクリークのボー-(講談社文学の扉)

カークパトリック・ヒル/著 ・ レウィン・ファム/絵

講談社 (2015.1)

1930年頃のアラスカの金鉱の町では、いろいろな人種の鉱夫や「エスキモー」の家族など、町の人々が助け合い暮らしていた。そんな町で、5歳の少女ボーは、血のつながらない2人の父さんに育てられる。彼女がみんなに愛されてのびやかに育つ様子が丁寧に描かれ、心が温まる。アラスカの大自然や町の暮らしぶりも興味深い。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

ロバのジョジョとおひめさま

マイケル・モーパーゴ/文 ・ ヘレン・スティーヴンズ/絵

徳間書店 (2015.1)

ロバのジョジョは、意地悪なおやじさんに毎日こき使われていたが、おひめさまに出会い、生まれて初めてやさしくしてもらう。不格好なロバであることを恥ずかしく思うジョジョとおひめさまとの交流に心が温まる。透明感のあるやわらかなタッチの絵で、美しいベネチアの町を背景に登場人物の表情がいきいきと描かれている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

おもちのおふろ

苅田 澄子/作 ・ 植垣 歩子/絵

学研教育出版 (2014.12)

ある寒い日、おもちのもーちゃんとちーちゃんは、おふろ屋さんに出かける。2人は「きなこのすなぶろ」や「よせなべのゆ」など、いろいろな種類のおふろに入る。野菜やおすしなど、さまざまな食べものたちがのんびりとくつろぐ姿を、温かみのある色彩で描く。遊び心満載でぎっしりと描き込まれた銭湯の様子も楽しい。(幼児から)

物語中学生から

太陽の草原を駆けぬけて

ウーリー・オルレブ/作 ・ 母袋 夏生/訳

岩波書店 (2014.12)

第2次世界大戦下、5歳の少年エリューシャは、故郷ポーランドから母と姉弟とともに、カザフスタンへ逃れる。厳しい生活の中、持ち前の好奇心と行動力で友人を作り、言葉を覚えなじんでいく。逆境を明るく切り抜けていくたくましさにひきこまれ、一気に読める。詳しく描かれたカザフスタンの村での暮らしも興味をひかれる。(中学生から)

絵本/絵童話小学校中学年から

十二支のどうぶつ小噺

川端 誠/作

BL出版 (2014.12)

「小噺ってなんですか」と尋ねる子どもに、噺家が十二支の動物をお題に語る。捕まえたねずみが大きい、小さいと言い争う男たちに、ねずみが「ちゅう」と答える。ページをめくるとオチがある構成で、ユーモラスで味わい深い絵と語りが相まって笑いを誘う。しゃれの効いたものから少々苦しいものまで、言葉遊びの妙が楽しめる。(小学校中学年から)

知識の本幼児から

しもばしら(ちしきのぽけっと 19)

細島 雅代/写真 ・ 伊地知 英信/文

岩崎書店 (2014.12)

しもばしらは、土の中の水の量や冷え方によって、形が変わる。細くさらさらしたものや太くごつごつしたものなど、さまざまな姿をとらえた写真が繊細で美しい。やさしい言葉での説明もそえられ、どのようにできるのかがよくわかる。冷凍庫でしもばしらを作る実験方法の紹介や氷についての解説もあり、子どもの興味をそそる。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

宇宙への夢、力いっぱい!(PHP心のノンフィクション)

若田 光一/著 ・ 高橋 うらら/著

PHP研究所 (2014.12)

日本人初の国際宇宙ステーション(ISS)の船長を務めた若田光一さんの、宇宙飛行士になるまでの道のりや訓練、任務を紹介する。節水しての洗髪や宇宙食の食べ方などISSでの生活の様子が、写真を交えてわかりやすく説明されている。クルーとの交流のため食事時間を調整するなどの船長としての細やかな工夫も興味深い。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

たんていネズミハーメリン

ミニ・グレイ/さく ・ 灰島 かり/やく

フレーベル館 (2014.11)

読み書きができるネズミのハーメリンは、人を助ける探偵の仕事をはじめる。探し物のありかや赤ちゃんの危機などを手紙に書いて知らせ、さまざまな事件を解決する。手紙の字体やコラージュ風の背景など、細かい工夫が凝らされた絵が魅力で、ハーメリンの活躍がテンポよく描かれており、すみずみまで楽しむことができる。(幼児から)

知識の本小学校高学年から

新聞は、あなたと世界をつなぐ窓 -NIE教育に新聞を-

木村 葉子/著

汐文社 (2014.11)

新聞記者の著者が、役割や読み解き方など様々な角度から新聞を紹介する。東日本大震災時の報道など実際の記事を交え、紙面づくりの現場の様子や記者たちがこめた思いをわかりやすく伝える。教育に新聞を取り入れるNIE活動の説明もあり、記事のスクラップの仕方等、子どもたちにもできる活用例が具体的で親しみやすい。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

鳥海山の空の上から(Green Books)

三輪 裕子/作 ・ 佐藤 真紀子/絵

小峰書店 (2014.11)

家族の都合で、5年生の翔太(しょうた)は会ったこともない親戚のお波さんに預けられ、はとこのユリアに出会う。お波さんに料理を習ったり、子どもだけで遠足に行ったりする中で、翔太が成長する様子を丁寧に描く。翔太とユリアとお波さんの3人で鳥海山に登る場面では、互いへの思いやりが感じられ、さわやかな読後感を呼ぶ。(小学校高学年から)

物語中学生から

勇者ライと3つの扉 2 銀の扉

エミリー・ロッダ/著 ・ 岡田 好惠/訳

KADOKAWA (2014.11)

高い壁に囲まれた都市ウェルドは、人を食べる怪鳥の襲撃により絶滅の危機に陥っていた。ライの2人の兄は、街を救うため勇者として志願し、壁の外で行方不明になった。兄たちを探すため、ライも志願する。壁の外に出るには、金、銀、木の魔法の扉のどれかを通るしかない。金の扉を出て「禁断の森」の一族から魔法の品々を授かったライは、不思議な少女ソニアと旅に出る。3つの扉を開けるごとに、違う世界が現れるという設定に引き込まれる。優秀な兄たちと比べ、平凡さに悩みながらも、困難に立ち向かおうとする主人公の姿が感動を呼ぶ。(中学生から)

物語小学校中学年から

まほろ姫とブッキラ山の大テング

なかがわ ちひろ/作

偕成社 (2014.11)

まほろ姫は、タヌキの乳母に育てられ、何にでも化けられる。ある日、化けるのに必要なカシワの葉を取りに、子ダヌキの茶々丸とブッキラ山に出かけ、テングに出会う。テングを怒らせて石にされた茶々丸を助けようと一生懸命になる、心優しく素直な姫の姿がほほえましい。次々起こる出来事に引き込まれ、楽しく読み進められる。(小学校中学年から)

知識の本中学生から

うなぎ一億年の謎を追う(科学ノンフィクション)

塚本 勝巳/著

学研教育出版 (2014.11)

著者は40年間にわたりウナギの研究を続け、世界で初めて天然ウナギの産卵場所を特定した。身近な生き物ながら謎が多いウナギの生態について、写真や図を交え、わかりやすく紹介する。失敗しても粘り強く取り組む様子から、仮説を立て、調査し、検証するという研究の基本が自然と理解でき、科学的好奇心が刺激される。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

4ひきのりっぱなこぐま

アーノルド・ローベル/さく ・ こみや ゆう/やく

好学社 (2014.1)

4匹のこぐまは、おじいさんぐまの読んでくれる本に出てくるような立派なくまになろうと努力するが、うまくいかない。代わりに、なげなわやバイオリンなどの特技をみつける。茶色一色で描かれた登場人物は表情豊かで、しぐさに愛きょうがある。くまたちのやりとりが楽しく、とぼけたおかしさが物語の魅力となっている。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

3人のまじょとドラゴン なぞなぞようかい

おおとも やすお/さく・え

偕成社 (2014.1)

バラに囲まれた「バラバラそう」に、おしゃれでのっぽなベルバラ、くいしんぼうでふとっちょのベツバラ、知りたがりで小柄なプチバラの3人の新米魔女が住んでいました。3人はほうきで飛ぶ練習がいやになり、空飛ぶドラゴンを捕まえようと思いつきます。カエルのままでいたかった王子様、なぞなぞを歌う妖怪など、どの巻にもひとくせある人物が登場し、ゆかいな騒動を繰り広げます。全ページにわたる明るい色彩のさし絵は、会話の多いやさしい文章とよく合っています。物語を読みはじめた子どもたちにも親しみやすいシリーズです。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

3人のまじょとドラゴン あくまのデクノボッチ

おおとも やすお/さく・え

偕成社 (2014.1)

バラに囲まれた「バラバラそう」に、おしゃれでのっぽなベルバラ、くいしんぼうでふとっちょのベツバラ、知りたがりで小柄なプチバラの3人の新米魔女が住んでいました。3人はほうきで飛ぶ練習がいやになり、空飛ぶドラゴンを捕まえようと思いつきます。カエルのままでいたかった王子様、なぞなぞを歌う妖怪など、どの巻にもひとくせある人物が登場し、ゆかいな騒動を繰り広げます。全ページにわたる明るい色彩のさし絵は、会話の多いやさしい文章とよく合っています。物語を読みはじめた子どもたちにも親しみやすいシリーズです。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

アヤカシさん(福音館創作童話シリーズ)

富安 陽子/作 ・ 野見山 響子/画

福音館書店 (2014.1)

小学4年生のケイと、10歳違いのメイおばさんは、物に宿る精霊「アヤカシ」が見える。2人は白ひげの老人姿のアヤカシに導かれるように、白いゾウなどさまざまなアヤカシに出会う。物も人も同様に、存在を認められつながりを持ちたいと求める気持ちが、切なく描かれ胸を打つ。版画調のさし絵も、やさしい味わいがある。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ぼくの、ひかり色の絵の具(ノベルズ・エクスプレス 25)

西村 すぐり/作 ・ 大野 八生/絵

ポプラ社 (2014.1)

6年生のユクは、先生の言う通り塗った色に納得できず、描いた絵を破ってしまう。気持ちをうまく説明できずに誤解され傷つくが、隣のクラスのハネズと親しくなり、言葉で伝える大切さを知る。周囲の人々とふれあいながら成長する少年の様子を丁寧に描く。心の動きや自然の色の美しさを繊細にすくいあげ、温かな印象を残す。(小学校高学年から)

物語中学生から

時速47メートルの疾走

吉野 万理子/著

講談社 (2014.9)

体育祭で負けた組の応援団長は、逆立ちで校庭を一周することになった。優等生の慶一、母の再婚話に揺れる美鈴、体も態度も大きい大門、応援団長になってしまったヒラマチの4人のエピソードをつづる。それぞれを主人公にした物語が最終章で一気に結びつき、爽やかな印象を残す。素直になれない中学生の成長を等身大に描く。(中学生から)

物語中学生から

ディッキーの幸運

E.ネズビット/著 ・ 井辻 朱美/訳

東京創元社 (2014.9)

20世紀初頭のイギリスに暮らすエルフリダとエドレッドの姉弟は、没落した名門アーデン家の末えいであることを知り、先祖の城に住むことになる。紋章にある不思議な白いモグラ、モルディワープの案内で、過去の時代を訪れて先祖の宝を探す。昔の衣装を着るとその時代に移動する設定が魅力的で、次々と異なる時代を旅する展開に引き込まれる。ナポレオン軍の上陸など、史実を織り込んだ格調高い歴史ファンタジーで、読み応えがある。いとこのディックを主人公にした続編の『ディッキーの幸運』では、前作で明かされなかった謎が解決される。(中学生から)

物語小学校高学年から

落っこちた!

ザラー・ナオウラ/作 ・ 森川 弘子/訳

岩波書店 (2014.9)

ヘンリックの一家は誰もがうらやむ素敵な家庭だったのに、もめごとが大好きな祖母が突然押しかけてきた。祖母にそそのかされ、一家は金塊を探して庭を穴だらけにし、騒動はやがて町中に広がっていく。一癖ある登場人物たちが繰り広げる愉快な物語で、独特のユーモアあふれる語り口と、先の読めない展開で一気に読ませる。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

ミリー・モリー・マンデーとともだち(世界傑作童話シリーズ)

ジョイス・L.ブリスリー/さく ・ 上條 由美子/やく

福音館書店 (2014.9)

ミリー・モリー・マンデーと友達のスーザンは屋根裏で古着を見つけ、おめかしをして「レディー」になりきり、おつかいにでかける。イギリスの小さな村に住む女の子の日常を子どもの心によりそって描いた10編の短編集で、親しみやすい挿絵もお話を引き立てている。1991年刊『ミリー・モリー・マンデーのおはなし』の姉妹編。(小学校低学年から)

物語中学生から

風味[さんじゅうまる]

まはら 三桃/著

講談社 (2014.9)

和菓子屋の娘で中学2年生の風味は、同級生とけんかしてクラブに行きづらくなり、店でコンテストに出す新作の開発を手伝う。そこに、修業先から逃げてきた兄が加わり、家族間もぎくしゃくする。勝気な祖母や職人気質の父などの登場人物が個性的で、テンポよく読める。家族や友人への思いに悩みつつ成長する姿に心が温まる。(中学生から)

物語小学校低学年から

3人のまじょとドラゴン カエルのおうじさま

おおとも やすお/さく・え

偕成社 (2014.9)

バラに囲まれた「バラバラそう」に、おしゃれでのっぽなベルバラ、くいしんぼうでふとっちょのベツバラ、知りたがりで小柄なプチバラの3人の新米魔女が住んでいました。3人はほうきで飛ぶ練習がいやになり、空飛ぶドラゴンを捕まえようと思いつきます。カエルのままでいたかった王子様、なぞなぞを歌う妖怪など、どの巻にもひとくせある人物が登場し、ゆかいな騒動を繰り広げます。全ページにわたる明るい色彩のさし絵は、会話の多いやさしい文章とよく合っています。物語を読みはじめた子どもたちにも親しみやすいシリーズです。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

3人のまじょとドラゴン

おおとも やすお/さく・え

偕成社 (2014.9)

バラに囲まれた「バラバラそう」に、おしゃれでのっぽなベルバラ、くいしんぼうでふとっちょのベツバラ、知りたがりで小柄なプチバラの3人の新米魔女が住んでいました。3人はほうきで飛ぶ練習がいやになり、空飛ぶドラゴンを捕まえようと思いつきます。カエルのままでいたかった王子様、なぞなぞを歌う妖怪など、どの巻にもひとくせある人物が登場し、ゆかいな騒動を繰り広げます。全ページにわたる明るい色彩のさし絵は、会話の多いやさしい文章とよく合っています。物語を読みはじめた子どもたちにも親しみやすいシリーズです。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

げんきなぬいぐるみ人形ガルドラ(世界傑作童話シリーズ)

モドウィナ・セジウィック/さく ・ 多賀 京子/やく

福音館書店 (2014.9)

手づくり人形ガルドラは、持ち主のメリーベルに散歩に連れていってもらい、乳母車から落ちて、思いがけない川の旅を楽しみます。好奇心いっぱいの元気な人形が屋根の上に放りあげられたり、森へ行ったりする4つの冒険をいきいきと描きます。いつも最後はメリーベルのところに戻ってくるという結末も安心感があります。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

月へ行きたい(たくさんのふしぎ傑作集)

松岡 徹/文・絵

福音館書店 (2014.9)

地球から月までは、はしごでは60年、新幹線なら55日かかります。月へ行くにはどうすればよいか、月までの距離や重力のこと、ロケットの仕組みなど、具体的な例を用いてわかりやすく解説した知識絵本です。ページのあちこちに遊び心のある描き込みや親しみやすい絵がそえられており、宇宙への夢が楽しくふくらみます。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

ちいさなちいさな -めにみえないびせいぶつのせかい-

ニコラ・デイビス/文 ・ エミリー・サットン/絵

ゴブリン書房 (2014.8)

微生物について、その働きや私たちの暮らしとの関わりを身近な例で紹介します。スプーン一杯の土の中に10億もの微生物がいるのをインドの人口に例え、画面いっぱいに人々を描いて説明するなど、目で見てわかるよう工夫をこらしています。語りかけるような文章が親しみやすく、洗練された色使いの絵が印象的な知識絵本です。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

いえでをしたくなったので

リーゼル・モーク・スコーペン/文 ・ ドリス・バーン/絵

ほるぷ出版 (2014.7)

両親に叱られた4人きょうだいは、荷物をつめて家出をします。大きな木の上や洞くつなど、気に入った場所に次々と引っ越します。それぞれの場所で子どもたちが思い思いに過ごす様子が、無駄のないリズム感のある文章と、白黒の繊細な絵で印象的に描かれます。繰り返しの展開が楽しい、子どもの心に寄りそった絵本です。(幼児から)

物語中学生から

勇者ライと3つの扉 1 金の扉

エミリー・ロッダ/著 ・ 岡田 好惠/訳

KADOKAWA (2014.7)

高い壁に囲まれた都市ウェルドは、人を食べる怪鳥の襲撃により絶滅の危機に陥っていた。ライの2人の兄は、街を救うため勇者として志願し、壁の外で行方不明になった。兄たちを探すため、ライも志願する。壁の外に出るには、金、銀、木の魔法の扉のどれかを通るしかない。金の扉を出て「禁断の森」の一族から魔法の品々を授かったライは、不思議な少女ソニアと旅に出る。3つの扉を開けるごとに、違う世界が現れるという設定に引き込まれる。優秀な兄たちと比べ、平凡さに悩みながらも、困難に立ち向かおうとする主人公の姿が感動を呼ぶ。(中学生から)

物語小学校高学年から

夏休みに、翡翠をさがした

岡田 依世子/作 ・ 岡本 順/絵

アリス館 (2014.7)

6年生の玉江は夏休みに、いとこの哲平と転校生の信彦と3人で翡翠を探すことになった。玉江の祖父は翡翠探しの名人で、家にはありかを記した古文書があると聞かされる。家業を休んで小説を書く父への葛藤や、友達への思いなど、玉江の心情が素直につづられ、共感を呼ぶ。ひと夏の冒険を通して彼らの成長をさわやかに描く。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

オオサンショウウオ(そうえんしゃ写真のえほん 12)

福田 幸広/しゃしん ・ ゆうき えつこ/ぶん

そうえん社 (2014.7)

日本に生息する世界最大の両生類オオサンショウウオは、強いオスだけが巣穴をもち、子育てをします。そのような知られざる生態を、1匹のオスが語る形の親しみやすい文章で解説します。大きな口で素早く魚をとらえる姿や、産卵の様子、卵がかえる瞬間などが克明に撮影されており、珍しい写真の数々に驚かされます。(小学校中学年から)

知識の本小学校高学年から

消えゆく野生動物たち -そのくらしと絶滅の理由がわかる絶滅危惧種図鑑-(子供の科学★サイエンスブックス)

子供の科学編集部/編

誠文堂新光社 (2014.7)

世界の絶滅の恐れがある動物30種を、その原因ごとに取りあげる。トラはすみかの森を開発され、インドサイは角を目当てに乱獲されて数が減った。豊富な写真を収録した図鑑であり、それぞれの動物の危機的状況を深く掘りさげていて読み応えがある。野生動物と私たちの生活との関係にもふれ、身近な問題として考えさせられる。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

あれあれ?そっくり!

今森 光彦/著

ブロンズ新社 (2014.7)

「そっと ちかづくと みえてくる」。何もいないような森の風景に、よく見ると虫が隠れていました。葉っぱそっくりのオオコノハムシや、ランの花そっくりのハナカマキリなど、擬態する虫たちを自然の中でとらえた写真絵本です。自然写真家の著者の写真は迫力満点で、大人も子どもも一緒に、虫を探して楽しめます。(幼児から)

物語小学校高学年から

ペンダーウィックの四姉妹 [1] 夏の魔法(Sunnyside Books)

ジーン・バーズオール/作 ・ 代田 亜香子/訳

小峰書店 (2014.6)

ぺンダーウィック家の四姉妹と父は、美しいお屋敷の裏のコテージで夏休みを過ごします。しっかり者の長女、短気で頑固な次女、作家志望の三女、人見知りの四女の姉妹とお屋敷の人々とのひと夏を描きます。姉妹が引き起こすハプニングや、息の合った会話が魅力的に絡まりあい、楽しくもどこか懐かしい世界を作りあげています。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

サマセット四姉妹の大冒険

レズリー・M.M.ブルーム/作 ・ 尾高 薫/訳

ほるぷ出版 (2014.6)

コーネリアは、有名ピアニストの娘としか見てもらえず、心を閉ざしていた。ある日、隣に老婦人が引っ越してきて、サマセット四姉妹と呼ばれた若き日の冒険談を話し始める。モロッコ、英国など行く先々で、四姉妹が起こす騒動の面白さに引き込まれる。老婦人との友情を得て、少女が周囲にうちとけていく様子に心が温まる。(小学校高学年から)

物語中学生から

アーデン城の宝物

E.ネズビット/著 ・ 井辻 朱美/訳

東京創元社 (2014.6)

20世紀初頭のイギリスに暮らすエルフリダとエドレッドの姉弟は、没落した名門アーデン家の末えいであることを知り、先祖の城に住むことになる。紋章にある不思議な白いモグラ、モルディワープの案内で、過去の時代を訪れて先祖の宝を探す。昔の衣装を着るとその時代に移動する設定が魅力的で、次々と異なる時代を旅する展開に引き込まれる。ナポレオン軍の上陸など、史実を織り込んだ格調高い歴史ファンタジーで、読み応えがある。いとこのディックを主人公にした続編の『ディッキーの幸運』では、前作で明かされなかった謎が解決される。(中学生から)

知識の本小学校低学年から

うなぎのうーちゃんだいぼうけん

くろき まり/文 ・ すがい ひでかず/絵

福音館書店 (2014.6)

うなぎは、南太平洋の海で生まれ、長い旅をして日本の川へやって来て、再び産卵のために海へ戻ります。うなぎのうーちゃんの一生を描くことで、謎が多い生態について、わかりやすく紹介した絵本です。川の生き物や里山の営み、四季折々の風景などが丁寧に描き込まれ、うーちゃんの成長の様子がほのぼのと伝わってきます。(小学校低学年から)

知識の本小学校低学年から

ぴっかぴかすいぞくかん(しぜんにタッチ!)

なかの ひろみ/文・構成 ・ 福田 豊文/写真

ひさかたチャイルド (2014.6)

水族館のいつもきれいな水槽が、どのように掃除されているのかを紹介した写真絵本です。サメの水槽では人間がおりに入って身を守るなど、生き物ごとに異なる掃除方法や、手作りの道具の工夫点などを楽しく伝えています。ふだんあまり見ることができない水族館の裏側がわかりやすく解説され、知識が深まります。(小学校低学年から)

知識の本小学校高学年から

ダーウィンが見たもの

ミック マニング/さく ・ ブリタ グランストローム/さく

福音館書店 (2014.6)

科学者ダーウィンの一生をたどった知識絵本です。自然観察が好きだった少年時代、5年間の大航海での出来事、有名な進化論を導き出した過程などが、日記のような文章と温かな色調の親しみを感じさせる絵で、わかりやすく描かれています。関連するエピソードもコラム風に挿入されていて、知識を深めることができます。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

そうちゃんはおこってるんだもん(日本傑作絵本シリーズ)

筒井 頼子/文 ・ 渡辺 洋二/絵

福音館書店 (2014.6)

お父さんは妹とばかり遊んでいて、そうちゃんの相手をしてくれません。すっかり怒ったそうちゃんは、テーブルの下にもぐりこんでしまいます。太い描線の素朴な絵は、小さい子の表情や動作をうまくとらえており、幼い兄の揺れ動く気持ちが伝わってきます。兄妹のいる家庭の、日常の一幕をあたたかく描いた絵本です。(幼児から)

物語小学校低学年から

しゅくだいさかあがり(とっておきのどうわ)

福田 岩緒/作・絵

PHP研究所 (2014.6)

夏休みの宿題のさかあがりができないゆうたは、練習につきあってくれた友だちのさとしにかんしゃくを起こしてしまいます。家族や友だちに素直になれない気持ちや、やっとさかあがりができた喜びなどの心情が、率直に描かれています。汗だくで練習する姿が印象的な挿絵も物語と合っていて、ひと夏の頑張りを表現しています。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

ソフィーのやさいばたけ

ゲルダ・ミューラー/作 ・ ふしみ みさを/訳

BL出版 (2014.6)

ソフィーは、夏休みから1年間かけて、田舎の祖父母の家で野菜作りを教わります。アーティーチョークはつぼみの部分を食べることや、ミミズが土を耕すことなどを学びます。繊細で落ち着いた色合いの絵が、豊かな実りをしみじみと伝えています。畑の生き物や土の下で野菜が育つ様子も描きこまれ、隅々まで楽しめます。(小学校中学年から)

物語中学生から

なりたい二人

令丈 ヒロ子/作

PHP研究所 (2014.6)

幼なじみのちえりと武儀(たけよし)は、中学校の課題で、なりたい職業について一緒に調べるはめになる。将来の夢などないと言う2人だが、課題に取り組むうち、気づかずにいた互いの長所や、言えずにいた夢が見えてくる。ちえりの視点で進む物語は、それぞれの夢に向き合っていく過程を明るく描いており、楽しく読める。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

もじゃもじゃヒュー・シャンプー -かみのけをあらわなかったおとこのこのはなし-

カレン・ジョージ/作・絵 ・ なかがわ ちひろ/訳

鈴木出版 (2014.5)

ヒューは美容院の息子なのに、髪の毛を洗うのが大嫌いで、もじゃもじゃ頭です。ある日、両親は「すてきなかみがたコンテスト」に出場しますが、急にモデルが出場できなくなります。コミカルでテンポよく進むストーリーと、カラフルな色使いの絵が魅力的で、ページのあちこちに遊び心たっぷりの工夫がある楽しい絵本です。(幼児から)

物語中学生から

夏の朝

本田 昌子/著 ・ 木村 彩子/画

福音館書店 (2014.5)

中学生の莉子(りこ)は、祖父の法要で蓮(はす)にまつわる不思議な話を聞き、しばらく祖父の家に滞在する。毎朝、庭の蓮が花開くと、莉子は過去の世界へ行き、在りし日の祖父や母とひとときを過ごす。少しずつ過去へさかのぼる中で、自分へと連なる人々からの思いを受け取る彼女の心情が細やかに描かれ、素直に共感できる。(中学生から)

物語小学校高学年から

ゆうれい作家はおおいそがし 1 オンボロ屋敷へようこそ

ケイト・クライス/文 ・ M.サラ・クライス/絵

ほるぷ出版 (2014.5)

児童文学作家のムッツリーが借りた家には、親に置いていかれた11歳の少年と幽霊のオリーブが住んでいました。登場人物による手紙と、幽霊騒動を紹介する新聞などで構成されるユニークな物語です。頑固者で幽霊を信じないムッツリーが2人と打ち解けていく様子が手紙のやりとりから伝わってきて、楽しく読み進められます。(小学校高学年から)

物語中学生から

ハムレット(シェイクスピア名作劇場 1)

ウィリアム・シェイクスピア/原作 ・ 斉藤 洋/文

あすなろ書房 (2014.5)

デンマークの王子ハムレットが毒殺された父王のかたきを討つまでを、王子の臣下で親友であるホレイショーが語る。シェイクスピアの有名な戯曲を、原作の重々しい雰囲気を残しつつ小説化した。ほぼせりふのみの原作に、登場人物の心情や情景を書き加え、再構築することで、陰謀の渦巻く宮廷の悲劇をわかりやすく描いている。(中学生から)

物語中学生から

カンボジアの大地に生きて

ミンフォン・ホー/作 ・ もりうち すみこ/訳

さ・え・ら書房 (2014.5)

1979年、カンボジアで暮らす12歳の少女ダラは、内戦で父を殺され、家族と難民キャンプに逃れる。親友もでき、物資を得て故郷に帰れると思った矢先、新たな戦闘に巻き込まれる。彼女を支えたのは、親友がくれた泥の玉のお守りだった。たくましく成長する少女の姿を通し、戦火の中で懸命に生きる人々の暮らしと心情を描く。(中学生から)

物語中学生から

クラスメイツ 後期

森 絵都/著

偕成社 (2014.5)

中学生になった千鶴は、新しい自分になりたくて、ふさわしい部活を探し迷う。けれど友達の言葉で自分らしさを生かすことの大切さに気づく。内気な子、にぎやかな子など、生徒たちそれぞれの思いがつづられた24編の物語がゆるやかにつながり、クラスの1年間が描かれる。恋や友情、家庭の悩みなど、等身大の姿が共感をよぶ。(中学生から)

物語中学生から

クラスメイツ 前期

森 絵都/著

偕成社 (2014.5)

中学生になった千鶴は、新しい自分になりたくて、ふさわしい部活を探し迷う。けれど友達の言葉で自分らしさを生かすことの大切さに気づく。内気な子、にぎやかな子など、生徒たちそれぞれの思いがつづられた24編の物語がゆるやかにつながり、クラスの1年間が描かれる。恋や友情、家庭の悩みなど、等身大の姿が共感をよぶ。(中学生から)

知識の本小学校中学年から

石の卵(たくさんのふしぎ傑作集)

山田 英春/文・写真

福音館書店 (2014.5)

半分に割ってみると中から鮮やかな色や模様があらわれる石がある。海の底で生まれたトゲトゲ模様の「ドラゴンの卵」、山で生まれたキラキラと光る「雷の卵」を紹介する。数多くの石の断面の写真から、自然の作り出す美しさ、不思議さが迫ってくる。生成のしくみや伝説、石を探す人々など、さまざまなエピソードも興味を引く。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語幼児から

こんや、妖怪がやってくる -中国のむかしばなし-

君島 久子/文 ・ 小野 かおる/絵

岩波書店 (2014.4)

昔、ある村に、何でも手当たりしだいに食べる恐ろしい妖怪がいました。ある晩、おばあさんは、妖怪にかわいがっていた子牛を食べられてしまいます。おばあさんを助けるため、ぞうきんやこん棒など、身近にある道具たちが力を合わせて妖怪を退治する様を、ユーモラスな楽しい絵で描きます。中国の少数民族に伝わるお話です。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

大きくなるってこんなこと!(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

ルース・クラウス/ぶん ・ ヘレン・オクセンバリー/え

評論社 (2014.4)

春がきて草木が育ち、ヒヨコや子犬も季節の移り変わりとともに大きくなります。「ぼくも 大きくなるのかな」と、不安になったぼうやは、何度もおかあさんに尋ねます。美しい自然や登場人物の豊かな表情が、透明感のあるやわらかいタッチの絵でのびやかに描かれ、自分の成長に気づいたぼうやの喜びが素直に伝わってきます。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

びじゅつかんへいこう

ピーター・レイノルズ/絵 ・ スーザン・ベルデ/文

国土社 (2014.4)

美術館は不思議なところです。主人公の少女は、バレリーナの絵を見て一緒に踊りたくなったり、悲しい絵を見て胸が痛くなったりします。素直な言葉と動きのある絵で彼女が感じたことが表現され、美術鑑賞のおもしろさが伝わります。ムンクの「叫び」など有名な絵画のパロディもちりばめられ、じっくりと味わいたい絵本です。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

ぜんぶわかる!タンポポ(しぜんのひみつ写真館 1)

岩間 史朗/著 ・ 芝池 博幸/監修

ポプラ社 (2014.4)

タンポポを豊富な写真を用いて多様な切り口で解説します。在来種と外来種の違いを花や花粉の形などで比較したり、綿毛の変化を数時間毎に連続写真でとらえたり、詳細に紹介します。自分で観察するためのヒントや、身近な植物として江戸時代の着物の図案に使われたというコラムもあり、読んでおもしろく、調べて楽しい本です。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ニャーロットのおさんぽ

パメラ・アレン/作・絵 ・ 野口 絵美/訳

徳間書店 (2014.4)

ネコのニャーロットが散歩に出ると、近所の人が豆を1皿くれました。次の家ではポークパイを2つもらい、ぺろりと食べてしまいます。登場人物を見開きの左に、ごちそうを右に描く構図の繰り返しで、テンポよく物語が進みます。次々と増えていくごちそうと食いしん坊のネコを、明るい色調の絵で描いたユーモラスな絵本です。(幼児から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ぽんちんぱん(0.1.2.えほん)

柿木原 政広/作

福音館書店 (2014.4)

「ぱんぱん しょくぱん ぽんちんぱん」と唱えると、次のページで食パンに顔ができています。パンをちぎって穴をあけ、目や口に見せる工夫が楽しい写真絵本です。ロールパンやあんぱんなども登場し、笑ったり驚いたりとゆかいな表情を見せてくれます。言葉のリズムと繰り返しが心地よく、声に出して読みたくなります。(赤ちゃんから)

知識の本小学校高学年から

おかあさん牛からのおくりもの

松岩 達/文 ・ 冨田 美穂/絵

北海道新聞社 (2014.3)

乳牛は、おかあさん牛となって初めてお乳を出すことができます。しぼったお乳が食卓に届くまでの過程や、乳牛の一生などを解説します。乳牛としての役割を終えると、食肉や革製品に加工されることも紹介しています。わかりやすい文章と温かみのある絵で丁寧に描かれ、酪農の仕事について深く学ぶことができる知識絵本です。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

あひるの手紙(おはなしみーつけた!シリーズ)

朽木 祥/作 ・ ささめや ゆき/絵

佼成出版社 (2014.3)

ほんまち小学校の1年生あてに「あひる」と一言だけ書いたふしぎな手紙が届きました。みんなは一生懸命考えて、「るびー」と返事を書きます。ひらがなをゆっくり覚えた青年と、子どもたちとの一言ずつの文通からは、手紙を書く喜びや返事を待ちきれない気持ちが伝わります。素朴な挿絵もほのぼのとした物語に合っています。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

おやすみおやすみ

シャーロット・ゾロトウ/文 ・ ウラジーミル・ボブリ/絵

岩波書店 (2014.3)

ハトは体を寄せ合って、魚は目をあけたまま、馬は立ったままなど、動物が眠る様子をひとつひとつ丁寧に描いた絵本です。文章はシンプルで、言葉のリズムも良く、それぞれの動物の特徴を的確に表しています。灰色を基調に、黒、紫、緑を効果的に使った洗練されたデザインの絵も美しく、静かな夜の雰囲気に合っています。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

ラスコーの洞窟 -ぼくらの秘密の宝もの-(絵本地球ライブラリー)

エミリー・アーノルド・マッカリー/絵と文 ・ 青山 南/訳

小峰書店 (2014.3)

第2次世界大戦下のフランスで、14歳のジャックと仲間たちは、洞窟の中に描かれた壁画を発見する。それは旧石器時代の人々が描いた動物の姿だった。世界遺産にも登録された貴重な遺跡発見の様子がいきいきと描かれ、当時の興奮が伝わってくる。暗闇の中で浮かびあがる壁画の様子など、明暗を生かした水彩の絵も臨場感がある。(小学校中学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

『赤毛のアン』と花子 -翻訳家・村岡花子の物語-(ヒューマンノンフィクション)

村岡 恵理/文 ・ 布川 愛子/絵

学研教育出版 (2014.3)

『赤毛のアン』の翻訳者として知られる村岡花子は、女の子に学問はいらないと言われた明治時代に、ミッション・スクールで英語や海外文学を熱心に学んだ。日本の子どもに素晴らしい物語を紹介しようと翻訳を続けた彼女の姿を、孫である著者が親しみやすい文章で等身大に描く。写真やイラストが多く、時代背景もよくわかる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

みやこのいちにち(こどものとも絵本)

小西 英子/作

福音館書店 (2014.3)

むかしむかし、こぎつねの女の子こんは、人間に化けて都を見物します。お店を夢中で見ていると、しっぽが出てしまい、たぬきの男の子に助けられます。道具や着物など人々の暮らしぶりを、色使いの美しい絵で描き出し、華やかな都のにぎわいを伝えます。驚きや喜びのつまった、こんの波乱たっぷりの一日を温かく描きます。(小学校低学年から)

知識の本小学校高学年から

まるごと日本の世界遺産(世の中への扉)

増田 明代/著

講談社 (2014.2)

2013年までに登録された日本の世界遺産17件をわかりやすく紹介します。特に、富士山については、地元のプロジェクトチームの活動や、国際機関による調査と審議の様子など、登録の経緯が詳しく書かれ、当時の緊張感と喜びが伝わってきます。世界遺産の成り立ちや評価基準、保全の必要性なども解説され、理解が深まります。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

思い出をレスキューせよ! -“記憶をつなぐ"被災地の紙本・書籍保存修復士-

堀米 薫/文

くもん出版 (2014.2)

大船渡市出身の金野聡子(きんのさとこ)さんは、東日本大震災で被災した写真を救い、持ち主に返す活動をしている。彼女が紙や本を保存修復する専門家になるまでや、実際の洗浄や修復の様子を、写真を交えてわかりやすく紹介する。思い出の品を通して、個人の記録や記憶を後世へつなぐことの意義について考えさせられる。(小学校高学年から)

物語中学生から

アイスプラネット

椎名 誠/著

講談社 (2014.2)

居候の叔父は、中学2年生の悠太に、世界を旅して体験したことや感じたことを話してくれる。各国のトイレ事情など、様々なことを語り合ううち、日本の常識が世界では違うことに、悠太は気づく。物語でありながら短い様々なエピソードの連なりで気軽に読め、自分の頭で柔軟に考えることの大切さや楽しさを学ぶことができる。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

ふしぎなふしぎなまほうの木 -さわってごらん!-

クリスティ・マシソン/作 ・ 大友 剛/訳

ひさかたチャイルド (2014.2)

1本の木の枝にさわって、ページをめくると「ほら!はっぱがいちまいでてきたよ」。4回さわってめくると、今度は、葉っぱが4枚描かれています。絵本をこすったり、ゆらしたりすると、ページをめくるごとに絵が変化し、魔法をかけているような楽しい気分が味わえます。明るい色彩とシンプルな構図で、木の1年を描きます。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

雪のおしろへいったウッレ

エルサ・ベスコフ/作・絵 ・ 石井 登志子/訳

徳間書店 (2014.2)

6歳のお誕生日に本物のスキーをもらったウッレは、雪が待ち遠しくてたまりません。ついに冬がやってきて、スキーで森に出かけると不思議な霜じいさんと出会い、冬の王様のお城へ招待されました。端正な美しい絵で、少年の特別な一日がいきいきと描かれています。スウェーデンを代表する絵本作家ベスコフの名作の再刊です。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

よくばりなカササギ

I.C.スプリングマン/文 ・ ブライアン・リーズ/絵

徳間書店 (2014.2)

何も持っていないのが不満だったカササギに、友だちのネズミがビー玉をくれました。喜んだカササギは宝物をどんどん集め出します。最小限の会話のみの文章と、躍動感のある絵との組み合わせが魅力的な絵本です。カササギの表情や翼の質感、鍵束やコインなどのコレクションが細部まで描かれ、繰り返し眺めて楽しめます。(幼児から)

知識の本幼児から

はこぶ

鎌田 歩/作・絵

教育画劇 (2014.1)

ものを運ぶために、人はさまざまな工夫をしてきました。手で持つよりは袋や箱に入れたり、牛の力で引くよりもトラックやロケットを使ったりと、大昔から現代まで進歩する「運ぶ」にまつわるいろいろな姿を紹介しています。カラフルな色使いで丁寧に描いた絵に、親しみやすい言葉が添えられており、見て楽しい絵本です。(幼児から)

物語小学校中学年から

オリバーとさまよい島の冒険

フィリップ・リーヴ/作 ・ セアラ・マッキンタイヤ/絵

理論社 (2014.1)

10歳の少年オリバーは、探検に出たまま帰らない両親を探しに、「さまよい島」にのって大海原に出る。しゃべるアホウドリや近眼の人魚など、個性豊かな登場人物たちとの冒険の様子が、テンポよくつづられる。遊び心のある挿絵が豊富に添えられており、島が動いたり、しゃべったりする奇想天外な設定の物語を引き立てている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ひとりでおとまりしたよるに

フィリパ・ピアス/文 ・ ヘレン・クレイグ/絵

徳間書店 (2014.1)

初めて1人でお泊りしたいと、エイミーは祖母の家に行き、楽しく過ごしたあとに寂しくなります。持ってきた宝物のマットがエイミーを乗せて飛び、家に連れて行ってくれました。空を飛ぶファンタジックな場面が見開きで描かれ、家族と離れて過ごす不安と自立の喜びとの間で揺れる子どもの気持ちが印象的に表現されています。(幼児から)

物語小学校中学年から

ベイジル -ねずみの国のシャーロック・ホームズ-(子どもの文学・青い海シリーズ 27)

イブ・タイタス/作 ・ ポール・ガルドン/絵

童話館出版 (2013.12)

シャーロック・ホームズを敬愛するベイジルは、ネズミの国では高名な探偵で、助手のドーソン博士とともに難事件に立ち向かいます。約130年前のイギリスを舞台に、ドーソン博士の語りで進む物語は、テンポよく、ぐいぐい読み進めることができます。クラシックな雰囲気の挿絵はそのままに、訳と装丁を改め、復刊されました。(小学校中学年から)

知識の本幼児から

あしってエラい!(すごいぞ!ぼくらのからだシリーズ)

中川 ひろたか/文 ・ 大島 妙子/絵

保育社 (2013.12)

歩き始めた赤ちゃんがいる一家の前に、突然、「あしはかせ」が現れて、動きや大切さなど足にまつわる知識を愉快に説明します。動物と人間の足跡の比較や、木の枝を足でつかむ猿の話など、様々な角度から足を見つめ直します。やわらかい色づかいで、仲の良い家族の姿を細部まで描き込んだ絵は、見ているだけで楽しめます。(幼児から)

物語中学生から

ゾウと旅した戦争の冬

マイケル・モーパーゴ/作 ・ 杉田 七重/訳

徳間書店 (2013.12)

第2次世界大戦下、16歳のリジーの住むドイツ東部の町も爆撃を受ける。飼育係の母が連れ帰った子象と途中で出会った若い敵兵ペーターと一緒に一家は西へ逃げる。厳しい逃避行の中、出会う人々との交流に心が温まる。年老いたリジーの回想で進む物語は、戦争に翻弄(ほんろう)されながらも生きぬいた人々の心情を丁寧に描く。(中学生から)

絵本/絵童話小学校高学年から

ラズィアのねがい -アフガニスタンの少女-

エリザベス・サナビー/文 ・ スアナ・ヴェレルスト/絵

汐文社 (2013.11)

アフガニスタンの少女ラズィアは、新しく建つ女の子のための学校に行きたいのですが、家族に反対されます。実在の学校をモデルに、女性が教育を受けることが難しい状況でもくじけない少女の熱意を力強く描きます。伝統柄の布のコラージュなどを効果的に用い、表情を繊細にとらえた挿絵が、登場人物の思いを際立たせています。(小学校高学年から)

知識の本小学校高学年から

江戸のお店屋さん [その1]

藤川 智子/作

ほるぷ出版 (2013.11)

江戸時代の大通りに並ぶお店を紹介した知識絵本です。化粧道具を売る小間物屋(こまものや)、おもちゃを扱う人形屋など、店構えや店内の様子、様々な商品が細かく描きこまれ、見ているだけでも楽しめます。銭湯の入り方や、道を行き交う行商人なども紹介されており、当時の文化や暮らしぶりを興味深く知ることができます。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

パン屋のこびととハリネズミ -ふしぎな11のおとぎ話-

アニー・M.G.シュミット/作 ・ 西村 由美/訳

徳間書店 (2013.11)

気むずかしいパン屋さんが「パン生地こびと」に悪口を言ったために、丸めた生地が次々とハリネズミに変わっていく表題作など、11の短編が収められている。昔話の雰囲気が漂うものから現代的なものまで、登場人物も舞台もさまざまな、不思議で楽しいお話が味わえる。温かみのある貼り絵風の挿絵も、物語によく合っている。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

ぼくたちいそはまたんていだん

三輪 一雄/作・絵 ・ 松岡 芳英/写真

偕成社 (2013.11)

小学5年生の「かいと」と「まり」は、じっちゃんが出した海の漂着物なぞときゲームに挑戦するため、近くの海岸を探検する。2人が見つけたサクラガイやイルカの耳の骨など、四季折々の漂着物や生き物が、写真とイラストでわかりやすく紹介されている。色とりどりの貝がびっしりと並んだページなど見ているだけで楽しめる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

おかあさん、すごい!

スギヤマ カナヨ/著

赤ちゃんとママ社 (2013.11)

「おかあさんって どうして おりょうり じょうずなの?」と、何でもできるお母さんに男の子が次々と質問をします。苦手だった料理や裁ほうも、だんだんできるようになったと明るく語る母と、お母さんを大好きな子どもの姿が描かれます。表情や動きをうまくとらえた、カラフルな絵からも、温かな思いが伝わってきます。(幼児から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

患者さんが教えてくれた -水俣病と原田正純先生-(フレーベル館ジュニア・ノンフィクション)

外尾 誠/文

フレーベル館 (2013.1)

原田先生は、水俣病患者の家に通って診察を続けるうちに、認定されているよりもはるかに多くの人が同じ症状で苦しんでいることに気づきます。胎児性水俣病を発見し、亡くなる直前まで患者を支え続けた医師の半生をやさしい語り口で伝えます。当時の状況を伝える写真も多数収録され、公害問題について深く考えさせられます。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

うさぎとかめ(イソップものがたり)

[イソップ/原作] ・ ジェリー・ピンクニー/作

光村教育図書 (2013.1)

ウサギとカメは、どちらが速く走れるかで争いになり、競争をすることにします。よく知られた昔話を、最小限の言葉と、ウサギやカメの表情や動きを迫力満点にとらえた躍動感あふれる絵で表現しています。競争を応援する動物たちの姿や、アメリカ南西部の乾燥地帯の風景などが豊かな色彩で描き込まれた、見て楽しい絵本です。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

おさかないちば(講談社の創作絵本)

加藤 休ミ/作

講談社 (2013.1)

すし屋の大将に連れられ、「ぼく」は初めて魚市場に行きます。マグロのセリや買いつけに来る人でにぎわう中、いきのよい魚や貝が並ぶ店を見て回ります。クレヨンを塗り重ねた絵は、うろこの輝きなど魚の質感をよくとらえていて迫力があります。少年の目から見た市場や働く人々の様子が描かれ、驚きと興奮が伝わってきます。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

ナースになりたいクレメンタイン

サイモン・ジェームズ/作 ・ 福本 友美子/訳

岩崎書店 (2013.1)

お誕生日に看護師さんの制服と救急セットをもらったクレメンタインは、ナースになりきり、家族を治療してまわります。けれど、弟のトミーだけは包帯を巻かせてくれません。ごっこ遊びを通して、家族の何げない日常を、ほのぼのと描いています。淡い色彩の絵で、登場人物たちの動きをコミカルにとらえた楽しい絵本です。(幼児から)

物語小学校低学年から

せかいでいちばん大きなおいも(おはなしみーつけた!シリーズ)

二宮 由紀子/作 ・ 村田 エミコ/絵

佼成出版社 (2013.9)

畑から掘り出された大きなおいもは、「ただのやきいもにされるなんて、まっぴらだね」と、世界で一番大きな人に食べてもらうために旅に出る。いばっているが実は小心者のおいもと、次々に現れる大きな人とのテンポの良いやりとりがおもしろい。版画による挿絵も大胆で勢いがあり、物語のとぼけたおかしさを盛りあげている。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

かぜフーホッホ(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

三宮 麻由子/ぶん ・ 斉藤 俊行/え

福音館書店 (2013.9)

女の子がお兄ちゃんと散歩に出かけます。外に出ると「ブオッファ」とシーツがはためく音や「ドウワー」とプラタナスの木がゆれる音など、様々な音が聞こえてきます。「フーホッホ」「ヒューロルル」など、風が奏でる音の表現が豊かな絵本です。風の動く様子や少女が風と遊ぶ姿が、画面いっぱいにいきいきと描かれています。(幼児から)

物語小学校高学年から

おいでフレック、ぼくのところに

エヴァ・イボットソン/著 ・ 三辺 律子/訳

偕成社 (2013.9)

ハルの家はお金持ちでしたが、家が汚れるからと犬を飼う望みだけはかなえられません。10歳の誕生日に来たフレックは、実は週末だけのレンタル犬でした。傷ついたハルは、店の少女と5匹の犬と共に家出します。次々に起こる困難にハラハラしながら、一気に読み進められます。それぞれが居場所を見つける結末に心温まります。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

石の巨人 -ミケランジェロのダビデ像-(絵本地球ライブラリー)

ジェーン・サトクリフ/文 ・ ジョン・シェリー/絵

小峰書店 (2013.9)

昔、フィレンツェに、高さが人の3倍もある石がありました。多くの彫刻家がダビデ像を彫るのに挑戦し失敗しましたが、ミケランジェロがとうとう見事な像を作ります。ルネサンス期の名作の誕生を、当時の工程も織り込みながら描いた絵本です。飾り枠や構図を工夫した色彩豊かな絵は、その時代の雰囲気をよく表しています。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ネコがすきな船長のおはなし

インガ・ムーア/作・絵 ・ たが きょうこ/訳

徳間書店 (2013.9)

ネコが大好きで、船員よりもネコをたくさん乗せている船長が冒険に出ました。嵐にあってネコが1匹もいない島にたどり着いた船長は、島の女王様に大歓迎を受けます。美しいみどりの海や遠くにかすむ島など詩情をたたえた風景と、表情豊かな人物やネコが細かなタッチで描かれています。昔話の雰囲気もあるゆかいなお話です。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

どこかいきのバス(わくわくえどうわ)

井上 よう子/作 ・ くすはら 順子/絵

文研出版 (2013.8)

お母さんとけんかをして家をとびだしたぼくの前に、行き先に「どこか」と書いてあるバスが止まりました。しゃべる不思議なバスと一緒に無人島へ家出し、気ままに遊ぶうちに、次第にお母さんが恋しくなります。男の子の体験した特別な一日が、温かみのある挿絵とともに、いきいきと描かれており、幼い子どもの共感を呼びます。(小学校低学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

とべたよとべたよ(えほん・いっしょによんで)

わかやま しずこ/さく

童心社 (2013.8)

卵から小鳥のひなが5羽うまれました。ひなが育って飛べるようになるまでを、やさしい言葉とくっきりとした輪郭の絵で簡潔に描きます。ひなが口を大きく開けて虫をねだる様子などを力強く表した絵からは、生命力が伝わってきます。「ちこっ こちっ」「ぴーちゅ ぴーちゅ」など、擬音の繰り返しが心地よい絵本です。(赤ちゃんから)

知識の本小学校中学年から

ソフィー・スコットの南極日記(絵本地球ライブラリー)

アリソン・レスター/作 ・ 斎藤 倫子/訳

小峰書店 (2013.8)

9歳のソフィーは、船長のパパと南極観測の船に乗り込みます。氷山やペンギンとのわくわくする出合い、吹雪でパパと離れて過ごす心細い夜など、少女の30日間の旅が絵日記でつづられています。南極観測隊に参加した経験のある作者の文章は臨場感があり、豊富なイラストや写真の配置も工夫されていて、目にも楽しい絵本です。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

おとうさんもういっかい 3 ゆうえんち

はた こうしろう/作

アリス館 (2013.8)

「おとうさん あそぼう!」とお父さんの鼻を子どもが押すと、グイーンと持ち上げて「たかい たかい」をしてくれます。「もういっかい!」とせがむと、今度は飛行機でブーンと「ようふくのはやし」につっこみます。父親と遊ぶ幼い子どものうれしそうな表情が、鮮やかな色彩の絵でいきいきと描かれています。まくらをふねに、ふとんを海にみたてて遊ぶ『うみあそび』や、お父さんの体を遊園地の乗り物にして遊ぶ『ゆうえんち』が続刊にあります。家の中で、体を使って遊ぶヒントがちりばめられていて、親子で一緒に遊びたくなる絵本です。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

よどがわ(日本の川)

村松 昭/さく

偕成社 (2013.8)

琵琶湖に住む赤鬼とそのお使いの男の子が、淀川の源流から河口までを旅する絵本です。雲の上から見下ろすように見開きいっぱいに描かれた絵地図には、生き物や橋や線路、時には名所や昔の出来事までもが描き込まれ、沿岸の人々の営みを伝えます。地形や河川名の変遷もよくわかり、楽しみながら知識を深めることができます。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

おにいちゃんといもうと

シャーロット・ゾロトウ/文 ・ おーなり 由子/訳

あすなろ書房 (2013.7)

小さい妹は、お兄ちゃんに意地悪なことを言われては「うわーん」と泣かされてばかりいます。素直に仲良くできない年頃の、幼い兄妹の日常をあたたかく描いた絵本です。1978年刊の『にいさんといもうと』が、子どもの表情をよくとらえた明るい色彩の絵と、親しみやすい翻訳で、装いも新たに生まれ変わりました。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

深海の怪物ダイオウイカを追え!(ポプラサイエンスランド 1)

窪寺 恒己/著

ポプラ社 (2013.7)

誰も生きている姿を見たことがない、深海の巨大生物ダイオウイカが、初めてテレビカメラで撮影されました。海洋生物学者である著者が、最新の潜水艇での調査の様子や十数年にわたるダイオウイカの研究を、親しみやすい絵と迫力のある写真とともに説明します。未知の生物の謎を解き明かそうとする、著者の熱意が伝わります。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

クモばんばとぎんのくつした

仁科 幸子/[著]

偕成社 (2013.7)

ナメクジの子どもニュッルは、クモの糸で作った美しい編み物を売る「クモばんばの店」を手伝うことになりました。見た目で嫌われて一人ぼっちだったニュッルが、クモのおばあさんと心を通わせ、幸せと生きがいを見つけるまでを温かく描きます。細い線で描かれた挿絵は個性的な虫たちが暮らす原っぱの様子をよく伝えています。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

おとうさんもういっかい 2 うみあそび

はた こうしろう/作

アリス館 (2013.7)

「おとうさん あそぼう!」とお父さんの鼻を子どもが押すと、グイーンと持ち上げて「たかい たかい」をしてくれます。「もういっかい!」とせがむと、今度は飛行機でブーンと「ようふくのはやし」につっこみます。父親と遊ぶ幼い子どものうれしそうな表情が、鮮やかな色彩の絵でいきいきと描かれています。まくらをふねに、ふとんを海にみたてて遊ぶ『うみあそび』や、お父さんの体を遊園地の乗り物にして遊ぶ『ゆうえんち』が続刊にあります。家の中で、体を使って遊ぶヒントがちりばめられていて、親子で一緒に遊びたくなる絵本です。(幼児から)

知識の本小学校高学年から

おどろきのスズメバチ(世の中への扉)

中村 雅雄/著

講談社 (2013.6)

長年スズメバチを研究してきた元小学校教諭の著者が、その驚きの生態を説き明かす。独特の貝がら模様の巣ができる過程、役割分担された社会のしくみ、幼虫を育てる様子などを、写真と図を交えてわかりやすく説明する。人間や自然環境との関わりにも触れられており、おそろしいハチも生態系の大切な一員だと気付かされる。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

ガラパゴス(講談社の翻訳絵本)

ジェイソン・チン/作 ・ 福岡 伸一/訳

講談社 (2013.6)

ガラパゴス諸島に存在した島が、誕生してから波の下に消えるまでを、そこにすむ生き物の営みとともに描いています。フィンチのくちばしが時間をかけて大きくなった理由など、動物の進化の理由も説明しています。簡潔な文章と色彩豊かな美しい絵で、600万年の間の島の様子を、目の前の出来事のようにわかりやすく伝えます。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

ひまわり

荒井 真紀/文・絵

金の星社 (2013.6)

芽を出し、茎をのばして花を咲かせ、種ができるまでのひまわりの一生を紹介しています。太陽を追って動く、細く閉じた花びらが1枚1枚順番に開くなど、観察によって得られる発見の楽しさも伝えます。ページいっぱいに描かれた迫力のある黄色い花や、精密に表現された花の断面からは、植物の美しさや成長の力強さを感じます。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

べんり屋、寺岡の夏。(文研じゅべにーる)

中山 聖子/作

文研出版 (2013.6)

小学5年生の美舟の父は、売れない画家であまり家にいない。母は祖母と「べんり屋寺岡」を営んでいて、美舟は、犬さがしや友だちからの依頼などの仕事を手伝っている。様々な人の思いに触れたり、反発していた父をふとしたことで見直したりして、彼女は成長していく。少女の心情が丁寧に描かれ家族の温かさが伝わってくる。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

いしのはなし -きれいでふしぎでやくにたつ、ちいさなちきゅう-

ダイアナ・アストン/文 ・ シルビア・ロング/絵

ほるぷ出版 (2013.6)

地面の下で鉱物が溶けて石となることや、メノウのように割るときれいな模様が現れる石があることなど、石にまつわる事柄がわかる知識絵本です。美しく写実的に描かれた絵は、石の鮮やかな色合いや神秘的な輝き、質感をよくとらえています。見開きごとに話題が変わり、どこから読んでも楽しむことができます。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

ちきゅうがウンチだらけにならないわけ

松岡 たつひで/さく

福音館書店 (2013.6)

野生の生き物のウンチは誰も片付けないのに、地球がウンチだらけにならない理由を、犬の「ぼく」が探ります。色々な場所で様々な生き物がウンチをする様子や、ウンチが虫のえさや植物の栄養になる様子などを、特徴をとらえた親しみやすい絵で描きます。身近な疑問から生態系について考えさせてくれる科学絵本です。(小学校低学年から)

知識の本小学校低学年から

ぎふちょう

舘野 鴻/作 絵

偕成社 (2013.6)

ギフチョウは早春、ブナ林に現れる。卵は、敵に襲われ数を減らしながらも成長し、夏にはサナギになって眠り続け、翌春ようやくチョウになる。すみかであるブナ林の生態系にもふれ、全ての命がつながっていることが分かる。手触りまで伝わってきそうな、細部まで描き込まれた迫力ある絵は、生命の輝きを鮮烈に表現している。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

おばけのクリリン(福音館創作童話シリーズ)

こさか まさみ/作 ・ さとう あや/絵

福音館書店 (2013.6)

おばけのクリリンは、人間を驚かさないよう姿を消してどんぐりえんに住んでいます。ある日、園長先生を助けるために、お休みのももこ先生にばけて、園児と遊び始めます。クリリンと子どもとのやりとりが楽しく、心優しいおばけに共感できます。幼稚園の日常を描いた親しみやすい挿絵も、物語の温かい雰囲気を引き立てます。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

うみべのいえの犬ホーマー

エリシャ・クーパー/作・絵 ・ きたやま ようこ/訳

徳間書店 (2013.6)

海の見える家の玄関で、犬のホーマーがひなたぼっこをしていると、出かけていく家族や犬が声をかけていきます。一日が終わり帰ってきたみんなは、今日あった出来事をホーマーに話します。犬と家族の幸せな一日をゆったりとしたテンポで温かく描きます。やわらかなタッチの水彩画も、穏やかな印象の物語を引き立てています。(幼児から)

物語小学校低学年から

やさしい大おとこ

ルイス・スロボドキン/作・絵 ・ こみや ゆう/訳

徳間書店 (2013.6)

山のお城に住む大男は、村人と友だちになりたいのに、悪い魔法使いのせいでこわがられ、話も聞いてもらえません。けれども、ある日、少女グエンドリンがその事実に気づきます。お互いを思いやる二人の会話や、誤解がとけていく様子に心が温まります。黄色や赤が印象的な、素朴でやさしい色合いの挿絵も物語に合っています。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

江戸の子どもちょんまげのひみつ

菊地 ひと美/[作]

偕成社 (2013.6)

江戸時代、ちょんまげ姿になることは大人のあかしで、子どもたちは成長にあわせて髪型を変えていた。ちょんまげの種類や流行、頭頂部をそるようになった理由などを、絵と簡潔な文章で説明する。日本画家で江戸民俗学研究家の著者が描く淡い色合いの絵からは、髪型だけでなく、子どもたちの暮らしぶりも垣間見ることができる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

おとうさんもういっかい 1 たかいたかい

はた こうしろう/作

アリス館 (2013.6)

「おとうさん あそぼう!」とお父さんの鼻を子どもが押すと、グイーンと持ち上げて「たかい たかい」をしてくれます。「もういっかい!」とせがむと、今度は飛行機でブーンと「ようふくのはやし」につっこみます。父親と遊ぶ幼い子どものうれしそうな表情が、鮮やかな色彩の絵でいきいきと描かれています。まくらをふねに、ふとんを海にみたてて遊ぶ『うみあそび』や、お父さんの体を遊園地の乗り物にして遊ぶ『ゆうえんち』が続刊にあります。家の中で、体を使って遊ぶヒントがちりばめられていて、親子で一緒に遊びたくなる絵本です。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

美術館にもぐりこめ!(たくさんのふしぎ傑作集)

さがら あつこ/文 ・ さげさか のりこ/絵

福音館書店 (2013.5)

「お宝」を求め侵入したどろぼう3人組を案内役に、美術館の舞台裏を紹介します。持ち場を守るプロの仕事ぶりや、展覧会の企画から実施までの過程を知ることができます。コミカルな絵と会話に、わかりやすい解説を添えた知識絵本です。「モナリザ」など名画のパロディもちりばめられ、隅々まで楽しめる遊び心のある本です。(小学校中学年から)

知識の本幼児から

いけのおと(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

松岡 達英/さく

福音館書店 (2013.5)

森の中の池に朝が来ました。ハチが飛びかい、カゲロウをねらい魚がはねます。アマガエルの目の前に現れては去っていく生き物たちを、透明感のある色使いの絵でいきいきと描きます。「ぶんぶんぶんぶん」「ぽちゃん」など、音の表現が中心の簡潔な文章が、想像力を刺激し、小さな池に満ちている生命の豊かさを感じさせます。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

しましまとぽちぽち

ダーロフ・イプカー/作 ・ やました はるお/訳

BL出版 (2013.5)

トラの赤ちゃんと、ヒョウの赤ちゃんがジャングルで出会い、小さな冒険をします。トラはしましまの、ヒョウはぽちぽち柄のえものを探します。しましまとぽちぽちの対比が楽しく、言葉のくりかえしがリズミカルな絵本です。ジャングルの緑や水辺の青を背景にし、黄と黒を基調にくっきりと描かれた動物たちは迫力があります。(幼児から)

物語小学校中学年から

ゾウの家にやってきた赤アリ(文研ブックランド)

カタリーナ・ヴァルクス/作・絵 ・ 伏見 操/訳

文研出版 (2013.4)

ゾウのドクター・フレッドは、赤アリの女の子ココと出会い、意気投合します。フレッドの家で一緒に暮らすことにしますが、約束した時間になってもココは来ません。細身のゾウや元気いっぱいのアリなど個性豊かな動物たちが、仲良く暮らす様子を温かく描いた楽しいお話です。赤を効かせた素朴な挿絵も物語に合っています。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

まめじかカンチルの冒険 -インドネシアの昔話-(ランドセルブックス)

松井 由紀子/再話 ・ 安井 寿磨子/絵

福音館書店 (2013.4)

マメジカのカンチルは川の真ん中でワニに囲まれ、食べられそうになりますが、知恵と勇気でうまく逃げ切ります。やさしい語り口の文章と、落ち着いた色合いの銅版画で、動物たちを情感豊かに描きます。うぬぼれ屋なところもあるカンチルが逆にやりこめられる話など、ユーモアたっぷりのインドネシアの昔話4編を収録します。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

ハサミの魔術師とホシノツカイ(バーバー・ルーナのお客さま 2)

岡田 貴久子/作 ・ ふじしま えみこ/絵

偕成社 (2013.4)

9歳のユカの叔父フータローが、魔法のハサミをあやつる美容師になってやって来た。そのハサミで「小鳥ちゃんカット」をすると、空を飛べるようになるなど、髪を切られた人には特別な力が備わる。ユカは彼とともに幽霊屋敷のようになっていた床屋「バーバー・ルーナ」の新装開店の準備をすることになる。魔法のハサミのまわりで起こる不思議な出来事を、テンポのよい文章でつづった物語の第1作で、続編に『ハサミの魔術師とホシノツカイ』がある。細やかな線で描かれたやわらかい雰囲気の挿絵が、心あたたまる物語によく合っている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

つなのうえのミレット

エミリー・アーノルド・マッカリー/作 絵 ・ 津森 優子/訳

文溪堂 (2013.4)

19世紀のパリ、ミレットの母親が営む宿屋に、引退した綱渡り師の男がやって来た。彼が綱渡りをするところを見て、興味を持ったミレットは、隠れて練習を繰り返す。失敗を恐れずひたむきに努力をする少女と、挫折を経験した男との心のつながりを描く。陰影を生かした色彩豊かな絵は美しく、時代の雰囲気が伝わってくる。(小学校中学年から)

知識の本幼児から

はしをつくる

ライアン・アン・ハンター/文 ・ エドワード・ミラー/絵

ほるぷ出版 (2013.3)

昔、橋は丸太や動物の皮などで作られていました。川に木が倒れてできた橋から、背の高い船がやって来ると動く現代のはね橋まで、世界のさまざまな橋を紹介している知識絵本です。やさしい言葉の文章と、シンプルながらも特徴をとらえた色鮮やかな絵で、形や機能など橋に関する事柄が、わかりやすく説明されています。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ライオンをかくすには

ヘレン・スティーヴンズ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

ブロンズ新社 (2013.3)

小さい女の子アイリスは、ある日、家に逃げこんできたライオンをかくまいます。家族に見つからないように、ソファの後ろやお風呂場など、様々な場所に隠しながら、一緒に遊ぶ様子が温かく描かれています。話しかけるようなやさしい言葉と、黄色が印象的な鮮やかな色使いの、のびのびとした絵が、物語の楽しさをよく伝えています。(幼児から)

知識の本幼児から

バナナのはなし(かがくのとも絵本)

伊沢 尚子/文 ・ 及川 賢治/絵

福音館書店 (2013.3)

バナナを冷蔵庫に入れると黒くなるのはなぜ? そんな素朴な疑問をもとに、バナナの生態を楽しく紹介する絵本です。芽がでて花が咲き、実が育って日本に届くまでを、シンプルながらも特徴をとらえた絵で色鮮やかに描きます。語りかけるような文章は親しみやすく、身近な果物の、ふだん見られない姿に驚かされます。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

ハンヒの市場めぐり

カン ジョンヒ/作 ・ おおたけ きよみ/訳

光村教育図書 (2013.2)

今日は、オンマ(おかあさん)と市場へ買い物に行く。野菜、豆、魚など色々な物が売られていて、市場はにぎわっている。ごま油屋の店頭で油を絞る機械を図解するなど、細部まで描き込まれた色彩豊かな絵は、見るたびに発見がある。近所の家々の様子も描かれていて、韓国の人たちの暮らしぶりが伝わり、親しみが感じられる。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

舟をつくる

関野 吉晴/監修・写真 ・ 前田 次郎/文

徳間書店 (2013.2)

探検家で大学教授の関野さんは、はるか昔、南から海を渡り日本列島にやって来た人たちの舟を再現してみよう、と学生たちに呼びかけた。道具から手作りし、インドネシアの舟大工の協力も得て、舟を完成させるまでの工程を豊富な写真で紹介する。皆で力を合わせて作業する姿からはものづくりの大変さと楽しさが伝わってくる。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

ねことテルと王女さま

クライド・ロバート・ブラ/さく ・ レナード・ワイスガード/え

長崎出版 (2013.2)

画家志望の青年テルは、黒い子猫を拾い、一緒に暮らし始めます。毎日、猫の絵を描くうちに、彼は絵を描く楽しみを思い出します。悪い煙突掃除夫や王女様にも飼われ波乱に満ちた生活を送る猫と、心やさしい青年との交流を温かな筆致で描きます。赤と青と黒だけで彩色された挿絵も昔話の雰囲気が漂う物語を引き立てています。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

こんな家にすんでたら -世界の家の絵本-

ジャイルズ・ラロッシュ/作 ・ 千葉 茂樹/訳

偕成社 (2013.2)

世界の様々な家をペーパークラフトで紹介する絵本です。自分の部屋から釣りができるチリの水上住宅や2000年以上前から伝わるモンゴルのゲルなど、16種類を取りあげています。親しく語りかけるような文章に、建築様式などの情報が添えられ、それぞれの家の特徴がわかります。人々の暮らしぶりに思いをはせることができます。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

じゃんけんのすきな女の子(キッズ文学館)

松岡 享子/さく ・ 大社 玲子/え

学研教育出版 (2013.2)

あるところに、じゃんけんの好きな女の子がいました。朝起きてから寝るまでの全てをじゃんけんで決めてしまうので、お父さんとお母さんはあきれ顔です。身近な遊びを題材にして、子どもの心情をユーモラスに描きます。落ち着いた色合いの表情豊かな挿絵が物語をひきたてます。1973年刊『なぞなぞのすきな女の子』の姉妹編。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

狛犬の佐助 [1] 迷子の巻(ノベルズ・エクスプレス 19)

伊藤 遊/作 ・ 岡本 順/画

ポプラ社 (2013.2)

明野神社の狛犬「あ」には150年前にそれを彫った親方の魂が、「うん」には弟子の佐助の魂が宿っている。お参りに来る耕平は、迷子になった飼い犬に似ている「うん」によく話しかけていた。江戸時代の石工の心を残す狛犬と現代の人々との交流を、ユーモアを交え描く。職人気質の親方とお人好しの佐助とのやりとりも楽しい。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

イソップのおはなし

イソップ/[原作] ・ バーバラ・マクリントック/再話・絵

岩波書店 (2013.1)

キツネにおだてられて歌ったため、カラスが口からチーズを落としてしまう「キツネとカラス」など、イソップのお話を9つ収めます。シルクハットやドレスで着飾った動物たちが、落ち着いた色彩で表情豊かに描かれています。長年語り継がれてきたお話が、会話を主体にした親しみやすい文章の、美しい装丁の絵本になりました。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

わたしもがっこうにいきたいな

アストリッド・リンドグレーン/文 ・ イロン・ヴィークランド/絵

徳間書店 (2013.1)

レーナは小学校に行ってみたい5歳の女の子です。ある日、お兄ちゃんのペーテルがレーナを学校に連れて行ってくれました。みんなと授業をうけたり、友達ができたりと、彼女の特別な一日を温かく描きます。子どもたちが教室で思い思いに過ごす姿など、スウェーデンの学校生活が細部まで表現された絵も魅力的です。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

もちっこやいて -わらべうたの「もちっこやいて」より-(日本傑作絵本シリーズ)

やぎゅう げんいちろう/さく

福音館書店 (2013.1)

あかおにくんやたぬきさんたちが、ばっちゃんのところに集まってきました。みんなで「もちっこやいて」のわらべうたを歌いながら、おもちが焼けるのを待ちます。くっきりとした線で縁取られた絵は、シンプルながらも躍動感があり、登場人物がいきいきと描かれています。遊び方ものっていて、みんなで歌いたくなる絵本です。(幼児から)

物語小学校高学年から

ふしぎな八つのおとぎばなし

ジョーン・エイキン/文 ・ クェンティン・ブレイク/絵

冨山房 (2012.12)

日曜日ごとにヘビになる呪いがかけられた少女のお話「メリュシーナ」、火星人が捨てた怪獣が地球で大暴れする「リコリスの木」など、魔法や謎に満ちた奇想天外な8話を収録します。独特の色使いの挿絵が、不条理やユーモアが織り込まれた物語を引き立てます。英国を代表する作家と挿絵画家による味わい深い短編集です。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ジャコのお菓子な学校(文研じゅべにーる)

ラッシェル・オスファテール/作 ・ ダニエル遠藤みのり/訳

文研出版 (2012.12)

食べることが大好きな小学生のジャコは、クッキーを作ろうと思いつきます。材料を計ることから一苦労でしたが、お菓子を作りたい一心で奮闘するうちに、友達ができ、苦手な勉強も楽しくなっていきます。その成長ぶりを、ジャコ自身のおっとりとした語り口でユーモアたっぷりに描きます。挿絵も物語の雰囲気に合っています。(小学校中学年から)

知識の本中学生から

スズメの謎 -身近な野鳥が減っている!?-

三上 修/著

誠文堂新光社 (2012.12)

スズメは日本に何羽いるかという疑問に研究者である著者が挑む。空を飛んでいるスズメを数えることは不可能なので、巣の数を数え、スズメの数を推測した。スズメという親しみやすい生き物の研究を通して、科学的に考える、調査をするということについてわかりやすく伝える。絵や写真も多く、充実したコラムが理解を助ける。(中学生から)

物語小学校中学年から

エーミルの大すきな友だち(岩波少年文庫 212)

アストリッド・リンドグレーン/作 ・ 石井 登志子/訳

岩波書店 (2012.12)

5歳のエーミルは大変なわんぱく坊主です。スープを最後まで飲もうとしてスープ鉢から頭が抜けなくなったり、遠くの景色を見せようとして妹を旗立て柱につりあげたりと、彼のやることは、なぜか何でもいたずらになってしまいます。そんな愉快なお話が全3巻に12話収録されています。少年が家族や身近な人々に愛されながら、農場でのびのびと成長していく日々を、親しみのある語り口で紹介します。登場人物をいきいきと描いた細い線の挿絵が、物語をひきたてます。1963年に発表されたスウェーデンの人気シリーズが新訳で刊行されました。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

チャーリーのはじめてのよる

エイミー・ヘスト/ぶん ・ ヘレン・オクセンバリー/え

岩崎書店 (2012.12)

ある雪の日、ヘンリーは子犬のチャーリーをひろって、家に帰りました。「これからは、ここにすむんだよ」と部屋を見せ、キッチンに寝床を作り、夜中になくと、かけつけます。優しく語りかけながら心をこめて世話をする様子からは、子犬への愛情が伝わります。落ち着いた色合いの中に赤を配した温かみのある絵が美しい絵本です。(幼児から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

ぼくらの津波てんでんこ

谷本 雄治/著

フレーベル館 (2012.11)

東日本大震災で釜石市内の小・中学生はほぼ助かった。それは、「津波が来たらそれぞれに逃げろ」という言い伝え「津波てんでんこ」にもとづく防災教育のたまものだった。子どもたちや防災教育を主導した専門家に取材し、日頃の教育とあの日の行動を振り返る。災害の教訓を生かし、次世代に伝えていく大切さに気付かされる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

希望への扉リロダ

渡辺 有理子/作 ・ 小渕 もも/絵

アリス館 (2012.11)

ミャンマーの少数民族の少女マナポは、故郷を追われ、家族でタイの難民キャンプに逃れた。そこで文字を覚え、建設されたリロダ(図書館)で働く。現地で図書館支援活動をした著者による物語は、臨場感があり、キャンプの現状が伝わる。少女の成長とともに、読書が人間らしい生活と文化を守るために重要であることを誠実に描く。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

ねずみのオスカーとはるのおくりもの

リリアン・ホーバン/作 ・ みはら いずみ/訳

のら書店 (2012.11)

春に生まれる赤ちゃんのために、オスカーと父さんは雪の中、食べ物やワラを探します。ネコに追われるオスカーを、ふしぎなウサギのイースターバニーが助けてくれました。家族のためにがんばる子ネズミの姿を、やわらかい語り口の文章で描きます。青を基調に黄色や緑を配した温かみのある挿絵からも春の訪れが感じられます。(小学校低学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

おやすみなさい(福音館 あかちゃんの絵本)

大阪YWCA千里子ども図書室/ぶん ・ 大塚 いちお/え

福音館書店 (2012.11)

「ごはん たべよ」、「おみそしると たまごも ね」。赤ちゃんが普段目にするものを、一つずつ丁寧に描いた絵と、やさしく語りかけるような文章で伝えます。ピンクや緑といった明るい色を背景に、食卓に並ぶものが絵でわかりやすく簡潔に紹介されています。シャベルやバケツなどを持って、公園に遊びに行くまでを描いた『おでかけしようか』や、おふろに入ってから寝るまでをたどる『おやすみなさい』も同時に刊行されました。水彩絵の具で描かれた色鮮やかな「もの」を見て、親子で様々な言葉のやりとりを楽しむことができる絵本です。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話赤ちゃんから

おでかけしようか(福音館 あかちゃんの絵本)

大阪YWCA千里子ども図書室/ぶん ・ 大塚 いちお/え

福音館書店 (2012.11)

「ごはん たべよ」、「おみそしると たまごも ね」。赤ちゃんが普段目にするものを、一つずつ丁寧に描いた絵と、やさしく語りかけるような文章で伝えます。ピンクや緑といった明るい色を背景に、食卓に並ぶものが絵でわかりやすく簡潔に紹介されています。シャベルやバケツなどを持って、公園に遊びに行くまでを描いた『おでかけしようか』や、おふろに入ってから寝るまでをたどる『おやすみなさい』も同時に刊行されました。水彩絵の具で描かれた色鮮やかな「もの」を見て、親子で様々な言葉のやりとりを楽しむことができる絵本です。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ごはんたべよ(福音館 あかちゃんの絵本)

大阪YWCA千里子ども図書室/ぶん ・ 大塚 いちお/え

福音館書店 (2012.11)

「ごはん たべよ」、「おみそしると たまごも ね」。赤ちゃんが普段目にするものを、一つずつ丁寧に描いた絵と、やさしく語りかけるような文章で伝えます。ピンクや緑といった明るい色を背景に、食卓に並ぶものが絵でわかりやすく簡潔に紹介されています。シャベルやバケツなどを持って、公園に遊びに行くまでを描いた『おでかけしようか』や、おふろに入ってから寝るまでをたどる『おやすみなさい』も同時に刊行されました。水彩絵の具で描かれた色鮮やかな「もの」を見て、親子で様々な言葉のやりとりを楽しむことができる絵本です。(赤ちゃんから)

知識の本小学校中学年から

パンがいっぱい(ランドセルブックス)

大村 次郷/写真・文

福音館書店 (2012.11)

西アジア地方には形や大きさ、作り方が異なる様々なパンがあります。人々の生活に欠かせないパンを、豊富な写真とやさしい文章で紹介しています。薄くのばしたトルコのパン「ユフカ」を巻いておいしそうに頬張る姿や、近所の人も協力してみんなでパンを焼くさまなど、それぞれの国の暮らしの様子がうかがえ、興味深いです。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

おかしなゆきふしぎなこおり(ふしぎいっぱい写真絵本 20)

片平 孝/写真・文

ポプラ社 (2012.11)

激しく降った雪がポストの上に高く積もり、コックさんの帽子のようになりました。冷たい水滴が雪と一緒に木にぶつかってできた樹氷は、まるでモンスターのようです。そうした雪や氷の様々な姿を、質感をよく伝える美しい写真と、わかりやすい言葉で紹介します。冬の冷たい空気と水が生みだす、不思議な造形に驚かされます。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

テディ・ロビンソンとサンタクロース

ジョーン・G.ロビンソン/作・絵 ・ 小宮 由/訳

岩波書店 (2012.1)

テディ・ロビンソンは、持ち主の少女のデボラのことが大好きなテディベアです。誕生日パーティに友達が集まって大はしゃぎする表題作をはじめ、赤ちゃんの子守役を得意の歌でじょうずにやりとげるお話など、テディ・ロビンソンの日々の出来事が描かれた短編集です。やんちゃなクマのぬいぐるみを通して、幼い子どもの心情をユーモラスに表現しています。著者による素朴なペン画の挿絵も、表情豊かで魅力的です。イギリスで50年以上読み継がれているシリーズの中から、日本で紹介されていなかった作品が、3巻各6話で刊行されました。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

緑の精にまた会う日

リンダ・ニューベリー/作 ・ 野の 水生/訳

徳間書店 (2012.1)

ルーシーの祖父は、畑仕事を手伝ってくれる「緑の精ロブ」の話をよく聞かせてくれた。祖父の死後、畑が売られることを知ったルーシーは、ロブに自分のところへ来て欲しいと手紙を書く。緑豊かなイギリスを舞台に、ルーシーとロブの物語が交互に展開する。めぐる季節の中で、悲しみを乗り越えていく少女の姿を細やかに描く。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ヘンダワネのタネの物語(ノベルズ・エクスプレス 18)

新藤 悦子/作 ・ 丹地 陽子/絵

ポプラ社 (2012.1)

5年生の女の子、直(なお)は、日本育ちのイラン人の男の子アリから、「ヘンダワネ」のタネに秘められた不思議な物語を聞く。日本にとけ込もうとして悩むアリだが、彼女に故郷の文化を紹介することで、その良さを素直に認められるようになっていく。ケンカをしながらも、相手を理解しようとする2人の姿を爽やかに描く。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

あやかしの店のお客さま(お江戸あやかし物語 [2])

水沢 いおり/作 ・ 石橋 富士子/絵

偕成社 (2012.1)

長い間使われた道具は、九十九(つくも)神というあやかしになります。古い裁縫箱から飛び出したあやかしたちが、花のお江戸でつくろいもの屋を開き、様々な困り事を解決します。まち針の「こまちねえさん」、糸切りばさみの「ちょきち」などの登場人物が、個性豊かで魅力的です。不思議な女の子が持ってきた布に天女の羽衣でつぎをあてるお話など、一冊に4つの短編が入っています。軽妙な言葉のやり取りが楽しく、ふんだんに使われた挿絵はお話の雰囲気に合っています。コラムや難しい言葉の解説からも庶民の暮らしぶりがよく分かります。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

夜の小学校で

岡田 淳/作

偕成社 (2012.1)

小学校で夜警員として働くことになった僕は、満月の下で大男を見つけた。それからというもの、校内で、髪を洗ってくれるアライグマなど不思議なものに次々と出会う。夜の学校を舞台に、僕と奇妙な登場人物たちとのやりとりをユーモアたっぷりに描く短編集。著者による挿絵も、ほのぼのとした雰囲気の物語によく合っている。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

小さいのが大きくて、大きいのが小さかったら

エビ・ナウマン/文 ・ ディーター・ヴィースミュラー/絵

岩波書店 (2012.9)

ネズミがネコより、ヒツジがオオカミより大きくなったら、どんな世界になるだろう、とネズミは考えます。小さく弱い生き物が、いつもいばっている大きな動物を見下ろすあべこべの世界を迫力満点に描きます。毛皮や羽毛の質感が写実的に描かれ、空想の世界に現実味を与えています。子どもの想像力を刺激する楽しい絵本です。(幼児から)

知識の本幼児から

まほうのコップ(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

藤田 千枝/原案 ・ 川島 敏生/写真

福音館書店 (2012.9)

透明なガラスのコップに水を入れて、後ろにいちごを置くと、ぐにゃりとつぶれて左右が逆に見えます。すじのはいったコップだと、きゅうりがギザギザに見えます。コップの種類や後ろに置くものを変えた様々な写真が、紹介されています。身近にあるものを使って自分でも試してみたくなる、楽しいレンズ遊びの知識絵本です。(幼児から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

いちじくにんじん(0.1.2.えほん)

大阪YWCA千里子ども図書室/案 ・ ごんもり なつこ/絵

福音館書店 (2012.9)

「いちじく、にんじん、さんしょに、しいたけ」で始まるかぞえ歌を、歌詞にでてくる果物や野菜の絵とともに紹介します。見開きごとにひとつずつ描かれた水彩の絵は、しいたけのやわらかさや、きゅうりのトゲなど、それぞれの質感をよく表現しています。歌いながらページをめくり、親子でわらべうたを楽しめる絵本です。(赤ちゃんから)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

ジャックと豆の木 -イギリスの昔話-(世界傑作絵本シリーズ)

ジョン・シェリー/再話 絵 ・ おびか ゆうこ/訳

福音館書店 (2012.9)

貧しい少年ジャックは、不思議な男に出合い牛と魔法の豆とを交換します。成長した豆の木を登ったジャックは、天の人食い鬼の家で宝物を手に入れます。太い豆の木や人食い鬼が、画面いっぱいに描かれていて迫力があり、物語の雰囲気を盛り上げています。よく知られた昔話が、親しみやすい文章の絵本になって出版されました。(小学校低学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

いっすんぼうし -日本のむかし話-

椿原 菜々子/文 ・ 太田 大八/絵

童話館出版 (2012.8)

むかしむかし、おじいさんとおばあさんが願掛けをすると、指よりも小さな男の子「いっすんぼうし」が生まれました。おさえた色調の中に、赤や紫などを効果的に配した絵は美しく、構図にも工夫がこらされています。語りかけるような親しみやすい文章がそえられており、時代を越えて愛されてきた昔話の魅力が伝わってきます。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

おかあさんの手(どうわがいっぱい 88)

まはら 三桃/作 ・ 長谷川 義史/絵

講談社 (2012.8)

助産師のお母さんの手は赤ちゃんをとりあげたり、おいしい白玉団子を魔法のように作ったりする。私はお母さんに、いつから魔法を使えるようになったのか聞いてみた。日常の何気ない会話をとおして、親子の心のつながりを温かく描く。お母さんの手のいろいろな表情をとらえた素朴な絵も、静かな物語の雰囲気に合っている。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

リンゴのたび -父さんとわたしたちがオレゴンにはこんだリンゴのはなし-(わくわく世界の絵本)

デボラ・ホプキンソン/作 ・ ナンシー・カーペンター/絵

小峰書店 (2012.8)

父さんは馬車にリンゴの苗木を積み、西部に移住することにした。しっかりものの長女は、川をいかだで渡り、嵐に飛ばされそうになりながらも、リンゴと家族を守る。大自然相手に奮闘する彼女の、得意げな語り口が痛快である。開拓時代のアメリカの様子が温かな色彩でのびのびと描かれ、自由と活気に満ちた雰囲気が伝わってくる。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

名前をうばわれた少女 -わたしはエファじゃない-

ジョアン・M.ウルフ/作 ・ 日当 陽子/訳

フレーベル館 (2012.8)

第2次世界大戦下、チェコの少女ミラダは、村を占拠したナチス軍により家族から引き離される。彼女はエファという名前に変えられ、ドイツ人になるための教育を受けさせられる。過酷な状況でも、本当の自分を忘れず、懸命に生きる彼女の心情を丁寧に描く。実際の出来事を元に書かれた物語であり、戦争の悲惨さが伝わってくる。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録中学生から

いっしょに走ろっ! -夢につながる、はじめの一歩-

星野 恭子/著

大日本図書 (2012.7)

義足で世界記録に挑む陸上選手や、視覚障がいのあるマラソン選手を導く「伴走ボランティア」にとりくむ中学生たちなど、3つの挑戦を取材する。自らも伴走経験のある著者が、彼らの競技にかける思いを丁寧につづる。障がいのある人が自由にスポーツを楽しめる社会になってほしい、という著者の願いが伝わってくる。(中学生から)

物語小学校低学年から

ゆうかんなテディ・ロビンソン

ジョーン・G.ロビンソン/作・絵 ・ 小宮 由/訳

岩波書店 (2012.7)

テディ・ロビンソンは、持ち主の少女のデボラのことが大好きなテディベアです。誕生日パーティに友達が集まって大はしゃぎする表題作をはじめ、赤ちゃんの子守役を得意の歌でじょうずにやりとげるお話など、テディ・ロビンソンの日々の出来事が描かれた短編集です。やんちゃなクマのぬいぐるみを通して、幼い子どもの心情をユーモラスに表現しています。著者による素朴なペン画の挿絵も、表情豊かで魅力的です。イギリスで50年以上読み継がれているシリーズの中から、日本で紹介されていなかった作品が、3巻各6話で刊行されました。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

おひさまみたいに

スーザン・マリー・スワンソン/文 ・ マーガレット・カドス=アーヴィン/絵

ほるぷ出版 (2012.7)

女の子が植えたひまわりの種が芽をだし、夏にはおひさまみたいな大きな花を咲かせた。冬に種となりふたたび手の中に戻ってくるまでを、女の子がひまわりに語りかける言葉でつづる。慈しむように花を育てる子どものあたたかな気持ちを、丁寧に描く。明るく色鮮やかな絵は画面いっぱいに広がり、生命力が伝わってくる。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

さがしています

アーサー・ビナード/作 ・ 岡倉 禎志/写真

童心社 (2012.7)

広島の平和記念資料館所蔵の「もの」が語り部となり、原爆投下の瞬間を振り返ります。時間の止まった時計や、焼け焦げた眼鏡などの写真が見開きごとに大きく掲載され、ものたちの語る言葉が添えられています。穏やかな日常や持ち主をさがしつづけるものたちの証言からは、全てを奪ってしまう戦争の悲惨さが伝わってきます。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

天までひびけ!ドンドコ太鼓

麻生 かづこ/作 ・ 山本 省三/絵

国土社 (2012.7)

小学4年生のマイは、夏祭りで難しい太鼓の技に挑戦することになり、仲良しの友達2人と練習に励んでいる。しかし、2人が練習に来なかったり、隠しごとをしたりするので、マイは落ち込んでしまう。女の子の友情を、主人公の目線で親しみやすく描いた物語。子どもたちが心をひとつにして、力強く太鼓をたたく姿がさわやかだ。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

アンナのうちはいつもにぎやか -アンナ・ハイビスカスのお話-

アティヌーケ/作 ・ ローレン・トビア/絵

徳間書店 (2012.7)

アンナは、アフリカの大きな町の大きな家に、大勢の家族と一緒に住んでいます。ある日、アメリカに住むおばさんが帰ってくるという知らせが届き、家族みんなでむかえる準備をします。家族に囲まれて暮らすアンナをのびのびと描いた、4つのお話の短編集です。豊富に添えられた挿絵も、にぎやかな生活の様子を伝えています。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

ちょっとだけタイムスリップ(とっておきのどうわ)

花田 鳩子/作 ・ 福田 岩緒/絵

PHP研究所 (2012.7)

おじいちゃんの家で夏休みを過ごした2年生のゆうとだが、つい学校で「ハワイに行った」とうそをついてしまった。ゆうとは、ばれたらどうしようと悩み「うそをつく前にタイムスリップしたい」と願う。小さなうそをめぐる子どもたちと先生とのやりとりをいきいきと描く。表情豊かな子どもたちの挿絵も親しみを感じさせる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

いつでも星を

メアリ・リン・レイ/文 ・ マーラ・フレイジー/絵

ブロンズ新社 (2012.7)

夜空の星は遠いけれど、紙で作った星ならポケットに入れておける。自分を輝く星のように思える日もあるし、森のコケや、ひとひらの雪は、よく見ると星の形をしている。詩情あふれる文章が、身近で輝く様々な星に気づかせてくれる。鮮やかな色づかいでいきいきと描かれた子どもたちと、そのまわりにちりばめられた星が美しい。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

かあさんふくろう

イーディス・サッチャー・ハード/作 ・ クレメント・ハード/絵

偕成社 (2012.7)

古いりんごの木の穴にすみついたフクロウが、卵を産み、ヒナを育て巣立たせるまでの1年間を描いた絵本です。水色と茶色の木版画で、フクロウの親子の姿が周囲の自然とともに、力強く描かれています。木から落ちたヒナを助けたり、えさを集めたりする様子が詩情豊かな文章でつづられており、親鳥の愛情が伝わってきます。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

小さいりょうしさん

マーガレット・ワイズ・ブラウン/文 ・ ダーロフ・イプカー/絵

BL出版 (2012.7)

大きい漁師たちが大きい船に乗りこんで、大きな魚をつかまえます。小さい漁師たちが小さい船に乗りこんで、小さな魚をつかまえます。どちらも船いっぱいに魚をつんで港にかえりました。言葉のくり返しがリズミカルで、大小の対比が楽しい絵本です。青やオレンジを基調としたはっきりした色合いの絵も、内容によく合っています。(幼児から)

知識の本小学校高学年から

タマゾン川 -多摩川でいのちを考える-

山崎 充哲/著

旬報社 (2012.7)

ペットとして飼っていた外来魚を川や湖に捨てる人たちがいる。自然環境コンサルタントである著者は、人間の身勝手さが原因で生態系が変化した多摩川を「タマゾン川」と呼び、警鐘を鳴らす。飼えなくなった魚を引き取る「おさかなポスト」など、身近な川を守るための活動がわかりやすく紹介され、著者の熱意が伝わってくる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

おーなみこなみざぶん!(ヒデ子さんのうたあそびえほん)

長野 ヒデ子/作 ・ 西村 繁男/絵

佼成出版社 (2012.6)

海辺で家族と楽しく過ごす子どもたちを、夕立や花火などの夏の風物詩とともにいきいきと描く。「おーなみ こなみ」のわらべ歌をもとにした文章は、くりかえしが多く、リズミカルで心地良い。くっきりとした線で描かれた絵は、夏らしい活力にあふれている。海水浴客や縁日の様子も描き込まれており、見ているだけで楽しい。(幼児から)

物語中学生から

アラルエン戦記 1 弟子

ジョン・フラナガン/作 ・ 入江 真佐子/訳

岩崎書店 (2012.6)

アラルエン王国の孤児ウィルは、優秀な密偵ホールトに選ばれ、彼の弟子になる。好奇心旺盛な15歳の少年が厳しい修練を乗り越え、王国の敵である妖魔を打ち倒すまでを、目の離せない展開で一気に描く。4人の孤児院仲間と互いに励ましあい、成長していく姿が共感を呼ぶ。全10巻で刊行予定の、痛快冒険小説の第1幕。(中学生から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ばけばけはっぱ

藤本 ともひこ/著

ハッピーオウル社 (2012.6)

赤、黄、オレンジに色づいた落ち葉の中に、何かが隠れています。「ふーっ!」と息を吹きかけてページをめくると、木の葉や実でできた、タヌキなどの動物たちが出てきます。葉の細部までとらえた美しい写真を見て、かくれんぼをしている動物を探したり、色々な種類の葉や実を観察したりと、様々な楽しみ方ができる絵本です。(赤ちゃんから)

物語中学生から

りっぱな兵士になりたかった男の話

グイード・スガルドリ/著 ・ 杉本 あり/訳

講談社 (2012.6)

りっぱな兵士を目指すカスパールは、山の風車小屋の監視を命じられた。だが、そこにやってきたのは敵ではなく、食べ物を持ってきた老人と牛だった。「どんなときでも命令第一」など、「りっぱな兵士であるための九か条」を頑なに守ろうとする青年と、親切な老人とのちぐはぐなやりとりを、風刺をまじえてユーモラスに描く。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ぼくはここで、大きくなった

アンヌ・クロザ/さく ・ こだま しおり/やく

西村書店 (2012.6)

土の中で眠っていた木のタネの「ぼく」は目を覚まし、殻を破って大きくなっていく。嵐で水につかりながらも、花を咲かせて実をつける。その実のタネが土に返り、やがて新しい命になるという自然のいとなみを、植物の視点で語る。洗練されたコンピューター・グラフィックスの絵で、植物の一生を美しく芸術的に描いている。(小学校低学年から)

知識の本小学校低学年から

じゅえきレストラン(ふしぎいっぱい写真絵本 19)

新開 孝/写真・文

ポプラ社 (2012.6)

木からしみ出る樹液は、虫たちにとってごちそうだ。朝から夜まで様々な虫でにぎわう「レストラン」を、迫力のある美しい写真で紹介する。樹液がしみ出るしくみや、それを飲むカブトムシやハチ、その虫をねらうカエルなど、樹液をめぐって繰り広げられる命の営みには、生き物たちの知られざる姿があり、驚かされる。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

エーミルとクリスマスのごちそう(岩波少年文庫 211)

アストリッド・リンドグレーン/作 ・ 石井 登志子/訳

岩波書店 (2012.6)

5歳のエーミルは大変なわんぱく坊主です。スープを最後まで飲もうとしてスープ鉢から頭が抜けなくなったり、遠くの景色を見せようとして妹を旗立て柱につりあげたりと、彼のやることは、なぜか何でもいたずらになってしまいます。そんな愉快なお話が全3巻に12話収録されています。少年が家族や身近な人々に愛されながら、農場でのびのびと成長していく日々を、親しみのある語り口で紹介します。登場人物をいきいきと描いた細い線の挿絵が、物語をひきたてます。1963年に発表されたスウェーデンの人気シリーズが新訳で刊行されました。(小学校中学年から)

知識の本小学校高学年から

災害救助犬レイラ(世の中への扉)

井上 こみち/著

講談社 (2012.6)

災害救助犬レイラと訓練士の村田さんは、東日本大震災の翌日から救助活動に参加した。がれきの山から人の臭いをかぎあて、懸命に行方不明者を捜し出す。被災地での捜索活動のほか、レイラたちの普段の訓練や生活なども詳しく紹介する。災害救助犬が増え、一人でも多くの命が救われることを願う村田さんの思いが胸をうつ。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録中学生から

介助犬を育てる少女たち -荒れた心の扉を開くドッグ・プログラム-

大塚 敦子/著

講談社 (2012.6)

アメリカのある少女更生施設では、入所中の少女たちが介助犬の訓練を行っている。人間に全幅の信頼を寄せる犬たちとふれあい、介助犬として育てあげることで、彼女らは思いやりや忍耐力を身につけていく。自身の犯罪歴や家庭環境が元で自尊心をもてなかった少女が、犬と共に困難を乗り越え、成長していく姿に胸をうたれる。(中学生から)

知識の本小学校中学年から

こおり(たくさんのふしぎ傑作集)

前野 紀一/文 ・ 斉藤 俊行/絵

福音館書店 (2012.6)

氷の中の白いものは何? 色のついた氷はできる? 身近な疑問から、氷が海流にあたえる影響など地球規模の問題まで、氷の性質について幅広く紹介した科学絵本です。簡単な実験も紹介され、理解を深めることができます。涼やかな色彩の絵は、氷の性質をわかりやすく伝えるだけでなく、氷の質感や美しさも表現しています。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

グランパ・グリーンの庭

レイン・スミス/作 ・ 青山 南/訳

BL出版 (2012.5)

グリーンおじいちゃんの庭には、ウサギや大砲などの様々な形に刈り込まれた木がある。それはおじいちゃんにゆかりのあるものをかたどっており、それをたどると彼の人生を垣間見ることができる。ひ孫がおじいちゃんによせる愛情を、あたたかく詩情豊かに描いている。淡い彩色の線画の中で、濃い緑が鮮やかに映えて美しい。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

うちはお人形の修理屋さん

ヨナ・ゼルディス・マクドノー/作 ・ おびか ゆうこ/訳

徳間書店 (2012.5)

20世紀初めのアメリカで、9歳のアナは、姉と妹、人形の修理店を営む両親と暮らしています。遠い国で起きた戦争の影響で、部品が手に入らず仕事ができなくなった父親を助けようと、彼女は知恵をしぼります。少女の視点から、苦しいときも助け合うユダヤ系移民の一家の日常が温かく描かれており、家族の愛情を感じさせます。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

空とぶ鉢 -国宝信貴山縁起絵巻より-(やまと絵本)

寮 美千子/文

長崎出版 (2012.5)

信貴山のえらいお坊さんは術で鉢を飛ばし、托鉢(たくはつ)をしていた。よくばり長者がお布施をおしみ、鉢を倉に閉じこめると、鉢は倉ごと飛び去った。平安時代の「信貴山縁起絵巻」を用いた絵本で、驚く人々の姿が面白おかしく描かれている。お坊さんと長者の会話もユーモアにあふれ、古典の世界が身近に感じられる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

旅する蝶

新宮 晋/著

文化学園文化出版局 (2012.5)

チョウのオオカバマダラは、4000キロ離れたカナダとメキシコの間を、大群を作り数世代かけて往復する。小さな生命の神秘に魅せられた彫刻家の著者が描く、美しい絵本。チョウが真っ青な空に飛び立つ様子や、巨大な滝の上をいく姿が、力強く、鮮やかな色彩で描かれている。絵には、簡潔で詩的な言葉が添えられている。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

テディ・ロビンソンのたんじょう日

ジョーン・G.ロビンソン/作・絵 ・ 小宮 由/訳

岩波書店 (2012.4)

テディ・ロビンソンは、持ち主の少女のデボラのことが大好きなテディベアです。誕生日パーティに友達が集まって大はしゃぎする表題作をはじめ、赤ちゃんの子守役を得意の歌でじょうずにやりとげるお話など、テディ・ロビンソンの日々の出来事が描かれた短編集です。やんちゃなクマのぬいぐるみを通して、幼い子どもの心情をユーモラスに表現しています。著者による素朴なペン画の挿絵も、表情豊かで魅力的です。イギリスで50年以上読み継がれているシリーズの中から、日本で紹介されていなかった作品が、3巻各6話で刊行されました。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

兵士のハーモニカ -ロダーリ童話集-(岩波少年文庫 213)

ジャンニ・ロダーリ/作 ・ 関口 英子/訳

岩波書店 (2012.4)

20世紀のイタリアを代表する文学作家の創作童話集。音色を聞いた人が一生おだやかな性格になる「兵士のハーモニカ」や、裸の王様が今度は不思議なギターを献上される「皇帝のギター」など、18の短編を新訳で収録する。おとぎ話の形をとりながらも、現代的なユーモアと風刺をきかせた物語はどれもおもしろく、味わい深い。(小学校高学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

海辺の宝もの

ヘレン・ブッシュ/著 ・ 鳥見 真生/訳

あすなろ書房 (2012.4)

12歳のメアリーは、魚の骨や貝の入った「変わり石」を探すのが大好きでした。19世紀のイギリスで、伝説の巨大ワニの骨を掘り出すという大発見をした少女の伝記です。探究心の強い少女が夢中で化石探しをする姿からは、わくわくする気持ちが伝わり、豊富な挿絵も時代背景や化石への理解を助けます。1977年刊の改訳新装版。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

魔法のハサミがやってきた!(バーバー・ルーナのお客さま 1)

岡田 貴久子/作 ・ ふじしま えみこ/絵

偕成社 (2012.4)

9歳のユカの叔父フータローが、魔法のハサミをあやつる美容師になってやって来た。そのハサミで「小鳥ちゃんカット」をすると、空を飛べるようになるなど、髪を切られた人には特別な力が備わる。ユカは彼とともに幽霊屋敷のようになっていた床屋「バーバー・ルーナ」の新装開店の準備をすることになる。魔法のハサミのまわりで起こる不思議な出来事を、テンポのよい文章でつづった物語の第1作で、続編に『ハサミの魔術師とホシノツカイ』がある。細やかな線で描かれたやわらかい雰囲気の挿絵が、心あたたまる物語によく合っている。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

ライオンがいないどうぶつ園

フレート・ロドリアン/作 ・ ヴェルナー・クレムケ/絵

徳間書店 (2012.4)

町の人が協力して作った動物園には、ライオンがいません。本物のライオンを見るのが夢だったビーネとウリは、どうにかしてライオンを買って欲しいと町長さんに頼みます。1969年に旧東ドイツで書かれた、子どもたちと町長さんのやりとりが愉快な物語です。カラーの挿絵がふんだんに使われ、楽しいお話を引き立てています。(小学校低学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

負けない! -挑戦することは楽しいこと-(ポプラ社ノンフィクション 9)

クルム伊達公子/著

ポプラ社 (2012.3)

日本女子テニス界の第一人者である著者が、半生を語る。なかなか試合に勝てなかった学生時代や引退時の心境、37歳での現役復帰のきっかけなどが、簡潔ながらも力強い言葉で書かれている。何事にも真剣にいどみ、人生を切り開いてきた著者の生き方に勇気づけられる。巻末には子どもたちの質問に答えるQ&Aコーナーもある。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

子ども落語家りんりん亭りん吉(文研じゅべにーる)

藤田 富美恵/作

文研出版 (2012.3)

凛夏(りんか)は小学2年生の時、初めて落語を見て、その魅力にとりつかれ、自分も落語をやってみたいと練習を重ねた。子ども落語大会や大阪の地域寄席などで活躍する一方、大人の落語家たちからしきたりや厳しさも学ぶ。中学生になり、迷いながらもより深く落語に関わろうと決意するまでを、いきいきと描いている。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

桜守のはなし

佐野 藤右衛門/作

講談社 (2012.3)

著者は京都で代々続く植木職人の十六代目で、各地の名桜の保存を行う「桜守」を継承している。新種探し・桜の体調管理など、1年を通して尽きない桜守の仕事を、やわらかな京言葉で語る。桜に接する著者を写した写真からも、ひたむきに仕事に打ち込む様子が伝わってくる。ページいっぱいに掲載された四季の桜の写真も美しい。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ふたごのもうふ

ヘウォン・ユン/さく ・ せな あいこ/やく

トランスビュー (2012.3)

ふたごの姉妹は赤ちゃんのときから1枚の毛布で寝ていました。けれども、一緒に寝るにはきゅうくつになり、お母さんがそれぞれに毛布を作ってくれます。けんかをしながらも仲の良い2人のやりとりが、ほほえましい絵本です。姉妹の表情が細い線でいきいきと描かれており、黄色やピンクなど韓国の伝統的な色使いも鮮やかです。(幼児から)

物語小学校高学年から

はるかなるアフガニスタン(講談社文学の扉)

アンドリュー・クレメンツ/著 ・ 田中 奈津子/訳

講談社 (2012.2)

アメリカの少女アミーは、課題で外国の子どもと文通しなくてはならなくなった。文通先のアフガニスタンの村では、村一番の秀才サディードが相手として選ばれるが、男女間の文通はイスラム文化に反すると長老たちが反対する。文化も環境も違う2つの国の子どもたちが、手紙を通して友情を深めていく様子をさわやかに描く。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

黒ネコジェニーのおはなし 3 ジェニーときょうだい(世界傑作童話シリーズ)

エスター・アベリル/作・絵 ・ 松岡 享子/共訳

福音館書店 (2012.2)

小さな黒ネコのジェニーは、船長のキャプテン・ティンカーに拾われ、幸せに暮らしていました。ある日、ネコの集まり「キャットクラブ」に入りたいのに勇気が出ないジェニーのために、ご主人が赤いマフラーを編んでくれます。はにかみやのジェニーが、個性的なネコたちに見守られながら、ネコの学校へ行ったり、怖いイヌを出し抜いて友達に笛を届けたりと頑張る様子を、温かい筆致で描きます。黒と赤と黄で彩られた、洗練された挿絵が物語を引き立てます。1982年に全2巻で出版されましたが、未収録の一話を加え、全3巻で再刊されました。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

風の島へようこそ -くりかえしつかえるエネルギー-

アラン・ドラモンド/さく ・ まつむら ゆりこ/やく

福音館書店 (2012.2)

デンマークのサムス島では、島で使う電力を全て自分たちで作り出している。ある島民が皆を説得し、それに応えた一人が中古の風車で発電を始めたことから、島中に自然エネルギーでの発電がひろがった。自分のできる範囲で発電・節電に取り組む人々の様子を、さわやかな色合いの絵とやさしい文章でわかりやすく描いている。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

見てびっくり野菜の植物学 -ゲッチョ先生の野菜コレクション-

盛口 満/文・絵

少年写真新聞社 (2012.2)

「ニンジンは何色?」と聞かれると「オレンジ色」と答えてしまうが、世界には白や紫のニンジンもある。花、実、文化などの項目にわけ、テーマに関係する野菜を集め、見開きごとに紹介する。普段よく見る野菜の知られざる側面が、細部まで描き込まれた色鮮やかな絵で紹介されており、ページをめくるたびに新たな発見がある。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

映画カントクは中学生!

艸場 よしみ/著

汐文社 (2012.1)

映画作りが大好きな少年は、ドラマ企画への応募をきっかけに14歳で監督になった。カメラを回し始めた小学2年生の頃から、プロと一緒に本格的な作品を作るようになるまでをさわやかに描く。監督として、自分の考えを大人のスタッフにきちんと伝える姿からは、映画作りへの情熱と、それを心から楽しむ様子が伝わってくる。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ピーターサンドさんのねこ

ルイス・スロボドキン/作 ・ 清水 眞砂子/訳

あすなろ書房 (2012.1)

ホタル島のピーターサンドさんはたくさんのネコを飼っていた。しかし、彼がケガで入院している間、無責任な観光客のせいで、ネコは数匹を残していなくなってしまう。大切なネコを失って頑なになったおじいさんと、島を訪れた子どもの心温まる交流をユーモアたっぷりに描く。著者による挿絵も物語の雰囲気をよく伝えている。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

黒ネコジェニーのおはなし 2 ジェニーのぼうけん(世界傑作童話シリーズ)

エスター・アベリル/作・絵 ・ 松岡 享子/共訳

福音館書店 (2012.1)

小さな黒ネコのジェニーは、船長のキャプテン・ティンカーに拾われ、幸せに暮らしていました。ある日、ネコの集まり「キャットクラブ」に入りたいのに勇気が出ないジェニーのために、ご主人が赤いマフラーを編んでくれます。はにかみやのジェニーが、個性的なネコたちに見守られながら、ネコの学校へ行ったり、怖いイヌを出し抜いて友達に笛を届けたりと頑張る様子を、温かい筆致で描きます。黒と赤と黄で彩られた、洗練された挿絵が物語を引き立てます。1982年に全2巻で出版されましたが、未収録の一話を加え、全3巻で再刊されました。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ネジマキ草と銅の城([世界傑作童話シリーズ])

パウル・ビーヘル/作 ・ 野坂 悦子/訳

福音館書店 (2012.1)

マンソレイン王の千年の寿命は、尽きようとしていた。薬のネジマキ草を探す間その心臓が止まらぬよう、色々な動物が城を訪れては心躍る話を披露する。王を救うという物語の中に、短い話をちりばめるという枠物語の形式を使い、壮大な世界を作り上げている。表情豊かな動物たちの挿絵も、物語の雰囲気に合っていて味わい深い。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

エーミルはいたずらっ子(岩波少年文庫 210)

アストリッド・リンドグレーン/作 ・ 石井 登志子/訳

岩波書店 (2012.1)

5歳のエーミルは大変なわんぱく坊主です。スープを最後まで飲もうとしてスープ鉢から頭が抜けなくなったり、遠くの景色を見せようとして妹を旗立て柱につりあげたりと、彼のやることは、なぜか何でもいたずらになってしまいます。そんな愉快なお話が全3巻に12話収録されています。少年が家族や身近な人々に愛されながら、農場でのびのびと成長していく日々を、親しみのある語り口で紹介します。登場人物をいきいきと描いた細い線の挿絵が、物語をひきたてます。1963年に発表されたスウェーデンの人気シリーズが新訳で刊行されました。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

妖怪一家九十九さん([妖怪一家九十九さん] [1])

富安 陽子/作 ・ 山村 浩二/絵

理論社 (2012.1)

化野原(あだしのはら)には、大勢の妖怪たちが住んでいた。そこに団地ができ、住む所のなくなった彼らは役所にかけあい、人間にまじって団地の地下に住むことになる。ヌラリヒョンはお父さん、ろくろっ首はお母さんというふうに、家族として暮らす妖怪たちの日常を愉快に描く。細い線で書き込まれた絵も物語と合っている。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

トチの木の1年(ランドセルブックス)

太田 威/写真・文

福音館書店 (2012.1)

若葉を出し、花を咲かせて実をつけ、冬を越すトチの木の1年を、木と共に暮らす人々の営みとあわせて紹介しています。葉で魚を包む保存食の作り方や、苦い実からおいしいトチもちを作る工夫などを、多くの写真とわかりやすい文章で説明しています。大昔から自然の恵みを生活に取り込んだ人間の知恵に感心させられます。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

愛の一家 -あるドイツの冬物語-(福音館文庫 S-61)

アグネス・ザッパー/作 ・ 遠山 明子/訳

福音館書店 (2012.1)

ペフリング家は音楽教師の父と優しい母、7人の子どもの大家族だ。末の弟が配達人と間違えられ、クリスマスツリーを抱えて町中を歩き回るなど、様々な事件が起こる。裕福ではないが、助け合って暮らす家族の深い愛情が、細やかな筆致の文章から伝わってくる。1907年刊のドイツの古典が、原著の挿絵を添えて初めて完訳された。(小学校高学年から)

物語中学生から

戦火の馬

マイケル・モーパーゴ/著 ・ 佐藤 見果夢/訳

評論社 (2012.1)

馬のジョーイは、少年アルバートと幸せな生活を送っていた。しかし、戦争が始まり、軍馬として戦地のフランスに送られ、悲惨な光景を目のあたりにする。一頭の馬を語り手に、第1次世界大戦に翻弄される人々の心情を丁寧に描く。ジョーイと関わる人たちの生き様からは、戦争のむなしさや、人間の心の温かさが伝わってくる。(中学生から)

物語中学生から

鉄道きょうだい

E.ネズビット/著 ・ 中村 妙子/訳

教文館 (2011.12)

ロバータ、ピーター、フィリスの3人きょうだいは、父と離れ、母とともにロンドンから田舎に引っ越した。家の近くを走る機関車に興味をもったきょうだいが、鉄道に関わる人々に見守られながら、様々な経験を重ね、成長する様子を情感豊かに描く。1906年に出版された古き良き時代の英国の物語が、読みやすく改訳された。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

チュンチエ -中国のおしょうがつ-

ユイ リーチョン/文 ・ チュ チョンリャン/絵

光村教育図書 (2011.12)

今日は、遠くに出稼ぎに行っている父さんが、年に1度だけ帰ってくる日。マオマオと父さんは、湯圓(タンユエン)というあんの入ったおだんごを作ったり、年始まわりに行ったりする。旧正月をいっしょに過ごす中国の家族の喜びが、幼い女の子の言葉でいきいきと描かれている。赤を効果的に使った絵も温かみがある。(小学校低学年から)

知識の本中学生から

新・地震をさぐる

島村 英紀/著

さ・え・ら書房 (2011.11)

地震は何の前ぶれもなくおそってくる。その正体を地球物理学者が最新の研究に基づき解説する。プレートの壮大な動きや地震観測の方法などが、写真や図表を交えてくわしく述べられ、読みごたえがある。繰り返しおこる地震の被害を小さくするためには、正確な知識と十分な対策が必要であると気付かされる。1982年刊の改訂版。(中学生から)

よみつがれてきた物語幼児から

うつぼざる(講談社の創作絵本)

もとした いづみ/文 ・ 西村 繁男/絵

講談社 (2011.11)

殿様が、矢を入れる道具「うつぼ」を作るため、猿の毛皮を差し出すように命じました。断りきれない猿回しは、猿を杖で打ち殺そうとしますが、稽古だと思った猿は、杖を取り舟をこぐまねをします。けなげな猿と猿回しの絆に胸を打たれるお話です。色鮮やかではっきりとした絵と易しい言葉で、狂言の面白さを伝えています。(幼児から)

物語小学校高学年から

小公子(岩波少年文庫 209)

フランシス・ホジソン・バーネット/作 ・ 脇 明子/訳

岩波書店 (2011.11)

米国生まれの男の子セドリックは父を早くに亡くし、母親と二人で暮らしていた。人々に愛されて育った彼だが、英国の伯爵家の跡継ぎとわかり、高慢な祖父と暮らすことになる。無邪気で優しい少年と、彼に出会って愛情を取り戻すことができた老伯爵の姿を、温かく描く。名作が新たな翻訳で、よりいきいきと読みやすくなった。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

おかあさんとわるいキツネ -モンゴルのおはなし-(世界傑作絵本シリーズ)

イチンノロブ・ガンバートル/ぶん ・ バーサンスレン・ボロルマー/え

福音館書店 (2011.11)

モンゴルの北の深い森で、悪いキツネが赤ちゃんを狙っていました。母親は坊やに炭をぬったり、トナカイの毛皮を着せたりして、他の動物にみせかけ守ろうとしますが、留守中にさらわれてしまいます。大トナカイに乗って追いかける母親の必死な姿が印象的です。遊牧民の暮らしぶりを、落ち着いた色調の絵で伝える絵本です。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

北風ふいてもさむくない(ランドセルブックス)

あまん きみこ/文 ・ 西巻 茅子/絵

福音館書店 (2011.11)

かこちゃんは、お母さんにマフラーを編んでもらいました。同じくマフラーをしたキツネたちと歌っていると、かすかな泣き声をウサギが聞きつけました。困っているひとを助けようと頑張る子どもを温かく描きます。親しみやすい絵からは、冬の寒さと子どもたちの元気な姿が伝わります。『みてよ ぴかぴかランドセル』の続編。(幼児から)

絵本/絵童話小学校高学年から

ピートのスケートレース -第二次世界大戦下のオランダで-(世界傑作絵本シリーズ)

ルイーズ・ボーデン/作 ・ ニキ・ダリー/絵

福音館書店 (2011.11)

第2次大戦中、オランダはドイツ軍に占領された。スケートが大好きな少年ピートは、冬の凍った運河を滑って、友達の女の子とその弟をベルギーまでひそかに送る仕事を任される。10歳の少年が勇気と知恵をしぼって監視の目をかいくぐる、スリルあふれる冒険を描いた絵本。抑えた色調の絵からは、緊迫した雰囲気が伝わってくる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

トラのじゅうたんになりたかったトラ(大型絵本)

ジェラルド・ローズ/文・絵 ・ ふしみ みさを/訳

岩波書店 (2011.1)

年老いたトラが、インドの王様の生活を見てうらやましくなり、毛皮の敷物のふりをして宮殿で暮らすことにしました。しかし、王様が「くさいぞ」と言い出し、捨てられそうになります。敷物になりきろうと頑張るトラの表情がユーモラスに描かれ、笑いを誘います。鮮やかな色彩が明るい南国の雰囲気を伝える、愉快なお話です。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

黒ネコジェニーのおはなし 1 ジェニーとキャットクラブ(世界傑作童話シリーズ)

エスター・アベリル/作・絵 ・ 松岡 享子/共訳

福音館書店 (2011.1)

小さな黒ネコのジェニーは、船長のキャプテン・ティンカーに拾われ、幸せに暮らしていました。ある日、ネコの集まり「キャットクラブ」に入りたいのに勇気が出ないジェニーのために、ご主人が赤いマフラーを編んでくれます。はにかみやのジェニーが、個性的なネコたちに見守られながら、ネコの学校へ行ったり、怖いイヌを出し抜いて友達に笛を届けたりと頑張る様子を、温かい筆致で描きます。黒と赤と黄で彩られた、洗練された挿絵が物語を引き立てます。1982年に全2巻で出版されましたが、未収録の一話を加え、全3巻で再刊されました。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録中学生から

父さんの手紙はぜんぶおぼえた

タミ・シェム=トヴ/[著] ・ 母袋 夏生/訳

岩波書店 (2011.1)

第2次大戦末期、ナチス支配下のオランダで、協力者にかくまわれて生き延びたユダヤ人少女リーネケの実話を、父親からの絵手紙を交えてつづる。家族と離れて、偽名でオランダ人として暮らす彼女の心情が、克明に描かれている。カラーで収録されたユーモアあふれる絵手紙からは、娘を気づかう父親の深い愛情が伝わってくる。(中学生から)

物語小学校中学年から

ドレミファ荘のジジルさん(ピピンとトムトム物語 [2])

たかどの ほうこ/作 ・ さとう あや/絵

理論社 (2011.1)

ピピンと同じアパートに住む老紳士ジジルさんは、どなりちらしたりめそめそしたり、日によって機嫌が大違い。ピピンとトムトムは、最上階のチェントさんや大家のドラさん・レミさんと協力して、その原因を探る。元気な少年たちが身近な謎をめぐって活躍する、探偵シリーズの2作目。言葉の響きに遊び心あふれる愉快な物語。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

教会ねずみとのんきなねこのメリークリスマス!

グレアム・オークリー/作・絵 ・ 三原 泉/訳

徳間書店 (2011.1)

教会にすむネズミたちと猫のサムソンは、クリスマスパーティーを計画しました。サムソンを景品にしたクジを売ったり、聖歌隊を結成したりで資金を稼ごうとしますが、騒ぎになってしまいます。細部までいきいきと描かれた絵は、聖夜を楽しもうと奮闘する様子を愉快に伝えます。1980年英国で刊行されたシリーズの改訳新版。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

あかいぼうしのゆうびんやさん(日本傑作絵本シリーズ)

ルース・エインズワース/さく ・ こうもと さちこ/やく え

福音館書店 (2011.1)

庭の動物や鳥たちが、郵便屋さんを決めることにしました。子ネコやリスが名乗りをあげますが、くしゃみや寄り道のせいで配達に失敗します。最後にコマドリがすばらしい郵便屋になり、赤い帽子をもらうまでをユーモラスに描きます。1987年刊の楽しいお話が改題され、色鮮やかな絵も加わって手に取りやすい絵本になりました。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

さあ、とんでごらん!

サイモン・ジェームズ/さく ・ 福本 友美子/やく

岩崎書店 (2011.1)

冬が近づき、小鳥のジョージも巣立つ時が来ましたが、甘えん坊の彼は飛ぼうとしません。そこに強い風が吹き、巣ごと飛ばされてしまいます。車の屋根や船の上などを転々とする巣に乗った小鳥と、彼を守る母鳥の姿にハラハラさせられます。巧みな構図と、柔らかな水彩のタッチの組み合わせで、親子の愛情を描いています。(幼児から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

どんどこどん(福音館の幼児絵本)

和歌山 静子/作

福音館書店 (2011.1)

芽が出て葉が伸びて、土の中でどんどこどんどこ、ニンジンが大きくなりました。青々と茂る葉の力強く描かれたページを縦にめくるたびに、イモや根菜の実る様子が縦長の画面に広がります。葉の色や形、地下の様子の種類ごとの違いにも目をひかれます。リズミカルな言葉の繰り返しが心地よく、野菜の生命力が伝わってきます。(赤ちゃんから)

物語小学校高学年から

つくろいものやはじめます(お江戸あやかし物語 [1])

水沢 いおり/作 ・ 石橋 富士子/絵

偕成社 (2011.1)

長い間使われた道具は、九十九(つくも)神というあやかしになります。古い裁縫箱から飛び出したあやかしたちが、花のお江戸でつくろいもの屋を開き、様々な困り事を解決します。まち針の「こまちねえさん」、糸切りばさみの「ちょきち」などの登場人物が、個性豊かで魅力的です。不思議な女の子が持ってきた布に天女の羽衣でつぎをあてるお話など、一冊に4つの短編が入っています。軽妙な言葉のやり取りが楽しく、ふんだんに使われた挿絵はお話の雰囲気に合っています。コラムや難しい言葉の解説からも庶民の暮らしぶりがよく分かります。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

小さなバイキングビッケ(評論社の児童図書館・文学の部屋)

ルーネル・ヨンソン/作 ・ エーヴェット・カールソン/絵

評論社 (2011.9)

バイキングの族長の息子ビッケは怖がりですが、とても賢い少年です。血気にはやる仲間たちが失敗して捕まると、ビッケは知恵を働かせて父親を救出し、さらに敵を言いくるめて魚1匹と宝物とを交換します。乱暴だけれど憎めない大人たちの姿も笑いをさそう、ユーモアあふれる冒険物語です。1974年刊の物語が改訳されました。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

きのこ -ふわり胞子の舞-(ふしぎいっぱい写真絵本 18)

埴 沙萠/写真・文

ポプラ社 (2011.9)

森に生えているキノコに光をあてると、煙のような胞子が出ているのがわかる。キノコは雨の時に元気になり、しずくを受けて胞子を噴き出したり、虫に運ばせたりしている。あまり知られていない、その不思議な生態を、写真家である著者が写しだす。ヒトヨタケなどのキノコから胞子が舞い散る様には、幻想的な美しさがある。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

おはなししましょう(日本傑作絵本シリーズ)

谷川 俊太郎/ぶん ・ 元永 定正/え

福音館書店 (2011.9)

鮮やかな黄や赤の地色に、様々な形や色のふきだしが描かれている。「どなりあったり」「みみうちしたり」という詩人の言葉を、とがった形や小さなふきだしの集まりで描き、会話の様子を表わしている。「てきとみかたになりたくないから はなしたいことはなしてみるよ」という一文に、対話することの大切さが込められている。(幼児から)

物語小学校高学年から

走れ!マスワラ

グザヴィエ=ローラン・プティ/作 ・ 浜辺 貴絵/訳

PHP研究所 (2011.9)

9歳の少女シサンダは心臓が弱く、たびたび発作におそわれていた。そこで彼女の母親は、俊足をいかして遠く離れた街のマラソン大会に出場し、優勝賞金で手術を受けさせようと決意する。アフリカの厳しい自然の中を、裸足で懸命に走る母の姿に胸を打たれる。ナイロビマラソンでの実話をもとにして書かれた、さわやかな物語。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

小公女(福音館古典童話シリーズ 41)

フランシス・ホジソン・バーネット/作 ・ 高楼 方子/訳

福音館書店 (2011.9)

ロンドンの学校の特別寄宿生であるセーラは、空想好きな優しい少女でした。しかし、裕福な父親が破産して亡くなった後は、下働きとして扱われます。100年間読みつがれてきた名作を、児童文学作家が読みやすく、原作に忠実に翻訳した完訳版。苦しい日々を想像力で耐え、高潔な心を失わなかった少女の姿が胸に迫ります。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

おばあちゃんのおはぎ(クローバーえほんシリーズ)

野村 たかあき/作・絵

佼成出版社 (2011.9)

秋のお彼岸になりました。きりちゃんはおばあちゃんに、お供えのおはぎの作り方を教わります。近所の親戚におすそ分けするなど、家族で過ごすお彼岸の様子が、水彩で色づけされた温かみのある版画で描かれています。おはぎとぼたもちの呼び名の違いやお墓参りなど、日本の伝統についても知ることができる絵本です。(幼児から)

知識の本小学校高学年から

カモのきょうだいクリとゴマ

なかがわ ちひろ/作・絵 ・ 中村 玄/写真

アリス館 (2011.9)

息子のゲンが、雨で流されたカルガモの巣から卵を拾ってきた。著者一家は卵をふ化させ、自然に返そうと奮闘する。怖がりのクリとのんびりやのゴマの性格の違いや、カルガモの生態が、易しい文章と愛らしい写真や挿絵で紹介され興味深い。人間を親だと思い甘えてくる野鳥と節度を保って向き合う、著者の姿勢に好感が持てる。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

ぼくらは闘牛小学生! -牛太郎とともに、中越地震から立ちあがった子どもたち-(感動ノンフィクション)

堀米 薫/文

佼成出版社 (2011.8)

小千谷市の東山小学校では、伝統文化である闘牛に参加するために、牛太郎と名づけて牛を飼いはじめた。そんな中、中越地震が起こる。被災した児童が、再び闘牛に取り組み、震災後の苦難を乗り越えていく様子を写真を交えて紹介する。子どもたちと牛太郎がともに成長していく姿が生き生きと描かれており、勇気づけられる。(小学校中学年から)

物語中学生から

がんばっ!卓球部

横沢 彰/作 ・ 小松 良佳/絵

新日本出版社 (2011.8)

中学1年生の拓は、倉庫に追いやられた弱小男子卓球部に入部することになる。不良の先輩に貴重な練習場所をのっとられたり、体育館での練習をかけた女子部との対決に惨敗したりと、男子卓球部5名はどこまでも冴えない。勝ち負けよりも好きだから卓球をするという部長の信念に引っ張られ、まとまりのなかった部員たちが同じ目標に向かって練習に取り組むようになる様子を、素直な文章でユーモラスに描いている。周囲からバカにされても、なりふり構わず卓球に打ち込み、大会で善戦するまでに成長した彼らの姿に、胸が熱くなる。(中学生から)

物語小学校高学年から

帰命寺横丁の夏

柏葉 幸子/作 ・ 佐竹 美保/絵

講談社 (2011.8)

5年生の和弘は夜中に、家から白い着物の少女が出て行くのを見た。翌日その子が教室にいて驚くが、皆は前からクラスにいたと言う。彼は不審に思い調べるうちに、祈ると死者が生き返る「帰命寺様」の謎を知る。仲良くなった少女を守るため、ひたむきに頑張る少年の姿をいきいきと描く。作中小説が出てくる構成も興味深い。(小学校高学年から)

物語中学生から

ウィッシュ -願いをかなえよう!-

フェリーチェ・アリーナ/作 ・ 横山 和江/訳

講談社 (2011.8)

16歳の誕生日、ダウン症のセブは、100機の飛行機に願いをかける方法を弟から聞いた。骨髄移植が必要な母を助けたいと、彼は家を出て空港に向かう。オーストラリアの内陸部から遠い街まで、見知らぬ人の助けを借りつつ旅したてん末を、途中で友達になったジャックらが語る。純粋で一途な願いを、温かい筆致で描いている。(中学生から)

物語小学校低学年から

赤ちゃんおばけベロンカ

クリスティーネ・ネストリンガー/作 ・ フランツィスカ・ビアマン/絵

偕成社 (2011.8)

こわがりのヨッシーは、自分をばかにする妹をおどかそうと、おばけの人形を作りました。すると、それが本物の赤ちゃんおばけになって動き出し、泣いたりわがままを言ったりと大騒ぎします。ベロンカと関わるうちに、兄妹が心を通わせるようになるまでをユーモラスに描きます。おさえた色調の挿絵が物語をひきたてています。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

パンプキン! -模擬原爆の夏-

令丈 ヒロ子/作 ・ 宮尾 和孝/絵

講談社 (2011.7)

戦争末期、核物質の入っていない模擬原爆「パンプキン」が、日本各地に投下された。大阪に住む小学5年生のヒロカは、自宅近くにも落とされていたと知り、いとこや祖父の助けを借りて模擬原爆について調べ始める。戦争を自分の身近な場所で起こった出来事として気付いてゆく少女の姿を、大阪弁の会話でテンポ良く描き出す。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ペテフレット荘のプルック 下 とんでけ、空へ

アニー・M.G.シュミット/作 ・ フィープ・ヴェステンドルプ/絵

岩波書店 (2011.7)

小さな赤いクレーン車に乗った男の子プルックは、ペテフレット荘の塔の部屋に住み始める。親切なハトのドリー、本屋のペンおじさん、賢いゴキブリのザザなどに出会い、助け合いながらにぎやかに暮らす様子を愉快に描く。ふんだんに使われた明るい色調の挿絵も楽しい。1971年にオランダで出版され、今も愛読されている物語。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

ペテフレット荘のプルック 上 あたらしい友だち

アニー・M.G.シュミット/作 ・ フィープ・ヴェステンドルプ/絵

岩波書店 (2011.7)

小さな赤いクレーン車に乗った男の子プルックは、ペテフレット荘の塔の部屋に住み始める。親切なハトのドリー、本屋のペンおじさん、賢いゴキブリのザザなどに出会い、助け合いながらにぎやかに暮らす様子を愉快に描く。ふんだんに使われた明るい色調の挿絵も楽しい。1971年にオランダで出版され、今も愛読されている物語。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

教会ねずみとのんきなねこ

グレアム・オークリー/作・絵 ・ 三原 泉/訳

徳間書店 (2011.7)

ネズミのアーサーは、ネコのサムソンと教会で仲良く暮らしていました。退屈したアーサーは、町に住む仲間を教会に呼び寄せますが、それを寝ぼけたサムソンが追いかけ、大騒ぎになってしまいます。のんきなネコとにぎやかなネズミたちの活躍を、細部まで描かれた絵で、ユーモアたっぷりに伝えています。1972年刊の改訳新版。(小学校低学年から)

知識の本中学生から

戦争を取材する -子どもたちは何を体験したのか-(世の中への扉)

山本 美香/著

講談社 (2011.7)

ウガンダの元少年兵が、リハビリセンターで人間らしい感情を取り戻していく様子など、子どもへの直接取材をもとに世界各地の紛争の状況を紹介する。紛争の原因やそれが続いている理由についてもまとめられており、解決には相互理解が大切であると訴えている。子どもたちの気持ちをぜひ伝えたいという著者の想いが胸に迫る。(中学生から)

知識の本小学校低学年から

オランウータンに会いに行く

横塚 眞己人/[作]

偕成社 (2011.7)

熱帯雨林で野生のオランウータンに会うのが夢だった著者は、東南アジアのボルネオ島に向かう。自ら70メートルを超える大木に登り、そこで暮らすオランウータンや様々な生きもの、それをとりまく豊かな自然を写真で紹介する。訓練をして何度も木に登り、観察を続けた著者の文章はわかりやすく、自然への愛情が伝わってくる。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

盆まねき

富安 陽子/作 ・ 高橋 和枝/絵

偕成社 (2011.7)

お盆に田舎に帰るたびに祖父たちがほら話をしてくれるのを、なっちゃんは楽しみにしている。小学3年生の夏に聞いた、字を書くナメクジやカッパの宝物の話には、祖父の戦死した兄が登場する。その年の盆踊りの日に彼女は不思議な体験をした。著者の思い出をもとに書かれた幻想的な物語には、平和への願いがこめられている。(小学校高学年から)

物語中学生から

バタシー城の悪者たち(「ダイドーの冒険」シリーズ)

ジョーン・エイキン/作 ・ こだま ともこ/訳

冨山房 (2011.7)

19世紀のロンドン、身寄りのない少年サイモンは絵を学びにやってきた。だが、下宿先のトワイト夫妻が国王を亡き者にしようと企む悪党の一味だと気づき、口封じに誘拐されてしまう。心優しい少年が、勝気な少女ダイドーや仲間たちと、陰謀を阻止しようと奮闘する姿を痛快に描く。「ダイドーの冒険」シリーズ2作目の改訳新版。(中学生から)

物語小学校中学年から

われらがヴィンニ(ヴィンニ! 4)

ペッテル・リードベック/作 ・ 菱木 晃子/訳

岩波書店 (2011.6)

小学3年生のヴィンニのクラスでは、1人ずつ「ひみつの友だち」を決めてその子に特別に親切にすることになった。彼女は自分の名前が書いてあるくじを引いたので、自分自身に親切にすることにした。父親の取材旅行に同行しイタリアを訪れたり、臨時の先生に男の子と間違えられ傷ついたりと、スウェーデンの元気な女の子の日常生活をユーモラスに描く。離婚した両親、ボーイフレンド、先生など、個性的で味わい深い登場人物も魅力的だ。シンプルでさわやかな印象の挿絵も物語とあっている。『日曜日島のパパ』を含め、全4作のシリーズ。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

ヴィンニイタリアへ行く(ヴィンニ! 3)

ペッテル・リードベック/作 ・ 菱木 晃子/訳

岩波書店 (2011.6)

小学3年生のヴィンニのクラスでは、1人ずつ「ひみつの友だち」を決めてその子に特別に親切にすることになった。彼女は自分の名前が書いてあるくじを引いたので、自分自身に親切にすることにした。父親の取材旅行に同行しイタリアを訪れたり、臨時の先生に男の子と間違えられ傷ついたりと、スウェーデンの元気な女の子の日常生活をユーモラスに描く。離婚した両親、ボーイフレンド、先生など、個性的で味わい深い登場人物も魅力的だ。シンプルでさわやかな印象の挿絵も物語とあっている。『日曜日島のパパ』を含め、全4作のシリーズ。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

ヴィンニとひみつの友だち(ヴィンニ! 2)

ペッテル・リードベック/作 ・ 菱木 晃子/訳

岩波書店 (2011.6)

小学3年生のヴィンニのクラスでは、1人ずつ「ひみつの友だち」を決めてその子に特別に親切にすることになった。彼女は自分の名前が書いてあるくじを引いたので、自分自身に親切にすることにした。父親の取材旅行に同行しイタリアを訪れたり、臨時の先生に男の子と間違えられ傷ついたりと、スウェーデンの元気な女の子の日常生活をユーモラスに描く。離婚した両親、ボーイフレンド、先生など、個性的で味わい深い登場人物も魅力的だ。シンプルでさわやかな印象の挿絵も物語とあっている。『日曜日島のパパ』を含め、全4作のシリーズ。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

いちばんでんしゃのしゃしょうさん

たけむら せんじ/ぶん ・ おおとも やすお/え

福音館書店 (2011.6)

車掌のやまなかさんは3時半に起きます。今日の天気と注意事項を確認し、時計の時刻を合わせます。始発電車に乗り込み、安全に気を配りながら東京駅を目指す車掌の仕事を、時間に沿って描く絵本です。電車の装置などが分かりやすく説明されており、柔らかい色調の絵も親しみやすく、車掌の仕事の楽しさが伝わってきます。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

カメレオンのレオン -つぎつぎとへんなこと-

岡田 淳/作

偕成社 (2011.6)

小学校にペンギンや校長先生のそっくりさんなどが次々と現れた。町でも騒ぎが広がりだした頃、3年生のアリサの前に、別世界から来た探偵、カメレオンのレオンが現れる。2人が協力して事件を解決するまでを軽妙に描く。町中で起こる奇想天外なできごとがユーモラスで、著者による挿絵も遊び心があり話によく合っている。(小学校中学年から)

物語中学生から

どんまい!卓球部

横沢 彰/作 ・ 小松 良佳/絵

新日本出版社 (2011.5)

中学1年生の拓は、倉庫に追いやられた弱小男子卓球部に入部することになる。不良の先輩に貴重な練習場所をのっとられたり、体育館での練習をかけた女子部との対決に惨敗したりと、男子卓球部5名はどこまでも冴えない。勝ち負けよりも好きだから卓球をするという部長の信念に引っ張られ、まとまりのなかった部員たちが同じ目標に向かって練習に取り組むようになる様子を、素直な文章でユーモラスに描いている。周囲からバカにされても、なりふり構わず卓球に打ち込み、大会で善戦するまでに成長した彼らの姿に、胸が熱くなる。(中学生から)

物語小学校低学年から

おとうさんの手(どうわがいっぱい 80)

まはら 三桃/作 ・ 長谷川 義史/絵

講談社 (2011.5)

私のお父さんは目が見えません。でも、お父さんは給食のにおいで私を、足音でお母さんの帰りを、空気の重さで天気をというように、周りのことを感じとっています。そんなお父さんのことが大好きな少女の気持ちが、2人のやりとりで味わい深く描かれます。余白を生かした簡潔な挿絵も、物語の静かな雰囲気に合っています。(小学校低学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

私は海人(うみんちゅ)写真家 -古谷千佳子-(ノンフィクション・生きるチカラ 7)

古谷 千佳子/著

岩崎書店 (2011.5)

沖縄の海に魅せられた著者は、移住して漁師になる。だが、沖縄の漁師・海人の生き様に、人間の暮らしの原点があると気付き、それを表現するため写真家に転身する。捕らえた魚を食べ、命の尊さを実感するなど、彼女の強い感受性が印象的だ。著者が伝える人々の暮らしは人間味豊かで、自然との共生について考えさせられる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ピッグル・ウィッグルおばさんの農場(岩波少年文庫 205)

ベティ・マクドナルド/作 ・ 小宮 由/訳

岩波書店 (2011.5)

ピッグル・ウィッグルおばさんの農場には、困った癖をもつ子どもが預けられる。ペットの世話を忘れるレベッカは、おばさんの帰りが遅くなった日に、お腹のすいたペットの気持ちを痛感した。何事もおおらかに受けとめるおばさんのもとで、子どもたちの癖が直っていく様子を愉快に描く。『ピグルウィグルおばさん』の続編。(小学校高学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

こちょこちょ(0.1.2.えほん)

福知 伸夫/さく

福音館書店 (2011.5)

おすまし顔のネコがいます。でもページをめくると、くすぐられ、ひっくり返って大笑いしています。カエルやニワトリも、すました姿とひっくり返った様子が描かれ、変化が楽しめる絵本です。力強い線と明るい色で表現された版画の絵は迫力があり、笑い声が聞こえてきそうです。子どもと一緒にくすぐり遊びをしたくなります。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話幼児から

みんなでせんたく(世界傑作絵本シリーズ)

フレデリック・ステール/さく ・ たなか みえ/やく

福音館書店 (2011.5)

エレナが川辺で遊んでいると、ネズミや親子のアライグマがやってきて洗濯を始めました。まねして着ていたものを洗うエレナに、動物たちがせっけんや道具を貸してくれます。干している間に、皆で一列になって体を洗う様子が楽しそうです。歌いながら洗濯する少女と動物たちのおおらかな様子が、明るい色調で描かれています。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

たかこ(絵本・こどものひろば)

清水 真裕/文 ・ 青山 友美/絵

童心社 (2011.4)

ぼくのクラスに、着物を着た髪の長い女の子、たかこが転校してきた。彼女は平安貴族のように扇で顔を隠したり、「いと はづかし」と言ったり、ぼくたちとは少し違っていた。風変わりな転校生がクラスに受け入れられる様子を、ユーモラスに描く。色鮮やかでくっきりした絵が、現実離れしたお話をいきいきと表現している。(小学校低学年から)

物語中学生から

ふぁいと!卓球部

横沢 彰/作 ・ 小松 良佳/絵

新日本出版社 (2011.4)

中学1年生の拓は、倉庫に追いやられた弱小男子卓球部に入部することになる。不良の先輩に貴重な練習場所をのっとられたり、体育館での練習をかけた女子部との対決に惨敗したりと、男子卓球部5名はどこまでも冴えない。勝ち負けよりも好きだから卓球をするという部長の信念に引っ張られ、まとまりのなかった部員たちが同じ目標に向かって練習に取り組むようになる様子を、素直な文章でユーモラスに描いている。周囲からバカにされても、なりふり構わず卓球に打ち込み、大会で善戦するまでに成長した彼らの姿に、胸が熱くなる。(中学生から)

物語小学校低学年から

スタンプに来た手紙(チュウチュウ通り 10番地)

エミリー・ロッダ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

あすなろ書房 (2011.4)

チュウチュウ通り1番地に住むお金持ちネズミのゴインキョは、金色のチーズを山のように持っています。ある日、ガードマンのふりをした3匹のドブネズミに、大切なチーズをそっくり盗まれそうになりますが、家なしネズミのバートの機転で難を逃れます。ハツカネズミの町の、個性的で愛らしい住人たちがおりなす、ほほえましい物語です。大きな活字で読みやすく、全ページに描かれた表情豊かなカラー挿絵が、お話をひきたてています。1番地から10番地を舞台に、シリーズ全10冊で刊行されています。見開きにはチュウチュウ通りの地図つき。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

ぼくもおにいちゃんになりたいな

アストリッド・リンドグレーン/文 ・ イロン・ヴィークランド/絵

徳間書店 (2011.4)

お兄ちゃんになりたいペーテルに妹ができました。最初は喜んでいたものの、両親が生まれた赤ん坊にかかりきりで、面白くありません。子どもが新しい家族を受け入れ、成長する様子を鮮やかな色彩で描きます。母親が男の子の気持ちを受けとめ、優しく抱きしめる姿が印象的です。1978年に出版されたスウェーデンの絵本の改訳。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ハスの花の精リアン

チェン ジャンホン/作・絵 ・ 平岡 敦/訳

徳間書店 (2011.4)

漁師のローおじさんがまいたハスの種は大きな花を咲かせ、中からかわいい女の子リアンが出てきました。リアンの魔法でローは豊かになりますが、欲深い王に捕まってしまいます。中国出身の作者が、水墨画を思わせる筆の描線に鮮やかな色彩を加え、躍動感のある場面を描きだしています。小さな花の精が活躍する姿が痛快です。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

セーラと宝の地図(チュウチュウ通り 9番地)

エミリー・ロッダ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

あすなろ書房 (2011.3)

チュウチュウ通り1番地に住むお金持ちネズミのゴインキョは、金色のチーズを山のように持っています。ある日、ガードマンのふりをした3匹のドブネズミに、大切なチーズをそっくり盗まれそうになりますが、家なしネズミのバートの機転で難を逃れます。ハツカネズミの町の、個性的で愛らしい住人たちがおりなす、ほほえましい物語です。大きな活字で読みやすく、全ページに描かれた表情豊かなカラー挿絵が、お話をひきたてています。1番地から10番地を舞台に、シリーズ全10冊で刊行されています。見開きにはチュウチュウ通りの地図つき。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

チビ虫マービンは天才画家!

エリース・ブローチ/作 ・ ケリー・マーフィー/絵

偕成社 (2011.3)

甲虫(こうちゅう)のマービンは、ジェームズ少年の家に住みついている。マービンが前足で描いた絵を、大人達はジェームズが描いたと思い込み、天才だと大騒ぎする。大画家デューラーの絵画盗難事件を通して、虫と人間とが友情を育んでいく様子をさわやかに描く。内気なジェームズが、前向きに変わっていく姿が共感をよぶ。(小学校高学年から)

物語中学生から

最果てのサーガ 4 火の時

リリアナ・ボドック/著 ・ 中川 紀子/訳

PHP研究所 (2011.3)

アルゼンチン出身の著者が、南米の先住民の神話や文化を題材に、生き物と闇(やみ)の力との壮絶な戦いを描いた長編ファンタジー。虚無の王ミサイアネスは、「肥沃(ひよく)な土地」の生き物全てを滅ぼそうと軍勢を送り込んだ。それを知った「肥沃な土地」では、様々な部族が集結し立ち上がる。しかし、権力への野心から仲間を裏切る者があらわれ、苦しい戦いをしいられる。「最果て」より召集された戦士ドゥルカンセリンやその息子トゥングル、元旅芸人のククブが、過酷な運命に立ち向かい、愛するもののため懸命に戦う姿に胸をうたれる。(中学生から)

物語中学生から

最果てのサーガ 3 泥の時

リリアナ・ボドック/著 ・ 中川 紀子/訳

PHP研究所 (2011.3)

アルゼンチン出身の著者が、南米の先住民の神話や文化を題材に、生き物と闇(やみ)の力との壮絶な戦いを描いた長編ファンタジー。虚無の王ミサイアネスは、「肥沃(ひよく)な土地」の生き物全てを滅ぼそうと軍勢を送り込んだ。それを知った「肥沃な土地」では、様々な部族が集結し立ち上がる。しかし、権力への野心から仲間を裏切る者があらわれ、苦しい戦いをしいられる。「最果て」より召集された戦士ドゥルカンセリンやその息子トゥングル、元旅芸人のククブが、過酷な運命に立ち向かい、愛するもののため懸命に戦う姿に胸をうたれる。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

はるがきた(主婦の友はじめてブック)

ジーン・ジオン/文 ・ マーガレット・ブロイ・グレアム/絵

主婦の友社 (2011.3)

春がなかなか来ないので街は灰色です。そこで皆でビルやお店の壁などに、花や鳥の絵を描きました。ところがその晩、絵を流すほどの激しい雨が降り、それがきっかけで本当に春が訪れます。黄や緑や青の彩色が増えるたび、にぎやかになっていく様子が楽しい絵本です。新しい季節を待ち望む気持ちを生き生きと描いています。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ねむれないふくろうオルガ

ルイス・スロボドキン/作 ・ 三原 泉/訳

偕成社 (2011.2)

フクロウの子ども、オルガは眠れなくて困っています。長老様に尋ねに行ったり、シマリスやアオカケスの眠り方を教えてもらったりしても、やはり眠れません。素直なオルガが、ツグミに薦められた方法で眠れるようになるまでを、明るい色彩の絵で描きます。悩みを一緒に考えてくれる友だちの親切さが、読み手の心に伝わります。(幼児から)

物語小学校低学年から

木いちごの王さま

サカリアス・トペリウス/原作 ・ きしだ えりこ/文

集英社 (2011.2)

テッサとアイナは、木イチゴから出てきた小さな虫を逃がしてやります。その後、森で迷子になった2人の前に、どこからともなく食べ物やベッドが出てきますが、それは木イチゴの王さまの恩返しでした。明るい色彩の絵で実り豊かな森の様子が伝わります。長年親しまれたフィンランドの物語が、新しい挿絵でよみがえりました。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

みてよぴかぴかランドセル(ランドセルブックス)

あまん きみこ/文 ・ 西巻 茅子/絵

福音館書店 (2011.2)

赤いランドセルを買ってもらったかこちゃんは、誰かに見せたくて野原に行きます。出会った動物の子たちにランドセルを貸してあげますが、ネズミの子には大きすぎて、背負えません。そこでネズミのお母さんが、いいことを思いつきました。新しい生活に向かう幼い子どもの期待や誇らしい気持ちを、優しい色づかいで描きます。(幼児から)

物語中学生から

羽州ものがたり(カドカワ銀のさじシリーズ)

菅野 雪虫/[著]

角川書店 (2011.1)

村長の娘ムメと孤独な少年カラスは、貴族の息子春名丸が川でおぼれているのを助けた。彼らは仲良くなるが、成長してそれぞれの道を歩みだす。878年元慶の乱が起きた東北を舞台に、再会した3人が立場の違いを越えて、乱を収束させようとする懸命な様子を丁寧に描く。その姿から、自ら考え行動することの大切さが伝わってくる。(中学生から)

物語小学校低学年から

マージともう一ぴきのマージ(チュウチュウ通り 8番地)

エミリー・ロッダ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

あすなろ書房 (2011.1)

チュウチュウ通り1番地に住むお金持ちネズミのゴインキョは、金色のチーズを山のように持っています。ある日、ガードマンのふりをした3匹のドブネズミに、大切なチーズをそっくり盗まれそうになりますが、家なしネズミのバートの機転で難を逃れます。ハツカネズミの町の、個性的で愛らしい住人たちがおりなす、ほほえましい物語です。大きな活字で読みやすく、全ページに描かれた表情豊かなカラー挿絵が、お話をひきたてています。1番地から10番地を舞台に、シリーズ全10冊で刊行されています。見開きにはチュウチュウ通りの地図つき。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

スティーヴィーのこいぬ

マイラ・ベリー・ブラウン/文 ・ ドロシー・マリノ/絵

あすなろ書房 (2011.1)

幼いスティーヴィーはある朝、庭で子犬を見つけました。うれしくて世話をしようとしますが、犬を飼ったことがないのでうまくいきません。日常生活のなかの特別なできごとを子どもの目線でとらえ、読み手の共感を呼びます。柔らかい線と落ち着いた色合いの絵で、動物をかわいがる子どもの様子を温かく描き出します。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

おまじないのてがみ(わくわくえどうわ)

赤羽 じゅんこ/作 ・ 石井 勉/絵

文研出版 (2011.1)

柚葉(ゆずは)は、夏休みを田舎でおばあちゃんと過ごした。新学期、友達から仲間はずれにされたと悩む柚葉に、おばあちゃんは手紙でユーモラスな自作のおまじないを教えてくれる。祖母のメッセージからは、前向きに行動することの大切さが伝わってくる。子どもの心に寄り添うような、温かみのある文章で描かれた幼年童話。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

アーベルチェの冒険(岩波少年文庫 202)

アニー・M.G.シュミット/作 ・ 西村 由美/訳

岩波書店 (2011.1)

14歳の少年アーベルチェが案内係を勤めるエレベーターが、3人のお客を乗せたまま空へ飛び出した。外国に行き着いた彼らは、金持ちの息子に間違えられたり、革命騒ぎに巻き込まれたりする。不思議なエレベーターに乗り合わせた人々が、言葉も通じない国で出会う騒動を軽妙に描く。1953年に出版されたオランダの物語。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

パンツのはきかた(福音館の幼児絵本)

岸田 今日子/さく ・ 佐野 洋子/え

福音館書店 (2011.1)

子ブタが一人でパンツをはきます。まずは座り込んで、片足ずついれたら、腰のゴムをひっぱりあげます。おすまし顔でがんばりますが、うまくはけるでしょうか。つたない手つきでパンツをはく姿を、やさしいタッチの絵でおおらかに描きます。リズムの良い文章を歌にした楽譜が掲載され、歌いながら読むこともできる絵本です。(幼児から)

物語小学校高学年から

ミンティたちの森のかくれ家(Modern Classic Selection 7)

キャロル・ライリー・ブリンク/著 ・ 谷口 由美子/訳

文溪堂 (2011.1)

ミンティ一家は商売に失敗し伯母の家へ向かう途中、車が立ち往生し、近くの空き家に無断で住むことにした。生真面目な彼女は、何とかして家の借り賃を払おうと努力する。家族が協力して、苦境を乗り越えていく姿をゆったりとしたテンポで描く。1930年代のアメリカ、ウィスコンシンの豊かな自然も物語に彩りを添えている。(小学校高学年から)

物語中学生から

最果てのサーガ 2 影の時

リリアナ・ボドック/著 ・ 中川 紀子/訳

PHP研究所 (2011.1)

アルゼンチン出身の著者が、南米の先住民の神話や文化を題材に、生き物と闇(やみ)の力との壮絶な戦いを描いた長編ファンタジー。虚無の王ミサイアネスは、「肥沃(ひよく)な土地」の生き物全てを滅ぼそうと軍勢を送り込んだ。それを知った「肥沃な土地」では、様々な部族が集結し立ち上がる。しかし、権力への野心から仲間を裏切る者があらわれ、苦しい戦いをしいられる。「最果て」より召集された戦士ドゥルカンセリンやその息子トゥングル、元旅芸人のククブが、過酷な運命に立ち向かい、愛するもののため懸命に戦う姿に胸をうたれる。(中学生から)

物語中学生から

最果てのサーガ 1 鹿の時

リリアナ・ボドック/著 ・ 中川 紀子/訳

PHP研究所 (2011.1)

アルゼンチン出身の著者が、南米の先住民の神話や文化を題材に、生き物と闇(やみ)の力との壮絶な戦いを描いた長編ファンタジー。虚無の王ミサイアネスは、「肥沃(ひよく)な土地」の生き物全てを滅ぼそうと軍勢を送り込んだ。それを知った「肥沃な土地」では、様々な部族が集結し立ち上がる。しかし、権力への野心から仲間を裏切る者があらわれ、苦しい戦いをしいられる。「最果て」より召集された戦士ドゥルカンセリンやその息子トゥングル、元旅芸人のククブが、過酷な運命に立ち向かい、愛するもののため懸命に戦う姿に胸をうたれる。(中学生から)

物語小学校低学年から

がっこうかっぱのイケノオイ

山本 悦子/作 ・ 市居 みか/絵

童心社 (2010.12)

ぼくと友達のアンドレくんは、学校の池でカエルぐらいの大きさのカッパを見つけた。「イケノオイ」と名づけて家に連れて帰るが、元気がなくなってしまう。学校から流れてくるいろいろな音を聞くのが好きでいつも踊っているカッパと、子どもたちとの心の交流を描く。ユーモラスな挿絵が、陽気な話の雰囲気をよく伝えている。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

土曜日はお楽しみ(岩波少年文庫 201)

エリザベス・エンライト/作 ・ 谷口 由美子/訳

岩波書店 (2010.12)

メレンディ家の4人兄弟は、毎週土曜にもらうお小遣いをまとめて、順番に一人で全部使うことにした。絵の好きな次女は美術館に出かけ、6歳の末っ子はサーカスを見に行く。第2次大戦下のニューヨークで、お父さんや家政婦さんと助け合って暮らす、個性豊かな子どもたちの冒険をいきいきと描く。著者による挿絵も魅力的。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

おじいちゃんが、わすれても…(ノベルズ・エクスプレス 10)

大塚 篤子/作 ・ こころ 美保子/絵

ポプラ社 (2010.12)

テニスに夢中な5年生の杏(もも)の心配事は、テニスを教えてくれたおじいちゃんが認知症になったことだ。念願の大会前日に祖父が行方不明になり、杏は一人で探しに行く。大切な人が変わっていくことに戸惑いながらも、寄り添おうとする少女や家族の姿を温かく描く。何事もあきらめない主人公のねばり強さが胸にひびく。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

うさぎの庭(スプラッシュ・ストーリーズ 9)

広瀬 寿子/作 ・ 高橋 和枝/絵

あかね書房 (2010.11)

小学4年生の修は、親が厳しく、ペットのウサギにしか気持ちを話せない。しかし、同級生の紹介で知り合ったおばあさんの話を聞くうちに、少しずつ自分の意見を口に出せるようになる。認められることで、人と向き合えるようになっていく少年の姿を、淡々とした筆致で描く。成長した少年が見せる優しさがすがすがしい。(小学校中学年から)

物語中学生から

クロティの秘密の日記(くもんの海外児童文学)

パトリシア・C.マキサック/作 ・ 宮木 陽子/訳

くもん出版 (2010.11)

クロティは農園で暮らす12歳の奴隷だ。主人の息子が勉強する間、うちわであおぐ係をして読み書きを覚えたが、見つかると罰をうけるので秘密にしている。南北戦争の頃、奴隷の逃走を手助けしていた女性の実話をもとに、支配される人々の日常を少女の日記の形でつづる。自由に生きたいという少女の切実な願いが伝わってくる。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

おかあさんは、なにしてる?

ドロシー・マリノ/作・絵 ・ こみや ゆう/訳

徳間書店 (2010.11)

ジョゼフが幼稚園で絵を描いている時、お母さんは台所でペンキ塗りをし、ニナが学校で花の水やりをしている時、二ナのお母さんは庭仕事をしています。休みの日には、家族でピクニックや映画を楽しみます。働くお母さんと子どもたちの日常を、黒の線画にオレンジと青で彩色をして、のびのびと表情豊かに紹介しています。(幼児から)

物語小学校中学年から

ゾウになった赤ちゃん(岩波少年文庫 169)

ジョーン・エイキン/作 ・ 猪熊 葉子/訳

岩波書店 (2010.11)

アーミテージ夫人は海辺で拾った石に、「これからずっと、退屈しませんように」と願ってみた。ところがそれが本当に願いのかなう石だったので、一家には毎週驚くべきことが起こるようになる。庭に100頭ものユニコーンが現れたり、夫妻が魔法でテントウムシに変えられたり。次々と起こる奇想天外な出来事に、隣の魔女に魔術の手ほどきを受けたマークとハリエットの兄妹が、あわてずに対処する様子をユーモラスに描く。1978年刊の『とんでもない月曜日』に未邦訳作品を加え、アーミテージ一家のおはなし全24編を3冊にまとめた連作短編集。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

レトロと謎のボロ車(チュウチュウ通り 7番地)

エミリー・ロッダ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

あすなろ書房 (2010.11)

チュウチュウ通り1番地に住むお金持ちネズミのゴインキョは、金色のチーズを山のように持っています。ある日、ガードマンのふりをした3匹のドブネズミに、大切なチーズをそっくり盗まれそうになりますが、家なしネズミのバートの機転で難を逃れます。ハツカネズミの町の、個性的で愛らしい住人たちがおりなす、ほほえましい物語です。大きな活字で読みやすく、全ページに描かれた表情豊かなカラー挿絵が、お話をひきたてています。1番地から10番地を舞台に、シリーズ全10冊で刊行されています。見開きにはチュウチュウ通りの地図つき。(小学校低学年から)

物語中学生から

遠い親せき

ウーリー・オルレブ/作 ・ 母袋 夏生/訳

岩波書店 (2010.11)

ウーリーとイグアルはイスラエルの施設で暮らす孤児の兄弟だ。ホロコースト生存者リストで名前を見た遠縁のおじから手紙が届き、お金のない2人は、夜中に牛乳運搬車に便乗して会いに行く。少年の無茶な行動から、家庭の温もりを求める一途な気持ちが伝わってくる。気丈な兄とやんちゃな弟のやりとりがほほえましい物語。(中学生から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

アラスカ無人島だより

松本 紀生/著

教育出版 (2010.11)

雪と氷の印象が強いアラスカだが、夏には太陽が照り、様々な動物が盛んに活動する。著者は現地の無人島でキャンプをし、時々来る観光客たちと触れ合いながら、その自然を写真に収めた。ふかふかのコケでおおわれた森や、呼吸の際に出る泡を利用してニシンを捕まえるクジラなど、緑豊かで生命あふれる自然の様子に驚かされる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

どろんこのおともだち

バーバラ・マクリントック/作 ・ 福本 友美子/訳

ほるぷ出版 (2010.1)

シャーロットのもとに、ドレスを着たフランス人形が届けられました。おてんばなシャーロットは、さっそくお人形を外に連れ出して、泥のケーキを作ったり、木登りをしたりします。遊ぶうちに人形の表情もいきいきと変化していき、楽しさが読み手に伝わります。上品で古典的な雰囲気の絵が、物語を印象的なものにしています。(幼児から)

物語小学校低学年から

もりのたいしょうははりねずみ

モーラ・フェレンツ/さく ・ レイク・カーロイ/え

偕成社 (2010.1)

小鳥から「森の大将はハリネズミ」と言われて、腹を立てたクマはハリネズミを探しました。ハリネズミはクマをだまし、自分の方が強いと信じさせます。小さな動物が知恵を使い、大きいものを出し抜くさまが痛快です。温かい色彩の挿絵や陽気な小鳥の会話からゆかいな森の様子が伝わってくる、ハンガリーのやさしいお話です。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

チポリーノの冒険(岩波少年文庫 200)

ジャンニ・ロダーリ/作 ・ 関口 英子/訳

岩波書店 (2010.1)

野菜と果物の国にすむ玉ねぎ坊やチポリーノの父さんが、無実の罪で捕らわれてしまった。父を救い出すために旅に出たチポリーノは、ブドウ親方やサクランボ坊やといった個性豊かな仲間とともに、横暴なレモン大公をこらしめる。賢い少年の痛快な活躍を描いた、ユーモラスな挿絵も楽しいイタリアの物語。1956年刊の改訳新版。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

バンビ -森の、ある一生の物語-(岩波少年文庫 199)

フェーリクス・ザルテン/作 ・ 上田 真而子/訳

岩波書店 (2010.1)

子鹿のバンビは、草原で遊び、森の仲間たちとふれ合いながら暮らしていた。ある日母親とはぐれ、年老いた鹿と出会ったバンビは、生きるためには孤独に耐えなければならないと諭される。厳しい自然の中で生きる動物の一生が詩情豊かにつづられ、細密な線画の挿絵も、物語をひきたてている。長年読み継がれてきた名作の新訳。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

犬どろぼう完全計画

バーバラ・オコーナー/作 ・ 三辺 律子/訳

文溪堂 (2010.1)

突然父が家を出て行き、ジョージナは母や弟と車の中で暮らすことになった。お風呂にも入れない生活から抜け出すため、彼女は謝礼金目当てに他人の飼い犬をさらってしまう。多感な少女が、悩みながらも自分のしたことに決着をつけるまでを、さわやかに描く。少女の書く計画ノートからは、気持ちの変化がよく伝わってくる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ベンジーのもうふ

マイラ・ベリー・ブラウン/文 ・ ドロシー・マリノ/絵

あすなろ書房 (2010.1)

幼いベンジーは、赤ちゃんの時に使っていた毛布が大好きで、ボロボロになっても持ち歩いています。けれど、隣の子ネコが鳴きやまないことを知ったベンジーは、いいことを思いつきました。温かみのあるオレンジと黒の2色で、豊かな表情を描き出しています。自分が成長したことに気付いた子どもの誇らしげな様子が印象的です。(幼児から)

物語小学校低学年から

クイックと魔法のスティック(チュウチュウ通り 6番地)

エミリー・ロッダ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

あすなろ書房 (2010.1)

チュウチュウ通り1番地に住むお金持ちネズミのゴインキョは、金色のチーズを山のように持っています。ある日、ガードマンのふりをした3匹のドブネズミに、大切なチーズをそっくり盗まれそうになりますが、家なしネズミのバートの機転で難を逃れます。ハツカネズミの町の、個性的で愛らしい住人たちがおりなす、ほほえましい物語です。大きな活字で読みやすく、全ページに描かれた表情豊かなカラー挿絵が、お話をひきたてています。1番地から10番地を舞台に、シリーズ全10冊で刊行されています。見開きにはチュウチュウ通りの地図つき。(小学校低学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

子どもに語るイギリスの昔話

[ジョセフ・ジェイコブズ/再話] ・ 松岡 享子/編・訳

こぐま社 (2010.1)

猫や犬を仲間にし、泥棒をやっつける「ジャックの運さがし」などを収録。イギリスで長年に渡り親しまれている昔話集より、16編を厳選している。子どもにお話を語り続けるなかで練られてきた訳は、読みやすく、耳で聞いても分かりやすい。怖い話や残酷な話にもユーモアの感じられる、イギリスの昔話の特徴をよく伝えている。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

ひろった・あつめたぼくのドングリ図鑑(ちしきのぽけっと 12)

盛口 満/絵・文

岩崎書店 (2010.1)

公園で拾ったドングリや、ジャングルに落ちていた世界一大きなドングリなど、いろいろなドングリが画面いっぱいに並ぶ。拾った場所や種類別に紹介され、種類が同じでもひとつひとつ形や色が違う様子が、水彩の細かいスケッチからわかる。違うからこそ全部が宝物、と語る著者の思いが伝わってくる、目にも楽しい大判の絵本。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

アフガニスタンの少女マジャミン

長倉 洋海/写真・文

新日本出版社 (2010.9)

アフガニスタンの村に住むマジャミンは、山あいの学校の4年生だ。毎日羊の世話や、家の手伝いをしながら学校へ通っている。世界の紛争地で取材を続けてきた著者が、彼女たちの暮らしを美しい写真で紹介する。ソ連との戦争後、復興が進まないなかで助け合い、少しずつ元の生活を取り戻そうとする人々の姿が印象的だ。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

折り紙でたくさんの笑顔を -盲目の「折り紙大使」加瀬三郎物語-(ヒューマンノンフィクション)

田島 栄次/文・写真 ・ 永井 泰子/絵

学研教育出版 (2010.9)

幼い頃に視力を失った加瀬三郎は、仕事のかたわら折り紙を独学した。ベトナム難民の子どもに教えたことがきっかけで、内戦や病気で苦しむ子どもたちを折り紙で励ますようになる。その姿を共に世界を旅したカメラマンが友情をこめて描く。言葉が通じなくてもみんなが笑顔になれる、折り紙のすばらしさに改めて気づかされる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ベストフレンズいつまでも!

ジャクリーン・ウィルソン/作 ・ ニック・シャラット/絵

理論社 (2010.9)

がさつな女の子ジェマとおとなしいアリスは、同じ日に同じ病院で生まれた大親友だ。ところがアリスが引っ越すことになり、2人は家出を企てる。ジェマが巻き起こす騒動と、家族や級友の男の子が、傷心の彼女を見守り支える様子をユーモラスに描く。離れても変わらないきずなと、級友との間に芽生えた友情に心が温まる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

くろて団は名探偵(岩波少年文庫 198)

ハンス・ユルゲン・プレス/作 ・ 大社 玲子/訳

岩波書店 (2010.9)

「くろて団」はリーダーのフェリックスをはじめとする個性豊かな少年少女4人とリス1匹の探偵団だ。鋭い観察と推理で切手偽造犯を追いつめたり、盗まれた宝石を発見したりと大活躍する。各章にある挿絵の中に謎を解く鍵があり、それを元に物語が展開するという構成で、子どもたちの心を強くつかむ。1984年佑学社刊の改訂版。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ナミチカのきのこがり(絵本・こどものひろば)

降矢 なな/作

童心社 (2010.9)

ナミチカは赤い帽子をかぶって、おじいちゃんたちと初めてキノコ狩りに行きました。落ち葉のつもった地面を踏みしめ、食べられるキノコを探して森の奥に迷い込むと、赤いキノコが輪になって踊りだし、鬼ごっこに誘います。スロヴァキア在住の画家が、森歩きの経験を生かして、温かみのある絵で描いた、不思議なお話です。(幼児から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

ある子どもの詩の庭で

ロバート・ルイス・スティーヴンソン/詩 ・ イーヴ・ガーネット/絵

瑞雲舎 (2010.9)

眠らず遊んでいたい男の子の気持ちが伝わる「夏の寝床」など、66編の詩を収録する。『宝島』の著者が幼い頃の思い出をもとに、子どもの弾むような喜び、驚きを素直な言葉でつづる。青インクで印刷された鉛筆画も、子どもの情景を詩情豊かに表現している。1885年に英国で出版されて以来、長く読みつがれてきた詩集の完訳。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

びっくりまつぼっくり(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

多田 多恵子/ぶん ・ 堀川 理万子/え

福音館書店 (2010.9)

男の子がまつぼっくりを見つけました。羽根のような形の種を飛ばして遊び、湿気でちぢんだり開いたりする様子を「しょんぼり」「はりきり」と呼んで喜びます。幼い子が自然とふれあい、植物のもつ不思議を発見してゆく姿を、子どもの言葉で語る知識絵本です。はっきりした色使いの絵も、元気にあふれています。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

1ねん1くみの1にち

川島 敏生/写真・文

アリス館 (2010.9)

朝、小学校の教室に元気な1年生が登校する。教室を見渡す位置から撮影した写真を軸に、にぎやかな学級の1日を追う。虫が好きだったり、お化けの話をしたりなど、子どもたちの言葉や気持ちがふきだしで表現され、それぞれが見せる表情が楽しい。各自の筆箱や1か月の給食なども紹介され、見慣れた学校が新鮮にうつる。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

赤トンボ(やあ!出会えたね 7)

今森 光彦/文・写真

アリス館 (2010.8)

春、田んぼにいるヤゴを見つけた著者は、羽化を待つ。やがて姿を現したのはアキアカネだ。夏に涼しい場所を求めて山へ移動し、秋には再び田んぼに帰ってきて卵を産む様子を、里山に暮らす著者が美しく鮮明な写真でとらえる。農薬の影響により数が減っていたトンボに出会い、その営みを見守る喜びが、文章から伝わってくる。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

ねむれなければ木にのぼれ(岩波少年文庫 168)

ジョーン・エイキン/作 ・ 猪熊 葉子/訳

岩波書店 (2010.8)

アーミテージ夫人は海辺で拾った石に、「これからずっと、退屈しませんように」と願ってみた。ところがそれが本当に願いのかなう石だったので、一家には毎週驚くべきことが起こるようになる。庭に100頭ものユニコーンが現れたり、夫妻が魔法でテントウムシに変えられたり。次々と起こる奇想天外な出来事に、隣の魔女に魔術の手ほどきを受けたマークとハリエットの兄妹が、あわてずに対処する様子をユーモラスに描く。1978年刊の『とんでもない月曜日』に未邦訳作品を加え、アーミテージ一家のおはなし全24編を3冊にまとめた連作短編集。(小学校中学年から)

物語中学生から

ほこりまみれの兄弟

ローズマリー・サトクリフ/著 ・ 乾 侑美子/訳

評論社 (2010.8)

10歳の孤児ヒューは、意地悪なおばの家から愛犬と逃げ出し、父の思い出の地オクスフォードへ向かった。途中で5人の旅芸人一座に受け入れられ、ともにあちこちの町を回ることになる。少年が旅暮らしのなかで成長し、本来の居場所を見つけるまでの1年余りを温かく描く。16世紀のイギリスの暮らしや風景が鮮やかに目に浮かぶ。(中学生から)

物語小学校高学年から

さすらい猫ノアの伝説

重松 清/著 ・ 杉田 比呂美/絵

講談社 (2010.8)

授業中、5年生の健太のひざの上に、風呂敷包みをつけた黒猫が飛び込んできた。包みの中の手紙によると、それはクラスが失った大切なことを思い出させてくれる、さすらい猫ノアだという。引っ込み思案の健太や、サッカーをやめてしまった亮平たちが、ノアに導かれるようにして失ったものを取り戻していく姿に勇気をもらえる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

エイモスさんがかぜをひくと

フィリップ・C.ステッド/文 ・ エリン・E.ステッド/絵

光村教育図書 (2010.7)

動物園に勤めるエイモスさんは、時間をつくってはゾウとチェスをしたり、ミミズクに本を読んであげたりしていた。ある日、風邪をひいた彼の家へ、動物たちがお見舞いに出かける。エイモスさんと動物たちの静かで温かい交流が、落ち着いた色の木版と鉛筆で描かれる。風船や小鳥など、絵の細かい部分に遊び心があり楽しめる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

マグナス・マクシマス、なんでもはかります

キャスリーン・T.ペリー/文 ・ S.D.シンドラー/絵

光村教育図書 (2010.7)

マグナス・マクシマスは、一日中はかったり数えたりしているおじいさんです。ライオン相手でも、尻尾の長さを測りノミを数えます。目盛りを読むのに必要な眼鏡が壊れた日、出会った少年に誘われて一緒に遊んだ彼は、はかること以外にも楽しみがあると気づきます。細い線で描き込まれた人々のユーモラスな表情が魅力的です。(小学校低学年から)

物語中学生から

アニーのかさ

リサ・グラフ/作 ・ 武富 博子/訳

講談社 (2010.7)

仲の良い兄が急死して以来、アニーは過度に病気やけがの心配ばかりするようになった。両親も兄の話題に触れることができないなか、彼女は近所に引っ越してきた老婦人から、「心配のかさ」を閉じるように諭される。心のバランスを崩した少女が、家族とともに大切な人の死を受け入れようとする姿を、丁寧に描いた心温まる物語。(中学生から)

知識の本小学校高学年から

外国から来た魚 -日本の生きものをおびやかす魚たち-

松沢 陽士/著

フレーベル館 (2010.7)

水中カメラマンの著者は、人気のある外来魚オオクチバスを中心に写真を撮っていた。しかし琵琶湖を取材中に、多くの外来魚により在来魚が減っていることを教えられる。外来魚ばかりが目立つ日本の川や湖の現在の姿を、水中カメラマンの視点で紹介する。川の中を堂々と泳ぐ魚の写真からは、淡水魚への愛情が伝わってくる。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

チャイブとしあわせのおかし(チュウチュウ通り 5番地)

エミリー・ロッダ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

あすなろ書房 (2010.7)

チュウチュウ通り1番地に住むお金持ちネズミのゴインキョは、金色のチーズを山のように持っています。ある日、ガードマンのふりをした3匹のドブネズミに、大切なチーズをそっくり盗まれそうになりますが、家なしネズミのバートの機転で難を逃れます。ハツカネズミの町の、個性的で愛らしい住人たちがおりなす、ほほえましい物語です。大きな活字で読みやすく、全ページに描かれた表情豊かなカラー挿絵が、お話をひきたてています。1番地から10番地を舞台に、シリーズ全10冊で刊行されています。見開きにはチュウチュウ通りの地図つき。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

モーツァルトはおことわり

マイケル・モーパーゴ/作 ・ マイケル・フォアマン/絵

岩崎書店 (2010.7)

新人記者のレスリーは、ヴェニスに住む世界的な演奏家への取材で、聞いてはいけないモーツァルトの件に触れてしまう。すると彼は、ナチスの収容所でモーツァルトを弾かされていた両親について語り始めた。音楽をも利用した戦争の理不尽さと、音楽に思いをよせる人々の姿を淡々と描く。柔らかい色調の絵が物語を彩っている。(小学校高学年から)

物語中学生から

「希望」という名の船にのって

森下 一仁/著 ・ きたむら さとし/画

ゴブリン書房 (2010.7)

「希望」は地上に広まる病気から逃れた41名が乗る宇宙船だ。そこで生まれ育った12歳のヒロシは、船が老朽化のため壊れつつあることを知る。迫る死への絶望をのりこえ、全員が生還するため、知恵をしぼって奮闘する姿を緊迫した筆致で描く。ロボットアームや船内の食糧自給設備など、近未来の技術が目に浮かぶ空想科学小説。(中学生から)

知識の本小学校中学年から

ホネホネすいぞくかん

西澤 真樹子/監修・解説 ・ 大西 成明/しゃしん

アリス館 (2010.7)

ナマコやウニに骨はある? クジラが陸を歩いていた証拠ってどんな骨? 水中で暮らす生き物の、骨の不思議にせまります。豊富な骨格写真とともに、骨の秘密や生き物の生態を楽しく紹介する「ホネホネたんけんたい」シリーズの第3弾です。巻末に監修者がイラストも手がけた解説があり、より知識を深めることができます。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ふねがきた!(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

笠野 裕一/さく

福音館書店 (2010.7)

小さな港に船がきました。クレーンや車が荷物を運んだり、船から降りた人が出迎えの子どもにお土産を渡したりします。待ちに待ったフェリーが着岸し、出港するまでのにぎやかな港の様子を、やわらかい線と淡い色彩で描きます。人や乗り物の動きを同じ視点から見続ける構成と簡潔な文章が、絵を読む楽しみを引き出します。(幼児から)

知識の本小学校高学年から

ヤマネのすむ森 -湊先生のヤマネと自然研究記-(ヒューマンノンフィクション)

湊 秋作/文・写真 ・ ミヤハラ ヨウコ/絵

学研教育出版 (2010.7)

著者は大学時代に始めたヤマネ研究を先生になった後も続け、小学生と観察小屋を作るなどの活動を行ってきた。ニホンヤマネが枝の下側を走る姿や愛らしい赤ちゃんの写真などが、ヤマネの魅力を分かりやすく伝える。著者の研究は保護活動や環境教育へと広がり、小さな動物への愛情がもたらした成果の大きさに驚かされる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

リヤ王と白鳥になった子どもたち

シーラ・マックギル=キャラハン/文 ・ ガナディ・スピリン/絵

冨山房インターナショナル (2010.6)

リヤ王には4人の子どもがいた。しかし彼が後妻に迎えた魔女イーファの呪いにより、子どもたちは白鳥にされてしまう。彼らは動物たちに助けられながら、やがて立派な若者に成長するが、その死を望むイーファに捕らえられる。アイルランドの伝説を題材に家族のきずなを描く。大胆な構図で色彩豊かに描かれた絵が印象に残る。(小学校中学年から)

物語中学生から

くじらの歌

ウーリー・オルレブ/作 ・ 母袋 夏生/訳

岩波書店 (2010.6)

ミハエルは9歳の時両親とイスラエルに移住し、高齢の祖父と仲良くなった。ある夜祖父と同じ夢を見た彼は、祖父に夢を操る能力があることを知る。同級生と遊ぶより職人仕事を手伝うのが好きな少年が、修理好きの祖父から受け継いだ特別な才能に目ざめる様を描く、不思議な物語。白黒の挿絵が夢の世界を巧みに表現している。(中学生から)

物語小学校中学年から

おとなりさんは魔女(岩波少年文庫 167)

ジョーン・エイキン/作 ・ 猪熊 葉子/訳

岩波書店 (2010.6)

アーミテージ夫人は海辺で拾った石に、「これからずっと、退屈しませんように」と願ってみた。ところがそれが本当に願いのかなう石だったので、一家には毎週驚くべきことが起こるようになる。庭に100頭ものユニコーンが現れたり、夫妻が魔法でテントウムシに変えられたり。次々と起こる奇想天外な出来事に、隣の魔女に魔術の手ほどきを受けたマークとハリエットの兄妹が、あわてずに対処する様子をユーモラスに描く。1978年刊の『とんでもない月曜日』に未邦訳作品を加え、アーミテージ一家のおはなし全24編を3冊にまとめた連作短編集。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

二人の小さな家(世界傑作童話シリーズ)

シーリア・ウィルキンズ/作 ・ ダン・アンドレイアセン/画

福音館書店 (2010.6)

大学を出たキャロラインは、故郷で先生になりました。学年の違う多数の生徒を1人で教えるのは、苦労が多くてもやりがいのある仕事です。アメリカ西部開拓を志すチャールズにひかれつつ、家族や仕事を大切に考えて生き方を模索する姿を丁寧に描きます。『大草原の小さな家』の「かあさん」の成長を追ったシリーズの最終巻です。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

かぶとむし :新版 -かぶとむしの一生-(こんちゅうの一生シリーズ)

得田 之久/ぶん・え

福音館書店 (2010.6)

カブトムシのオスはクワガタムシもはねとばすほど力が強く、ギンヤンマは縄張りをパトロールするために同じ場所をぐるぐる回るように飛びます。さまざまな特性を持った昆虫のなかから、身近な5種類を取り上げ、脱皮や産卵などの生態を紹介したシリーズです。それぞれの昆虫について基本的な知識を得ることができます。30年以上前に出版された旧版から易しい文章に書き直され、小学校低学年の子どもたちにも読みやすくなりました。構図を工夫し、昆虫の特徴をわかりやすく描いた絵や、随所に付けられた解説も、内容の理解を助けます。(幼児から)

知識の本幼児から

かまきり :新版 -おおかまきりの一生-(こんちゅうの一生シリーズ)

得田 之久/ぶん・え

福音館書店 (2010.6)

カブトムシのオスはクワガタムシもはねとばすほど力が強く、ギンヤンマは縄張りをパトロールするために同じ場所をぐるぐる回るように飛びます。さまざまな特性を持った昆虫のなかから、身近な5種類を取り上げ、脱皮や産卵などの生態を紹介したシリーズです。それぞれの昆虫について基本的な知識を得ることができます。30年以上前に出版された旧版から易しい文章に書き直され、小学校低学年の子どもたちにも読みやすくなりました。構図を工夫し、昆虫の特徴をわかりやすく描いた絵や、随所に付けられた解説も、内容の理解を助けます。(幼児から)

知識の本幼児から

ちょう :新版 -あげはの一生-(こんちゅうの一生シリーズ)

得田 之久/ぶん・え

福音館書店 (2010.6)

カブトムシのオスはクワガタムシもはねとばすほど力が強く、ギンヤンマは縄張りをパトロールするために同じ場所をぐるぐる回るように飛びます。さまざまな特性を持った昆虫のなかから、身近な5種類を取り上げ、脱皮や産卵などの生態を紹介したシリーズです。それぞれの昆虫について基本的な知識を得ることができます。30年以上前に出版された旧版から易しい文章に書き直され、小学校低学年の子どもたちにも読みやすくなりました。構図を工夫し、昆虫の特徴をわかりやすく描いた絵や、随所に付けられた解説も、内容の理解を助けます。(幼児から)

知識の本幼児から

とんぼ :新版 -ぎんやんまの一生-(こんちゅうの一生シリーズ)

得田 之久/ぶん・え

福音館書店 (2010.6)

カブトムシのオスはクワガタムシもはねとばすほど力が強く、ギンヤンマは縄張りをパトロールするために同じ場所をぐるぐる回るように飛びます。さまざまな特性を持った昆虫のなかから、身近な5種類を取り上げ、脱皮や産卵などの生態を紹介したシリーズです。それぞれの昆虫について基本的な知識を得ることができます。30年以上前に出版された旧版から易しい文章に書き直され、小学校低学年の子どもたちにも読みやすくなりました。構図を工夫し、昆虫の特徴をわかりやすく描いた絵や、随所に付けられた解説も、内容の理解を助けます。(幼児から)

知識の本幼児から

はち :新版 -ふたもんあしながばちの一生-(こんちゅうの一生シリーズ)

得田 之久/ぶん・え

福音館書店 (2010.6)

カブトムシのオスはクワガタムシもはねとばすほど力が強く、ギンヤンマは縄張りをパトロールするために同じ場所をぐるぐる回るように飛びます。さまざまな特性を持った昆虫のなかから、身近な5種類を取り上げ、脱皮や産卵などの生態を紹介したシリーズです。それぞれの昆虫について基本的な知識を得ることができます。30年以上前に出版された旧版から易しい文章に書き直され、小学校低学年の子どもたちにも読みやすくなりました。構図を工夫し、昆虫の特徴をわかりやすく描いた絵や、随所に付けられた解説も、内容の理解を助けます。(幼児から)

物語小学校高学年から

ハンター

ジョイ・カウリー/作 ・ 大作 道子/訳

偕成社 (2010.6)

1805年のニュージーランドに、未来を見る力を持つ、ハンターというマオリの少年がいた。奴隷の彼は逃亡中に、200年後の同じ場所で遭難した少女ジョーダンの幻を見る。危険を顧みず助けようとする彼の思いが、時を越えて少女に伝わる展開に、思わず引き込まれる。それぞれの生きのびるための闘いを、交互に描いた冒険小説。(小学校高学年から)

物語中学生から

ピーティ(鈴木出版の海外児童文学)

ベン・マイケルセン/作 ・ 千葉 茂樹/訳

鈴木出版 (2010.5)

1922年アメリカに生まれたピーティは、脳性まひで意思疎通ができないと誤解されていた。しかし、ネズミを助けようとする彼の意図に、施設で同室のカルビンが気づき親友になる。介護スタッフや友人など、数少ない理解者との交流が温かく描かれる。不遇な中でも豊かな感受性を失わない彼の生涯が、生きる喜びを伝えてくれる。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

ノマはちいさなはつめいか(講談社の翻訳絵本)

ヒョン ドク/文 ・ チョウ ミエ/絵

講談社 (2010.5)

ノマは、ダンボールで汽車を作ることにしました。わからないことはお母さんに聞いたり、本で調べたりしながら、ひとりで汽車を組み立てていきます。小さな男の子が自分で考え、物を作り出す様子が、質感の感じられる細やかな絵で描かれています。工作をする楽しさと、完成したときの達成感が伝わってくる、韓国の絵本です。(幼児から)

物語中学生から

ぼくんちのテディベア騒動

クリス・ダレーシー/作 ・ 渡邉 了介/訳

徳間書店 (2010.5)

13歳のジョエルは、捨てられた古いテディベアにひかれ、家に持って帰る。ところがそれが高価なものだとわかり、父親からは手放すことを迫られ、警察には盗難の容疑までかけられてしまう。友だちや家族の力を借りて、元の持ち主に返そうとする彼の姿を、テンポ良く描く。少年たちの自然な会話がさわやかな、現代の英国の物語。(中学生から)

物語小学校高学年から

青矢号 -おもちゃの夜行列車-(岩波少年文庫 166)

ジャンニ・ロダーリ/作 ・ 関口 英子/訳

岩波書店 (2010.5)

おもちゃ屋の主人で魔女のベファーナは、親たちが注文したプレゼントを、新年に子どもに配ります。しかしそれをもらえない貧しい子がいると知ったおもちゃたちは、列車のおもちゃで店を抜け出し、その子の家へ向かいます。人形やぬいぐるみたちが力を合わせて大活躍する、心温まるイタリアの物語です。1965年刊の改訳新版。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

つばめのくるまち(エコ育絵本ちきゅうのなかまたち 2)

佐藤 信敏/写真 ・ 深山 さくら/文

チャイルド本社 (2010.5)

春になり、南の国からツバメが帰ってきた。泥や枯草を混ぜ合わせて巣を作り、卵をあたためる。町の人たちが見守る中、巣立ったヒナが旅立つまでを、さまざまな角度から撮影した写真でつづる。大きな口でえさをねだったヒナたちが、満腹になって眠る様子が笑いを誘う。身近な生き物に対する子どもの興味を引き出す科学絵本。(幼児から)

物語小学校中学年から

りこうすぎた王子(岩波少年文庫 165)

アンドリュー・ラング/作 ・ 福本 友美子/訳

岩波書店 (2010.4)

プリジオ王子は利口でしたが、利口すぎるあまり皆に嫌われていました。ロザリンドに恋をした王子は、彼女の歓心を買おうと怪物退治に出かけます。それまでは馬鹿にしていた妖精の贈り物を使い、機転を利かせてピンチを切り抜ける様が痛快です。色々な昔話からヒントを得て語られる、遊び心あふれる古典的作品の新訳です。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

とどろケ淵のメッケ

富安 陽子/作 ・ 広瀬 弦/絵

佼成出版社 (2010.4)

メッケは淵で一番小さいかっぱだ。皆が相撲大会へ出かけた夜、留守番をしていると、滝の水が止まってしまった。原因を探るため上流へ向かう途中、彼は3回だけ願いがかなう小石を手に入れる。探し物が得意なメッケが、出会った仲間とともに、それぞれの特技を生かして謎を解く姿を描く。表情豊かな挿絵が物語を盛り上げる。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

土にねむるたねのふしぎ 2 林の土から芽がでたよ

松尾 洋子/写真 ・ 多田 多恵子/監修

アリス館 (2010.4)

著者がもらってきた畑や林の土をプランターに入れて水をやると、種をまかなくても小さな芽が顔を出した。拾ってきたどんぐりからは、根や芽が生えてくる。芽生えたばかりの正体不明の草に「くつした」「ミニシーソー」、種類が異なるどんぐりには「ドンキチ」「グリお」などと、姿にちなんだあだ名をつけて観察するのが楽しい。葉の形や花びらの枚数などをたよりに、見分けるポイントや、本当の名前を図鑑で調べる方法も写真やイラストで紹介されている。身近だが、名も知らない草木が育つ不思議や、調べることの楽しさを伝えてくれる。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

レインボーとふしぎな絵(チュウチュウ通り 4番地)

エミリー・ロッダ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

あすなろ書房 (2010.4)

チュウチュウ通り1番地に住むお金持ちネズミのゴインキョは、金色のチーズを山のように持っています。ある日、ガードマンのふりをした3匹のドブネズミに、大切なチーズをそっくり盗まれそうになりますが、家なしネズミのバートの機転で難を逃れます。ハツカネズミの町の、個性的で愛らしい住人たちがおりなす、ほほえましい物語です。大きな活字で読みやすく、全ページに描かれた表情豊かなカラー挿絵が、お話をひきたてています。1番地から10番地を舞台に、シリーズ全10冊で刊行されています。見開きにはチュウチュウ通りの地図つき。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

子ネコききいっぱつ(こちら動物のお医者さん)

ルーシー・ダニエルズ/作 ・ 千葉 茂樹/訳

ほるぷ出版 (2010.4)

マンディは動物が大好きな9歳の女の子。動物病院を開いている自宅は忙しく、自分のペットを飼えずに我慢しています。ブリーダーの家で5匹の子犬が生まれたことを知った彼女は、犬を飼いたがっていたジェイムズと意気投合します。そこで、彼がもらった子犬を、2人のペットとして育てることにしました。(『子犬おおそうどう』)また、友だちの家の子猫が捨てられると知ると、もらい手を見つけるため知恵をしぼります。(『子ネコききいっぱつ』)マンディが動物のためにがんばる姿と、それをさりげなく支える周囲の大人が印象的です。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

玉子の卵焼き

上條 さなえ/作 ・ 陣崎 草子/絵

文溪堂 (2010.4)

ぼくの双子の妹、玉子は勉強も運動も苦手だが、味の違いを見分けるのが得意だ。その特技を生かし、卵の味を当てるイベントで優勝した玉子は、卵博士と呼ばれ人気者になった。兄が妹の良さを認めるまでを、父の失業などの家族の騒動を絡めながらテンポよく描きだす。マイペースな妹と心配性の兄との対比に、笑いがこぼれる。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

きのうの夜、おとうさんがおそく帰った、そのわけは…

市川 宣子/作 ・ はた こうしろう/絵

ひさかたチャイルド (2010.3)

帰りが遅くなるたびに、おとうさんはその理由をあっくんに話します。でもその内容は、大ナマズに子守歌を聞かせて地震をくい止めたり、雷さまの子を空に届けたりと、奇想天外なものばかり。優しい口調で語られる4つの短編には、子どもへの愛情があふれています。2人が遊ぶイラストからも、親子の仲の良さが伝わります。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

土にねむるたねのふしぎ 1 畑の土から芽がでたよ

松尾 洋子/写真 ・ 多田 多恵子/監修

アリス館 (2010.3)

著者がもらってきた畑や林の土をプランターに入れて水をやると、種をまかなくても小さな芽が顔を出した。拾ってきたどんぐりからは、根や芽が生えてくる。芽生えたばかりの正体不明の草に「くつした」「ミニシーソー」、種類が異なるどんぐりには「ドンキチ」「グリお」などと、姿にちなんだあだ名をつけて観察するのが楽しい。葉の形や花びらの枚数などをたよりに、見分けるポイントや、本当の名前を図鑑で調べる方法も写真やイラストで紹介されている。身近だが、名も知らない草木が育つ不思議や、調べることの楽しさを伝えてくれる。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

空からきたひつじ

フレート・ロドリアン/作 ・ ヴェルナー・クレムケ/絵

徳間書店 (2010.3)

クリスチーネは、夏休みに森の中で、雲でできた羊のチリに出会いました。チリを空へ戻すため、誰に相談したらよいか考えます。幼い少女が、友だちや周囲の大人とともに、チリを助けようとがんばる様子を、温かみのある文章で描きます。見開きごとの色鮮やかな挿し絵も魅力的です。1958年に旧東ドイツで出版された物語。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

ゆかいな農場(世界傑作童話シリーズ)

マルセル・エーメ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

福音館書店 (2010.3)

農場に暮らすおてんばな姉妹が、言葉を話す動物たちとさまざまな騒動を引き起こす。ダイエットをするブタや、いばりやのガチョウなど、動物たちは個性豊か。学校の宿題も、彼らなりに解いてしまう。姉妹と動物のゆかいなやりとりに引き込まれる。『おにごっこ物語』などの題名で紹介されてきた短編集17編のうち7編の新訳。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

引き出しの中の家(ノベルズ・エクスプレス 7)

朽木 祥/作 ・ 金子 恵/絵

ポプラ社 (2010.3)

病弱な七重が作る人形の家に、「花明かり」がやってきた。彼女は喜ぶと花の香りを発して輝く小人で、仲良くなった2人は盆栽の桜で花見をしようと約束する。昭和から現在へと世代を越え、約束が果たされるまでを描く。美しい草木の情景や、小人が使う小物の細やかな描写の中に、自然や小さきものへの愛情があふれている。(小学校高学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

牛をかぶったカメラマン -キーアトン兄弟の物語-

レベッカ・ボンド/作 ・ 福本 友美子/訳

光村教育図書 (2010.2)

鳥の巣の写真を自然のままに撮りたい。そう思った兄弟は、鳥に気付かれないように、牛のはく製をかぶったり、カメラを背負ってガケを降りたりと奮闘します。そして、1895年にイギリスで初めて自然をテーマにした写真集を出版しました。自然を守り、観察する楽しさを伝えた彼らの活躍を、淡い色合いの水彩で描いた絵本です。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

子犬おおそうどう(こちら動物のお医者さん)

ルーシー・ダニエルズ/作 ・ 千葉 茂樹/訳

ほるぷ出版 (2010.2)

マンディは動物が大好きな9歳の女の子。動物病院を開いている自宅は忙しく、自分のペットを飼えずに我慢しています。ブリーダーの家で5匹の子犬が生まれたことを知った彼女は、犬を飼いたがっていたジェイムズと意気投合します。そこで、彼がもらった子犬を、2人のペットとして育てることにしました。(『子犬おおそうどう』)また、友だちの家の子猫が捨てられると知ると、もらい手を見つけるため知恵をしぼります。(『子ネコききいっぱつ』)マンディが動物のためにがんばる姿と、それをさりげなく支える周囲の大人が印象的です。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

じっけんきみの探知器(たくさんのふしぎ傑作集)

山下 恵子/文 ・ 杉田 比呂美/絵

福音館書店 (2010.2)

音を感じる耳の中はどんな仕組みなんだろう。目隠しをし、鼻をつまんで飲んでも、何のジュースかわかるかな。簡単な実験をしながら、視覚や触覚などの五感について解き明かしていく。やわらかい輪郭線に明るい彩色のイラストで、読者の好奇心がかきたてられる。自分の体の不思議を探り、感覚を研ぎ澄ますきっかけになる本。(小学校中学年から)

知識の本幼児から

さくら(かがくのとも絵本)

長谷川 摂子/文 ・ 矢間 芳子/絵・構成

福音館書店 (2010.2)

ソメイヨシノの花が咲き、鳥たちが蜜を吸いに来ます。花の散った後、葉が伸びて実がなり、夏には葉や幹に虫が集まりました。秋に紅葉した葉が散っても、冬芽がふくらみ春を待ちます。四季の移ろいの中で変わりゆく姿を、桜の木が自ら語る絵本です。樹木の生命力を感じさせる、繊細で柔らかな色合いの絵が目を引きます。(幼児から)

物語中学生から

ライオンとであった少女

バーリー・ドハーティ/著 ・ 斎藤 倫子/訳

主婦の友社 (2010.2)

両親を失ったタンザニアのアベラは、不法入国と児童売買をたくらむ叔父に、英国へ連れていかれる。一方、英国のローザは、養子を欲しがる母を理解できずにいた。交互に語られる2人の手記から、境遇は違っても同様に愛情を求める、少女たちの気持ちが伝わってくる。耐え難い現実の中で生きる、アベラのけなげな姿が胸をうつ。(中学生から)

物語小学校低学年から

フィーフィーのすてきな夏休み(チュウチュウ通り 3番地)

エミリー・ロッダ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

あすなろ書房 (2010.1)

フィーフィーは忙しいお母さんネズミです。だんなさんが船乗りなので、いつもひとりで14ひきの子どもの世話をしています。疲れ果てたフィーフィーに夏休みをプレゼントしようと、チュウチュウ通りのみんなが協力しました。画家やケーキ屋、魔術師など、ハツカネズミの町の住人を、1番地から順に主人公にした全10冊のシリーズです。ご近所さんたちが、お互いに支え合い助け合って、幸せに暮らす様子がほほえましく描かれています。わかりやすい文章に、明るい彩色の挿絵が添えられ、物語を読み始めた子どもたちにも親しみやすい本です。見開きにはチュウチュウ通りの地図つき。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

おつきさまこっちむいて(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

片山 令子/ぶん ・ 片山 健/え

福音館書店 (2010.1)

雲に隠れた半月や、真昼の白い月。空を仰いでその姿を見つけては、こっちむいてと男の子が語りかけます。夕暮れの帰り道や眠る前の窓辺など、生活の一場面を通して、細い三日月が日を追うごとに満ちていく様子を、柔らかいタッチで描いています。幼い子どもが月に興味を持ち、親しく思う気持ちがしみじみと伝わってきます。(幼児から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

地球最北に生きる日本人 -イヌイット大島育雄との旅-

武田 剛/著

フレーベル館 (2009.12)

地球温暖化について取材するため、新聞カメラマンの著者は、グリーンランドで30年も猟師として暮らす大島さんを訪ねた。獲物が減り、氷上で犬ぞりを使える期間も激減するなど、彼も影響を実感しているという。近代化が進むイヌイットの集落で、伝統を受け継いで生きる日本人の姿を、豊富な写真とやさしい語り口で伝える。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

秘密のマシン、アクイラ

アンドリュー・ノリス/著 ・ 原田 勝/訳

あすなろ書房 (2009.12)

勉強が嫌いなトムとジェフは、校外学習で行った石切り場の跡で、謎の乗り物「アクイラ」を発見し、こっそり持ち帰った。2人はアクイラを乗りこなすために、ラテン語や物理、航空学などについて調べ始め、周囲の大人を巻き込みながら問題を解決していく。自ら学び、考え、成長していく好奇心いっぱいの少年たちの冒険物語。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

富士山にのぼる

石川 直樹/著

教育画劇 (2009.11)

近づき、登って行くにつれて、刻々と姿を変える富士山。七大陸全ての最高峰登頂に成功した著者が、訪れる度に違った顔を見せるこの神秘の山を、ページいっぱいに広がる写真で紹介する。写真を眺め、臨場感あふれる文章を読んでいくうちに、一緒に山を登っているような気持ちになる。巻末に登山道具一式と富士山の解説付き。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

かあさんをまつふゆ

ジャクリーン・ウッドソン/文 ・ E.B.ルイス/絵

光村教育図書 (2009.11)

母さんがシカゴへ出稼ぎに行ってしまった。エイダは何度も手紙を書くが、なかなか返事はこない。迷い込んできたネコのぬくもりと、祖母の愛情のこもった言葉になぐさめられながら、彼女は母を信じて帰りを待ち続ける。水彩の写実的な絵と簡潔な文章で、黒人の少女の一途な気持ちや、戦時下の厳しい暮らしを描き出している。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

しょうぼうしょは大いそがし

ハネス・ヒュットナー/作 ・ ゲルハルト・ラール/絵

徳間書店 (2009.11)

消防士たちがおやつを食べようとしていると出動の電話が鳴る。無事に解決し、食べようとするとまた呼び出される。消火に救助に、きびきびと活躍する隊員たちを、テンポのよい文章で描く。忙しい中でも、ちゃっかりおやつを食べるマイヤー消防士と隊長とのやりとりが愉快。表情豊かなカラー挿絵が、おもしろさを際立たせている。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

アブエラの大きな手

中川 なをみ/作 ・ あずみ虫/絵

国土社 (2009.11)

10歳のるりは、ラリマールという宝石に魅せられ、取材に行く叔父についてドミニカ共和国を訪れた。通訳の少女ジェシカの案内で、若い頃に日本から移住したという彼女の祖母と親交を深める。日本で何不自由なく暮らしてきた女の子が、移民や貧困の問題を目の当たりにし、価値観の違いを受け入れていく様子を自然に描いている。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

氷の上のボーツマン

ベンノー・プルードラ/作 ・ 上田 真而子/訳

岩波書店 (2009.11)

港のタグボートで飼われている子犬のボーツマンは、子どもたちと遊んでいるうちに、浮氷に乗って沖へ流されてしまう。救助のため、11歳のウーヴェは手こぎのボートで単身冬の海へ乗り出した。少年が勇気と知恵を振り絞って大自然に立ち向かう姿を、テンポの良い文章でいきいきと描く。旧東ドイツで1959年に出版された物語。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

すみ鬼にげた(福音館創作童話シリーズ)

岩城 範枝/作 ・ 松村 公嗣/絵

福音館書店 (2009.11)

江戸時代、唐招提寺に宮大工の見習いとして入った少年ヤスは、お堂の軒下に封じ込められた鬼と出会う。鬼は900年前に中国から渡ってくる途中で捕らえられたのだ。唐招提寺に伝わる木彫りの像「隅鬼」を題材に、人間味あふれる鬼と、亡父の跡を継ごうとする少年の交流を描く。日本画の挿絵が物語の雰囲気をよく伝えている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

めっちゃくちゃのおおさわぎ(コルネイ・チュコフスキーの絵本)

K.チュコフスキー/作 ・ F.ヤールブソヴァ/絵

偕成社 (2009.11)

子猫たちが「ニャーニャーなくのはあきちゃった!」といってブーブーとなきだしました。カエルが空を飛び、魚が原っぱを散歩して、おかしなおおさわぎが始まります。リズミカルな文章に合わせて、動物たちがどんどん調子にのっていく様子が愉快です。やわらかな筆づかいで描かれた、ナンセンスなロシアの詩の絵本です。(幼児から)

物語小学校中学年から

楽しいスケート遠足(世界傑作童話シリーズ)

ヒルダ・ファン・ストックム/作 絵 ・ ふなと よし子/訳

福音館書店 (2009.1)

オランダに冬がきて国中の運河が凍りました。エベルトとアフケの双子の兄妹は、クラスでスケート遠足に出かけます。途中お菓子を買って休憩したり、水の中に落ちる災難にあったりしながら、運河を滑っていきます。温もりのある絵が、物語への興味をかき立てます。冬の特別な楽しみが、いきいきと描かれた古典的作品です。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

おじいちゃんのSLアルバム(たくさんのふしぎ傑作集)

佐竹 保雄/写真・原案 ・ 小風 さち/文

福音館書店 (2009.1)

初めて撮ったSLの写真を送ってきた孫に、祖父が昔撮った写真をアルバムにして贈ります。雄大な八ヶ岳や流氷などを背景に全国各地を走るSLや、戦前・戦中の機関車の写真とともに、思い出話が語られます。撮影のコツや注意も伝授され、祖父の熱意と苦労がわかります。鉄道の魅力と昭和という時代とを感じさせる一冊です。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

あかちゃんがやってきた(こどものとも絵本)

角野 栄子/作 ・ はた こうしろう/絵

福音館書店 (2009.1)

お母さんがぼくに「赤ちゃんがうまれるの」とささやいた。だんだん大きくなるお母さんのお腹をさわったり、ベビーベッドに寝てみたりして、ぼくは赤ちゃんのことをいろいろ考えるようになる。お兄ちゃんになる男の子の喜びや期待、それにほんの少し不安がまざった気持ちが、伸びやかで温かみのある絵から伝わってくる。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

マクドナルドさんのやさいアパート

ジュディ・バレット/文 ・ ロン・バレット/画

朔北社 (2009.9)

アパートの管理人のマクドナルドさんは、トマト栽培に成功し、野菜作りに夢中になりました。庭ばかりか空き部屋にも野菜を植え、牛や鶏まで飼っていることを大家さんに見つかり、追い出されそうになります。意外な結末がより一層、物語に面白みを与えています。白黒の線描画の中で、色をつけた野菜やくだものが際立ちます。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

点子ちゃん

野田 道子/作 ・ 太田 朋/絵

毎日新聞社 (2009.9)

ぼくの組に天使のようにかわいい子が転校してきた。全盲でいつも点字の本を読んでいるので、あだ名は点子ちゃん。彼女の亡き母への想いを知ったり、ぼくの心配事を相談したりと、2人は親しくなる。関西弁の会話とほのぼのとした挿絵で、4年生の男の子の初恋を描く。視覚障がいというものを、ごく自然に受け入れられる作品。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

うさこちゃんのおじいちゃんへのおくりもの(ブルーナの絵本)

ディック・ブルーナ/ぶん・え ・ まつおか きょうこ/やく

福音館書店 (2009.9)

もうすぐおじいちゃんの誕生日です。うさこちゃんは、自分で何かいい物を作ってあげることにしました。お母さんに毛糸をもらって、ひとりで編んできれいに包み、おじいちゃんのところへ届けにいきます。吟味された5色で描かれた絵が、うさこちゃんの温かい気持ちを伝えています。2人のやりとりがほほえましい絵本です。(幼児から)

物語小学校高学年から

ダリウスが飛んだ!

ビル・ハーレイ/作 ・ 日当 陽子/訳

PHP研究所 (2009.9)

11歳のダリウスは、冒険家の父が行方不明となり、意地悪なおばさんと暮らすことになった。古い自転車で逃げ出そうとした彼は、空飛ぶ自転車に乗っていた謎の老人に出会い、修理を教わる。少年が度重なる困難にくじけず、優しい家政婦に再会するまでを、テンポのよい文章で描く。手に汗握る目まぐるしい展開に引き込まれる。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

クツカタッポと三つのねがいごと(チュウチュウ通り 2番地)

エミリー・ロッダ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

あすなろ書房 (2009.9)

チュウチュウ通り1番地に住むお金持ちネズミのゴインキョは、金色のチーズを山のように持っています。ある日、ガードマンのふりをした3匹のドブネズミに、大切なチーズをそっくり盗まれそうになりますが、家なしネズミのバートの機転で難を逃れます。ハツカネズミの町の、個性的で愛らしい住人たちがおりなす、ほほえましい物語です。大きな活字で読みやすく、全ページに描かれた表情豊かなカラー挿絵が、お話をひきたてています。1番地から10番地を舞台に、シリーズ全10冊で刊行されています。見開きにはチュウチュウ通りの地図つき。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

ゴインキョとチーズどろぼう(チュウチュウ通り 1番地)

エミリー・ロッダ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

あすなろ書房 (2009.9)

チュウチュウ通り1番地に住むお金持ちネズミのゴインキョは、金色のチーズを山のように持っています。ある日、ガードマンのふりをした3匹のドブネズミに、大切なチーズをそっくり盗まれそうになりますが、家なしネズミのバートの機転で難を逃れます。ハツカネズミの町の、個性的で愛らしい住人たちがおりなす、ほほえましい物語です。大きな活字で読みやすく、全ページに描かれた表情豊かなカラー挿絵が、お話をひきたてています。1番地から10番地を舞台に、シリーズ全10冊で刊行されています。見開きにはチュウチュウ通りの地図つき。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

ぐりとぐらのおまじない

なかがわ りえこ/さく ・ やまわき ゆりこ/え

福音館書店 (2009.9)

「ちちんぷいの ぱっ」と起きて、「ちちんぷいの ぱくっ」と食べる。お片づけや約束など、子どもたちの生活に合わせた、12のおまじないの本です。ページを開くと、おまじないの入ったリズミカルな詩が、明るい色彩の絵とともに目に飛び込んできます。手のひらサイズで、子どもたちの毎日にめりはりと楽しみを与えてくれます。(幼児から)

物語小学校高学年から

トレッリおばあちゃんのスペシャル・メニュー(児童図書館・文学の部屋)

シャロン・クリーチ/作 ・ せな あいこ/訳

評論社 (2009.8)

12歳のロージーは、週末になるとおばあちゃんと料理を作る。気になる男の子とのけんかや恋敵の出現など、悩みは尽きないが、スープやパスタを作りながら聞くおばあちゃんの話が、その心を解きほぐしていく。会話中心の文章で構成され、思春期の少女の心の動きや、経験豊かなイタリア系移民の祖母の姿がいきいきと描かれる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

パーシーと気むずかし屋のカウボーイ(パーシーシリーズ)

ウルフ・スタルク/著 ・ 菱木 晃子/訳

小峰書店 (2009.7)

夏休みを祖父の住む島で過ごすウルフは、親友のパーシーを招待するはめになった。カウボーイ好きで子ども嫌いの祖父と、ウルフの片思いの少女が、やんちゃなパーシーを気に入ってしまう。パーシーと祖父は失恋したウルフが立ち直るまで見守る。友情や初恋といった心の機微を少年の目を通してユーモアたっぷりに描いた物語。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語幼児から

ふくろのなかにはなにがある?

ポール・ガルドン/再話・絵 ・ こだま ともこ/訳

ほるぷ出版 (2009.7)

キツネはハチを袋に入れ、のぞくなよと言っておばさんに預けました。でも、おばさんがのぞいたのでハチが逃げ、ニワトリに食べられました。ずる賢いキツネは代わりに手に入れたニワトリを袋に入れ、さらに大きな獲物に次々と交換していきます。意外な結末が楽しく、鮮やかな色で表情豊かに描かれた動物たちが魅力的な絵本。(幼児から)

物語小学校高学年から

ジェミーと走る夏(ポプラ・ウイング・ブックス 38)

エイドリアン・フォゲリン/作 ・ 千葉 茂樹/訳

ポプラ社 (2009.7)

隣に黒人の一家が住むと知って、父さんは庭に高い板塀を建てた。しかしキャスは、塀ごしに同い年のジェミーと出会い、共に走ることと読書を通じて親友になる。差別の根深いアメリカ南部の町で、少女達の友情をきっかけに、人種の違う二つの家族が歩みよる様子をさわやかに描く。二人を見守るジェミーの祖母の存在が印象的。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

地雷のない世界へ -はたらく地雷探知犬-

大塚 敦子/写真・文

講談社 (2009.7)

カンボジアなど世界各国に残る地雷の除去を手伝う探知犬を、豊富な写真で紹介する。愛情を受けて育った子犬が、遊びを通して火薬のにおいで地雷を発見する訓練を積み、人間のパートナーとして現場に出るまでを追う。戦争の後に、子どもたちが安心して生活できる環境を取り戻すには、地道な活動が必要であることを伝えている。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

日曜日島のパパ(ヴィンニ! 1)

ペッテル・リードベック/作 ・ 菱木 晃子/訳

岩波書店 (2009.6)

8歳の少女ヴィンニは、離婚したママと暮らしているが、夏休みは日曜日島に住むパパと過ごす。一番の楽しみは夏至祭で、近所の人々と一緒にポールに飾り付けをしたり、ケーキ食い競争をしたりする。機知に富んだ会話を通して、親子が互いを思いやる姿を温かく描く。独特の風物がいくつも盛り込まれたスウェーデンの物語。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

指ぬきの夏(岩波少年文庫 160)

エリザベス・エンライト/作 ・ 谷口 由美子/訳

岩波書店 (2009.6)

9歳のガーネットは、干上がった川底で、銀の指ぬきを見つけた。その日から幸運なことが次々と起こる。ヒッチハイクで家出したが、家族にお土産を買って無事に帰ったり、大切に育てた子豚が博覧会で優勝したりする。好奇心あふれる少女のひと夏を通じて、1930年代アメリカの農園の日常をみずみずしく描いた、名作の新訳。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

建具職人の千太郎(くもんの児童文学)

岩崎 京子/作 ・ 田代 三善/絵

くもん出版 (2009.6)

江戸時代、貧しい農家に生まれた千太郎は、7歳で建具屋へ奉公に出された。家事奉公に来ていた姉や、周囲の人に支えられ、要領は良くないが実直な仕事ぶりを見込まれて、特別に手習い机を作らせてもらうことになる。横浜の鶴見を舞台に、障子などを作る建具職人の暮らしや、親元を離れて働く子どもたちの心情を細やかに描く。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

よーいよーいよい

さいとう しのぶ/作・絵

ひさかたチャイルド (2009.6)

遊びに来たおじいちゃんと、孫の女の子が散歩に出かける。おじいちゃんは「よーい、よーい、よい」を口ぐせにのんびりと歩き、道中、内緒でお酒を買って飲む。大阪をモデルにした町の様子や、登場人物を細かく丁寧に描く。著者が大切にしている祖父との思い出をもとにした絵本で、ゆっくりとした時間を味わうことができる。(幼児から)

知識の本幼児から

じゃぐちをあけると(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

しんぐう すすむ/さく

福音館書店 (2009.6)

じゃぐちを開けると水が出てきます。流れる水をスプーンで受けると宇宙船、引っくり返すと丸い屋根の形になります。触れたり、物を当てたりすることで姿を変える水を、様々なものに見立てて遊びます。勢いよくはねる水の様子が、美しい色彩でいきいきと描き出され、楽しさが伝わります。実際に試してみたくなる絵本です。(幼児から)

物語小学校高学年から

からほり亭で漫才!(文研じゅべにーる)

藤田 富美恵/作 ・ 古味 正康/絵

文研出版 (2009.5)

夏休み、朋子が商店街で、気難しい金物屋のおばあちゃんにけがをさせてしまった。治るまでの間、大の仲良しの美喜と二人で家事や店番を手伝ううちに、この店が戦前まで「からほり亭」という寄席だったことを知る。大阪の空堀商店街を舞台に、漫才などの上方芸能や町の暮らしをとりあげ、登場人物たちの交流を温かく描く。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

トン・ウーとはち(講談社の創作絵本)

小風 さち/作 ・ 小野 かおる/絵

講談社 (2009.5)

トン・ウーは、寺の門にあった蜂の巣を叩きました。怒った蜂は犯人を捜しにきますが、言いくるめられて、座禅や念仏踊りをさせられます。いたずら坊主と、何百年も寺にすみついている蜂とのやりとりがユーモラスです。建物や登場する怪物たちは、鮮やかな朱や緑で彩られ、迫力ある構図も目を引く、韓国が舞台の創作絵本。(幼児から)

物語中学生から

魔法の館にやとわれて(大魔法使いクレストマンシー)

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/作 ・ 田中 薫子/訳

徳間書店 (2009.5)

12歳のコンラッドは、魔法使いの叔父に説得されて貴族の館で働くことになった。ともに従僕となったクリストファーと、館の内外で起こる不思議な現象の原因を探るうちに、意外な事実が明らかになる。イギリスが大陸と地続きになっている異世界を舞台にした、個性的な人物や奇想天外なストーリー展開が魅力的なファンタジー。(中学生から)

知識の本幼児から

てのひらおんどけい(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

浜口 哲一/ぶん ・ 杉田 比呂美/え

福音館書店 (2009.5)

パパと散歩に出かけた男の子が、つないだ手のぬくもりに気が付いたのをきっかけに、いろいろなものにさわって、暖かさを調べます。たとえば、家のさくは日陰と日なたとで、公園の砂山は表面と穴の中とで、温度が違います。やわらかい線と色使いで、身の回りのちょっとした不思議を発見する子どもを、楽しく描いた絵本です。(幼児から)

物語小学校中学年から

前奏曲は、荒れもよう(福音館創作童話シリーズ)

今井 恭子/作 ・ 西巻 茅子/画

福音館書店 (2009.4)

陶芸家のママが有名ピアニストと再婚するかもしれない。それが気に入らない絵里子は、大好きな絵画教室にも行かずに、落ち着かない毎日を送っていた。しかしケガをした時に助けてくれた甲山先生やタケくんと過ごすうちに、次第に心がほぐれていく。多感な女の子が、母親の再婚を受け入れるまでを描いた、心温まる物語。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

ピピンとトムトム -怪盗ダンダンの秘密-(おはなしルネッサンス)

たかどの ほうこ/作 ・ さとう あや/絵

理論社 (2009.4)

9歳のピピンとトムトムは、テレビの怪盗ダンダンにあこがれている。近所に住む100歳のチェントさんに、隣の空き家から怪しい音がすると聞き、正体を確かめようとその家に忍び込んだ。身近な謎を自分たちで解決する楽しさに共感できる。探偵小説家志望のドラさん、花瓶収集癖のあるレミさんなど、他の登場人物も個性的だ。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

皇帝にもらった花のたね

デミ/作・絵 ・ 武本 佳奈絵/訳

徳間書店 (2009.4)

皇帝が国中の子どもに花の種を渡し、一番きれいに咲かせた子を世継ぎにすることにしました。花の世話が大好きな男の子ピンの種からはどうしても芽がでませんでしたが、それを皇帝に見せに行きます。中国風のうちわの形にかたどられた色鮮やかな絵が、小さな芸術品のようです。正直であることの大切さを伝える作品です。(小学校低学年から)

物語中学生から

ロジーナのあした -孤児列車に乗って-

カレン・クシュマン/作 ・ 野沢 佳織/訳

徳間書店 (2009.4)

19世紀末のシカゴ。家族を亡くした12歳のロジーナは、養い親を探して西部へ向かう孤児列車に乗せられた。監督役の女性医師の冷たさに反発心を抱いていたロジーナだが、やがて彼女の夢を知り、理解しあうようになる。孤独だった少女が、不安と悲しみを抱えながらも、さまざまな人の生き方に触れ、新しい家族を得るまでを描く。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

そらまめくんとながいながいまめ

なかや みわ/さく

小学館 (2009.4)

そらまめくんは、長いサヤを持つさんじゃく豆の兄弟に出会い、どちらの豆のベッド(サヤ)がすばらしいか言い合いになります。水たまりを渡る競争でおぼれた末っ子に、そらまめくんはベッドを貸してあげました。そらまめくんの他人を思いやる姿に成長が感じられます。淡い色使いで描かれた、豆たちの表情も楽しい絵本です。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ひみつのカレーライス

井上 荒野/作 ・ 田中 清代/絵

アリス館 (2009.4)

カレーの中から出てきた種が、芽を出し、カレーの実をつけます。「ピリカラ、ホイ」と唱えて踊るなど、植え付けの儀式を大まじめに行う、フミオと家族の様子が愉快です。レトロな温かい絵からは、みんなでカレーを食べる幸せが伝わります。子どもの大好物を題材に、種があったら楽しいなという想像をかきたてるお話です。(幼児から)

物語中学生から

風の靴

朽木 祥/作 ・ 服部 華奈子/挿絵

講談社 (2009.3)

中学1年の海生(かいせい)は、優等生の兄と比べられ、いつもプレッシャーを感じていた。大好きな祖父の死を機に、彼は親友とヨットでの家出を計画する。2人はヨットを走らせ、祖父との約束を果たすため、秘密の入江にたどり着く。家を離れ、自分を見つめる少年の心の機微が丁寧に描かれる。詩情豊かな海の描写が美しい。(中学生から)

物語小学校高学年から

メニメニハート

令丈 ヒロ子/作 ・ 結布/絵

講談社 (2009.3)

派手でルーズなサギノと、真面目で怖いマジ子。小学校の「呪いの大鏡」の前でぶつかった2人の少女は、互いの心と体が少しずつ入れ替わり始める。不思議な体験の中で、2人は本音で語り合って友情を築き、相手の良さを認め合っていく。事件にいやおうなく巻き込まれた同級生の少年の、ため息まじりの軽妙な語り口が楽しい。(小学校高学年から)

物語中学生から

龍の腹(くもんの児童文学)

中川 なをみ/作 ・ 林 喜美子/画

くもん出版 (2009.3)

鎌倉時代、博多商人の息子の希龍(きりゅう)は、青磁の技法を習得したい父とともに、8歳で中国へ渡る。しかし、一人残されて修業することになった。父への愛情と寂しさを胸に秘めながら、少年は陶工をめざす。戦乱の南宋を舞台に、様々な人との出会いや別れを経て、主人公が人間的にも成長していく様子を描く壮大な物語。(中学生から)

物語中学生から

ベルおばさんが消えた朝

ルース・ホワイト/作 ・ 光野 多惠子/訳

徳間書店 (2009.3)

ベルおばさんが行方不明になり、12歳の息子ウッドローが、隣に住む祖父母にひきとられてきた。いとこで同い年のジプシーは、明るい彼と過ごすうちに、義父に心を開き、実父の死とも向き合えるようになる。1950年代アメリカの炭鉱の町を舞台に、肉親を失い、心に傷を負った少年少女の、繊細な心の動きと成長を丁寧に描く。(中学生から)

知識の本幼児から

おとうさんはしょうぼうし(おとうさん・おかあさんのしごとシリーズ)

平田 昌広/作 ・ 鈴木 まもる/絵

佼成出版社 (2009.3)

ぼくの父さんは消防士、交代で町を守っている。地震や洪水に備えて、毎日訓練をする。大火事でも父さんなら心配ないと思うけれど、休日に一緒に遊べなくてさびしいこともある。かっこいいが厳しい仕事を、子どもの目からわかりやすく描いた絵本。赤を効果的に使った温かみのある絵で、父を誇りに思う気持ちが伝わってくる。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

森の写真動物記 8 肉食獣

宮崎 学/著

偕成社 (2009.3)

オオカミが絶滅した日本では、クマを除くと代表的な肉食獣は、キツネやタヌキなどの小型の動物だけである。死体の腐りにくい冬場、その肉を異なる肉食獣が順に食べることで、春先まで残ることなく、森がきれいに保たれる。厳しい自然環境の中ですみわけて生きる動物たちの、生態と役割を綿密に観察し、豊富な写真で紹介する。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

森の写真動物記 7 草食獣

宮崎 学/著

偕成社 (2009.3)

戦後日本では森が伐採され、ノウサギやシカの数が増えた。絶滅寸前だったカモシカも、その後保護されて急増した。これら3種類の草食獣の生態を、中央アルプスで自然観察を続けている著者が、鮮明な写真をふんだんに使って紹介する。草食動物と、環境の変化や人間とのかかわりを手がかりに、自然保護について考える一冊。(小学校中学年から)

知識の本幼児から

ことりのゆうびんやさん(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

ニコライ・スラトコフ/原作 ・ 松谷 さやか/ぶん

福音館書店 (2009.3)

ぼくのうちの郵便受けにキツツキが穴をあけ、そこにセキレイのつがいが、まるで郵便屋さんのように木の枝などを運びます。郵便受けで巣作りや子育てをする小鳥と、温かく見守る家族の様子がほほえましい絵本です。鮮やかな色使いの絵からは、鳥たちの愛らしさ、ぼくとその家族の優しさや観察する楽しさが伝わってきます。(幼児から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

子どもに語る中国の昔話

松瀬 七織/訳 ・ 湯沢 朱実/再話

こぐま社 (2009.3)

中国では三大昔話として親しまれている「牛のシラミいっぴき」や、七夕の由来を伝える「牛飼いと織姫」など、18話を収める。中国の人口の大部分を占める漢民族の昔話を集めたものだが、意外に日本では知られていないものも多い。知恵をつかってたくましく生きてきた庶民の姿が、子どもにもわかりやすく語られている。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

シュガー&スパイス

ジーン・ユーア/作 ・ 渋谷 弘子/訳

フレーベル館 (2009.2)

12歳のルースは学校では仲間はずれにされ、家では手伝いばかりさせられ、どこにも居場所がなかった。自信家のシェイが転校してきたことで、内気だったルースは少しずつ変わり始めたのだが、仲良くなるにつれシェイも心に問題を抱えていることに気付く。何もかも正反対の2人の少女が、傷つきながらも成長していく姿を描く。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

双子のヴァイオレット(文研じゅべにーる)

ジーン・ユーア/作 ・ 渋谷 弘子/訳

文研出版 (2009.2)

ヴァイオレットは内気で、活発な双子の妹リリーと比べられるのが悩みだが、文章を書くのは得意だ。そこで雑誌を介して文通を始め、相手に好かれようとリリーの体験を自分のことのように書いてしまう。10歳の少女が、気の合う友人を得て、ありのままの自分でいられるようになるまでを、子どもの気持ちに寄り添って描く。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ハンスぼうやの国

バルブロ・リンドグレーン/文 ・ エヴァ・エリクソン/絵

あすなろ書房 (2009.2)

ハンス坊やと彼の国に住む一風変わったおもちゃの住人たちの日常を描く。故郷を思って涙ぐむジャコウネズミや陰気なオジクマなど、幸せ嫌いの仲間たちの会話が楽しい。遊びも、ウサギごっこをしたり、おしゃべりなビー玉を砂場に埋めたりとユニークだ。ハンスたちが巻き起こす騒動に笑いを誘われる、スウェーデンの物語。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ビーバー族のしるし

エリザベス・ジョージ・スピア/著 ・ こだま ともこ/訳

あすなろ書房 (2009.2)

森の小屋を1人で守っていたマットは、ケガをしたところをインディアンの老人に助けられた。マットはお礼に老人の孫エイティアンに英語を教えることになるが、逆に大自然の中で生きる知恵を彼から教えられる。開拓時代のアメリカを舞台に、文化を超えた友情を育み、成長していく少年たちを描く。1986年刊の改訳新版。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

ヘビのひみつ(ふしぎいっぱい写真絵本 14)

内山 りゅう/写真・文

ポプラ社 (2009.2)

意外に人間の近くにいるけれど、知らないことも多いヘビについて解説した写真絵本です。ヘビの皮が口の先から靴下を脱ぐようにするするとむける様子、自分の体よりも大きな獲物を食べる姿などが、迫力ある写真で紹介されています。巻末では、様々なヘビの秘密が分かりやすく説明され、より興味を深めさせてくれます。(小学校低学年から)

知識の本幼児から

なのはなみつけた(かがくのとも傑作集)

ごんもり なつこ/さく

福音館書店 (2009.1)

春になり、畑や川の土手に菜の花が咲きました。アブラナだけでなく、小松菜や白菜などから咲いた花も菜の花と言い、葉の形や茎の色が少しずつ違います。花が咲き、秋には実になる様子が、虫や鳥などの生き物とともに、美しい絵で描かれた知識の絵本です。やさしく語りかける文章で、実際に花を探しに出かけたくなります。(幼児から)

よみつがれてきた物語幼児から

うばのかわ(てのひらむかしばなし)

長谷川 摂子/文 ・ 小西 英子/絵

岩波書店 (2009.1)

昔じいさまが、大蛇に飲まれそうなヒキガエルを助けるため、娘を嫁にやると約束しました。嫁に行った末娘は、知恵を働かせて大蛇から逃れ、父が助けたヒキガエルに出会って、着ると年寄りの姿になる「うばの皮」をもらいます。気の優しいしっかりものの娘が幸せになる日本の昔話を、色鮮やかな水彩画とともに物語ります。(幼児から)

物語小学校中学年から

かりんちゃんと十五人のおひなさま

なかがわ ちひろ/作

偕成社 (2009.1)

おひなさまを欲しがっていたかりんは、ひいおばあさんから古風なひな人形一式を譲られました。その夜、彼女は三人官女が宴の準備をしているのを見つけ、おひなさまたちの本当の姿を知るようになります。個性豊かなひなたちとのやり取りが楽しく、ひな人形に込められた少女の健やかな成長への願いも伝わってきます。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

からだのなかでドゥンドゥンドゥン(幼児絵本ふしぎなたねシリーズ)

木坂 涼/ぶん ・ あべ 弘士/え

福音館書店 (2008.12)

空を飛ぶ鳥は「タクタク」、海を泳ぐクジラは「ドウーンドウーン」のように、生き物の心臓の音が様々に表現されている。色鮮やかで温もりのある絵が見開きいっぱいに描かれ、詩人の言葉を小さな子どもにも分かりやすく伝えている。すんでいる場所も体の大きさも違うが、みんな心臓を鳴らして生きていることを感じさせられる。(幼児から)

絵本/絵童話小学校中学年から

門ばんネズミのノーマン

ドン・フリーマン/作 ・ やました はるお/訳

BL出版 (2008.12)

ノーマンは美術館のネズミ穴で門番をしています。人間に隠れて、仲間に美術品の案内をしつつ、絵や彫刻の創作を楽しんでいました。ある日、彫刻コンテストに、ノーマンはネズミ捕りで作った作品を出品します。人間に邪魔者扱いされるネズミが、作品の芸術性を理解され、受け入れられる様子を温かいタッチで描いています。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ふたごの兄弟の物語 下(岩波少年文庫 157)

トンケ・ドラフト/作 ・ 西村 由美/訳

岩波書店 (2008.12)

双子のラウレンゾーとジャコモは、瓜二つだが、性格はまったく違う。二人はその外見を利用し、盗人の宿屋をこらしめたり、なぞなぞ騎士に挑んだりと大活躍する。堅実な兄と奔放な弟が、冒険を経て、自分の道を見つけるまでを描く。お互いを信頼しあい、次々と起こる難題を協力して解決していく姿がすがすがしく、痛快な物語。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ふたごの兄弟の物語 上(岩波少年文庫 156)

トンケ・ドラフト/作 ・ 西村 由美/訳

岩波書店 (2008.12)

双子のラウレンゾーとジャコモは、瓜二つだが、性格はまったく違う。二人はその外見を利用し、盗人の宿屋をこらしめたり、なぞなぞ騎士に挑んだりと大活躍する。堅実な兄と奔放な弟が、冒険を経て、自分の道を見つけるまでを描く。お互いを信頼しあい、次々と起こる難題を協力して解決していく姿がすがすがしく、痛快な物語。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

空とぶじゅうたん -アラビアン・ナイトの物語より-

マーシャ・ブラウン/再話・絵 ・ 松岡 享子/訳

アリス館 (2008.12)

3人の王子が、宝を求めて旅立ちました。一番素晴らしい宝を持ち帰った者が、美しいいとこと結婚できるのです。それぞれに不思議な宝を手に入れた王子たちは、彼女の危機を知り、御殿へ急ぎ駆けつけます。3人の冒険が、簡潔な文章で語られます。中近東のきらびやかなイメージが、大胆な構図と色使いで描かれた絵本です。(小学校低学年から)

知識の本小学校高学年から

琵琶湖の水鳥

今森 洋輔/著

偕成社 (2008.12)

ヨシ原や泥地など、変化に富む自然が残る琵琶湖は、多種類の水鳥がすむ、国際的にも貴重な場所である。滋賀在住の著者が、アオサギなどの鳥たちを、場所ごとに美しい細密画で紹介している。鳥の種類や生態の違いがよくわかり興味深い。開発が湖の生物に与える影響の大きさも訴えており、環境保全の大切さを考えさせる。(小学校高学年から)

歴史・伝記物語小学校中学年から

ヘンリー・ブラウンの誕生日

エレン・レヴァイン/作 ・ カディール・ネルソン/絵

鈴木出版 (2008.12)

ヘンリーは奴隷としてアメリカ南部に生まれ、誕生日も年齢も知らない。働き者の彼は同じ奴隷のナンシーと結婚し幸せに暮らしていたが、妻と子どもが売られ離れ離れになる。奴隷制のない北部あてに、木箱に入って自分を送り脱出した、19世紀前半の実話を基にした絵本。静かな語りと重みのある絵で、自由を求める姿を描く。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

おばあちゃんのおせち(クローバーえほんシリーズ)

野村 たかあき/作・絵

佼成出版社 (2008.12)

今年もあと4日。きりちゃんは、おばあちゃんとお節の材料を買いに商店街に行きました。数の子を水に浸し、黒豆を煮て、お手伝いをします。大掃除やお正月飾りをし、家族で新年を迎える様子が、温もりのある版画で描かれており、日本の昔ながらの伝統を感じることができます。巻末にお節料理のいわれが紹介されています。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

わすれんぼライリー、大統領になる!

クラウディア・ミルズ/文 ・ R.W.アリー/絵

あすなろ書房 (2008.12)

伝記の学習の後、各自が調べた人に扮してパーティーをすることになり、ライリーにはルーズベルト大統領が当たった。選択授業で楽器を借りる許可をお母さんにもらいたい彼は、大統領ならどうするか考えながら、本気で勉強し始める。9歳の男の子が、目標に向かって努力し変わっていく姿を、アメリカの生活習慣を交えて描く。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ルール!

シンシア・ロード/作 ・ おびか ゆうこ/訳

主婦の友社 (2008.12)

12歳のキャサリンは、自閉症の弟がうまく生きていくためのルールを作り、教えながら面倒を見ている。彼女は会話カードで話をする車椅子の少年と仲良くなるが、弟や彼のことを新しくできた友達に紹介するのをためらってしまう。著者の経験をもとに、日常生活に支援が必要な人々とその家族を、ユーモアを交えて描いた物語。(小学校高学年から)

物語中学生から

ウィロビー・チェースのオオカミ(「ダイドーの冒険」シリーズ)

ジョーン・エイキン/作 ・ こだま ともこ/訳

冨山房 (2008.11)

1800年代のイギリス、ボニーはいとこのシルヴィアと、広大な屋敷「ウィロビー・チェース」に住んでいる。ボニーの両親が留守の間、屋敷に住み込む家庭教師が、家を乗っ取ろうと策略をめぐらす。不幸のどん底に突き落とされながら、おてんばなボニーとおとなしいシルヴィアが、勇気と知恵を絞って苦境を切り抜ける冒険物語。(中学生から)

物語小学校中学年から

雪の日のたんじょう日

ヘレン・ケイ/さく ・ バーバラ・クーニー/え

長崎出版 (2008.11)

スティーブンは、誕生日に雪が降ることを願っていた。しかし当日は大雪になってしまい、友達は誕生会に来られそうにない。計画し始めてから当日までに起こるさまざまな出来事と、少年の揺れ動く気持ちを描く。彼を見守る家族やまわりの人々の気遣いが、心温まる物語。丁寧に描きこまれた美しい絵が、物語によく合っている。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

やまんばあさんとなかまたち

富安 陽子/作 ・ 大島 妙子/絵

理論社 (2008.11)

ドングリ山に住むやまんばあさんは、夢の中で「富士山に集まれ」という声を聞き、大樹海塾の同窓会に行く。てんぐの天ちゃん、雪女の雪ちゃんなどの同級生と再会し、雲に乗って遠足に行った思い出話を語り合う。豪快な挿絵は物語の雰囲気によく合っている。語り口調の文章は親しみやすく、のびのびとした様子が伝わってくる。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

わたしは海獣のお医者さん(イワサキ・ノンフィクション 11)

勝俣 悦子/著

岩崎書店 (2008.11)

イルカやセイウチなど、海にすむほ乳類を海獣といいます。水族館の獣医である著者は、謎の多い海獣たちの生態に向き合い、長年にわたり健康管理や繁殖にあたってきました。シャチに注射を打ったり、アシカの子の母親代わりになったりと、愛情を持って接してきた姿勢がたのもしく、舞台裏の苦労や喜びが伝わってきます。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

竹とぼくとおじいちゃん(ふしぎいっぱい写真絵本 13)

星川 ひろ子/著 ・ 星川 治雄/著

ポプラ社 (2008.11)

小学1年生のつばさは、祖父と食べたお弁当の竹の子がきっかけで、真竹に興味を持ち、翌日からその成長を観察する。祖父は一緒に竹とんぼやほうきを作ることで、竹が生活の中に様々な形で溶け込んでいたことを伝えていく。春から秋にかけての農作業の合間に、祖父が孫に昔からの知恵を伝える様を自然な形で描く写真絵本。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

てぶくろがいっぱい

フローレンス・スロボドキン/文 ・ ルイス・スロボドキン/絵

偕成社 (2008.11)

ネッドとドニーは双子です。ある日、ドニーが手袋を片方なくしました。それを知った近所の人が、次々と落とし物の手袋を届けてくれます。集まり過ぎた分は、持ち主に返すために裏庭につるすことにしました。寒い冬に、人々の思いやりで心が温かくなるお話。水彩のぬくもりのある色使いの絵も、物語の雰囲気に合っています。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

森の写真動物記 6 樹洞

宮崎 学/著

偕成社 (2008.11)

樹洞とは、木の幹にある穴のこと。自然に開いた穴は長い年月を経て広くなりながら、まず小鳥、そして小動物やクマによって、巣やねぐらとして活用される。一方、キツツキが開けた穴はやがてふさがり、木は成長を続ける。根気よく観察を重ね、鮮やかに生態を切り取った写真で、森の木々と生き物との命の響きあいを伝える。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

時間をまきもどせ!

ナンシー・エチメンディ/作 ・ 吉上 恭太/訳

徳間書店 (2008.1)

中学生のギブはある日、謎の老人に時間を巻き戻す機械を渡された。半信半疑のギブだったが、その夜大けがをした幼い妹のため、過去に戻ることを試みる。思い通りに事が進まずに奔走する少年の一夜を描く。家族や友だちの大切さを感じながら、大事な選択をしていく少年の一生懸命な様子に、はらはらさせられ引き込まれる。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

ペンギンのヒナ(みつけようかがく)

ベティ テイサム/さく ・ ヘレン K.デイヴィー/え

福音館書店 (2008.1)

コウテイペンギンのヒナは、氷に覆われた南極大陸で生まれます。父親が足にのせて卵を温め、ヒナがかえると、母親と交代で子どもの世話と海での餌取りをします。この種特有の子育ての様子が、丁寧に解説されている科学絵本です。巣を作れない厳しい環境の中で生きるペンギンの姿が、美しい色彩でくっきりと描かれています。(小学校低学年から)

よみつがれてきた物語小学校高学年から

スウェーデンの森の昔話

アンナ・クララ・ティードホルム/編・絵 ・ うらた あつこ/訳

ラトルズ (2008.1)

日本でも知られている「くぎスープ」や、不思議な「トロルの心臓」など、スウェーデンの昔話を12編収録する。森を身近に思うと同時に、おそれもしてきた北国の人々が、語り伝えてきた話をもとにしており、耳で聞いても楽しめる作品である。緑が基調の挿絵が素朴な北欧の話にぴったりで、昔話の中の深い森の世界へ誘う。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ぼくがバイオリンを弾く理由(わけ)(ノベルズ・エクスプレス 2)

西村 すぐり/作 ・ スカイエマ/絵

ポプラ社 (2008.1)

5年生のカイトはコンクールに落ち、バイオリンをやめると決意して広島に帰った。失望しながらも彼は、今まで練習漬けで付き合わなかった人たちと触れ合うなかで、何のために弾くのかを見つめ直していく。1枚の楽譜との出会いをきっかけに、成長していく少年の物語。主人公が曲から思い描く情景が美しく、印象に残る。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ネコのアリストテレス(評論社の児童図書館・文学の部屋)

ディック・キング=スミス/作 ・ ボブ・グラハム/絵

評論社 (2008.1)

ネコには命が九つあるといいますが、やんちゃな子ネコ・アリストテレスもそうでした。けれども、魔女のおばあさんにもらわれた日に、煙突から落ちて残り八つになり、その後も危険な目に遭っては、おばあさんに諭されます。軽やかなタッチの絵とともに、幼いものの成長を見守る大人の優しさが、ほのぼのと描かれたお話です。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ゆかいなさんにんきょうだい 1 きえたおかしのまき

たかどの ほうこ/作・絵

アリス館 (2008.1)

「仲良く食べてね」ともらったお菓子を、たろうがこっそりタンスに隠しました。それを見ていたじろうが二つ、その後さぶろうが三つ食べました。たろうが戻ってみると、残っているはずのお菓子がありません。色を塗った紙や布を張り、工夫を凝らした絵で、予想外の展開が語られます。3人兄弟の表情も愉快な絵童話です。(幼児から)

物語小学校高学年から

パディントンの大切な家族(世界傑作童話シリーズ)

マイケル・ボンド/作 ・ ペギー・フォートナム/画

福音館書店 (2008.1)

ブラウン家に住むクマのパディントンに、学校に行くよう通知が来ました。先生とひともんちゃく起こし、行かなくてよくなりますが、後日ラグビーの親善試合に招待されます。善意と好奇心にあふれ、正義感の強い彼の行く先々で、誤解から必ず騒動が起こるも、なぜかうまく収まるいきさつを軽妙に語ります。シリーズ最終巻。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ぼくのかえりみち

ひがし ちから/作

BL出版 (2008.1)

そら君は、小学校から家まで、道路に引かれた白い線の上だけを通って帰ることにしました。トンボやザリガニのさそいに負けず、大きな犬に遭遇する危機などを乗り越えて、そろりそろりと歩いていきます。温かな色彩の中に、黒い道路と白い線の対比を効果的に描きます。子どもの想像力を、うまく取り入れた絵本です。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

カイサとおばあちゃん(リンドグレーン作品集 23)

リンドグレーン/作 ・ 石井 登志子/訳

岩波書店 (2008.9)

足を痛めたおばあちゃんの代わりに、大掃除やクリスマスの準備をやり遂げた、6歳のカイサ。お父さんのペンを取ったと思われ、怒って庭の小屋へ家出したペッレ。つらい状況の中でも自分に誇りを持って生きる子どもを主人公にした、短編10話を収めている。ユーモアを交えながらも、淡々と書かれた厳しい現実が胸に迫る。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

キツネ(北国からの動物記 2)

竹田津 実/文|写真

アリス館 (2008.9)

トウと名づけた雌ギツネが結婚して出産し、子ギツネが巣立つまでをつづった写真絵本。結婚の方法や子育ての分担など、キツネの生態を知ることができる。北海道で撮影された写真は、親子のふれあいや、獲物を追う子ギツネのありままの姿をとらえており、興味深い。やさしい語り口調の文章で、キツネへの愛情が伝わってくる。(小学校中学年から)

物語中学生から

縞模様のパジャマの少年

ジョン・ボイン/作 ・ 千葉 茂樹/訳

岩波書店 (2008.9)

少年ブルーノは、強制収容所のフェンス越しに、縞模様の服を着た少年シュムエルと友達になる。ナチスの司令官である父の所業を知らされず、ユダヤ人の痛みにも気づかない9歳の無知なブルーノの視点で物語は描かれる。2人の友情の悲しい結末が、ホロコーストの罪深さと、真実を見抜く目を持つことの大切さを伝えている。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

うさこちゃんのさがしもの(ブルーナの絵本)

ディック・ブルーナ/ぶん・え ・ まつおか きょうこ/やく

福音館書店 (2008.9)

ある朝、うさこちゃんが大切にしているぬいぐるみのくまさんが、いなくなってしまいました。家族や友だちに尋ねまわりますが、誰も行方を知りません。うさこちゃんの一生懸命な様子や見つけたときの嬉しさが、新しい訳によってさらにしみじみと伝わります。小さな子どもにとって身近な体験を描き、共感を呼ぶ作品です。(幼児から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

オランウータンのジプシー -多摩動物公園のスーパーオランウータン-(ポプラ社ノンフィクション 2)

黒鳥 英俊/著

ポプラ社 (2008.9)

多摩動物公園の人気者であるジプシーは、好奇心旺盛なおばあさんオランウータン。彼女はスカイウォークを渡ったり、飼育員である著者の行動をまねて、ハーモニカを吹いたり、ぞうきんを絞ってそうじをしたりすることができる。オランウータンの頭の良さや家族の絆の深さ、相手への思いやりを感じることができ、心が温まる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

サンドイッチサンドイッチ(福音館の幼児絵本)

小西 英子/さく

福音館書店 (2008.9)

パンにバターを塗り、野菜や玉子を乗せ、サンドイッチを作ります。軽快なリズムの言葉で、サンドイッチができあがっていく様子を追います。柔らかそうなパンやみずみずしいトマトなど、幼い子どもにも身近な食材が次々に登場し、自分でも作って食べてみたくなります。丁寧に描かれた温かな筆致が、親しみやすい絵本です。(幼児から)

物語小学校中学年から

ウェディング・ウェブ -サムがつむいだ夢-

ネット・ヒルトン/作 ・ 小松原 宏子/訳

くもん出版 (2008.8)

89歳のヴァイオレット・アンは、亡き夫との思い出がつまった家に一人で住んでいた。ひ孫のジェニーが泊まりに来た時、美しいクモの巣を見つけたアンは、結婚式のベールを思い出し、そのクモをサムと名づけた。身近な動物や人々と一緒に、人生を楽しんだアンの老いと死を、ジェニーが受けとめる様があたたかく描かれている。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

里山百年図鑑 -野遊びを楽しむ-

松岡 達英/作

小学館 (2008.8)

あぜ道に咲く花、雑木林の昆虫など、里山の豊かな自然とそこにすむ生き物たちを、美しく繊細な絵で描き出した図鑑です。川魚の捕まえ方や、おいしいきのこ料理の作り方など、身近な自然と親しむ方法も紹介されており、実際に試してみたくなります。里山の美しい自然を未来に残したいという著者の願いが込められています。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

わしといたずらキルディーン

マリー女王/著 ・ 長井 那智子/訳

春風社 (2008.8)

王女キルディーンは、父の王冠を隠したいたずらが元で、塔に幽閉される。ワシの王の助けで三つの冒険を経験し、わがままな王女が、大人のふるまいを身につけた王族として生まれ変わるまでを描く。繊細な挿絵と、ルーマニア王妃の筆による、格調高い文章が印象的な童話である。昭和17年発行の『わし姫物語』の改訳・再刊。(小学校中学年から)

物語中学生から

フェリックスとお金の秘密

ニコラウス・ピーパー/作 ・ 天沼 春樹/訳

徳間書店 (2008.7)

12歳のフェリックスは、お金持ちになるため、友達と「小人のなんでもや」を始める。仲良くなった楽器店の主人から簿記や証券取引のことを教わり、自分たちの資産を増やしていく。仲間3人で相談し資産運用していくなかで、お金のもつ役割や怖さについて、子どもなりに感じとっていく様子が生き生きと描かれている。(中学生から)

物語小学校中学年から

秘密の島のニム

ウェンディー・オルー/著 ・ 田中 亜希子/訳

あすなろ書房 (2008.7)

ニムは、海洋生物学者の父や動物たちと、サンゴ礁に囲まれた孤島で楽しく暮らしていました。ところが、調査に出かけた父が嵐で遭難し、連絡が途絶えてしまいます。ニムが不安になったとき、あこがれの冒険小説家から偶然メールが届きます。お互い顔も知らない2人が、メールで交流を深め、困難を乗り越えていく物語です。(小学校中学年から)

物語中学生から

ほとばしる夏(世界傑作童話シリーズ)

ジェイン・レズリー・コンリー/作 ・ 尾崎 愛子/訳

福音館書店 (2008.7)

13歳の少女シャーナは、気ままな父の家出のせいで、母や弟と都会に引っ越した。田舎暮らしが忘れられない姉弟は、夏の間借りた山小屋で、森林管理官を名乗る偏屈な老人と出会う。夢を追ってバラバラになる家族に揺れる少女の心情が、孤独な老人との交流を通して丁寧に描かれる。家族のつながりとは何かを考えさせられる。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

おこだでませんように

くすのき しげのり/作 ・ 石井 聖岳/絵

小学館 (2008.7)

ぼくはいつも怒られる。妹が泣くとおかあちゃんに怒られ、仲間はずれにされて友達を殴ったら先生に怒られた。本当はいい子と言われたい少年が、七夕の短冊に一番の願いを書く。「おこだでませんように」と。表情豊かな絵で、子どもの切実な思いを描いた絵本。短冊を見た先生や母親が、少年の気持ちに気付く姿も印象深い。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

バアちゃんと、とびっきりの三日間(スプラッシュ・ストーリーズ 5)

三輪 裕子/作 ・ 山本 祐司/絵

あかね書房 (2008.6)

祥太はのんびり屋の5年生。夏休みに3日間、物忘れがひどくなった糖尿病の祖母(バアちゃん)と、昼間留守番をすることになる。亡くなった祖父に会いに病院に行った祖母を探したり、祖父のお墓参りについて行ったりと祥太は全力でがんばる。幼い頃面倒をみてもらった祖母と過ごし、気持ちを通い合わせる姿がほほえましい。(小学校中学年から)

物語中学生から

夢の彼方への旅

エヴァ・イボットソン/著 ・ 三辺 律子/訳

偕成社 (2008.6)

両親を亡くしたイギリス人のマイアは、ブラジルに移住した親戚に引き取られた。彼女は、アマゾンに暮らす少年フィンと出会い、その自然や生活に引き込まれていく。フィンの出自にかかわる事件やジャングルへの冒険など、物語は次々と展開する。20世紀初頭の新大陸を舞台に、自分の居場所を見出していく少女の姿が描かれる。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

うさこちゃんびじゅつかんへいく(ブルーナの絵本)

ディック・ブルーナ/ぶん・え ・ まつおか きょうこ/やく

福音館書店 (2008.6)

うさこちゃんは両親と美術館に行きました。絵やモビール、彫刻など様々な作品を見てまわり、感動したうさこちゃんは、画家になる決心をします。初めて芸術の世界に触れた驚きや疑問が、子どもの目線で優しく語られています。シンプルな黒の描線に、5色の大胆な色使いの絵で美術作品を表現し、芸術に親しみを感じさせます。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ながいながい旅 -エストニアからのがれた少女-(大型絵本)

イロン・ヴィークランド/絵 ・ ローセ・ラーゲルクランツ/文

岩波書店 (2008.5)

1940年頃、小さな女の子が、エストニアで祖母と暮らしていました。戦争中も爆撃の合間に、イチゴつみや水遊びを楽しんでいましたが、また別の国が攻めてきました。少女は町の人たちと国外へ逃れ、ついに病に倒れます。避難先で叔母に会い幸せになるまでの、画家自身の自伝的な物語を、様々な技法で描いた美しい絵本です。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

チャンプ -風になって走れ!-(スプラッシュ・ストーリーズ 4)

マーシャ・ソーントン・ジョーンズ/作 ・ もき かずこ/訳

あかね書房 (2008.5)

スポーツが苦手なライリーは、父親の期待に応えられず、劣等感を抱えていた。ある日、彼は交通事故で前脚を一本失った犬・チャンプを引き取り、一緒に犬の障がい物競走に参加することになる。周囲の協力を得、訓練を続けるなかで、大事なことは勝敗ではなく、最後までやり遂げることだと気づいていく少年の姿が心に残る。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

危機のドラゴン(評論社の児童図書館・文学の部屋)

レベッカ・ラップ/著 ・ 鏡 哲生/訳

評論社 (2008.5)

友となった三つ首のドラゴンに会うため、孤島を訪れた3人きょうだい。そこへ、大金持ちの男が島を調べにやってきた。竜が見つかる危険を感じた3人は、彼の動きを見張る。心配する子どもたちと、なだめる竜とのやりとりが楽しい。竜の首それぞれが語るお話も魅力的で、物語にひきこまれる。『孤島のドラゴン』の続編。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

北のはてのイービク(岩波少年文庫 152)

ピーパルク・フロイゲン/作 ・ 野村 泫/訳

岩波書店 (2008.5)

エスキモーの少年イービクは、初めての狩りで父親を失った。イービクと祖父では十分な獲物がとれず、一家は食料や衣類などすべてに事欠き、次第に困窮していく。家族を支える力を持たなかった少年が初めてクマをとり、大人として認められるまでを、淡々とした語り口で描く。半世紀前までの極北の狩猟民の生活や価値観も興味深い。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

森の写真動物記 5 クマのすむ山

宮崎 学/著

偕成社 (2008.5)

ロボットカメラで、中央アルプスの遊歩道を無人撮影してみると、ツキノワグマが20頭以上も確認できた。驚いた著者は、熊の生態を追って、足跡やふん、えさ場等を多数の写真に収めた。丁寧な調査を通して、すぐ近くに人家や工場があるところでも、熊が生活を営んでいることがわかった。熊と人とのかかわりを考えさせられる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

みつばちみつひめ てんやわんやおてつだいの巻

秋山 あゆ子/作

ブロンズ新社 (2008.5)

蜜蜂のみつひめは、御殿の暮らしに退屈し、城の外へ飛び出した。マルハナ蜂の団子屋や、トックリ蜂の焼物屋で、手伝ううちに迎えが来て、皆をお城へご招待。リズミカルな文章で語られる、姫のおてんばぶりに引き込まれる。六角形の畑や風呂、虫の形の小道具など、細部まで描きこまれた、やわらかい色の水彩画も楽しい絵本。(幼児から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

かにこちゃん(はじめてであうえほんシリーズ)

きしだ えりこ/さく ・ ほりうち せいいち/え

くもん出版 (2008.4)

海が大好きなかにこちゃんは、1日中、波打ち際で遊んでいます。砂の山で仲間たちとにらめっこしていると、夕日に照らされ真っ赤にもえる海と空が見えました。赤・オレンジ・緑などの鮮やかな色使い、海の広さを感じさせる構図が大胆です。カニの歩く「すこすこ」などの音もリズミカルで、海で遊ぶ楽しさが伝わってきます。(赤ちゃんから)

物語小学校中学年から

犬ロボ、売ります

レベッカ・ライル/作 ・ 松波 佐知子/訳

徳間書店 (2008.4)

ロボ・ワンは、家事ができる犬型ロボット。家事嫌いなヨゴレータ家にひきとられ、必死で働くが、かわいがってもらえず、疲れ果ててしまう。心を持つロボットが優しい少女と出会い、普通の犬として幸せに暮らすまでを描く。挿絵も楽しい、ユーモアたっぷりの物語で、ロボ・ワンの懸命さやさびしさ、喜びが伝わってくる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ニューヨークのタカ ペールメール -ほんとうにあったおはなし-

ジャネット・ウィンター/作 ・ 福本 友美子/訳

小学館 (2008.4)

ニューヨークの高層アパートに、タカが巣を作りました。ペールメールと名づけられ、街の人気者になりますが、住人は食べかすに悩まされます。10年以上もすみ続けるタカ、巣を撤去したい住人、それに反対する人々を描いた絵本。無駄のない文章と、色彩豊かなくっきりとした絵で、人間と野生動物の共存のあり方を紹介します。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

ヨハネスブルクへの旅

ビヴァリー・ナイドゥー/作 ・ もりうち すみこ/訳

さ・え・ら書房 (2008.4)

幼い妹が重い病気になった。12歳のナレディと弟ティロは、住み込みで働く母親を呼びに、ヨハネスブルクに出かける。人種により乗るバスが違うなど、二人は様々な差別に出合う。アパルトヘイト下の南アフリカの黒人居留地に住む少女の経験を描き、理不尽な社会を変えるには、現状に疑問を抱くことが大切だと作者は訴える。(小学校高学年から)

物語中学生から

マンホールの少女サンダーレの夢

カロリン・フィリップス/著 ・ たかお まゆみ/訳

合同出版 (2008.4)

ブカレストで、下水管をねぐらとし、スリやゴミあさりで食いつなぐ16歳のサンダーレ。彼女の夢は、母親と再会し共に暮らすこと。生き方に悩み、もがく少女が、新たな一歩を踏み出すまでを描く。暴力や薬物が横行し、やり場のないいらだちをぶつけ合う子どもたちの実態と心情が、取材に基づいて丁寧に書かれている。(中学生から)

物語小学校高学年から

シルクの花(鈴木出版の海外児童文学)

キャロリン・マースデン/作 ・ 代田 亜香子/訳

鈴木出版 (2008.3)

タイの村に暮らすノイは、絵が大好きな11歳の女の子。一家の生活は苦しく、姉が工場へ働きに行き始めた。ノイは将来の不安を募らせながらも、祖母を手伝って、土産物の絹の傘に絵を描くようになる。支えあう家族の情愛や少女の揺れる心が、細やかに描かれている。ゆったりした生活にとけ込んだ、宗教的な行事なども興味深い。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

なかなおり

シャーロット・ゾロトウ/文 ・ みらい なな/訳

童話屋 (2008.3)

暗い雨の朝、パパがママにキスせずに出かけたので、機嫌の悪いママはジョナサンに、ジョナサンは姉のサリーに八つ当たりします。サリーから友だちに、またその弟にと不機嫌が伝わりますが、ペットのおかげで順に仲直りしていきます。黒い線描で表情を描き分け、話の逆転する場面は背景を黄色にして効果的に表現した絵本。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

花のたね・木の実のちえ 5 オナモミのとげ

多田 多恵子/監修 ・ ネイチャー・プロ編集室/編著

偕成社 (2008.3)

植物は、多くの種を広い範囲にばらまき、子孫を残すための様々な知恵を持っている。5種類の身近な植物を取り上げ、それぞれの工夫に焦点をあてて紹介する。1巻と3巻では種に綿毛やつばさを付けて風に乗せる方法を、2・4・5巻では動物や人を利用して種を運ぶしくみを、わかりやすく解説している。種を飛ばす瞬間や発芽して育っていく様子、植物の1年間の営みなどを、的確で美しい写真によって構成し、見る者の目を引く。スミレが甘い種でアリを引き寄せるなど、巧みなしかけに驚かされるとともに、生命の不思議さを感じさせられる。(小学校低学年から)

知識の本小学校低学年から

花のたね・木の実のちえ 4 ドングリとリス

多田 多恵子/監修 ・ ネイチャー・プロ編集室/編著

偕成社 (2008.3)

植物は、多くの種を広い範囲にばらまき、子孫を残すための様々な知恵を持っている。5種類の身近な植物を取り上げ、それぞれの工夫に焦点をあてて紹介する。1巻と3巻では種に綿毛やつばさを付けて風に乗せる方法を、2・4・5巻では動物や人を利用して種を運ぶしくみを、わかりやすく解説している。種を飛ばす瞬間や発芽して育っていく様子、植物の1年間の営みなどを、的確で美しい写真によって構成し、見る者の目を引く。スミレが甘い種でアリを引き寄せるなど、巧みなしかけに驚かされるとともに、生命の不思議さを感じさせられる。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

プリミティブアートってなぁに?(直感こども美術館)

マリー・セリエ/文 ・ 結城 昌子/監訳

西村書店 (2008.3)

木で作られたイヌイットの仮面が写真で登場し、「ぼくは月の男の霊」とユーモアたっぷりに話しかけます。世界中の民族が生み出してきた様々な作品が、見開きに一つずつ紹介され、文化的背景についても触れられています。祈り・踊り・呪いなどが豊かに表現された、普段あまり目にしない原始美術を、身近に感じられる本です。(小学校中学年から)

物語中学生から

漂泊の王の伝説

ラウラ・ガジェゴ・ガルシア/作 ・ 松下 直弘/訳

偕成社 (2008.3)

砂漠の国の王子ワリードは、詩の大会でじゅうたん織りの老人に敗れた。敗北を受け入れられない彼は、老人に難題を押し付け、死に追いやってしまう。彼は罪悪感から国を出てさすらい、老人の息子たちと出会って罪を告白する。古代アラビアを舞台に、自らの力で生き方を選び取る素晴らしさを、スペイン人の著者が力強く描く。(中学生から)

物語小学校高学年から

ゆびぬき小路の秘密(福音館文庫 S-53)

小風 さち/作 ・ 小野 かおる/画

福音館書店 (2008.3)

バートラムが手にした服には、5つ穴の美しいボタンが一つついていた。服を仕立てたおばあさんと知り合って「ゆびぬき小路」に通ううち、バートラムは何度も過去へと引き込まれ、ボタンの秘密に迫ってゆく。タイムスリップを経ての謎解きが面白く、人の出会いの妙と温かみが印象に残る物語。大幅に加筆を施し文庫化された。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

あかいチョウチョ

市川 里美/作

小学館 (2008.3)

ブンはアジアの小さな村におばあちゃんと住む男の子です。ある日きれいな赤いチョウが、家の豚にとまるのを見たブンは、チョウを追いかけ外に出ます。バナナやハイビスカス、蛍などの美しい自然が色鮮やかに描かれた絵本。高床の家や人々の服装からは、雨が多くて暑い地方特有の開放的な生活の様子がよく伝わってきます。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

花のたね・木の実のちえ 2 スミレとアリ

多田 多恵子/監修 ・ ネイチャー・プロ編集室/編著

偕成社 (2008.3)

植物は、多くの種を広い範囲にばらまき、子孫を残すための様々な知恵を持っている。5種類の身近な植物を取り上げ、それぞれの工夫に焦点をあてて紹介する。1巻と3巻では種に綿毛やつばさを付けて風に乗せる方法を、2・4・5巻では動物や人を利用して種を運ぶしくみを、わかりやすく解説している。種を飛ばす瞬間や発芽して育っていく様子、植物の1年間の営みなどを、的確で美しい写真によって構成し、見る者の目を引く。スミレが甘い種でアリを引き寄せるなど、巧みなしかけに驚かされるとともに、生命の不思議さを感じさせられる。(小学校低学年から)

知識の本小学校低学年から

花のたね・木の実のちえ 3 モミジのつばさ

多田 多恵子/監修 ・ ネイチャー・プロ編集室/編著

偕成社 (2008.3)

植物は、多くの種を広い範囲にばらまき、子孫を残すための様々な知恵を持っている。5種類の身近な植物を取り上げ、それぞれの工夫に焦点をあてて紹介する。1巻と3巻では種に綿毛やつばさを付けて風に乗せる方法を、2・4・5巻では動物や人を利用して種を運ぶしくみを、わかりやすく解説している。種を飛ばす瞬間や発芽して育っていく様子、植物の1年間の営みなどを、的確で美しい写真によって構成し、見る者の目を引く。スミレが甘い種でアリを引き寄せるなど、巧みなしかけに驚かされるとともに、生命の不思議さを感じさせられる。(小学校低学年から)

知識の本小学校低学年から

花のたね・木の実のちえ 1 タンポポのわたげ

多田 多恵子/監修 ・ ネイチャー・プロ編集室/編著

偕成社 (2008.3)

植物は、多くの種を広い範囲にばらまき、子孫を残すための様々な知恵を持っている。5種類の身近な植物を取り上げ、それぞれの工夫に焦点をあてて紹介する。1巻と3巻では種に綿毛やつばさを付けて風に乗せる方法を、2・4・5巻では動物や人を利用して種を運ぶしくみを、わかりやすく解説している。種を飛ばす瞬間や発芽して育っていく様子、植物の1年間の営みなどを、的確で美しい写真によって構成し、見る者の目を引く。スミレが甘い種でアリを引き寄せるなど、巧みなしかけに驚かされるとともに、生命の不思議さを感じさせられる。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

マイカのこうのとり

ベンノー・プルードラ/作 ・ 上田 真而子/訳

岩波書店 (2008.2)

6歳のマイカの家の屋根に、毎年コウノトリが巣を作る。今年生まれた3羽のうち、1羽の灰色のヒナが巣から追い出されてしまい、マイカが育てることになった。飛べずに仲間外れにされたコウノトリと、幼い少女の心の交流を、詩的な文章で丁寧に描く。鉛筆の柔らかい線の挿絵が、物語の幻想的な雰囲気をいっそう引き立てる。(小学校中学年から)

物語中学生から

熱風

福田 隆浩/著

講談社 (2008.2)

耳に障がいを持つ中学生の孝司は、両親とも意思疎通がままならず、いらだちを抱えてテニスにうちこんでいた。ある日、病気で頭髪を失った中山と試合をして完敗する。反目する二人だが、ダブルスを組まされ、プレーするうちに、互いを認めあうようになる。ハンディをのりこえ、テニスを通じて成長する少年たちを熱く描いている。(中学生から)

物語中学生から

フュージョン

濱野 京子/著

講談社 (2008.2)

中学2年の朋花は、ダブルダッチ(縄を2本使う大縄跳び)をする同級生の仲間に入る。様々な技と音楽を組み合わせて跳ぶ、フュージョンのコンテストを目指すうち、兄の家出以来よどんでいた日常に風が吹き始める。夢中になれることに出会い、人間関係が広がる中で、進路を見出していく少女の姿が、自然体で描かれている。(中学生から)

知識の本小学校低学年から

葉っぱのあかちゃん(ちしきのぽけっと 6)

平野 隆久/写真・文

岩崎書店 (2008.2)

春が来ると、堅く包まれていた冬芽から、葉っぱのあかちゃんが生まれます。みずみずしい色の小さな葉が、日に日に育っていきます。公園や山で見られる木々の新芽を、美しい写真で紹介した絵本。種類によって芽のかたちが様々に違うこともよくわかります。巻末にそれぞれの木の名前や特徴について簡潔な説明がついています。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

ホネホネたんけんたい

西澤 真樹子/監修・解説 ・ 大西 成明/しゃしん

アリス館 (2008.2)

ウサギの耳やしっぽに骨はある? ハイヒールをはいたような足の骨は誰のもの? 動物の骨格を観察すると驚くべき発見があります。自然史博物館で標本制作チームを率いる監修者が、生き物の生態から進化の秘密まで、骨の研究でわかるあれこれを紹介。生きた姿そのままの躍動感やユーモアを感じる、楽しい骨格写真集です。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

氷石(くもんの児童文学)

久保田 香里/作 ・ 飯野 和好/画

くもん出版 (2008.1)

天平9年、平城京では天然痘が流行していた。川原の石をお守りと偽って売っていた少年千広は、その中で水晶(氷石)に似た石を欲しがる少女と出会い、次第に心を開いていく。病に苦しむ人々のなかで、身寄りのない少年が成長していく姿を描いた物語。遣唐使や施薬院なども含め、当時の社会の様子も興味深く描かれている。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

彼岸花はきつねのかんざし(学研の新・創作シリーズ)

朽木 祥/作 ・ ささめや ゆき/絵

学研 (2008.1)

小学4年生の也子(かのこ)は、周囲からキツネに化かされた話を聞いて育ちました。竹やぶで偶然子ギツネと出会い仲良くなった也子は、ある日白い彼岸花が欲しいと頼みます。戦時下でものどかだった子どもの日常が、突然断ち切られる悲しみを、静かな語り口で描いた物語。素朴な筆使いの挿絵が、物語を引き立てています。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ケーキやさんのゆうれい

ジャクリーン・K.オグバン/さく ・ マージョリー・プライスマン/え

フレーベル館 (2007.12)

アニーが買った店には、評判のケーキ職人だったコーラ・リーの幽霊がすんでいました。「誰も私には作ってくれなかったケーキ」を作れば台所を譲ってやるといわれ、アニーは様々なケーキ作りに挑戦します。気の強い2人の対決がユーモラスな絵本です。色鮮やかな水彩で描かれた登場人物の生き生きとした表情が印象的です。(小学校低学年から)

知識の本幼児から

みかんのひみつ(しぜんにタッチ!)

鈴木 伸一/監修 ・ 岩間 史朗/写真撮影

ひさかたチャイルド (2007.12)

幼い子どもにも身近なミカンですが、調べてみるといろいろなことがわかります。ヘタの筋の数と房の数が同じになる理由や、ひとつの房の中に200個以上の粒が入っていることを、わかりやすく説明しています。花から実へと成長していく過程や様々なミカンのなかまを紹介するなど、見せ方に工夫をこらした写真絵本です。(幼児から)

よみつがれてきた物語幼児から

ねずみのよめいり(日本昔ばなし)

おざわ としお/再話 ・ かないだ えつこ/絵

くもん出版 (2007.12)

ネズミの夫婦は、娘ネズミに世界で一番偉いものと結婚してほしいと考えます。父さんネズミは、お日さまや風に会いに行きますが、なかなか相手が決まりません。落ち着いた色合いで繊細に描かれた絵と、場面によって入る版画は、陰影に富み印象的です。昔話を研究する著者の再話は平易な語り口で、親しみやすくなっています。(幼児から)

物語小学校中学年から

ウォートンとカラスのコンテスト(評論社の児童図書館・文学の部屋)

ラッセル・E.エリクソン/作 ・ ローレンス・ディ・フィオリ/絵

評論社 (2007.12)

ウォートンのおじいちゃんが大切にしていた金時計が、カラスに持っていかれてしまいました。ウォートンは金時計を取り返すために、カラスのコンテストに参加します。失敗ばかりするハタネズミのネヴィルや、人生に退屈しているアオカケスのバイクなど、ウォートンをとりまく登場人物たちが、欠点も含めて温かい筆致でユーモラスに描かれています。好奇心旺盛なヒキガエルのウォートンと、そのきょうだいモートンが巻き込まれる冒険を描くシリーズの7作目。すでに邦訳があり、長く読み継がれてきた1〜4作目も新装改訳で出版されています。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

ソルビム -お正月の晴れ着- 2 男の子編

ペ ヒョンジュ/絵と文 ・ ピョン キジャ/訳

セーラー出版 (2007.11)

韓国・朝鮮の人々は、お正月になると、身に着けるものをすべて新調します。その晴れ着をソルビムといいます。男の子がポソン・パジ・チョゴリなどをひとつひとつ順番に身につけていきます。色鮮やかな衣装や伝統的な家具の絵が美しい絵本です。女の子が主人公の「ソルビム -お正月の晴れ着-」の男の子編です。(小学校中学年から)

知識の本小学校高学年から

こんなふうに作られる! -絵解き図鑑-

ビル・スレイヴィン/文 ・ ジム・スレイヴィン/文

玉川大学出版部 (2007.11)

工場で大量生産されるCDやハミガキ、パスタなど、日常使ったり食べたりする物が、どんな原料からどのような工程を経て作られるかを、わかりやすく紹介している。無味乾燥になりがちな機械類をほのぼのとした温かみのある絵で描いており、まわりで働く小人たちのコミカルな動きからは、物を作る楽しさが伝わってくる。(小学校高学年から)

物語中学生から

リバウンド

E.ウォルターズ/作 ・ 小梨 直/訳

福音館書店 (2007.11)

中学生のショーンは、悪い友人と付き合っているため、いつもトラブルに巻き込まれていた。ある時、彼は交通事故のために車椅子で生活している転校生デーヴィットの案内役になる。悩みを抱えたショーンと、バスケットボール選手への夢を絶たれたデーヴィットが、お互いに心を開き、刺激しあって成長していく姿が印象的である。(中学生から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

子どもに語るアンデルセンのお話 2

アンデルセン/[著] ・ 松岡 享子/編

こぐま社 (2007.11)

「マッチ売りの少女」や「人魚姫」など、前作未収録のアンデルセンの代表作を含む8編と、語る人に向けたアドバイスを収める。ベテランの語り手たちによる、原作に沿った訳文は、美しい情景や生き生きとした人物描写など、アンデルセン独特の魅力をよく伝えている。文章は平易ながら味わい深く、子どもにも分かりやすい。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

イサナ龍宮の闘いへ

たつみや 章/作 ・ 東 逸子/絵

講談社 (2007.1)

不知火海の近くで生活する綿津見一族の巫女イサナは、松の大木に閉じ込められていた龍王の子ヒコナを助け出した。イサナは、父を探すヒコナと、海底にある龍宮に行くが、そこには悪しきシャチの妃が待っていた。様々な海の生き物や神々の力をかりて、龍の命を狙うシャチ一族と勇敢に戦う少女の姿を描く。プライドが高くていばりやのヒコナと、負けず嫌いでおてんばのイサナのやりとりは小気味よく、濃淡まで丁寧につけた挿絵は、物語の雰囲気をよく表現している。はるか昔、神々への信仰を大切にしてきた海の民の生活の様子も魅力的である。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

とちのき(そうえん社・日本のえほん 9)

いまき みち/さく

そうえん社 (2007.1)

山あいにある、みなちゃんの家の前に、トチの木があります。春にはかわいい花が咲き、夏には木かげを作ってくれて、秋には実がなって、冬にはその実でとち餅を作ります。トチの木とそれをとりまく家族の生活の様子を、くっきりとした輪郭の絵で描いています。1本のトチの木から、自然に対する興味を起こさせてくれます。(幼児から)

物語小学校中学年から

鬼の市(新・わくわく読み物コレクション 7)

鳥野 美知子/作 ・ たごもり のりこ/絵

岩崎書店 (2007.1)

6年生の健太の家では、毎年節分の日に鬼をもてなしている。しかし今年はめいのしおりの魂が、死者が集まる鬼の市に迷い込んでしまった。健太はしおりを救いに行くが、そこで死んだ祖父に出会う。祖父との思い出やしおりへの思いを通して家族のきずなを描く。健太の家独特のしきたりや鬼の市の雰囲気が楽しいファンタジー。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

今日からは、あなたの盲導犬(いのちのえほん 20)

日野 多香子/文 ・ 増田 勝正/写真

岩崎書店 (2007.1)

1頭の犬セロシアが、多くの人々の協力を受けて盲導犬として活動するまでを、盲導犬歩行指導員の視点でつづる。人の左側を歩く、段差で立ち止まるなど、目の不自由な人を支えるために必要な訓練が、写真を交えて紹介されている。合宿指導を終えたユーザーの表情からは、自分たちだけで街を歩くことができる喜びがうかがえる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

おひさまいろのきもの(日本傑作絵本シリーズ)

広野 多珂子/作・絵

福音館書店 (2007.9)

目の不自由なふうは、友だちと秋祭りに行く約束をしました。お祭り用の着物が欲しいと頼まれた母は、娘の初めての願いを叶えるため、白糸を買って鮮やかな赤い着物を作ります。母を手伝いながら、できあがりを楽しみに待つ少女の様子が生き生きと描かれます。大正期の日本の風景や人々の暮らしを丁寧に描き出した絵本です。(小学校低学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ことり(はじめての絵本たいむ)

中川 ひろたか/ぶん ・ 平田 利之/え

金の星社 (2007.9)

黄色い画面に、青い小鳥が1羽、2羽、3羽と集まり、パズルのように組み合わさって大きい鳥の形になります。そこへ黒いネコがそろりと近づいて飛びかかると、小鳥たちは、ばらばらになって逃げてしまいます。鮮やかな青と黄と黒のコントラストが美しく、図案化された小鳥たちがさまざまに動いていく様子が楽しい絵本です。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話幼児から

ゆうびんやさんおねがいね

サンドラ・ホーニング/文 ・ バレリー・ゴルバチョフ/絵

徳間書店 (2007.9)

遠くに住むおばあちゃんの誕生日に、ぎゅっと抱きついてあげたいコブタくんは、郵便屋さんに「ぎゅっ」を届けてほしいとお願いします。いろいろな動物たちが、お互いにぎゅっと抱きあうことでコブタくんのお願いを運んでいくうちに、みんなうれしい気持ちになっていきます。表情豊かな動物たちを明るい色彩で描いています。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ねぼすけはとどけい

ルイス・スロボドキン/作 ・ くりやがわ けいこ/訳

偕成社 (2007.9)

小さな時計屋さんのハト時計の中に、一つだけ遅れてハトが出てくるものがあり、子どもたちに人気がありました。店のおじいさんも愛着があったのですが、王様との約束で、修理をすることになりました。うっかりもののハトによせる、おじいさんと子どもたちの愛情を、あたたかく描きます。1968年刊の絵童話の新装改訂版。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

耳の聞こえない子がわたります

マーリー・マトリン/作 ・ 日当 陽子/訳

フレーベル館 (2007.8)

耳の不自由なミーガンは、9歳の元気な女の子。ある日隣の家に、同い年のシンディが引っ越してきた。二人はすぐ仲良くなるが、シンディが手助けしようとする度に、気の強いミーガンと衝突してしまう。ろう者である著者自身の体験をもとに、けんかと仲直りを繰り返しながら成長していく2人の姿を、丁寧に描いている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

7日だけのローリー(学研おはなし絵本)

片山 健/[作]

学研 (2007.8)

ある朝、家の前に見なれない犬がつながれていました。「ぼく」は、1週間だけの約束で、飼い主を捜すことにしました。ローリーと名づけて世話をして、やがて7日目の朝がきました。家族と犬とのふれあいを、男の子の目を通して丁寧に描いた絵本です。やわらかな筆づかいで描かれた絵が、温かな雰囲気をよく伝えています。(小学校低学年から)

知識の本幼児から

ぶどう(だいすきしぜん)

斎藤 雅緒/絵

フレーベル館 (2007.8)

ブドウの実のなり方や、種類、干しブドウなどの加工品を、幼い子どもにもわかるような平易な言葉で紹介している。本書に出てくるブドウは、全て種類が異なっており、様々な色や形があることがよく分かる。写真以上に写実的に描かれた、みずみずしくおいしそうなブドウに、思わず手を伸ばしたくなるような科学絵本である。(幼児から)

物語小学校高学年から

お金もうけは悪いこと?

アンドリュー・クレメンツ/作 ・ 田中 奈津子/訳

講談社 (2007.8)

6年生になったグレッグは、自分で作った漫画を学校で売るために、けんかばかりしていたモーラと協力することになる。お金もうけの事しか考えなかった主人公が、もの作りの楽しさや、お金を使う事の意味を知り成長してゆく様子を、コミカルに描く。周囲の大人たちが、子どもの主張を真剣に受け止める姿勢もすがすがしい。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

真夜中の商店街(講談社・文学の扉)

藤木 稟/作 ・ 徳永 健/絵

講談社 (2007.8)

友也たちは、夜だけ開く商店街で、空を飛べるガムなどの不思議な商品を、自分の嫌いなものと交換して手に入れます。嫌いなものが消えて、一時はすっきりしますが、徐々に違和感を覚えていく様子が丁寧に描かれています。不気味な事件を通して、不必要に思えるものでも、本当は大切な意味があることを教えてくれる物語です。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

いのしし(アリス館写真絵本シリーズ)

前川 貴行/写真・文

アリス館 (2007.8)

六甲山のイノシシの生態を撮った写真絵本である。春に生まれたウリ坊の愛らしいしぐさ、山野を駆ける若イノシシのたくましい胴体、懸命に食べ物を探す老イノシシなど、躍動感にあふれる姿を紹介する。美しく迫力のある写真からは、都会に近い自然のなかで暮らす野生動物への著者の畏敬(いけい)の念が伝わってくる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

下町不思議町物語(YA!フロンティア)

香月 日輪/作 ・ 藤丘 ようこ/絵

岩崎書店 (2007.8)

両親の離婚で引っ越してきたばかりの6年生の直之は、まだ新しい暮らしに慣れていない。ある日彼は、おばけや幽霊が当たり前のようにいる不思議な町を見つけ、そこに住む「師匠」の家に入り浸るようになる。周囲に見守られながら、前向きに成長していく少年の姿に好感が持てる。昔ながらの風情ある不思議な町の描写も楽しい。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

しろいクマちゃいろいクマ(世界の絵本コレクション)

スヴェトラーナ・ペトロヴィック/作 ・ ヴィンセント・ハーディー/絵

小峰書店 (2007.7)

アリスは、おばあちゃんたちからそれぞれ、白と茶色のクマのぬいぐるみをもらいます。しかし、2匹はアリスに気に入ってもらおうと、けんかばかりして彼女を困らせます。柔らかいタッチの絵は、光の濃淡まで丁寧に表現しています。いがみあっていた2匹が、お互いに助けあって次第に仲良くなる様子がほほえましい絵本です。(幼児から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

エーディト、ここなら安全よ -ユダヤ人迫害を生きのびた少女の物語-

キャシー・ケイサー/著 ・ 石岡 史子/訳

ポプラ社 (2007.7)

第二次世界大戦中、ユダヤ人の少女エーディトは南フランスの町にある寄宿舎に入る。ここでは町ぐるみでユダヤ人の子どもたちをかくまっていた。不安の中で、家族と一緒に暮らせない理不尽さを感じながらも、精一杯生きる少女の姿が印象的である。危険を顧みず、子どもたちの命を守った勇気ある人々の実話に心を打たれる。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

やまんばあさんのむかしむかし

富安 陽子/作 ・ 大島 妙子/絵

理論社 (2007.7)

ドングリ山に住むやまんばあさんは、山の動物たちにせがまれて、面白いお話を語って聞かせる。栗から生まれた栗太郎と鬼退治に行ったり、天まで届く柿の木を育てたりと、お話の中で大活躍。なじみ深い昔話を元にして、やまんばあさんの豪快な性格を生かした物語に仕上げている。表情豊かな挿絵が、雰囲気を盛り上げている。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

アルファベットガールズ(フォア文庫 C189)

ジャクリーン・ウィルソン/作 ・ ニック・シャラット/画

理論社 (2007.6)

転校してきたばかりのデイジーは仲良しグループに入れてもらったが、まだなじめずにいる。みんなで誕生日のお泊り会に誘い合うことになったが、障がいのある姉リリーのことを受け入れてもらえるか不安で気が進まない。女の子同士の付き合いに悩んだり、時には姉をめんどうに思ったりする少女の姿が、等身大に描かれている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

よいしょ(はたらくくるま)

三浦 太郎/[作]

偕成社 (2007.6)

パワーショベルが掘った土をダンプカーが運びます。故障した乗用車をレッカー車が運びます。「はこんでください」「まかせとけ」と繰り返されることばのリズムが楽しい絵本。単純化されていながらも、それぞれの特徴をつかんだ絵は、デザイン的にも洗練されており、見ていて飽きません。『とどくかな』では、クレーン車やリフト車など高い所に物や人を運ぶ車を、『よいしょ』では、フォークリフトやブルドーザーなど力自慢の車を、それぞれ紹介しています。同じ車が別の本にも登場するので、見比べて動きの違いを楽しむこともできます。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

まかせとけ(はたらくくるま)

三浦 太郎/[作]

偕成社 (2007.6)

パワーショベルが掘った土をダンプカーが運びます。故障した乗用車をレッカー車が運びます。「はこんでください」「まかせとけ」と繰り返されることばのリズムが楽しい絵本。単純化されていながらも、それぞれの特徴をつかんだ絵は、デザイン的にも洗練されており、見ていて飽きません。『とどくかな』では、クレーン車やリフト車など高い所に物や人を運ぶ車を、『よいしょ』では、フォークリフトやブルドーザーなど力自慢の車を、それぞれ紹介しています。同じ車が別の本にも登場するので、見比べて動きの違いを楽しむこともできます。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

とどくかな(はたらくくるま)

三浦 太郎/[作]

偕成社 (2007.6)

パワーショベルが掘った土をダンプカーが運びます。故障した乗用車をレッカー車が運びます。「はこんでください」「まかせとけ」と繰り返されることばのリズムが楽しい絵本。単純化されていながらも、それぞれの特徴をつかんだ絵は、デザイン的にも洗練されており、見ていて飽きません。『とどくかな』では、クレーン車やリフト車など高い所に物や人を運ぶ車を、『よいしょ』では、フォークリフトやブルドーザーなど力自慢の車を、それぞれ紹介しています。同じ車が別の本にも登場するので、見比べて動きの違いを楽しむこともできます。(幼児から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

ローザ

ニッキ・ジョヴァンニ/文 ・ ブライアン・コリアー/絵

光村教育図書 (2007.5)

1955年アメリカで、バスの席を白人に譲ることを拒み、黒人女性ローザが逮捕された。これをきっかけに、黒人によるバス乗車拒否運動が起こる。黒人は黒人用のものしか使うことを許されなかった時代に、人間は平等であることを態度で示した女性を描く。陰影に富んだ絵からは、差別と戦う人々の強い意思が伝わってくる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

よじはんよじはん(世界傑作絵本シリーズ)

ユン ソクチュン/ぶん ・ イ ヨンギョン/え

福音館書店 (2007.5)

小さな女の子が、母親に頼まれて、隣の店へ時間を聞きに出かけました。ところが、ニワトリやアリに気を引かれ、寄り道をしてしまいます。淡く優しい色合いの絵が、のびのびとした表情を描きます。1940年に作られたハングルの原詩に絵をつけたもので、一般の家庭に時計がなかった頃のゆったりとした雰囲気を伝えています。(幼児から)

物語小学校中学年から

帰ってきた船乗り人形

ルーマー・ゴッデン/作 ・ おびか ゆうこ/訳

徳間書店 (2007.4)

男の子人形カーリーは、ある日人形の家から落ちたところを船乗り学校の生徒ベルトランに拾われ、訓練船で海に出ます。外の世界を知らない人形と落ちこぼれ生徒の船上での体験がいきいきと描かれ、人形の願いや子どもたちの気持ちがよく伝わってきます。温かみのある挿絵は、人形の家や小道具などを丁寧に描写しています。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

子どもに語るロシアの昔話

伊東 一郎/訳・再話 ・ 茨木 啓子/再話

こぐま社 (2007.4)

イワン王子が、不死身の魔物コシチェイにさらわれた王女を、いろいろな動物の力をかりて救出する「美しい王女マリヤ・モレーヴナ」など13話を収録。素朴で力強い昔話からは、森林地帯が多く、寒さの厳しいロシアの風土を感じることができる。文章は繰り返しが多く、平易なので、子どもたちに語り聞かせるのにも向いている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

としょかんライオン(海外秀作絵本 17)

ミシェル・ヌードセン/さく ・ ケビン・ホークス/え

岩崎書店 (2007.4)

図書館にライオンがやってきました。始めは驚いたみんなも、行儀のよいライオンがすぐに好きになりました。ところがある日、けがをした館長のため助けを呼ぼうとしたライオンは、大声でほえてしまいます。アメリカの図書館を舞台にした、ほのぼのとした筋立てと、細部まで描き込まれたあたたかい色調の絵が楽しい絵本です。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

あかりの木の魔法(こそあどの森の物語 9)

岡田 淳/作

理論社 (2007.3)

こそあどの森に、怪獣の研究者を名乗るイツカがやってきた。素性を探ろうと訪ねてきた森の住人たちに、彼は明かりの木にまつわる両親との思い出を語る。ゆったりとした森の生活の中で、信頼と疑いの間でゆれる人々の心情が丁寧に描かれる。著者自身による挿絵も、ほのぼのとした物語の雰囲気を良く伝えている。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

いちばんたいせつなもの -バルカンの昔話-(世界傑作童話シリーズ)

八百板 洋子/編・訳 ・ ルディ・スコチル/画

福音館書店 (2007.3)

かしこい娘が機転をきかせて父親を助ける表題作、恐ろしくもユーモラスな「おかみさんと悪魔」など、バルカン諸国に伝わる昔話29編を紹介する。国ごとに収められた昔話からは、東西の文化が交錯するこの地域の、多彩な文化が伝わってくる。スロベニアの画家による、繊細なタッチの挿絵は、昔話の雰囲気を良く伝えている。(小学校中学年から)

知識の本小学校高学年から

ボクたちの値段

荻原 博子/監修 ・ 坂本 綾子/構成・文

講談社 (2007.3)

私のおこづかいは少ない? 親は好きなものを買うのに、僕が欲しい物は買ってもらえないのはなぜ? お金に関わる子どもの疑問に、具体的なデータを挙げて答える。平均値が一番多い数字を表すとは限らないなど、数字の読み解き方や、生活するために必要な経費などが丁寧に説明され、暮らしに必要なお金の働きが実感できる。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

鳥のくちばし図鑑 -たべる・はこぶ・つくる-(ちしきのぽけっと 4)

国松 俊英/文 ・ 水谷 高英/絵

岩崎書店 (2007.3)

鳥のくちばしには、用途に応じて様々な形がある。本書は、えさの種類やとり方など、生態によって異なる鳥のくちばしを、躍動感のある絵を使って紹介する。タカが獲物を引き裂く姿や、カワセミが土を掘って巣を作る姿、ハチドリの蜜を吸う姿などが、彩り豊かに描かれ、鳥についての興味をかきたてられる。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

みんなおなじでもみんなちがう(かがくのとも傑作集)

奥井 一満/文 ・ 得能 通弘/写真

福音館書店 (2007.3)

見開きいっぱいに並んだソラマメの写真。同じ種類のものでも、ひとつひとつをよく見ると、大きさも色も形もみんな違います。モミジの葉やウズラの卵など、同じに見えても、じっくり眺めると、それぞれの違いがよく分かって楽しめます。すべて均一に作られる工業製品とは違う、自然の造形のおもしろさを伝える絵本です。(小学校低学年から)

詩・随筆・記録小学校低学年から

ぱぴぷぺぽっつん(詩はともだち)

神沢 利子/[ほか]著 ・ 市河 紀子/編

のら書店 (2007.3)

雨の降る様子を遊び心いっぱいに表現した表題作や、擬音語・擬態語の響きを楽しむ「きまりことば」など、日本の代表的な詩人による46作品を収録しています。積み木や帽子など身の回りのものや、自然を題材にしており、親しみやすく、声に出して読んでも楽しめます。詩に初めてふれる子どもにもぴったりな詩集です。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

棚田を歩けば

青柳 健二/文・写真

福音館書店 (2007.3)

山の斜面や谷間に階段状につくられた田んぼを棚田と言います。本書では、四季折々の棚田の姿を、様々な角度から撮影した、美しい写真で紹介します。田植えや収穫などで働く人々の姿からは、米作りに対する思いが伝わってきます。巻末にはアジア各地の棚田も紹介され、日本との共通点や相違点も知ることができます。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

天と地の守り人 第3部(偕成社ワンダーランド 34)

上橋 菜穂子/作 ・ 二木 真希子/絵

偕成社 (2007.3)

新ヨゴ皇国の皇太子チャグムは、勢力を広げるタルシュ帝国に捕らえられる。だが、帝国の侵攻を阻止すべく、北方連合を作るため、彼は暗い海へ逃れた(「蒼路の旅人」)。そして、女用心棒バルサは、行方不明になったチャグムを救うため再び旅立つ。バルサに守られていた幼かったチャグムが、大切なものを守るために、傷つき迷いながら成長していく。侵略するものとされるもの、為政者と民衆が、それぞれの立場でより良い道を探して懸命に生きる姿が、存在感をもって描かれる。11年をかけて書きつがれた「守り人」シリーズの壮大な完結編。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

やさいはいきている -そだててみようやさいのきれはし-(しぜんにタッチ!)

藤田 智/監修 ・ 岩間 史朗/写真撮影

ひさかたチャイルド (2007.2)

いつもは食べずに捨ててしまう、ニンジンやキャベツなどの切れ端も、水を入れた皿に置いておくと、どんどん葉が伸びてきます。ダイコンやジャガイモは、植え替えることで、花が咲いたり、ジャガイモができたりして、野菜の持つ生命力を実感できます。小さい子どもにも、実験や観察することの面白さを伝える写真絵本です。(幼児から)

物語小学校高学年から

天と地の守り人 第2部(偕成社ワンダーランド 33)

上橋 菜穂子/作 ・ 二木 真希子/絵

偕成社 (2007.2)

新ヨゴ皇国の皇太子チャグムは、勢力を広げるタルシュ帝国に捕らえられる。だが、帝国の侵攻を阻止すべく、北方連合を作るため、彼は暗い海へ逃れた(「蒼路の旅人」)。そして、女用心棒バルサは、行方不明になったチャグムを救うため再び旅立つ。バルサに守られていた幼かったチャグムが、大切なものを守るために、傷つき迷いながら成長していく。侵略するものとされるもの、為政者と民衆が、それぞれの立場でより良い道を探して懸命に生きる姿が、存在感をもって描かれる。11年をかけて書きつがれた「守り人」シリーズの壮大な完結編。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ぼくらは「コウモリ穴」をぬけて(あかね・新読み物シリーズ 24)

広瀬 寿子/作 ・ ささめや ゆき/絵

あかね書房 (2007.1)

小学3年生のアユムの家に、母を亡くした1歳上のいとこのつばさがやってきた。気丈にふるまうつばさだったが、母子のコウモリがいる洞窟で、壁に開いた穴の向こうに母親がいると言い出す。母の死を受け止めようとするつばさと、それを見守るアユムの交流を丁寧に描く。いきいきとした会話が、作品に明るさを持たせている。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

こんにちは、ビーバー(たくさんのふしぎ傑作集)

佐藤 英治/文・写真

福音館書店 (2007.1)

ビーバーがダムを作るのは、巣の入り口を水中に隠して敵から身を守るためです。泳ぎやすいように後ろ足には水かきがあり、平たい尾で進む向きを変えます。著者はアラスカでビーバーに出会い、夢中になりました。大自然を背景に様々な角度から撮影した写真は迫力があり、この興味深い動物の生態や魅力を十分に伝えています。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

ソルビム -お正月の晴れ着- [1]

ペ ヒョンジュ/絵と文 ・ ピョン キジャ/訳

セーラー出版 (2007.1)

ソルビムとは、韓国・朝鮮の人々がお正月に新調する晴れ着のことです。おすましした少女が、ひとりでソルビムを順番に身につけていく様子が、鮮やかな色彩で描かれます。丁寧な注釈と解説、描き込まれた伝統的な調度などから、お隣の国の豊かな文化を知ることができます。新年を祝う晴れやかな気持ちが伝わってきます。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

風にみた夢 -11歳、ヒマラヤへの旅-(ポプラの森 16)

大塚 篤子/作 ・ 山田 花菜/絵

ポプラ社 (2006.12)

10年前に父を亡くした太郎は、父の最期を知るパサンという人物に会うために、祖父とともにヒマラヤへ旅立った。そして、父が遭難したR峰を見るために標高5500メートルまで登ることになる。雄大な風景や登山中の出来事などが丁寧に描かれ、臨場感にあふれている。11歳の少年のかけがえのない体験を描いた、胸を打つ物語。(小学校高学年から)

知識の本小学校高学年から

世界一おいしい火山の本 -チョコやココアで噴火実験-(自然とともに)

林 信太郎/著

小峰書店 (2006.12)

火山は恐ろしい存在だ。しかしその仕組みをよく知っていれば、噴火による被害を減らすことができるだろう。そう考えた著者は、身近な食材であるチョコレートやココアを、溶岩や火山灰に見立てて実験をする。子どもたちに、火山について興味を持って楽しく学んでもらおうという、科学者の遊び心が随所にあらわれている。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

天と地の守り人 第1部(偕成社ワンダーランド 32)

上橋 菜穂子/作 ・ 二木 真希子/絵

偕成社 (2006.12)

新ヨゴ皇国の皇太子チャグムは、勢力を広げるタルシュ帝国に捕らえられる。だが、帝国の侵攻を阻止すべく、北方連合を作るため、彼は暗い海へ逃れた(「蒼路の旅人」)。そして、女用心棒バルサは、行方不明になったチャグムを救うため再び旅立つ。バルサに守られていた幼かったチャグムが、大切なものを守るために、傷つき迷いながら成長していく。侵略するものとされるもの、為政者と民衆が、それぞれの立場でより良い道を探して懸命に生きる姿が、存在感をもって描かれる。11年をかけて書きつがれた「守り人」シリーズの壮大な完結編。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

野をわたる風にのる -植物のたび-(大型絵本)

アンネ・メッラー/文 絵 ・ 今泉 みね子/訳

岩波書店 (2006.11)

アザミやニレは、風の力で種を遠くへ飛ばしてもらい、スミレは油でアリをひきつけて種を運んでもらいます。動けない草木が、種を遠くへ送り出す様々な方法を、コラージュと水彩を組み合わせて表現し、動物たちも細やかで愛らしく描かれています。親しみやすい文章で種の不思議な旅をわかりやすく説明する絵本です。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

お手紙レッスン

D.J.ルーカス/作 ・ トニー・ロス/絵

あすなろ書房 (2006.11)

9歳のマックスは、気に入った本の作者に手紙を出し、返事をもらいました。作家志望の少年と創作に行き詰まっていた人気作家との、1年間のやり取りを通して、それぞれが作品を完成させるまでを描きます。いじめや手術の悩みに対する作家のアドバイスで少年が成長し、2人が互いの心の支えになる様子がほほえましい物語です。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

獣の奏者 2 王獣編

上橋 菜穂子/作

講談社 (2006.11)

決して人には馴れず、また馴らすことも禁じられていた、美しく凶暴な獣・王獣。その王獣と心を通わせてしまった少女エリンは、国の政権を巡る争いに巻き込まれていく。人間と獣との間にある絆と、埋められない溝について、エリンの心のかっとうと成長を確かな筆致で描く。確固とした世界観が、物語により深みを与えている。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

獣の奏者 1 闘蛇編

上橋 菜穂子/作

講談社 (2006.11)

決して人には馴れず、また馴らすことも禁じられていた、美しく凶暴な獣・王獣。その王獣と心を通わせてしまった少女エリンは、国の政権を巡る争いに巻き込まれていく。人間と獣との間にある絆と、埋められない溝について、エリンの心のかっとうと成長を確かな筆致で描く。確固とした世界観が、物語により深みを与えている。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

時間のない国で 下(sogen bookland)

ケイト・トンプソン/著 ・ 渡辺 庸子/訳

東京創元社 (2006.11)

音楽一家リディ家の長男JJは、時間が消えていっていることを偶然知った。その原因を探るため、秘密のトンネルを通り抜けて「永遠なる若さの国」に入り込む。過去と現在、神話と現実の世界が密接につながり、散りばめられた多くの謎が読者をひきつける。神話と音楽がふんだんに盛り込まれた、アイルランドのファンタジー。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

時間のない国で 上(sogen bookland)

ケイト・トンプソン/著 ・ 渡辺 庸子/訳

東京創元社 (2006.11)

音楽一家リディ家の長男JJは、時間が消えていっていることを偶然知った。その原因を探るため、秘密のトンネルを通り抜けて「永遠なる若さの国」に入り込む。過去と現在、神話と現実の世界が密接につながり、散りばめられた多くの謎が読者をひきつける。神話と音楽がふんだんに盛り込まれた、アイルランドのファンタジー。(小学校高学年から)

物語中学生から

白い盾の少年騎士 下(岩波少年文庫 578)

トンケ・ドラフト/作 ・ 西村 由美/訳

岩波書店 (2006.11)

ダホナウト王国最年少の騎士ティウリは、友人の騎士の行方がわからなくなっているのを知る。探索のために「野生の森」へと向かった彼は、謎の男たちに捕われ、その陰謀に気付く。様々な出来事を通じ、騎士として生きる苦悩と誇りを感じながら、少年から青年へと成長していくティウリの姿を描く。『王への手紙』の続編。(中学生から)

物語中学生から

白い盾の少年騎士 上(岩波少年文庫 577)

トンケ・ドラフト/作 ・ 西村 由美/訳

岩波書店 (2006.11)

ダホナウト王国最年少の騎士ティウリは、友人の騎士の行方がわからなくなっているのを知る。探索のために「野生の森」へと向かった彼は、謎の男たちに捕われ、その陰謀に気付く。様々な出来事を通じ、騎士として生きる苦悩と誇りを感じながら、少年から青年へと成長していくティウリの姿を描く。『王への手紙』の続編。(中学生から)

物語小学校中学年から

百まいのドレス

エレナー・エスティス/作 ・ 石井 桃子/訳

岩波書店 (2006.11)

ドレスが家に百枚あると言ったことで、貧しい移民の子ワンダは、級友たちにいつもからかわれていました。ある時、ワンダが百枚のドレスの絵で、コンクールの1等賞をとります。彼女をいじめた級友のマデラインの考え、悩む姿を描いた1954年刊『百まいのきもの』の改訳。ワンダの残したドレスの絵が美しく印象的です。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録幼児から

いっぽにほさんぽ!(からだとこころのえほん 13)

いとう えみこ/文 ・ 伊藤 泰寛/写真

ポプラ社 (2006.11)

夏の初めに生まれた弟が、冬になる頃お座りできるようになった。はいはいしたり、ひとりで立ったり、そして1歳になったある朝、一歩、二歩と歩けるようになる。『うちにあかちゃんがうまれるの』の続編で、末っ子の成長を、姉の目から見た文章と父親の写真とでつづる。真剣でうれしげな赤ちゃんの表情が印象的な絵本。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

もりのてがみ(こどものとも傑作集)

片山 令子/さく ・ 片山 健/え

福音館書店 (2006.11)

寒い冬、ひろこさんはリスや野ウサギに手紙を書いて、森の真ん中にあるモミの木につるしました。春になり、モミの木のところへ行くと、そこには素敵なことが待っていました。春を待ちながら、幼い子どもが生き物たちにあてて書いた手紙が、微笑ましいです。柔らかな色彩の絵が、温かな雰囲気をさらに引き出しています。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

サンタクロースはおもちゃはかせ

マーラ・フレイジー/作 ・ うぶかた よりこ/訳

文溪堂 (2006.11)

サンタクロースは子どもとおもちゃのことなら何でも知っていて、1年間かけてプレゼントの準備をします。自分もちゃっかり遊びながら、倉庫のおもちゃを点検するなど、ユーモアあふれるサンタクロースの様子を、画面いっぱいのコミカルな絵で描きます。クリスマスを待ちわびる子どもたちの気持ちにぴったりの絵本です。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

干し柿(あかね・新えほんシリーズ 30)

西村 豊/写真・文

あかね書房 (2006.1)

見た目は甘い柿と同じなのに、渋くて食べられない柿があります。それをおいしく食べるため、人々は、干すという方法を考え出しました。干し柿には、自然と協力し合って生きてきた昔の人の知恵がつまっています。干し柿を作る手順や、柿のなる風景を、美しい写真で紹介します。軒の下にずらりと並ぶ干し柿の様子は圧巻です。(小学校低学年から)

物語中学生から

ぼくたちの砦

エリザベス・レアード/作 ・ 石谷 尚子/訳

評論社 (2006.1)

イスラエル占領下のパレスチナ。12歳の少年カリームの夢は、サッカーのチャンピオンだ。度重なる外出禁止令や占領軍の横暴に怒り、怯えながらも、カリームは友だちと空き地にサッカーの練習場を作ろうとする。自由を抑圧されたパレスチナの現状や、誇りを失わず懸命に生きる人々の姿が、少年を通して細やかに描かれている。(中学生から)

知識の本小学校中学年から

森の写真動物記 2 水場

宮崎 学/著

偕成社 (2006.1)

中央アルプスの森に湧く小さな水たまりには、野鳥やカモシカ、オコジョなど様々な動物が訪れる。水飲み場や水浴び場として、また狩場として使われる水場の様子を、著者は、1年を通してロボットカメラで無人撮影した。季節の移り変わりにつれて変化する動物たちの営みを、数多くの鮮明な写真を用いていきいきと伝える。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

教室の祭り(わくわく読み物コレクション 14)

草野 たき/作 ・ 北見 葉胡/絵

岩崎書店 (2006.1)

5年生の澄子は、幼なじみの直子が不登校になったのは自分のせいだと考え、塾仲間の級友に相談する。しかし彼女たちは、直子を登校させることをゲームにしてしまう。澄子の相談にきちんと向き合う母親や、教室で孤高を保つ級友との交流を通して、友人関係を真剣に考える主人公の心情が細やかに描かれている。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

孤島のドラゴン(評論社の児童図書館・文学の部屋)

レベッカ・ラップ/著 ・ 鏡 哲生/訳

評論社 (2006.1)

夏休みに孤島で過ごすことになった3人のきょうだいは、島に隠れ住む三つ首のドラゴンと出会う。そして、首ごとに性格の違うドラゴンの昔語りに引き込まれていく。子どもたちの性格とそれぞれの物語を対応させ、個性豊かな登場人物たちをいきいきと描く。謎めいた手紙や秘密の箱など、魅力的な要素が盛り込まれ、楽しめる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ちいさなもみのき

ファビエンヌ・ムニエ/文 ・ ダニエル・エノン/絵

ほるぷ出版 (2006.9)

小さなもみの木は、大きなもみの木の茂る丘で暮らしたいと思っていましたが、クリスマスツリーとして老夫婦に売られてしまいます。二人は楽しいクリスマスを過ごし、その後、小さなもみの木にもうれしいことがありました。色鉛筆で描かれた柔らかいタッチの絵が、クリスマスの雰囲気をよく表現した、心温まる絵本です。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

かかしと召し使い

フィリップ・プルマン/作 ・ 金原 瑞人/訳

理論社 (2006.9)

ひとりぼっちのジャックは、雷に打たれて動き出したかかしに、召し使いにならないかと誘われた。自分を勇敢な騎士だと信じるかかしは、盗賊退治に乗り出したり、ほうきと恋に落ちたりと行く先々で大騒動を起こす。現実的で賢いジャックが、無鉄砲なかかしにふりまわされつつも、常にたすけていく様子がコミカルに描かれる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

おへそのあな

長谷川 義史/作

BL出版 (2006.9)

お母さんのおへその穴から、赤ちゃんが外の世界をのぞいています。生まれてくる赤ちゃんのために、おもちゃを作るお兄ちゃんや花を植えるお姉ちゃんなど、誕生を楽しみに待っている家族の様子が、逆さまに映し出されます。赤ちゃんがいるおなかの中を、絵の具をにじませた柔らかな筆遣いで描いた、ほのぼのとした絵本です。(幼児から)

物語小学校低学年から

おばけのジョージーともだちをたすける

ロバート・ブライト/作 絵 ・ なかがわ ちひろ/訳

徳間書店 (2006.9)

家族と旅行に出かける猫のハーマンと一緒に、おばけのジョージーとフクロウのオリバーも大きな町へ行くことにしました。ところが、オリバーが動物園のおりに入れられてしまいます。はずかしがりやのジョージーが、勇気を出して友だちを助けだす冒険の様子を、親しみやすい文章と絵でほのぼのと描きます。シリーズ第3作目。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

きかんぼのちいちゃいいもうと その3 いたずらハリー(世界傑作童話シリーズ)

ドロシー・エドワーズ/さく ・ 渡辺 茂男/やく

福音館書店 (2006.9)

歯が抜けそうになった妹は、大人たちにそのぐらぐらの歯を見せてまわります。その度に抜くのをすすめられますが、妹はいやだと言い張ります。ところが歯医者さんのコレクションに自分の歯も入れてもらえると教えられた妹は、自分でその歯を抜いてしまいます。表題作の「ぐらぐらの歯」を含む全3冊28話の短編集。全編がお姉さんの視点から語られます。周りの大人たちは幼い自尊心を大切にして温かく接します。きかんぼの妹のわがままやいたずらは、幼い子の心情に寄り添い共感を呼びます。1978年刊の旧版に新たに14話を加えた改訳新版。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

びくびくビリー(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

アンソニー・ブラウン/さく ・ 灰島 かり/やく

評論社 (2006.9)

ビリーは、いつもびくびくしていた。パパもママも慰めてくれるけど、夜になるといろんなことが気になって眠れない。ある日おばあちゃんに相談すると、心配をひきうけてくれるという人形をくれた。中米グアテマラに伝わる「しんぱいひきうけ人形」を題材に、ひとりで眠る子どもの不安と成長を、あざやかな色彩で描いた絵本。(幼児から)

知識の本小学校高学年から

ぼくの南極生活500日 -ある新聞カメラマンの南極体験記-

武田 剛/著

フレーベル館 (2006.8)

2003年12月から1年4カ月、第45次南極観測隊に同行した写真家の記録。隊員総出でアンテナ建設をする一方、極地特有の太陽の様子や、隊員の専門分野での活動などの写真を日本に送った。撮影の苦労とともに、基地や探検の歴史、極地から見た環境問題などもわかりやすく紹介され、南極大陸への理解を深めることができる。(小学校高学年から)

知識の本中学生から

動物と向きあって生きる -旭山動物園獣医・坂東元-

坂東 元/著 ・ あべ 弘士/絵

角川学芸出版 (2006.7)

幼い頃から生き物に夢中だった著者は、北海道旭山動物園の獣医としてさまざまな動物に接するようになった。動物のありのままの姿を見せようと奮闘するうちに、人間と動物は対等に向き合うべき存在であると痛感する。現在副園長である著者が、時に世間の風潮を批判しながら、野生動物や動物園に対する思いを率直に語る。(中学生から)

物語小学校高学年から

デビルズドリーム

長谷川 集平/作 ・ 前田 秀信/絵

理論社 (2006.7)

小学6年生のアキは、2年前の両親の離婚をきっかけに母の故郷の長崎で暮らし始めた。友だちのトモネと秘密のネット掲示板で学校や親の悪口を言いあっているが、そのことに違和感も覚えている。離婚、戦争、宗教などについて考えるうち、自分に欠けているものに気付いていく思春期の少女の成長を、日常を軸に淡々と描く。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

ぼくの町に電車がきた(ちしきのぽけっと 3)

鈴木 まもる/文・絵

岩崎書店 (2006.7)

伊豆半島に電車がはしるまでの工事の様子を、現場に関わったおじいさんが孫に語りかけます。鉄橋やトンネルの建設など人手のかかる危険な作業、開通の喜びなどが、やさしい色使いの素朴な絵で丁寧に描かれています。当時の作業風景と今とが対比され、現在の便利さを支える土木事業の大変さを分かりやすく伝える絵本です。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

鯨を捕る

市原 基/写真・文

偕成社 (2006.7)

1982年冬、著者は捕鯨船に同乗し、3か月を過ごした。この本は、雄大な南極海やそこに生きる巨大な鯨、海で働く男たちのさまざまな姿を迫力のある写真におさめた記録である。客観的かつ臨場感に満ちた文章が、捕鯨の現場の厳しさを伝え、読者をひきつける。商業捕鯨の禁止から20年経った今、鯨についてあらためて考える。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

マルコとミルコの悪魔なんかこわくない!(くもんの海外児童文学)

ジャンニ・ロダーリ/作 ・ 関口 英子/訳

くもん出版 (2006.7)

マルコとミルコは双子の兄弟。2人はいつも持ち歩いているカナヅチに、宙返りや投げた人の手に戻るなどいろいろな芸をしこんでいます。そのカナヅチで悪魔をやっつけたり、赤ちゃんの子守りをしたりと大活躍します。いたずら好きでちゃっかり者だけど、どこか憎めない双子の軽妙なやりとりがユーモラスなイタリアの短編集。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

おとうとは青がすき -アフリカの色のお話-

イフェオマ・オニェフル/作・写真 ・ さくま ゆみこ/訳

偕成社 (2006.6)

青が世界一お気に入りという弟チディに、どの色も大好きなお姉さんのンネカは、他の色の名前を教えます。緑は屋根を作る葉っぱの色。白はお願い事を書くチョークの色。暮らしの中にある色が、鮮やかな写真とともに、愛情を込めていきいきと語られます。色を通してナイジェリアの文化や習慣をわかりやすく紹介しています。(小学校低学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ぼーるがころころ(えほん・あかちゃんへ)

岸田 衿子/文 ・ 長 新太/絵

ひかりのくに (2006.6)

子犬の大好きなボールが、ころころ逃げて行っちゃった。ボールは、リスやゾウのところに行ったり、山に登ったり、雲の上に飛んで行ったりします。単純な線とはっきりした色合いで描かれた絵はとても見やすく、リズムにのった文章は耳に快く響きます。1998年に出版された絵本が改訂されて、より親しみやすくなりました。(赤ちゃんから)

物語小学校高学年から

天山の巫女ソニン 1 黄金の燕

菅野 雪虫/作

講談社 (2006.6)

巫女(みこ)の才能を持つとされ、聖地天山で成長した12歳の少女ソニンは、才能が開花せず、家族の元へ戻される。新しい生活にも慣れた頃、末の王子イウォルとの出会いがきっかけで、隣国との戦争に関わる陰謀に巻き込まれてしまう。けなげで賢いソニンが自分の頭で考え、苦難を乗り越えていく姿を描く異世界ファンタジー。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

スーザンのかくれんぼ

ルイス・スロボドキン/作 ・ やまぬし としこ/訳

偕成社 (2006.6)

スーザンは、いたずらをする兄さんたちから隠れる場所を探しに出かけます。物置や犬小屋に隠れては、誰かに見つかってしまいますが、最後にとっておきの場所を見つけます。かくれんぼの楽しさや、自分だけの居場所を求める子どもの気持ちを、のびのびとした筆づかいの水彩で温かく描きます。1970年刊の絵童話の改訂新版。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

ガッタンゴットン

スズキ コージ/著

平凡社 (2006.6)

トナカイの運転手が、トロッコ列車にリンゴを乗せて、山から海へ走ります。途中で乗客や荷物を乗せたり、ユニークな動物たちがやってきたりします。横長の画面いっぱいに描きこまれた色鮮やかな絵は、遊び心があって細部にいたるまで楽しめます。擬音語を主とした文とあいまって、独特の雰囲気をかもし出しています。(幼児から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ひまわり(幼児絵本シリーズ)

和歌山 静子/作

福音館書店 (2006.6)

小さな種が、地面にポトンと落ちました。ヒマワリがぐんぐん大きくなっていく様子を、絵本を縦にめくっていくことで表現しています。「どんどこ どんどこ」というリズミカルな繰り返しが、耳に快く響きます。力強い輪郭の絵と余白を生かした構成が、最後のページで画面いっぱいに咲くヒマワリを効果的に見せています。(赤ちゃんから)

物語中学生から

この湖にボート禁止(福音館文庫 S-46)

ジェフリー・トリーズ/作 ・ 多賀 京子/訳

福音館書店 (2006.6)

母と湖水地方の山荘に住むことになったビルと妹スーザンは、地主のアスキュー卿に湖でボートに乗ることを禁止された。その理由を友人と一緒に探るうち、この土地にまつわる歴史的な謎を発見する。ユーモアのある会話、校長先生をはじめ魅力的な大人の存在も、物語に深みを与えている。イギリス児童文学の名著の改訳・復刊。(中学生から)

物語中学生から

ちいさな天使とデンジャラス・パイ

ジョーダン・ソーネンブリック/著 ・ 池内 恵/訳

主婦の友社 (2006.6)

ドラムの得意な中学生スティーブンには、いつも困ったことばかりする5歳の弟がいる。ある日、そんな弟が白血病にかかってしまう。自分と周囲の変化にとまどい傷つきながらも、彼は弟を勇気づけ笑顔を引き出していく。家族を支えるためチャリティコンサートを開くなど、強く成長していく少年の優しい言動が胸を打つ。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

ベンジーとおうむのティリー

マーガレット・ブロイ・グレアム/さく ・ わたなべ てつた/やく

アリス館 (2006.5)

ベンジーはいつもごきげんな茶色の犬です。でも、サラおばさんが連れて来るオウムのティリーには我慢がならず、逃がしてしまって大騒ぎになりました。おばさんの悲しむ姿を見たベンジーは、機転をきかせて無事に騒動を収めます。子どもの気持ちを犬に託したお話を、落ち着いた色の水彩画でユーモラスに描いた絵本です。(幼児から)

物語小学校高学年から

イサナと不知火のきみ

たつみや 章/作 ・ 東 逸子/絵

講談社 (2006.5)

不知火海の近くで生活する綿津見一族の巫女イサナは、松の大木に閉じ込められていた龍王の子ヒコナを助け出した。イサナは、父を探すヒコナと、海底にある龍宮に行くが、そこには悪しきシャチの妃が待っていた。様々な海の生き物や神々の力をかりて、龍の命を狙うシャチ一族と勇敢に戦う少女の姿を描く。プライドが高くていばりやのヒコナと、負けず嫌いでおてんばのイサナのやりとりは小気味よく、濃淡まで丁寧につけた挿絵は、物語の雰囲気をよく表現している。はるか昔、神々への信仰を大切にしてきた海の民の生活の様子も魅力的である。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

りんご -津軽りんご園の1年間-

叶内 拓哉/写真・文

福音館書店 (2006.5)

青森のリンゴ畑の1年は、まだ雪深い3月、余分な枝を落とすことから始まる。受粉、袋かけ、収穫、そしてまた雪に埋もれるまでを、野鳥写真家である著者が紹介する。出荷できない傷のついたリンゴや、ハチやフクロウなど畑の生き物、周辺の風景なども丁寧に写真にとらえている。リンゴ農家の人々の苦労や喜びがうかがえる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ぞうくんのあめふりさんぽ(こどものとも傑作集)

なかの ひろたか/さく・え

福音館書店 (2006.5)

雨の日、泳げないぞうくんは、かばくんにのせてもらって池の中へ散歩に出かけます。水が深くなると、わにくんとかめくんが現れて、かばくんも一緒に背中にのせてくれました。水とたわむれる喜びを、点描を効果的に使った柔らかな筆づかいで描きます。長く親しまれてきた『ぞうくんのさんぽ』の雨の日バージョンです。(幼児から)

物語小学校高学年から

ぼくと原始人ステッグ(福音館文庫 S-44)

クライブ・キング/作 ・ 上條 由美子/訳

福音館書店 (2006.5)

バーニーは、雑木林にあるごみ捨て場の穴に落ちてしまいます。ところが、そこには原始人ステッグが住んでいました。言葉は通じないものの、二人はすぐ仲良くなり、大木を切ったり、狩りをしたり、いろんな冒険をします。ごみを工夫して使うステッグの生活や行動も興味深く描かれます。『ごみすて場の原始人』の改訳改題。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

キッカーズ! 1 モーリッツの大活躍

フラウケ・ナールガング/作 ・ ささき たづこ/訳

小学館 (2006.5)

両親の離婚で引っ越しをしたモーリッツ。「シーズン中は他チームに移れない」という規則のため、大好きなサッカーができなくなってしまった。新しいチームから誘われるが、メンバーに加われないことをうまく伝えられない。サッカーは上手だが口下手な子どもたちが出会い友情を育んでいく、ドイツを舞台にした物語の第1巻。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ハンダのびっくりプレゼント

アイリーン・ブラウン/作 ・ 福本 友美子/訳

光村教育図書 (2006.4)

ケニアに住むルオ族の女の子ハンダは、プレゼントの7種類の果物を頭のかごにのせて、友だちの村へ向かいます。動物たちが次々現れて、果物を一つずつ持っていってしまいますが、ハンダはそれに気づきません。ちょっと意外な結末が楽しい絵本。飛び出してきそうな動物たちや、おいしそうな果物の色彩豊かな絵も魅力的です。(幼児から)

知識の本小学校高学年から

ブナの森は宝の山

平野 伸明/文 ・ 野沢 耕治/写真

福音館書店 (2006.4)

秋田県にあるブナの森の、豊かな恵みやそこに生きる動植物を、躍動感のある美しい写真と丁寧な文章で紹介する。ブナの根開きやシジュウカラの子育てなど、四季ごとに移ろう森の様々な表情を、長期に渡って観察し、記録している。また、鳥の鳴き声を聴くのによい時間帯、キノコの選び方など、森歩きの楽しみ方も伝えている。(小学校高学年から)

物語中学生から

海から来たマリエル(レッドウォール伝説)

ブライアン・ジェイクス/作 ・ ゲリー・チョーク/挿絵

徳間書店 (2006.4)

娘ネズミのマリエルは海賊ネズミに襲われ、記憶を失い、父を奪われた。修道院で仲間を得た彼女は復しゅうのため、謎めいた詩を解読しながら、海賊の島へと向かう。謎解きと冒険の面白さに加え、無鉄砲だが勇敢なマリエルや、各々に信念を持つ個性的な仲間たちの活躍が魅力的で、最後まで一気に読ませる。シリーズ第4作。(中学生から)

知識の本小学校中学年から

フン虫(やあ!出会えたね 5)

今森 光彦/文・写真

アリス館 (2006.4)

動物のうんちだけを食べる「フン虫」に興味をもっていた写真家の著者は、牧場で捕まえて観察することにしました。飼育箱の中で、フンのボールを作ってその中に産卵する様子や幼虫が成長していく姿などを、迫力ある写真を豊富に用いて紹介します。感想もまじえた温かい文章からは、著者のフン虫への愛情が感じられます。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

きかんぼのちいちゃいいもうと その2 おとまり(世界傑作童話シリーズ)

ドロシー・エドワーズ/さく ・ 渡辺 茂男/やく

福音館書店 (2006.4)

歯が抜けそうになった妹は、大人たちにそのぐらぐらの歯を見せてまわります。その度に抜くのをすすめられますが、妹はいやだと言い張ります。ところが歯医者さんのコレクションに自分の歯も入れてもらえると教えられた妹は、自分でその歯を抜いてしまいます。表題作の「ぐらぐらの歯」を含む全3冊28話の短編集。全編がお姉さんの視点から語られます。周りの大人たちは幼い自尊心を大切にして温かく接します。きかんぼの妹のわがままやいたずらは、幼い子の心情に寄り添い共感を呼びます。1978年刊の旧版に新たに14話を加えた改訳新版。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ケイゾウさんは四月がきらいです。(福音館創作童話シリーズ)

市川 宣子/さく ・ さとう あや/え

福音館書店 (2006.4)

ケイゾウさんは、幼稚園で飼われているニワトリです。ウサギのみみこに餌を取られたり、子どもたちの行動に振り回されたりと、さんざんな毎日を送ります。そんな生活が嫌いだと言いながらも、愛着をもっているらしいケイゾウさんの1年間が楽しく語られています。あたたかな色づかいの絵がお話の雰囲気によく合う絵童話です。(小学校低学年から)

知識の本小学校高学年から

わたしのカラス研究(やさしい科学)

柴田 佳秀/著

さ・え・ら書房 (2006.3)

ゴミを散らかしたり、人を襲ったりと、悪いイメージのあるカラス。テレビディレクターである著者は、カメラを設置して、映像を詳しく分析します。その結果、それらの行動には理由があることを発見します。印象ではなく、観察と調査で事実を明らかにすることの大切さと、カラスとの共生を願う著者の気持ちが伝わってきます。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ハコの牧場(福音館創作童話シリーズ)

北村 恵理/著 ・ 金井田 英津子/え

福音館書店 (2006.3)

北海道で牧場を営む家族の末っ子、春子(ハコ)の小学2年生から4年生までをつづった物語。昭和20年代、テレビもゲームも無いけれど、牧草の刈り入れや豚の出産など、ハコの毎日はわくわくする出来事の連続だった。時に恵みを、時に災害をもたらす自然と、その中でたくましく生きる人々の生活の様子が丁寧に描かれている。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

せかいでいちばんおかねもちのすずめ

エドアルド・ペチシカ/ぶん ・ ズデネック・ミレル/え

プチグラパブリッシング (2006.3)

スズメの「ぼさぼさくん」は食いしん坊です。冬のある日、貨車に閉じ込められても、山積みにされた麦を目にして、大はしゃぎします。えさをひとりじめしていたスズメが、みんなといる楽しさに気づくまでをユーモラスに語ります。豊かな色彩のくっきりした絵は、細部まで楽しめます。愛らしいチェコの絵本です。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ワイズ・ブラウンの詩の絵本

マーガレット・ワイズ・ブラウン/詩 ・ レナード・ワイスガード/絵

フレーベル館 (2006.2)

虫や魚、動物たちや自然など、子どもたちに身近な題材を、みずみずしい感性で詩につづった美しい絵本。声に出して読んでみると、単純でいて親しみやすく、リズム感あふれる言葉が優しく響き、感覚を揺り動かされる。緑の濃淡と黒だけで描かれた落ち着いた色調の絵は、詩に寄り添うように、想像力の世界を広げてくれる。(幼児から)

物語小学校中学年から

真夜中のまほう

フィリス・アークル/文 ・ エクルズ・ウィリアムズ/絵

BL出版 (2006.2)

真夜中の鐘が鳴ると、看板の動物は朝まで自由になれるという秘密がありました。宿屋の看板のマガモはそれを知り、こっそり抜け出します。ある日マガモは、自分の宿屋が泥棒たちに狙われていることを聞き、森の動物たちと策略を練ります。くり返しなどの昔話的な要素を盛り込んだ、ほのぼのとした愉快なお話です。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

心の宝箱にしまう15のファンタジー

ジョーン・エイキン/著 ・ 三辺 律子/訳

竹書房 (2006.2)

おばがくれる誕生日カードの内容が、魔法の力で全て本当になってしまう「望んだものすべて」、一つ目の願い事で妻を得た男が、二つ目で妻を元の白鳥に戻す「三つ目の願い」等を収める。繊細で美しい描写が、不思議に満ちた物語世界へ引き込む。コミカルなファンタジーから、胸を打つ切ない物語まで、それぞれに味わい深い。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

さとうねずみのケーキ

ジーン・ジオン/ぶん ・ マーガレット・ブロイ・グレアム/え

アリス館 (2006.1)

見習いコックのトムはケーキを上手に焼けるのに、それを知っているのは白ねずみのティナだけでした。ある日お城でケーキコンテストが開かれ、トムは砂糖のねずみを飾ったケーキを作ります。トムとティナの友情を軸に、物語は次々と思わぬ展開を見せます。青と赤の彩色を効かせた絵も優しい印象で、雰囲気をよく伝えます。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

たあんきぽおんきたんころりん -たんたんたのしいうたづくし-(こどものともセレクション)

長谷川 摂子/文 ・ 降矢 なな/絵

福音館書店 (2006.1)

「たぬきがね どんぐり ころころ おいかけた たあんき ぽおんき たんころりん」おまじないのようなリズムが小気味よい言葉遊びの絵本で、全部で13の遊びうたを紹介しています。それぞれのうたに添えられたダイナミックな絵はカラフルな色彩で描かれ、独特の雰囲気があります。眺めるだけでも声に出しても楽しめます。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

とぶ(こどものともセレクション)

谷川 俊太郎/作 ・ 和田 誠/画

福音館書店 (2006.1)

ある晩まことは、空を飛ぶ夢を見た。そして次の日、夢を思い出しながら走りだすと、なんと、体がふわりと浮かび上がったのだ。海や畑や自分の家の上を飛んでみたり、宙返りをしてみたりと、わくわくするような冒険を、明快で鮮やかな色彩が盛り上げる。文章もテンポよく楽しい。空を飛ぶ夢、君も見ることができるかな?(幼児から)

物語小学校中学年から

ぬまばあさんのうた(こそあどの森の物語 8)

岡田 淳/作

理論社 (2006.1)

こそあどの森に住む少年スキッパーは、ふたごたちに誘われて、湖の西で光ったという「夕陽のかけら」を探しに行く。彼のおばさんからの手紙や、子どもの遊び歌など、日常的な事柄のなかから、忘れられた伝説がよみがえる。森の住人たちの生活とささやかな冒険がほのぼのと描かれる。挿絵も、物語の雰囲気をよく伝えている。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

ラモーナ、明日へ([ゆかいなヘンリーくんシリーズ])

ベバリイ・クリアリー/作 ・ 松岡 享子/訳

学研 (2006.1)

ラモーナは四年生の女の子。父と母と、高校生の姉と、赤ん坊の妹がいます。つづりの勉強は苦手だけれど、ずっとほしかった親友もできて、楽しい毎日をすごしています。子どもの何気ない日常を描いた、親しみやすい物語です。学校生活や、家族・友だちを通して、周りと自分を見つめ、少しずつ成長していく姿に共感が持てます。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ハロルドのしっぽ

ジョン・ベーメルマンス・マルシアーノ/作 ・ 石井 睦美/訳

BL出版 (2005.12)

リスのハロルドは公園の人気者。ところが自慢のしっぽが丸刈りになり、ドブネズミそっくりの姿になると、一転みんなから嫌われてしまう。仕方なく公園の外に出てみたが……。初めての地下暮らしなど、不自由な生活の中で、ネズミの友達を作り、強い心と新しい自分を見つける姿を描く。表情豊かな動物たちの挿絵も魅力的。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ぼくだってできるさ!

エドアルド・ペチシカ/さく ・ ヘレナ・ズマトリーコバー/え

冨山房インターナショナル (2005.12)

マルチーネクは、小さな男の子です。早く大きくなりたくて、字が読めるふりをしてみたり、歯医者に一人で行ってみたり、いろいろなことに挑戦します。50年前に書かれたお話ですが、今も昔も変わらない幼い子どもの日常を、丁寧に描いています。チェコを代表する画家の、輪郭のはっきりした鮮やかな色使いの絵も印象的です。(幼児から)

物語小学校低学年から

きかんぼのちいちゃいいもうと その1 ぐらぐらの歯(世界傑作童話シリーズ)

ドロシー・エドワーズ/さく ・ 渡辺 茂男/やく

福音館書店 (2005.11)

歯が抜けそうになった妹は、大人たちにそのぐらぐらの歯を見せてまわります。その度に抜くのをすすめられますが、妹はいやだと言い張ります。ところが歯医者さんのコレクションに自分の歯も入れてもらえると教えられた妹は、自分でその歯を抜いてしまいます。表題作の「ぐらぐらの歯」を含む全3冊28話の短編集。全編がお姉さんの視点から語られます。周りの大人たちは幼い自尊心を大切にして温かく接します。きかんぼの妹のわがままやいたずらは、幼い子の心情に寄り添い共感を呼びます。1978年刊の旧版に新たに14話を加えた改訳新版。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

王への手紙 下(岩波少年文庫 575)

トンケ・ドラフト/作 ・ 西村 由美/訳

岩波書店 (2005.11)

騎士叙任の最終試練の夜、ティウリは、沈黙の規則を守るか、人を助けるという騎士のあるべき態度をとるか決断を迫られる。手紙を届ける使命を引き受けた彼は、執念深い追跡を避けながら、困難の続く秘密の旅を続ける。息つく間もない展開の中で、友情の尊さや、決断することとその責任を負うことの難しさを考えさせられる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

王への手紙 上(岩波少年文庫 574)

トンケ・ドラフト/作 ・ 西村 由美/訳

岩波書店 (2005.11)

騎士叙任の最終試練の夜、ティウリは、沈黙の規則を守るか、人を助けるという騎士のあるべき態度をとるか決断を迫られる。手紙を届ける使命を引き受けた彼は、執念深い追跡を避けながら、困難の続く秘密の旅を続ける。息つく間もない展開の中で、友情の尊さや、決断することとその責任を負うことの難しさを考えさせられる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

子ヤギのバルタザール!(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

ジョフロワ・ド・ペナール/さく ・ 石津 ちひろ/やく

評論社 (2005.1)

森で知らないおじさんが遊んでくれたよ。でもそのおじさんは、オオカミだったのです。バルタザールは、さらわれているのに、遊んでもらっていると勘違いしているのです。子ヤギの無邪気な様子と、悪巧みをするオオカミや救おうとする親たちの奮闘ぶりとの対比が、面白さを生み出します。コミカルな絵もお話にぴったりです。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

まんまるおつきさまをおいかけて(世界傑作絵本シリーズ)

ケビン・ヘンクス/作・絵 ・ 小池 昌代/訳

福音館書店 (2005.1)

今夜はまんまるお月様。子猫は空にミルクの入ったお皿があると思い、飛び上がったり走って追いかけたり。けれどもちっとも近づけません。何度失敗してもお皿をつかまえようとするひたむきな子猫の姿が愛らしい絵本。はっきりした輪郭の、黒と白の濃淡で描かれた絵は、子猫の動きを力強く、表情をユーモラスに伝えています。(幼児から)

物語小学校高学年から

かはたれ -散在ガ池の河童猫-(福音館創作童話シリーズ)

朽木 祥/作 ・ 山内 ふじ江/画

福音館書店 (2005.1)

ひとりぼっちの河童の子・八寸(はっすん)は、修行のため、猫の姿に変えられ人間の町に行く。公園で気絶したところを、母を亡くした寂しさを抱える少女・麻に拾われる。言葉は通じなくとも、心の交流を深めていく二人の姿を細やかな筆致でつづる。詩情豊かな描写を重ねた透明感のあるお話。いたずら好きの河童が愛らしい。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

わたしたちの帽子

高楼 方子/作 ・ 出久根 育/絵

フレーベル館 (2005.1)

家の改装中、サキは古いビルに住むことになりました。そこで見つけた帽子をかぶってビルの探検に出かけると、同じ帽子の風変わりな女の子に出会います。らせん階段や隠し扉などがある謎めいた建物を舞台に、過去と現在、現実と空想がまじりあう不思議な感覚に引きこまれます。少女たちの友情が育まれるさまが、細やかに描かれます。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

くものすおやぶんとりものちょう(こどものとも傑作集)

秋山 あゆ子/さく

福音館書店 (2005.1)

クモのあみぞう親分は、今日も町の見回り。アリのお菓子屋に盗みの予告状が届いたとの知らせを聞き、捜査に乗り出す。親分は文字通り網を張って盗人を待ち伏せる。擬人化された虫たちの暮らしが細部まで描き込まれ、かくし絵的要素もあり、親子でじっくりと眺めたい。時代劇調の語り口が、絵の持つ面白みを引き立てている。(幼児から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

空想動物ものがたり

マーグリット・メイヨー/再話 ・ ジェイン・レイ/絵

岩波書店 (2005.1)

メキシコに伝わる、羽毛のあるヘビ神が人間に音楽をもたらした話や、ヨーロッパで語られる、大海ヘビ退治の物語など、想像上の動物の伝説を収めた絵物語集。美しい挿絵が、世界各地から集めた10編の物語を彩る。音楽がどうして生まれたのか、島がどうやってできたのかなどの疑問に対する、先人の回答としても興味深い。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

子どもに語るアンデルセンのお話

アンデルセン/[著] ・ 松岡 享子/編

こぐま社 (2005.1)

アンデルセン生誕 200年を記念して、日本でも彼の童話を語るお話会が開かれた。この会のために、ベテランの語り手たちが訳文に工夫をこらした「おやゆび姫」「野の白鳥」など9編と、語り手たちの座談会を収める。まろやかな美しい日本語は子どもにも読みやすく、読み聞かせにも向き、アンデルセンの魅力をよく伝えている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

わたしはとべる(講談社の翻訳絵本)

マリー・ブレア/絵 ・ ルース・クラウス/文

講談社 (2005.9)

ブランコに乗って少女は歌います。「小鳥のようにわたしはとべる」。少女は小鳥やめうしや虫たちと一緒に、のびのびと一日を過ごします。遊んだり食べたり、好きな動物たちと同じように身体を動かせるという喜びがページごとにあふれています。色彩豊かな絵とリズミカルな言葉が彼女の自由で無邪気な姿を愛らしく表現します。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

落ち葉

平山 和子/文と絵 ・ 平山 英三/構成と写真

福音館書店 (2005.9)

林の中で見つけたたくさんの美しい落ち葉。著者は赤や黄に染まったモミジの葉や、虫食いの跡が残るクリの葉など、一枚一枚を丁寧に正確に描く。おだやかな秋の日差しや朝に降りた霜など、それぞれの季節を感じさせる写真や、落ち葉への思いをつづった詩的な文章ともあいまって、自然の不思議さが心に響く。(小学校低学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

聖ヨーランの伝説

ウルフ・スタルク/作 ・ アンナ・ヘグルンド/絵

あすなろ書房 (2005.9)

西を目指したヨーランは、間違って恐ろしい竜のいる東の国に着く。剣も馬も困っている人にあげてしまったが、いけにえの姫を救うため、竜と戦うことを決意する。ヨーロッパで親しまれている聖人を、夢見がちだが優しい青年として描く。彩色されたたくさんの挿絵も、ひょうひょうとした心温まる物語の雰囲気をよく伝えている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

かいじゅうぼく(主婦の友はじめてブック)

ジョン・ウォレス/さく ・ かねはら みずひと/やく

主婦の友社 (2005.9)

弟のティモシーは変身スーツで「かいじゅうぼく」になり、部屋中で大暴れします。シャーロットは怒りますが、弟のピンチには正義の味方「ワンダーシャーロット」になって助けてあげます。明るい色彩の軽やかな絵が、姉弟のごっこ遊びをいきいきと愛らしく描きます。弟おもいの姉のやさしさが伝わる作品です。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ちいさなこぐまのちいさなボート(主婦の友はじめてブック)

イヴ・バンティング/さく ・ ナンシー・カーペンター/え

主婦の友社 (2005.9)

小さなこぐまはボートが大好き。毎日湖で遊んでは、「おやすみ、ボート」とあいさつをして家路につく。やがて、大きくなりすぎて乗られなくなった時、こぐまはボートを大切にしてくれる相手を探して譲ることにする。成長することの喜びとさびしさを、ほほえましさと情感をこめて描く。素朴な色調の絵も味わい深く心に残る。(幼児から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

くっついた

三浦 太郎/作・絵

こぐま社 (2005.8)

「くっついた」という言葉で、金魚と金魚が、あたまをちょんとくっつけます。アヒルたちはくちばしを、ゾウたちは鼻を、お母さんと赤ちゃんはほっぺをくっつけます。言葉の繰り返しが楽しい絵本です。温かな色使いの丸みのある絵もかわいらしく、親しみが持てます。子どもと触れ合った時の幸せな気持ちが伝わってきます。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話幼児から

とんでとんでサンフランシスコ

ドン・フリーマン/さく ・ やました はるお/やく

BL出版 (2005.8)

サンフランシスコの街で、ハトのシッドはネオンの看板に巣を作りました。ある日帰ると、看板が取り外されています。シッドは巣を探して街中を飛び回ります。ハトの姿を追うことで、様々な構図をとる工夫がされており、色鉛筆で彩色した絵はスケッチのように町並みを映し出します。ハトと街の人々の心温まる交流を描きます。(幼児から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

被爆者 [正] 60年目のことば(シリーズ自然いのちひと 7)

会田 法行/写真・文

ポプラ社 (2005.7)

広島・長崎への原爆投下から60年、核兵器に人生を奪われた人々が高齢化する一方、核廃絶の願いは未だ実現していない。著者は、母親の胎内で被爆し、重い障がいを抱えて生きてきた女性など、6人の被爆者の「今」を写真で紹介する。後遺症に苦しみながら、なくならない核兵器への怒りを訴える被爆者の姿が胸に迫る。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ジュリエッタ荘の幽霊(文学の森)

ベアトリーチェ・ソリナス・ドンギ/作 ・ エマヌエーラ・ブッソラーティ/絵

小峰書店 (2005.7)

あの夏、私は幽霊を見た。だがそれは、ドイツ軍から逃れ、隠れ暮らしていたユダヤ人の少女レジーナだったのだ。第二次大戦末期のイタリア、母の田舎に疎開したリッリはレジーナと秘密の友情をはぐくむ。こまやかな筆致で、多感な少女たちの友情と成長を、詩情豊かに描く。ひなびた田舎の暮らしや自然の描写も郷愁をそそる。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

ダイヤモンドより平和がほしい -子ども兵士・ムリアの告白-

後藤 健二/著

汐文社 (2005.7)

兵隊に両親を殺され、さらわれたムリアは、恐怖と麻薬に支配されて人々を虐殺する少年兵になった。西アフリカには、産出するダイヤモンドが原因の戦争で、同じような境遇の子どもが多くいる。現在15歳の彼は、更正しようと懸命だ。子どもが人を殺さないと生きていけない現実があることを紹介し、平和の大切さを訴える。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

コレットちゃんはおかあさん

フランソワーズ/さく・え ・ ないとう りえこ/やく

徳間書店 (2005.7)

小さいおうちに一人で住むコレットちゃんは、動物たちのお母さんになりました。ところが、小鳥やウサギに羊と、子どもたちはどんどん増えて、おうちも庭もいっぱいになってしまいます。女の子が動物たちと暮らす様子に、楽しい想像がふくらみます。黄色や緑を基調にした素朴で愛らしい絵も、温かい印象をあたえています。(幼児から)

物語小学校低学年から

小さな小さな海

岩瀬 成子/作 ・ 長谷川 集平/絵

理論社 (2005.7)

小学2年生のよしろうはプールの授業はいつもお腹が痛くなる。彼は保健室で知り合ったこうじの家に行き、タンスの引き出しの中にある海と、その浜辺に立つ小さな二人の姿を見る。なかなか海に入れない自分を、彼は心の中で応援する。日常の風景に小さな不思議を織り込み、少しずつ苦手を克服していく少年の姿を淡々と描く。(小学校低学年から)

詩・随筆・記録中学生から

いまぼくに -谷川俊太郎詩集-(詩と歩こう)

谷川 俊太郎/著 ・ 水内 喜久雄/選・著

理論社 (2005.7)

……それはのどがかわくということ/木もれ陽がまぶしいということ/ふっと或(あ)るメロディを思い出すということ……。たとえば「生きる」ことについて詩人はこのように言葉を紡いで表現する。愛や平和などのイメージごとに編まれた30編の詩は、美しい音楽を思わせる。豊かな言葉の世界を、ぜひ声に出して味わいたい。(中学生から)

知識の本中学生から

素数ゼミの謎

吉村 仁/著 ・ 石森 愛彦/絵

文藝春秋 (2005.7)

アメリカには、13年あるいは17年という素数の周期で大量発生する不思議なセミがいます。著者はその生態を、生命誕生以来の地球環境の変化や、進化の淘汰(とうた)の過程から解き明かそうとします。豊富なカラー図版を交え、わかりやすい言葉で順を追って解説しています。科学的思考を通じて、知的探求心を満足させる一冊です。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

やさいのせなか(幼児絵本シリーズ)

きうち かつ/さく・え

福音館書店 (2005.7)

野菜の上に紙をのせてクレヨンでこすってみよう。ごつごつごつ、すーすー、ぽこぽこ。あれえ、不思議な模様がうかんできたよ。ページをめくると、トウモロコシなど元の野菜の姿が色鮮やかに現れる。これは何かな、これだったらどうだろうと想像力がかきたてられる。実際にやってみるともっと楽しい、遊び心いっぱいの絵本。(幼児から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ととけっこうよがあけた(わらべうたえほん)

こばやし えみこ/案 ・ ましま せつこ/絵

こぐま社 (2005.7)

「ととけっこう よがあけた」というわらべ歌にあわせて、元気なニワトリが、ヒヨコや猫、牛など動物の子どもたちを起こしてまわります。水彩とコラージュを組み合わせた絵は、くっきりとしていて、やさしい色使いです。繰り返される言葉はリズムよく、心地よい響きが楽しめます。巻末の楽譜を参考に歌うこともできます。(赤ちゃんから)

物語小学校高学年から

ラインの虜囚(Mystery land)

田中 芳樹/著

講談社 (2005.7)

1830年、ナポレオン没後のパリ。カナダ人の少女コリンヌは、祖父の命令でライン河の塔に幽閉された謎の虜囚の正体を探りに行く。旅の仲間は、頼もしい三人の男たち。街の悪党との攻防の果てに真相をつきとめる冒険が軽快に描かれる。当時の社会情勢を背景に実在の人物を登場させる物語構成も巧みで、読む楽しさを味わえる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

クロニクル千古の闇 1 オオカミ族の少年

ミシェル・ペイヴァー/作 ・ さくま ゆみこ/訳

評論社 (2005.6)

悪霊の宿るクマに父を殺された12歳の少年トラクは、父との誓いを果たすため「精霊の山」を探す旅に出る。その途上オオカミの子ウルフを運命の友とし、森を救う試練に共に立ち向かう。紀元前4000年の太古の森の自然や、そこに住む狩猟民族の生活を肌で感じられる存在感あふれる描写で、物語にひきこまれる。全6巻の1冊目。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

カクレンボ・ジャクソン

デイヴィッド・ルーカス/さく ・ なかがわ ちひろ/やく

偕成社 (2005.6)

はずかしがりやのジャクソンは、なるべく目立たないように、公園では草木の柄の服を、図書館では本の柄の服を着ます。ところが、女王様の誕生パーティの時、彼はうっかり、とても目立ってしまいました。万華鏡のように色を散りばめた絵が、物語によくあっています。だまし絵の要素も盛り込んだ、遊び心たっぷりの絵本です。(幼児から)

物語小学校中学年から

さかさま魔女(魔女の本棚 3)

ルース・チュウ/作 ・ 日当 陽子/訳

フレーベル館 (2005.6)

夏休み、ローラが出会った魔女は、ブランコにさかさに乗っていた。さかさになる魔法で困っている彼女のため、ローラは親友ジェインとともに、魔法を解く薬の材料探しに奔走する。忘れっぽい魔女と元気な少女たちのやりとりが小気味よい。生活感のある日常描写と、空飛ぶバスマットなど、心おどる小道具との対比も楽しい。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

川べのちいさなモグラ紳士

フィリパ・ピアス/作 ・ 猪熊 葉子/訳

岩波書店 (2005.5)

川べで本を朗読することを頼まれた少女ベットは、それがモグラのためと知る。魔法をかけられ不死となったモグラの身の上話を聞いたり、自分の悩みを打ち明けたりしながら次第に友情を深めていく。ときに哲学的な助言を与えるモグラの人柄が魅力的。二人のふれあいを丁寧に描き、本当の友情のぬくもりがしみじみと残る。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

とうちゃんはかんばんや

平田 昌広/作 ・ 野村 たかあき/絵

教育画劇 (2005.5)

町を歩けば、花屋や魚屋、ラーメン屋にも父ちゃんが作ったかっこいい看板がある。ぼくもまねして、うちの看板を作ったら、父ちゃんは文句を言いながらも、うれしそうに店に飾ってくれた。日記のような文章で「ぼく」の日常を淡々とつづる。親子のふれあいと昔ながらの町並みを、彩色した木版画で、しみじみと温かく描く。(幼児から)

物語中学生から

風神秘抄

荻原 規子/作

徳間書店 (2005.5)

平安末期、自然と共鳴できる笛を吹く草十郎と、魂鎮めの舞を舞う糸世が出会う事で、人の運命を変える力が生じた。特殊な能力を持つ少年と少女の恋の行方を、源平の争乱を交えて描く。挫折した少年が、生きる目的を新たに見つける姿がすがすがしい。歴史・古典を題材にし、よく練られた構成で壮大な物語をじっくり読ませる。(中学生から)

物語小学校低学年から

ゴリラのりらちゃん(おはなしボンボン 25)

神沢 利子/作 ・ あべ 弘士/絵

ポプラ社 (2005.5)

りらちゃんはお父さんが大好き。ある日、お父さんのまねをして胸をたたいてみますが、オウムのまーこにからかわれてしまいます。小さなりらちゃんを見守るお父さんとのほほえましいやりとりにほのぼのした愛情を感じます。丸みのある伸びやかな絵は愛敬があって親しみやすく、リズミカルな文章は小さい子にも楽しめます。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

おともださにナリマ小

たかどの ほうこ/作 ・ にしむら あつこ/絵

フレーベル館 (2005.5)

ある朝、1年生のハルオは、キツネの小学校に迷い込む。その日は、ハルオの小学校の生徒に化ける宿題が出ていたからだ。それから、二つの小学校の交流が始まる。キツネたちが書いた「おともだち」が「おともださ」になっているへんてこな手紙や、間違い探しをしたくなる、とぼけた化け姿の挿絵が、ほのぼのとした笑いを誘う。(小学校低学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

くっくくっく(0.1.2.えほん)

長谷川 摂子/文 ・ 小川 忠博/写真

福音館書店 (2005.5)

「くっくくっくそっとしっと」と、赤と青のフェルト製の赤ちゃん靴たちが出てきて踊ります。まんまるい黒ボタンの目や触角のような靴ひもが、生きいきと表情豊かに動きます。「ぱおぱおぱあー」などと、擬音で靴たちの踊りを表現したことばもリズミカルで、声に出して読むといっそう楽しめます。かわいい写真の絵本です。(赤ちゃんから)

物語幼児から

あめあめふれふれもっとふれ

シャーリー・モーガン/文 ・ エドワード・アーディゾーニ/絵

のら書店 (2005.5)

3日も雨が降り続き、男の子と女の子は窓から外を眺めています。車を見て車だったら水たまりにさざなみをたてよう、猫を見て猫になって小鳥を追いかけたい、などと空想を広げます。外の情景と2人の想像が、優しい語りとスケッチ風の絵で交互に描写されます。しっとりした雰囲気で、小さい子と一緒に楽しみたい絵童話です。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

ぼくの鳥の巣絵日記

鈴木 まもる/作・絵

偕成社 (2005.5)

里山の四季を、野鳥の暮らしをとおして見つめた科学絵本。大判の見開き左側には、著者の住む山小屋と周辺の風景を描く。見開き右側には、そこで生きる鳥たちに焦点をあてた簡潔でわかりやすい解説をつけている。優しい色彩で描かれた絵は、鳥の特徴をよくとらえており、美しく温かみがある。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

蒼路の旅人(偕成社ワンダーランド 31)

上橋 菜穂子/作 ・ 佐竹 美保/絵

偕成社 (2005.5)

新ヨゴ皇国の皇太子チャグムは、勢力を広げるタルシュ帝国に捕らえられる。だが、帝国の侵攻を阻止すべく、北方連合を作るため、彼は暗い海へ逃れた(「蒼路の旅人」)。そして、女用心棒バルサは、行方不明になったチャグムを救うため再び旅立つ。バルサに守られていた幼かったチャグムが、大切なものを守るために、傷つき迷いながら成長していく。侵略するものとされるもの、為政者と民衆が、それぞれの立場でより良い道を探して懸命に生きる姿が、存在感をもって描かれる。11年をかけて書きつがれた「守り人」シリーズの壮大な完結編。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

砂漠の国からフォフォー(くもんの児童文学)

中川 なをみ/作 ・ 舟橋 全二/画

くもん出版 (2005.4)

幼稚園で働くあゆらは、海外青年協力隊員として西アフリカへ向かう。猛烈な暑さ、貧困、一夫多妻制など、気候も生活習慣も異なる国で、どの子どもにも楽しい教育を目指して奮闘する。失敗にもくじけない、いつも前向きな彼女の姿には、異文化を受け入れ暮らすこと、自分の信じる道を進むことの、力強さ美しさが感じられる。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

とべ!ありがとうのふうせん(文研の創作えどうわ)

清水 道尾/作 ・ 福田 岩緒/絵

文研出版 (2005.4)

子どもの数が減って、ヒロシの分校がなくなってしまう。ウサギが遊びに来たり、冬には雪像も作る楽しい山の学校ともお別れだ。三学期最後の日、運動場のコスモスの種をつけた紙の風船をみんなで空に飛ばした。さびしさをのりこえ、思い出を胸に新しい世界へ旅立つ子どもたちを、淡々とした山の日常のなかでほのぼのと描く。(小学校低学年から)

知識の本小学校低学年から

クモ(やあ!出会えたね 4)

今森 光彦/文・写真

アリス館 (2005.4)

著者は、クモの中でも体の模様が美しく、巣の形が立派なコガネグモが一番好きです。そこで、様々な工夫をこらして巣をはるところを観察したり、脱皮の過程や、産卵をして子グモが巣立つ様子などを写真に収めます。接写によって細部まで克明にとらえられたカラー写真を多数用いて、クモの生態を判りやすく紹介しています。(小学校低学年から)

歴史・伝記物語小学校中学年から

アンネ・フランク -絵本-

ジョゼフィーン・プール/文 ・ アンジェラ・バレット/絵

あすなろ書房 (2005.4)

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの人種差別政策により、隠れ家での生活を余儀なくされたアンネ・フランクの伝記絵本。重厚な色遣いで細部まで描きこまれた絵は、その時代の重い空気を感じさせる。文章は簡潔で、ユダヤ人迫害がなぜ起きたかをわかりやすく説明している。アンネたちの思いや暮らしぶりもよく伝わってくる。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

はばたけ!ザーラ -難民キャンプに生きて-(鈴木出版の海外児童文学 4)

コリーネ・ナラニィ/作 ・ トム・スコーンオーヘ/絵

鈴木出版 (2005.2)

クルド人の少女ザーラは、イラクの難民キャンプで、親友や親戚らと助け合いながら暮らしている。ところが、難病の弟を救うため、一家はオランダに移住することになる。彼女の家族への思いやりや、周りの人々への愛着が、日々の生活を明るくすがすがしいものにしている。服装や食事など、クルド人の文化も具体的で興味深い。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

山ばあばと影オオカミ(おはなしの森 5)

小川 英子/作 ・ 奈知 未佐子/絵

新日本出版社 (2005.2)

太(ふとし)の妹が生まれたお祝いに、山ばあばと呼ばれる、ひいおばあちゃんがやってきた。二人は、影オオカミに赤ん坊の持つ宝火珠(ひかり)を奪われ、取り戻そうとする。百貨店で変な物を売っていたり、森の木が話し出すなど、日常がずれていく不思議な面白さがある。言葉遊びの要素も盛り込んで、テンポよく読ませる。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

手で食べる?(たくさんのふしぎ傑作集)

森枝 卓士/文・写真

福音館書店 (2005.2)

手で食べるって、お行儀悪い?いいえ、そうではありません。国や時代が違ったら、食べ方も食器も変わります。そうした違いの背後には、理由も伝統もあるのです。豊富な写真と、親しみやすい語り言葉が、世界の食文化の多彩さ面白さを実感させてくれます。色々な食べ方に挑戦する子どもたちの、生き生きした表情も印象的です。(小学校中学年から)

知識の本小学校高学年から

わたしのスズメ研究(やさしい科学)

佐野 昌男/著

さ・え・ら書房 (2005.1)

スズメはよく知られた野鳥だが、その生態については不明な点が多い。個体数が多すぎることや雌雄の判別の難しさなど、困難な調査を工夫してなしとげた過程を丁寧に解説する。写真や図が豊富でわかりやすく、スズメの特徴をとらえたイラストはユーモアがあり楽しい。1つのテーマに淡々と取り組む著者の姿勢がすがすがしい。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ぴよぴよひよこ(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

ジョン・ローレンス/さく ・ いけ ひろあき/やく

評論社 (2005.1)

ある日ひよこは、出合った動物の鳴き声をまねながら思う存分遊んで帰ります。親鳥の元にもどったひよこの口からは、一日分の冒険がいろいろな鳴き声になって飛び出します。ひよこのおおらかな元気さが、澄んだ色使いの大胆な版画で力強く描かれています。リズムのある日本語訳と鳴き声の擬音が、音読して楽しい絵本です。(幼児から)

物語小学校中学年から

あいつの涙とセミの声

くりもと あんず/著

碧天舎 (2005.1)

護(まもる)は食べ残したキュウリをめぐって母と大ゲンカする。家出の途中、沼でカッパと出会い、祖母の家まで自転車で連れて行く羽目に。服や帽子でカッパの正体を隠したり、川でおぼれたり、といった珍道中ぶりが楽しい。苦楽を共にする中で育まれる友情をテンポよく描く。個性的な線画も物語の軽快さを引き立てている。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

イルカの家

ローズマリー・サトクリフ/著 ・ 乾 侑美子/訳

評論社 (2004.12)

16世紀の英国、孤児となった9歳のタムシンは、おじの家に引き取られる。最初は孤独を感じながらも、少しずつうちとけていく。寂しさ、航海への夢と憧れ、心が通じ合う喜びなど、少女の気持ちを丁寧に描き、共感をよぶ。五月祭での騒動や、ハロウィンの夜に語られる妖精の話など、当時の風俗や生活の様子も魅力的である。(小学校高学年から)

知識の本小学校高学年から

ぼくは「つばめ」のデザイナー -九州新幹線800系誕生物語-

水戸岡 鋭治/著

講談社 (2004.12)

2004年、新しく開通した九州新幹線用に、著者は800系「つばめ」をデザインした。楽しく美しく快適な列車を作るべく、著者は様々な工夫をこらす。親しみやすい文章と豊富なイラストや図版で、工夫と苦心の過程が語られる。デザインは心の豊かさを生み、ひいては社会を変えてゆく力を持つという、著者の信念が伝わってくる。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

てつびん物語 -阪神・淡路大震災ある被災者の記録-

土方 正志/文 ・ 奥野 安彦/写真

偕成社 (2004.12)

大地震後のがれきの町に、一人のおばちゃんがいた。「生きとっただけでめっけもんや、死ぬまでりっぱに生きたるわ」と小料理屋「てつびん」を一人で再開し、あかりをともした。作者たちは、おばちゃんの8年間の闘いを追いつづけた。自然災害の猛威の前に、なおも立ち上がる人間の力強さとせつなさを感じる記録写真集。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

ヒットラーのむすめ(鈴木出版の海外児童文学 1)

ジャッキー・フレンチ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

鈴木出版 (2004.12)

マークは、物語を作るお話ゲームで聞かされた「ヒットラーに娘がいたら」という話にひかれる。彼は、少女の境遇になぞらえて、もし自分の父親が独裁者だったら、もし自分の国が戦争をしたら、と想像する。架空の少女の孤独な物語と、現代のマークの日常が交互に描かれる構成は、実感しにくい戦争と独裁を身近に考えさせる。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校低学年から

うちにあかちゃんがうまれるの(からだとこころのえほん 9)

いとう えみこ/文 ・ 伊藤 泰寛/写真

ポプラ社 (2004.12)

6歳の女の子まなかは、母のおなかに顔をあて「まってるからね」と話しかける。皆が見守る中、自宅で赤ちゃんが産まれる。まなかの視点の文と父の写真が温かいノンフィクション。巻末に、家族の対談や母の思い、助産師の言葉を添え、命の誕生を目にした感動を語る。どのページからも新しい家族を迎える喜びが伝わってくる。(小学校低学年から)

知識の本小学校高学年から

ニュースの現場で考える(イワサキ・ノンフィクション 1)

池上 彰/著

岩崎書店 (2004.12)

新聞記者にあこがれる読書好きな少年が、数多くの現場を経て、やがてキャスターとなるまでを自伝的につづる。普段何げなく見ているニュース番組はどのように作られ、どれだけの人が携わっているのか? それらを丁寧に紹介しながら、ニュースの伝え手の責任だけでなく、受け手が自分の頭で考えることの大切さを語りかける。(小学校高学年から)

歴史・伝記物語小学校中学年から

さわってごらん、ぼくの顔

藤井 輝明/著

汐文社 (2004.11)

著者が2歳の頃、病気で顔半分をおおうほどのアザができる。差別や、病気の不安に苦しみながらも、医療・福祉方面の道へと進むことを決める。現在は大学教授を勤めながら、顔に病気をかかえる人たちへの偏見をなくすべく、社会活動にも取り組む著者の自伝。重いテーマを暗くなりすぎず、読みやすい誠実な文章で書く。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

スカイラー通り19番地

E.L.カニグズバーグ/作 ・ 金原 瑞人/訳

岩波書店 (2004.11)

マーガレットは夏休みのキャンプで孤立し、大おじ兄弟の元に身を寄せる。そこで大おじたちの建てたガラスの塔が取り壊されようとしている事を知り、塔を守るために奮闘しはじめる。彼女の淡い恋や、大叔父たちの歴史をからめ、ひと夏の出来事が機知に富んだ文章で語られる。主人公をはじめ登場人物が魅力的でひきこまれる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

秘密の道をぬけて

ロニー・ショッター/著 ・ 千葉 茂樹/訳

あすなろ書房 (2004.11)

アマンダは、両親が逃亡奴隷の一家をかくまうところをみつける。彼らを逃すため、彼女は思わぬ役割を果たすことになる。文字をしらない黒人の少女に字を教えたり、自由を見せようと外に連れ出したりと、友情を深めていく様子が、少女の視点で丁寧に描かれる。奴隷制度の残るアメリカを舞台に、劇的な一日を鮮やかに語る。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

ニッポンの風景 -Picturebook on landscape-

島田 アツヒト/絵と文

あすなろ書房 (2004.11)

大阪・住吉大社の樹齢1000年のくすの木をモデルにして、1本の木のある風景を、時代に沿って13枚の絵にした。同一地点から描くことで、日本の風景が戦争や高度成長期を経て、村から町へと変わっていく様子がよくわかる。細かく描き込まれたペン画は、じっくりと眺めて楽しむことができる。大人も一緒に読みたい絵本。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ルイーゼの星 -ジュニア版-

カーレン-スーザン・フェッセル/作 ・ オルセン昌子/訳

求竜堂 (2004.11)

ルイーゼのママはガンのために弱っていく。家族はママの病気が良くならないということを、ママの親友のヤンニとともに、苦しみながらも受け入れようとする。闘病の様子がルイーゼの見たまま感じたままに語られ、読みやすく共感できる。深刻なテーマだが、死に向き合い、生の喜びを伝えようとするママの姿勢に心を打たれる。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

つくも神(ポプラの森 12)

伊藤 遊/作 ・ 岡本 順/画

ポプラ社 (2004.11)

マンションで放火事件が起きた翌日、ほのかは奇妙な置物を見つける。それ以来、身の周りで不思議な出来事が起こるようになった。長い時を経て道具に魂が宿った「つくも神」たちが事件を起こす、日本のファンタジー。友だち付き合いで悩んだり、兄に対して反感と共感をおぼえたりなど、少女の気持ちが等身大で描かれている。(小学校中学年から)

物語中学生から

パーフェクトコピー(ポプラ・ウイング・ブックス 23)

アンドレアス・エシュバッハ/作 ・ 山崎 恒裕/訳

ポプラ社 (2004.11)

父にチェロの天才と決めつけられたヴォルフガング少年は才能について悩んでいた。やがて、父の関係するクローン問題の渦中に巻き込まれていく。自分とは、才能とは、と誰しも抱える思春期の悩みを自分がクローンかどうかという謎解きの展開で一気に読ませる。自分で人生を切り開いていこうという前向きな気持ちがさわやか。(中学生から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

子どもに語るモンゴルの昔話

蓮見 治雄/訳・再話 ・ 平田 美恵子/再話

こぐま社 (2004.11)

モンゴルの楽器・馬頭琴の由来を感動的に語る「草原の白い馬」、難題を次々に謎解きする「かしこい嫁」など全15話を収める。狩猟と牧畜の生活で語られてきた話は、ラクダやウマなどの動物や各地の化け物が登場し、悠然とした味わいがある。日本の話と似たものもあり親しみやすい。平易な語り口で幼い子にも読んであげたい。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

ポップコーンをつくろうよ

トミー・デ・パオラ/作 ・ 福本 友美子/訳

光村教育図書 (2004.11)

ポップコーンを食べたくなった二人の子どもが、その歴史などを調べながら、作っていきます。アメリカ大陸では何千年も前から作られていた事や当時の作り方、ポップコーンの種類やお話を紹介していきます。柔らかい線で描いた上に彩色した温かみのあるイラストが楽しい、知識絵本です。巻末にはおいしい作り方も載っています。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

ジュディ・モードはごきげんななめ(ジュディ・モードとなかまたち 1)

メーガン・マクドナルド/作 ・ ピーター・レイノルズ/絵

小峰書店 (2004.1)

新学期、ジュディは自己紹介コラージュを作ることになった。ハエトリグサをペットにしたり、壊れた人形にばんそうこうをはって治療するなど、日々の出来事が、その材料になる。アメリカの小学生の日常を、個性的な友だちや、温かく見守る大人たちを交えて、等身大に描く。コミカルな挿絵が作品の雰囲気をよく伝えている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

あたしもすっごい魔女になるんだ!(魔女のえほん)

ミッシェル・ヴァン・ゼブラン/作 ・ 金原 瑞人/訳

小峰書店 (2004.1)

ママって、すっごい魔女なんだよ! 娘のゼルダは自分でも、魔法を使ってみたくてたまりません。子ども扱いしたママを、魔法の薬でカエルに変えてしまいます。軽妙な文章と絵で、何でも自分でやってみたい、早く大人になりたい子どものはじける心を生き生きと描きます。それをしっかり受け止める、ママの余裕も鮮やかです。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

世界あちこちゆかいな家めぐり(たくさんのふしぎ傑作集)

小松 義夫/文・写真 ・ 西山 晶/絵

福音館書店 (2004.1)

屋根がさかさまになった家があるって知ってる? 世界にはいろんな人がいて、住む家もまたさまざまだ。著者はモンゴル、ルーマニアなどを旅して各地の特色ある家の写真を撮る。写真と家の内部のイラストが交互に読める構成が楽しい。細かく描きこまれた、親しみやすい絵がその土地の風土や人々の暮らしを身近に感じさせる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

わにわにのおふろ(福音館の幼児絵本)

小風 さち/ぶん ・ 山口 マオ/え

福音館書店 (2004.1)

わにわにはおふろが大好き。きゅるりきゅるりとじゃぐちをひねり、じゃばじゃばとお湯を入れ、じょろろーん! と飛び込みます。こわいはずのワニが子どものようにはしゃぐさまが、桃色と緑色を基調にした版画で印象的に描かれています。変わった響きの言葉のくり返しがユーモラスで、何度も声に出して読みたくなります。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

いのり -聖なる場所-

フィリモン・スタージス/文 ・ ジャイルズ・ラロッシュ/絵

光村教育図書 (2004.9)

世界には多くの宗教があり、各地でさまざまな人々が祈っている。その中からキリスト教や仏教など5つの主要な宗教をとりあげ、それぞれの聖なる場所と祈りの姿を集めた絵本。繊細なコラージュで仕上げられた絵が、大判の画面いっぱいに広がり非常に美しい。巻末の解説を手がかりに、それぞれの宗教への興味が広がる。(小学校中学年から)

知識の本小学校高学年から

臆病者と呼ばれても -良心的兵役拒否者たちの戦い-

マーカス・セジウィック/作 ・ 金原 瑞人/訳

あかね書房 (2004.9)

第一次世界大戦中、様々な理由から兵役を拒否した若者たちがいた。彼らに次々と降りかかる出来事を、時代背景を解説しながら、工夫された構成でわかりやすく描く。軍部の強い圧力の中、忍耐強く信念を貫き通した姿をことさら美化せず、普通の若者として描写することで、「あなただったらどうするか」を静かに問いかけている。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ソフィーとカタツムリ(評論社の児童図書館・文学の部屋)

ディック・キング=スミス/作 ・ デイヴィッド・パーキンズ/絵

評論社 (2004.9)

ソフィーの将来の夢は「女牧場マン」です。手始めに、カタツムリやダンゴムシの牧場を、物置に作りました。優しい両親も、生意気盛りの双子の兄も、わずか4歳ながら「決めたことは必ずやりぬく」ソフィーには勝てません。型通りの良い子ではない、個性的な少女の魅力が鮮やかな、ぴりっとしたユーモアの効いた物語です。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

スピリット島の少女 -オジブウェー族の一家の物語-(世界傑作童話シリーズ)

ルイーズ・アードリック/作 ・ 宮木 陽子/訳

福音館書店 (2004.9)

天然痘の猛威から島でただひとり生き残った赤ちゃんは、ある一家の元で心やさしい少女に成長していた。7歳になった彼女の1年間を丁寧に語る。自然と密接に結びついた日々の暮らしの中で、アメリカ先住民族の精霊を敬う気持ちや、家族の心の結びつきが描かれる。詩情豊かな描写は味わい深く、少女の成長がすがすがしい。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

夜のパパ

マリア・グリーペ/著 ・ 大久保 貞子/訳

ブッキング (2004.8)

ユリアとママは二人暮し。ママは仕事で留守にする夜のために子守りを募集した。やってきたのは、フクロウを連れ、石の本を書いているちょっと変わった男の人だった。この「夜のパパ」とユリアとの交流を二人の日記の形で描く。夜という静かな空間の中で感受性豊かに語られる話は、味わい深い。スウェーデンの作品の復刊。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ダストビン・ベイビー

ジャクリーン・ウィルソン/作 ・ 小竹 由美子/訳

偕成社 (2004.8)

エイプリルは生まれてすぐにゴミ箱に捨てられた。だから自分の誕生日も、平静な心では迎えられない。14歳の誕生日、彼女は学校をさぼり、昔預けられていた施設や里親たちをたずねて回る。悲しい過去と向き合うことで、産みの母へのこだわりを捨て、今の自分を肯定できるようになるまでの、少女の心の旅を切々と描く。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

きんのたまごのほん

マーガレット・ワイズ・ブラウン/さく ・ レナード・ワイスガード/え

童話館出版 (2004.7)

ある日、ウサギの子は卵を見つけました。何が入っているのか知りたいウサギは、卵に木の実をぶつけたり、丘の下に転がしたり。やがて疲れて寝てしまうと、卵が割れてアヒルの子がうまれました。ウサギとアヒルの元気な様子が、温かい絵柄でほのぼのと描かれます。周囲を草花や動物たちで卵形に縁取ったデザインが美しい。(幼児から)

物語中学生から

呪われた首環の物語

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/作 ・ 野口 絵美/訳

徳間書店 (2004.7)

首環にこめられた呪いのために、湿原に住む3つの種族は憎みあう。少年ゲイアは姉弟に比べて取りえがないと悩みながらも、呪いを解くために勇気と知恵をふりしぼる。湿原の危機に、種族を超えた友情や、父と子との感情のもつれという問題が絡みあい余韻を残す。英国丘陵地帯を舞台にしたケルトの香り漂うファンタジー。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

たいへんたいへん、あかちゃん、まって!

ペギー・ラスマン/さく・え ・ たが きょうこ/やく

徳間書店 (2004.7)

お祭りの日、大人たちがパイの早食い競争に夢中になっている間に、赤ちゃんたちが森へ行ってしまった。ぼくはあわてて追いかける。薄暗い森の中を無邪気にはいはいしていく赤ちゃんたちと、一生懸命追いかける小さなぼくが、緻密な影絵でいきいきと表現される。影絵の黒と色鮮やかなグラデーションの背景の対比が美しい絵本。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

メアリー・スミス

アンドレア・ユーレン/作 ・ 千葉 茂樹/訳

光村教育図書 (2004.7)

めざまし時計のなかった時代、メアリー・スミスは毎朝チューブに豆をつめ、吹き矢のように窓に当て、パン屋や、一番列車の車掌や、街の人たちを起こして歩きました。ロンドンに実在した女性をモデルに、めざまし屋という仕事を愉快に描いた絵本です。大胆な構図の素朴な絵からは、働く人の力強さが伝わってきます。(小学校低学年から)

物語中学生から

パーラ 下 古城の秘密

ラルフ・イーザウ/著 ・ 酒寄 進一/訳

あすなろ書房 (2004.7)

話好きの人々の住む町は、言葉が失われる奇妙な病がはやってから、次第に様子がおかしくなる。パーラはその謎に立ち向かうが、それは彼女の出生の秘密にも関係していた。作中の詩が秘密の鍵になる構成や、言葉遊びをふんだんに盛り込んだ謎解きに引きこまれる。言葉から生み出された不思議な生き物が話の魅力を増している。(中学生から)

物語中学生から

パーラ 上 沈黙の町

ラルフ・イーザウ/著 ・ 酒寄 進一/訳

あすなろ書房 (2004.7)

話好きの人々の住む町は、言葉が失われる奇妙な病がはやってから、次第に様子がおかしくなる。パーラはその謎に立ち向かうが、それは彼女の出生の秘密にも関係していた。作中の詩が秘密の鍵になる構成や、言葉遊びをふんだんに盛り込んだ謎解きに引きこまれる。言葉から生み出された不思議な生き物が話の魅力を増している。(中学生から)

物語小学校高学年から

サトウキビ畑のカニア

フレデリック・ピション/作 ・ ダニエル遠藤みのり/訳

くもん出版 (2004.7)

ジョエルは肌の色を理由に学校で疎外され、家でも両親が共働きのため、孤独を感じていた。ある日、サトウキビ畑で捨て犬のカニアと出会い、それをきっかけに犬好きの級友リザと友情を深めていく。カリブ海のグアドループ島を舞台に、誠実に生きることの大切さを丁寧につづる。風景描写も美しく、物語を引き立てている。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ボズウェルの家出(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

ロブ・ルイス/さく ・ まつかわ まゆみ/やく

評論社 (2004.6)

ボズウェルは叱られて家出する。けれども、寒いと言ってはコートを取りに帰り、おなかがすいたと食べ物を取りに帰る。行ったり来たりするうちにくたびれて家のベッドで寝てしまう。子どもの気持ちに寄り添った展開と繰り返しの面白さ、結末の安堵(あんど)感で読み返したくなる。色鮮やかな絵は細部に遊び心があり楽しい。(幼児から)

物語小学校低学年から

ごきげんいかががちょうおくさん(世界傑作童話シリーズ)

ミリアム・クラーク・ポター/さく ・ まつおか きょうこ/やく

福音館書店 (2004.6)

動物村のがちょうおくさんは、とっぴな事を思いついては大騒ぎして、村の仲間を巻き込みます。自転車旅行を計画しては自転車を忘れ、種をまいては芽が出ないと一日中心配します。そそっかしくて忘れっぽいけれど、愛すべきがちょうおくさんと仲間たちの6編のお話。シンプルで表情豊かな挿絵も愉快な話を引き立てています。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

エルシー・ピドック、ゆめでなわとびをする(大型絵本)

エリナー・ファージョン/作 ・ シャーロット・ヴォーク/絵

岩波書店 (2004.6)

村一番のなわとび上手エルシーは、妖精の師匠に技を教わり「子ども用」の短い魔法のなわを贈られた。その名が伝説になった頃、狭量な領主は村人たちと争い始め、決着はなわとび競争でつける事になる。なわとびうたのリズムにのせて、スリリングで楽しい物語が語られる。落ち着いた淡い色調の、かろやかな描線の絵も魅力的だ。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

ミミズのふしぎ(ふしぎいっぱい写真絵本 3)

皆越 ようせい/写真・文

ポプラ社 (2004.6)

ミミズの卵は、体の節目のない部分、環帯(かんたい)のまわりにできる。これを、体の前の方に移動させ、脱ぎ落として、産卵する。この産卵の様子や、えさを食べたり、ふんをしたりする様子などを、鮮明で迫力ある写真と平易な言葉で紹介した写真絵本。身近ではあるが、意外と知られていないミミズの生態がよく分かる。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

金曜日がおわらない(文研ブックランド)

アニー・ドルトン/作 ・ 岡本 浜江/訳

文研出版 (2004.6)

主人公のレニーは悪友たちと弱い者いじめやいたずらばかりしているサッカー好きの男の子。ところが、ある不運な金曜日を境に、永久にその日が繰り返されることになる。同じ一日を繰り返すことで、周りの人々の意外な面に気づき、他人を思いやれるようになってゆく過程を、軽妙な文章で描く。コミカルなさし絵も楽しい。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

ミミズ博士と生きている土 -地球にやさしいミミズパワーの話-(わたしのノンフィクション)

谷本 雄治/文 ・ つだ かつみ/絵

偕成社 (2004.6)

ミミズ博士の中村好男さんは、自分で畑を作って、肥料なしでもミミズのいる土では作物が育つということを実証する。写真や図を用い、中村さんのミミズの生態についての研究が、順を追ってわかりやすく説明されている。土の中に住む生き物のバランスがとれてこそ、豊かな「生きている土」となることが実感できる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

歩きだす夏(学研の新・創作シリーズ)

今井 恭子/作 ・ 岡本 順/絵

学研 (2004.6)

6年生の加奈子は、両親の離婚や夢中になれるものがないことに劣等感を感じていた。毎年、別れた父のいる北海道を訪れるのだが、今年は父の婚約者を紹介されてしまう。動揺しながらも次第に自分を見つめ直し、自信を持つようになる過程や、複雑な胸中が丁寧に描かれる。歯切れの良い文章で読みやすく、爽やかな気分になれる。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

ボルネオの熱帯雨林 -生命のふるさと-

横塚 真己人/著

福音館書店 (2004.5)

ボルネオ島の熱帯雨林は高さ70メートルにおよぶ巨木の森である。熱帯雨林の生き物の大半が林冠と呼ばれる樹上で暮らしているため、著者は樹木にロープ1本で登る訓練をして撮影した。珍しい動植物の生態を鮮やかにとらえた写真をふんだんに使い、自然の豊かさをいきいきと伝える。工夫された構成で解説もわかりやすい。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

ネコのタクシーアフリカへ行く(福音館創作童話シリーズ)

南部 和也/さく ・ さとう あや/え

福音館書店 (2004.5)

ネコのタクシー運転手トムは、ある日自分の父親と名乗るネコを乗せました。サルの王からの招待状を父から受け取ったトムは、飼い主のランスさんと共に船でアフリカに向かいます。途中で出会う動物たちとのどこかかみあわない、ナンセンスなやりとりにおかしみを感じる、のどかなあじわいの物語。「ネコのタクシー」の続編。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

いやだあさまであそぶんだい

ヘレン・クーパー/さく ・ ふじた しげる/やく

アスラン書房 (2004.5)

一晩中遊んでいたい坊やはおもちゃの自動車で逃げ出します。でも、遊びの国では、お気に入りの遊び相手が次々と眠りに落ちます。立ち往生する坊やをぎゅっと抱きしめたのは、お母さんでした。幼い子の遊びたい気持ちと眠りとのせめぎあいを、想像力豊かな絵で見事に描いています。物憂い色調が満ち足りた眠りに誘う絵本。(幼児から)

物語中学生から

ホリス・ウッズの絵

パトリシア・ライリー・ギフ/作 ・ もりうち すみこ/訳

さ・え・ら書房 (2004.4)

孤児のホリスは次々に問題を引き起こし、家族に迎えようとした里親からも逃げ出した。彼らと過ごしたひと夏をホリスは絵につづる。新しい里親との毎日と、絵による回想が交互に進み、季節の移ろいもみずみずしく表現されている。心のかっとうが細やかに描かれ、家族にあこがれる少女の切実な気持ちが伝わってくる。(中学生から)

物語小学校高学年から

あの夏の日のとびらを開けて(文研じゅべにーる)

熊谷 千世子/作 ・ 藤本 四郎/絵

文研出版 (2004.4)

中学1年の果奈は、合唱コンクールでの失敗から不登校になる。しかし、竹の工芸館に集う人々とふれあい、彼らの真剣に生きる姿に励まされ、少しずつ立ち直っていく。あせりや不安を感じながらも、前に進みたいという少女の気持ちを丁寧に描いている。竹笛や竹人形など、しなやかな強さを持つ竹が、作品に彩りを与えている。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

池のほとりのなかまたち

ラッセル・ホーバン/作 ・ 松波 佐知子/訳

徳間書店 (2004.4)

憂うつなヒキガエル、怒りっぽいカミツキガメ、サービス過剰のサギ、g元気あふれるハタネズミなど、池のほとりで暮らす生き物たちの日常を描いた、8つの物語がおさめられています。それぞれの生き物ならではの特徴をもとにした性格づけに味わいがあります。ユーモラスな挿絵が、ほのぼのとした雰囲気を高めています。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

やさいばたけははなばたけ

広野 多珂子/作・絵

佼成出版社 (2004.4)

おばあちゃんの畑で見つけた黄色い花は、コマツナでした。女の子は、おばあちゃんとのやりとりを通して、野菜にも花が咲き、実がなることを発見していきます。お店などではわからない野菜の本当の姿が、みずみずしく描かれています。花の下にできた小さな実や、周りを飛ぶチョウやハチなど、細かい部分まで楽しめる絵本。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

川から地球が見えてくる

野村 圭佑/文 ・ 大田黒 摩利/絵

荒川クリーンエイド・フォーラム (2004.4)

河口から源流へさかのぼりながら、川の自然について考える本。丁寧に描かれた絵とやさしく語りかける文で、一緒にフィールドワークへ行っているような気持ちで読める。よく練られた構成に著者の知識と経験の深さを感じる。東京の荒川を舞台としているが、日本の川全体に通じる話題で、身近な問題として読むことができる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ロラおばちゃんがやってきた

フーリア・アルバレス/作 ・ 神戸 万知/訳

講談社 (2004.3)

両親の離婚でヴァーモントへ引っ越してきたミゲルは、新しい生活や学校になじめずにいた。ある日、母の故郷ドミニカからロラおばちゃんがやってきた。独特な服装や言動に驚きながらも、彼女のとびきりの笑顔と料理に、ミゲルだけでなく町中の人たちが幸せに包まれる。人と人とのふれあいが心地よく、温かい気持ちになれる物語。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

旅の子アダム

エリザベス・グレイ・ヴァイニング/著 ・ 立松 和平/訳

恒文社21 (2004.3)

中世イングランドに生きる少年アダムは、吟遊詩人の息子だ。彼は敬愛する父親の旅に同行し、貴族や商人、芸人や農民など、様々な階層の人々に出会う。ところがある日、愛犬を奪われ、父ともはぐれてしまう。一人で旅を続けながら、成長してゆく少年の姿がすがすがしい。中世の人々のおおらかな暮らしぶりも興味深い。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

虫に出会えてよかった

矢島 稔/著

フレーベル館 (2004.3)

少年時代から昆虫観察に熱中していた著者は、戦争で傷ついた心を豊かな自然に癒される。この体験をもとに生き物に触れる楽しさを伝える施設作りに奔走する。興味のある対象にじっくり取り組み、自分のやりたい仕事を見つけていく大切さが伝わってくる。多摩動物園昆虫園をはじめ、いくつもの昆虫館作りに携った著者の自伝。(小学校中学年から)

物語中学生から

笑いを売った少年

ジェイムス・クリュス/著 ・ 森川 弘子/訳・解説

未知谷 (2004.3)

ティムは周囲の人まで明るくしてしまうとびきりの笑いを持っていた。父を亡くし失意の中で、どんな賭けにも勝てる力と引き換えに、謎の紳士に笑いを売ってしまう。心優しい少年が、人生で大切なものを知り、笑いを取り戻そうと奮闘する姿に共感できる。工夫された章立てと緩急ある語り口に、劇を見るような味わいがある。(中学生から)

物語小学校高学年から

ママは行ってしまった

クリストフ・ハイン/作 ・ ロートラウト・ズザンネ・ベルナー/絵

さ・え・ら書房 (2004.3)

大好きなママが死んだ。主人公ウラと利発な兄二人は死を受け入れることができない。彫刻家のパパは、制作中のマリア像にママのほほ笑みを刻んで悲しみをいやす。残された家族が、大司教をはじめ出会った人々に励まされて絆を深め、立ち直っていく過程を少女の視点で描く。淡々とした文章で、丁寧につづられた日常が味わい深い。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

まゆとおに(こどものとも傑作集)

富安 陽子/文 ・ 降矢 なな/絵

福音館書店 (2004.3)

やまんばの子まゆは、ある日、鬼に出会って岩屋に遊びにいきます。「お風呂を沸かす」と、まゆをだまして、ゆでて食おうとする鬼ですが、手伝おうとするまゆの怪力にたまげます。小さな女の子が知らぬ間に鬼をやっつけて友達にしてしまう痛快なお話です。赤毛のまゆが存在感豊かに描かれ、おおらかな気分になります。(幼児から)

知識の本小学校高学年から

タラの物語 -世界をかえた魚-

マーク・カーランスキー/文 ・ S.D.シンドラー/絵

BL出版 (2004.2)

群れをなして回遊するタラは、古くから人類の貴重な食料だった。タラ漁の権利をめぐって、多くの人々が移動し、戦争が起こるなど、欧米の歴史は大きく動いた。細部まで描かれた挿絵によって、当時の人々の暮らしがいきいきと伝わってくる。また、タラの調理法も紹介されていて、食を通して異文化への興味がかきたてられる。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

ツバル -海抜1メートルの島国、その自然と暮らし-

遠藤 秀一/写真・文

国土社 (2004.2)

南太平洋に「ツバル」という小さな島国がある。陽気な島の住民は、自給自足を中心とした伝統的な生活をしている。今彼らに、地球温暖化による海面上昇という大きな危機が迫っている。私たちの暮らしから出る二酸化炭素が、彼らの島を水没させようとしている現実を、自然と生活をとらえた美しい写真を多く用い、考えさせる。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

ヤギの見る色どんな色? -実験240日の記録-(地球ふしぎはっけんシリーズ 7)

岸上 祐子/著 ・ 万田 正治/監修

ポプラ社 (2004.2)

ヤギは色がわかるのか。わからなければ灰色に見えるはずだと著者は考えた。4色の色つきパネルと、灰色パネルを用いた実験を行った結果、色を認識しているとわかった。手順を考え、装置を手作りし、実験を進める過程を丁寧に述べる。家畜の体のしくみを調べ、その結果を、より良い飼育につなげたいという姿勢が共感をよぶ。(小学校中学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

環境教育の母 -エレン・スワロウ・リチャーズ物語-

エスリー・アン・ヴェア/著 ・ ジェニファー・ヘイジャーマン/挿絵

東京書籍 (2004.2)

19世紀中頃のアメリカ、エレンは、マサチューセッツ工科大学に女性としてはじめて入学した。卒業後も後進のために力を尽くすと同時に、環境の清浄化や食品の安全性の問題に取り組んでいった。正しい科学知識の普及が、健康で幸福な生活につながると予見し、女性をしばる因習や偏見をも乗り越えていく姿を平易な文章で語る。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ワニてんやわんや

ロレンス・イェップ/作 ・ ないとう ふみこ/訳

徳間書店 (2004.1)

ぼくは、誰からも好かれている良い子の弟が嫌いだ。困らせようと誕生日にワニをプレゼントするが、弟は気に入ってしまう。思いがけずワニを飼うことになった中国系アメリカ人一家の困惑をユーモアたっぷりに描く。ワニをきっかけに、お互いを思いやるようになる兄弟がほほえましく、それを見守る家族の愛情が感じられる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

鹿よおれの兄弟よ(世界傑作絵本シリーズ)

神沢 利子/作 ・ G.D.パヴリーシン/絵

福音館書店 (2004.1)

シベリアの若者が川を上って狩りに行き、恵みを与えてくれる鹿に感謝しながら妻子の元に帰るまでを、詩情豊かな表現で語る。現地の擬音語をとりいれた文章が、ゆったりとした川の流れを感じさせる。ロシア在住の画家によって、森の動植物や民族衣装が精密に描かれ、見開きいっぱいに広がる色彩豊かな情景が美しい。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

しあわせいっぱい荘にやってきたワニ(世界傑作童話シリーズ)

アーシュラ・ウィリアムズ/さく ・ 吉上 恭太/やく

福音館書店 (2004.1)

船乗りのジョニーが、ワニのキティを連れて帰ってきました。最初は驚いた大家さんも、すぐに仲良くなりましたが、ある日うっかり飲み込まれてしまいます。陽気でマイペースな大家さんと、救出しようと奮闘する人々の様子が、ユーモアたっぷりに描かれています。ふんだんに盛り込まれた挿絵が、のどかな時代を感じさせます。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

パパはジョニーっていうんだ

ボー・R.ホルムベルイ/作 ・ エヴァ・エリクソン/絵

BL出版 (2004.1)

ティムは、久しぶりに父親のジョニーと一日を過ごす事になった。映画を見たり、図書館に行ったり、食事をしたりして楽しい時間を過ごす。やがて夜になって、2人は駅で別れの時を迎える。両親の離婚後、母親と暮らす少年の父親を慕う気持ちと、父親の息子への愛情が深く心に染み入る。落ち着いた色調の絵に味わいがある。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

はじめのちいさないっぽ(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

サイモン・ジェームズ/さく ・ 小川 仁央/やく

評論社 (2004.1)

迷子になった帰り道、小さなアヒルの子に、兄さんたちが「はじめのいっぽ」と声をかけて、足を踏み出すことを教えます。一歩一歩進むうちに、母さんの元にたどりつきました。すぐにくたびれてしまう末っ子と、励ます兄たちとのやりとりが、ほほえましい絵本です。淡い黄色を基調とした絵が、穏やかな印象を与えています。(幼児から)

物語中学生から

七人の魔法使い

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/作 ・ 野口 絵美/訳

徳間書店 (2003.12)

ある日、ハワードが家に帰ると、父の原稿を取りに来たという巨大な男が居座っていた。その原稿をめぐり、陰で町を支配する魔法使いたちが動き出した。破天荒な魔法使いの兄弟と、いずれ劣らぬ個性的な人間たちが巻き起こす騒動を軽妙に描く。思わぬ展開に引き込まれ、謎が解き明かされる最後まで目が離せない。(中学生から)

知識の本小学校中学年から

ふしぎなカプセル -鳥のたまご-(地球ふしぎはっけんシリーズ 6)

池内 俊雄/著 ・ 岩崎 保宏/絵

ポプラ社 (2003.12)

著者は同じ種類の鳥でも、卵の黄身の色が違うことを疑問に思い、餌の違いに原因があるのではと考える。いくつかの色素を餌に加えることで、卵の内側での変化が見えてきた。好奇心旺盛な著者が、仮説をたてて、実証するために様々な実験を行った。図と写真を豊富に使い、卵の秘密についてわかりやすくまとめられている。(小学校中学年から)

物語中学生から

クリスピン

アヴィ/著 ・ 金原 瑞人/訳

求竜堂 (2003.11)

14世紀の英国で、13歳のクリスピンは、母の死後、無実の罪を着せられ、村を逃げ出す。旅の途中、大男の軽業師と出会い弟子となるが、執ような追っ手が彼を狙う。名前も持たずに育った少年が、自由の意味に目覚め、自らの運命を手に入れる姿に感動を覚える。母の形見の十字架に隠された謎を絡め、巧みな展開で一気に読ませる。(中学生から)

物語小学校低学年から

さよならごめんおばけ

尾崎 美紀/作 ・ くすはら 順子/絵

汐文社 (2003.11)

コウタは親友のサトルとけんかした。ごめんの一言が言えずに一週間がたち、気がつくと変なおばけに取りつかれていた。おばけはコウタをせっついてあやまらせようとするが、うまくいかない。誰にも覚えのある気持ちの行き違いがユーモラスに描かれる。子どもと同じように怒ったり、泣いたりするおばけが親しみを感じさせる。(小学校低学年から)

物語中学生から

モギちいさな焼きもの師

リンダ・スー・パーク/著 ・ 片岡 しのぶ/訳

あすなろ書房 (2003.11)

橋の下で暮らす貧しい少年モギは、焼き物師ミンのもとで働き出す。モギは、尊敬するミンに王宮お抱えの焼き物師になってもらいたいと切望し、師の作品の素晴らしさを伝えるため奔走する。12世紀後半の韓国を舞台に、高麗青磁に憧れ、情熱を注ぐ少年の懸命さや、それを見守る大人たちの思いが丁寧に描かれ、胸に迫る。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

おとうと

いちかわ けいこ/作 ・ つるた ようこ/画

佼成出版社 (2003.11)

お兄ちゃんは幼い弟のやんちゃに泣かされます。乱暴な弟はお池にほうりこんじゃおうか、動物園のおりに入れてもらおうか、とお母さんは声をかけます。兄の気持ちに寄り添う母親と、戸惑いながらも弟を受け入れていく子どもとのやりとりが、ほほえましい絵本です。版画に淡く色づけした絵が家族の温かさをよく伝えています。(幼児から)

物語中学生から

駆けぬけて、テッサ!

K.M.ペイトン/作 ・ 山内 智恵子/訳

徳間書店 (2003.11)

冷酷な義父と情けない母に苛立つばかりの毎日を、一匹の子馬との出会いが変えた。「騎手になりたい。」生まれて初めて抱いた夢が、頑ななテッサの心を、少しずつ和らげ、成長させてゆく。英国を舞台に、一途な少女の苦闘の軌跡を、骨太な筆致で描く。馬とともに生きる、牧場の人々の暮らしや哀歓も、味わい深く心に残る。(中学生から)

物語小学校高学年から

狐笛のかなた

上橋 菜穂子/作 ・ 白井 弓子/画

理論社 (2003.11)

ふしぎな力を持つ小夜はある夜、幼い「霊狐(れいこ)」の野火を助ける。だが野火は、隣国の呪者に縛られた使い魔だった。成長した小夜と野火は、人々の憎しみの連鎖を断ち切ろうとする。少しずつ明かされる謎と複雑な人間模様、登場人物一人一人の思いが丁寧に描かれ、純粋な心で生きることの美しさと難しさとを際立たせる。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ヘラジカがふってきた!(ハリネズミの本箱)

アンドレアス・シュタインヘーフェル/著 ・ 鈴木 仁子/訳

早川書房 (2003.11)

ある夜、ベルティルの家にヘラジカがふってきた。トナカイの代わりに、そりの試験飛行をしていたという。少年は心優しいヘラジカとすぐに仲良くなるが、サンタが取り返しにきて大騒ぎになる。ユーモアにあふれた筆致で、少年とヘラジカ、それぞれのクリスマスの願い事がかなうまでを描く。とぼけた雰囲気の挿絵も楽しい。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

おいらはトムベエ(世界傑作絵本シリーズ)

中沢 けい/文 ・ オリガ・ヤクトーヴィチ/絵

福音館書店 (2003.1)

猫のトムベエは、飼い主の女の子が描いた絵から外へ逃げ出した紙の鳥を探しに行く。カラスやスズメたちにからかわれながらも、奮闘の末に捕まえ、絵の中へ戻す。猫が語る形で展開する文章と、写実的で透明感のある絵が印象的な絵本。触れてみたくなるような猫の毛なみや、ひらひらと逃げる紙の鳥の様子がうまく表現されている。(幼児から)

物語小学校中学年から

アナベル・ドールの冒険([アナベル・ドール] [1])

アン・M.マーティン/作 ・ ローラ・ゴドウィン/作

偕成社 (2003.1)

陶器人形のアナベルは、100年間ドールハウスの中だけで暮らしてきました。新しく友達になったプラスチック製の人形と、45年前に行方不明になったおばさんを探しに、外の世界へ出かけます。個性豊かな人形たちが生き生きと描かれ、人間の世界とのかかわりや、人形の掟など、独特な設定が物語の印象を強いものにしています。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

アーサー王の剣

エロール・ル・カイン/文・絵 ・ 灰島 かり/訳

ほるぷ出版 (2003.9)

昔、ブリテンの国王アーサーは、どんな望みもかなえてくれるという魔法の剣エクスカリバーを、湖の姫から授かった。イギリスに伝わるアーサー王伝説を元に、剣にまつわるエピソードを読みやすくまとめた。青紫色を中心とした鮮やかな色使いと、ケルトの文様を装飾に使った絵が、物語の幻想的な雰囲気を一層盛り上げている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ちゃっかりクラケールのおたんじょうび

レンナート・ヘルシング/ぶん ・ スティグ・リンドベリ/え

プチグラパブリッシング (2003.9)

クラケールとブリッタは、誕生日にコインを1枚ずつもらいました。おかしを買いに行き、お皿、テーブルクロス、テーブル、ついにはお店までおまけしてもらいます。2人と店のおじさんとのやりとりが楽しい、1957年に出版されたスウェーデンの絵本です。軽やかな展開と、古さを感じさせない絵が、しゃれた印象を与えています。(幼児から)

物語小学校中学年から

ジャンポールという名の魚(文研ブックランド)

ブリジット・スマッジャ/作 ・ 末松 氷海子/訳

文研出版 (2003.9)

ぼくの金魚が死んだ。お母さんの婚約者は無神経だし、離婚した両親も自分のことばかりで話を聞いてくれない。ぼくは孤独だ。内向的で感受性の強い少年が、複雑な家庭環境に悩みながらも、移民の同級生との友情を通じて希望を見出す。一人称で語られる何気ない描写が周囲の人間模様と、少年の繊細な心の動きを浮き彫りにする。(小学校中学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

公務員赤松良子(こんな生き方がしたい)

杉山 由美子/著

理論社 (2003.9)

1985年、男女雇用機会均等法が成立しました。赤松良子は当時の労働省の婦人局局長で、法案作りの中心人物でした。持ち前の積極性と粘り強さで、法律制定にいたるまでの困難を克服していく姿に、さわやかな感動を覚えます。職場における女性差別をなくすために奔走した女性の生き様を、わかりやすい文章で紹介しています。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

中世の城日誌 -少年トビアス

小姓になる-(大型絵本) ・ リチャード・プラット/文

岩波書店 (2003.9)

ジェイクは、世界を知るため、船乗りのおじさんと帆船にのりこんだ。しかし、横暴な船長のせいで、おじさんは小船で海に流される。その後、海賊の襲撃をうけ船がのっとられるなど事件が次々と起こる。18世紀初頭の植民地時代のアメリカを舞台に、少年の体験が日誌形式でつづられた大型の絵本。航海術や帆船の細部まで丁寧に描かれた絵は、迫力があり、海上での様子をリアルに伝える。巻末には、時代背景が詳しく解説され、理解を深める手助けとなっている。姉妹編に、13世紀イギリスの城での小姓生活を描いた『中世の城日誌』がある。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

海賊日誌 -少年ジェイク

帆船に乗る-(大型絵本) ・ リチャード・プラット/文

岩波書店 (2003.9)

ジェイクは、世界を知るため、船乗りのおじさんと帆船にのりこんだ。しかし、横暴な船長のせいで、おじさんは小船で海に流される。その後、海賊の襲撃をうけ船がのっとられるなど事件が次々と起こる。18世紀初頭の植民地時代のアメリカを舞台に、少年の体験が日誌形式でつづられた大型の絵本。航海術や帆船の細部まで丁寧に描かれた絵は、迫力があり、海上での様子をリアルに伝える。巻末には、時代背景が詳しく解説され、理解を深める手助けとなっている。姉妹編に、13世紀イギリスの城での小姓生活を描いた『中世の城日誌』がある。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

レアの星 -友だちの死-

パトリック・ジルソン/文 ・ クロード・K.デュボア/絵

くもん出版 (2003.9)

友だちのレアがガンで入院した。ロビンは毎日見舞って共に過ごすが、ある晩電話が鳴り、レアが死んで星になってしまったことを知る。抑えた色使いの絵が暖かい印象で死別という重いテーマを和らげている。訳文はよく練られていてわかりやすく、二人の友情がしみじみと胸に迫る。死について考えるきっかけを与えてくれる。(幼児から)

物語中学生から

竜の騎士

コルネーリア・フンケ/著 ・ 細井 直子/訳

WAVE出版 (2003.9)

危機に瀕した竜の谷を救うため、若い銀の竜ルングは、伝説の故郷「空の果て」を目指す。しかし行く手には残忍な黄金の竜が待ち受けていた。様々な想像上の生物が魅力的に描き分けられ、種族特有の能力を生かし活躍する。固い心の絆で結ばれた旅の仲間たちが、それぞれに自分の居場所を見つける結末はさわやかな感動を生む。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

ねんどぼうや

ミラ・ギンズバーグ/文 ・ ジョス・A.スミス/絵

徳間書店 (2003.8)

寂しい老夫婦は、粘土で男の子を作りました。ところがそのねんどぼうやは、家の食べ物を食べ尽くし、ついには村中の人たちを食べてしまいます。色鮮やかな柔らかい筆致で、登場人物を表情豊かに描いています。いろいろなものを飲みこんでいくねんどぼうやが、迫力たっぷりです。ロシアの昔話を下敷きにした絵本です。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

おばけドライブ

スズキ コージ/作

ビリケン出版 (2003.8)

おばけたからくじで、スポーツカーが当たったヘイザ君は、ドライブに出かけました。途中、黒入道、鬼の団体など次々とおばけを乗せ、カッパ池へ到着しました。色鮮やかでダイナミックな絵が、独自な世界を作り出しています。スピード感のある展開と、繰り返しを多用した文章は、勢いがあり読者をひきつけます。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

サークル・オブ・マジック -ブレスランドの平和-

デブラ・ドイル/著 ・ ジェイムズ・D.マクドナルド/著

小学館 (2003.8)

騎士見習のランドルは、城を訪れた魔法使いに魅せられ、魔法学校の門をたたく。劣等生ながら勉強に励み、優秀な先生の個人指導を受けるが、そこには思わぬ陰謀があった。『邪悪の彫像/王様の劇場』では修行の旅の途中での2つの冒険を、『ブレスランドの平和』では故国ブレスランドを救うための戦いを描く。一途な少年が試練に立ち向かい成長する姿や、リュート弾きのリース、いとこの騎士ウォルターとの固い友情が胸を打つ。魔法や予知夢の描写が物語の世界に深みを与えている。意外な展開と次々にふりかかる困難に息つく暇もない。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ジェニファーと不思議なカエル(講談社・文学の扉)

ブルース・コウヴィル/作 ・ 金原 瑞人/訳

講談社 (2003.7)

ジェニファーは、キスで人をカエルにする不思議なカエル「ガマ」を手に入れる。ガマの起こす騒ぎに巻き込まれ、やがて、それを追ってきた魔女と対決するはめになる。大口をたたくカエルとのやりとりがユーモラスに描かれる。容姿を気にする少女の心の動きや正義感に共感できる。マジックショップで繋がるシリーズの一作。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

アップルパイはどこいった?

バレリー・ゴルバチョフ/作・絵 ・ なかがわ ちひろ/訳

徳間書店 (2003.7)

アップルパイを買いにでかけたヤギくん。ところが、パイは盗まれてしまいました。泥棒が逃げこんだ森は火事になり、大火事、大水、大風と、話はどんどんおおごとになっていきます。根気よく一部始終を聞き続けるブタくんとの、とぼけた掛け合いも楽しめます。躍動感あふれる絵と奇想に満ちた、ユーモラスな絵本です。(幼児から)

物語小学校中学年から

小さいおばけ

オトフリート・プロイスラー/作 ・ フランツ・ヨーゼフ・トリップ/絵

徳間書店 (2003.7)

小さい夜おばけは、ある日、白い体が黒くなり、真昼の一時間しか動けなくなってしまう。住みかに戻ろうとして街に迷いこみ、人々をこわがらせ、騒ぎをおこす。おばけの能力や性格が具体的に描かれ、愛らしく不思議な挿絵の姿と相まって、ユーモラスな物語となっている。原書の絵をすべて収め、親しみやすい新訳で復刊された。(小学校中学年から)

物語中学生から

走れ、走って逃げろ

ウーリー・オルレブ/作 ・ 母袋 夏生/訳

岩波書店 (2003.7)

第二次大戦下のポーランド、収容所送りを免れるべくゲットー脱出を試みた時、少年はまだ8歳だった。家族を、名前を、片腕を失いつつも常に前向きなユダヤ人少年の逃亡生活が、淡々と、だが鮮烈に語られる。圧倒的な時代の悪意と人々の善意が交錯する中、数々の出会いと別れの輝きが読む者の胸を打つ。実話に基づく物語。(中学生から)

物語小学校高学年から

エドウィナからの手紙

スーザン・ボナーズ/作 ・ もき かずこ/訳

金の星社 (2003.7)

エドウィナは、街の問題を解決するために、お金持ちの大おばさんのふりをして市長に手紙を書く。市長は少女が書いたと思わず、要望を実現していく。良いことをしていると思いながらも、いつかは真実を打ち明けねばと悩む少女の心の動きをユーモアをまじえて描く。子どものいうとおりに、大人が動いていく展開が痛快である。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

わたしのねこメイベル(おはなしプレゼント)

ジャクリーン・ウィルソン/作 ・ ニック・シャラット/絵

小峰書店 (2003.7)

ある日ヴェリティは、かわいがっていたネコが死んでいるのを見つける。彼女は、古代エジプトの話を思い出し、ミイラにしようとする。ミイラ作りは失敗するが、飼いネコの死を通じて、自分を見守る周囲の温かさに気づく。母親を早くに亡くした少女が、死を自分なりに受け止められるまでを、彼女の視点から丁寧に描く。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

蛾ってゆかいな昆虫だ!

谷本 雄治/文 ・ つだ かつみ/絵

くもん出版 (2003.7)

蛾は一般的に嫌われものですが、本当はどんな虫なのでしょうか。スズメガの、さなぎになると土の中にもぐる「土とんの術」などの忍術や、カイコからできる絹の意外な効用など、知られざる蛾の生態を紹介しています。豊富な挿絵と事例で、虫好きでない人でも興味がわいてきます。著者の蛾への熱意が感じられる科学読み物です。(小学校中学年から)

物語中学生から

川の少年(ハリネズミの本箱)

ティム・ボウラー/著 ・ 入江 真佐子/訳

早川書房 (2003.6)

ジェスは発作で倒れた画家の祖父の希望で、共に彼の故郷へ出かける。そこでジェスは不思議な少年と出会う。「川の少年」と題された絵と少年の関係など、謎めいた展開に引き込まれる。愛する祖父の死を悲しみながらも受け入れていく少女の繊細な心の動きを、美しい自然を背景に描く。互いに支えあう家族の愛情が感動をよぶ。(中学生から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

子どもに語るイタリアの昔話

剣持 弘子/訳・再話

こぐま社 (2003.6)

働き者のロゼッタは、泉の中にガラスの階段を見つける。おりていくと、そこはネコの国だった。「ネコの家に行った女の子」など、現在も伝承されている昔話15編を収録。オレンジやニョッキという料理、行動的で陽気な登場人物たちが、明るい風土を思わせる。子どもに語るために作られた本だが、子どもが読んでも楽しめる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ユウキ(福音館創作童話シリーズ)

伊藤 遊/作 ・ 上出 慎也/画

福音館書店 (2003.6)

ケイタは、いつも「ユウキ」という名前の転校生と仲良くなるが、すぐに転校していってしまう。今度は優希という占いの得意な女の子が転校してきた。6年生のあるクラスが、転校生をきっかけに変わっていく様子を丁寧に描く。子どもたちが、悩みながらも友だちを理解しようとする姿に共感でき、さわやかな余韻を残す。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

フランチスカとくまのアントン

ヴィルヘルム・トプシュ/作 ・ ダニエーレ・ヴィンターハーガー/挿絵

徳間書店 (2003.6)

力持ちの女の子フランチスカは、森で出会ったクマのアントンと暮らし始めます。村の生活にも慣れてきた矢先、人々を困らせる山賊と、アントンは1人で対決することになります。女の子は畑仕事、クマは家事と、性格や習慣の違いを生かした生活の様子が、ユーモラスに描かれています。表情豊かな挿絵も魅力的な友情の物語。(小学校低学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

天と地を測った男 -伊能忠敬-

岡崎 ひでたか/作 ・ 高田 勲/画

くもん出版 (2003.6)

江戸後期、算法に秀でた忠敬は、家業を安定させた後ようやく50歳で念願の学問の道に入った。残りの生涯をかけて全国を徒歩で測量し、日本地図を完成させる。身分制度の厳しい時代に、科学者として誠実に生きた彼の人間像を丹念に描く。豊富な資料と図版によって当時の測量方法がわかりやすく解説され、理解を助ける。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

はなび

秋山 とも子/作

教育画劇 (2003.6)

この町の人々は、秋祭りに上がる自分たちの花火をとても楽しみにしています。あやこさんは、今年、孫のために花火を上げることにしました。水彩の絵は細部まで丁寧に描かれ、人々の花火への思いが伝わってきます。普段見ることのない花火作りの工程もよく分かります。夜空に浮かぶ花火の美しさが印象に残る絵本です。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

すえっこおおかみ

ラリー・デーン・ブリマー/ぶん ・ ホセ・アルエゴ/え

あすなろ書房 (2003.5)

末っ子オオカミは、兄や姉のように速く走ることも高く飛ぶこともできません。落ち込んでいると、父さんが言いました。「まあ、いっぺん、やってみせてごらん」伸びやかな描線が、幼い子の一生懸命さを、明るい色彩が、子どもを励ます親のあたたかさを伝えます。画面いっぱいにはねまわるオオカミたちがユーモラスです。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ピパルクとイルカたち(海外秀作絵本 9)

ジョン・ヒンメルマン/さく ・ はねだ せつこ/やく

岩崎書店 (2003.5)

氷の穴に閉じ込められたイルカを見たピパルクは、村人たちと共に逃がそうとする。彼女は海に出ようとしないイルカに向かい、歌を歌って勇気づける。くっきりとした線で縁取られた絵と、紫を効果的に使って丁寧に色づけされた背景が印象的。氷に囲まれた厳しい冬の様子が伝わってくる。ロシアでの出来事を元に描かれている。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

ぼうしの上にまたぼうし

ローラ・ゲリンジャー/文 ・ アーノルド・ローベル/絵

文化出版局 (2003.5)

ポットルさんは帽子好き。悲しい気分の日、帽子を3つ重ねて出かけたものの、心は晴れません。そこで町一番の帽子屋に行き、嬉しさのあまり騒ぎを起こしてしまいます。優しく誤解を解いてくれた女性との出会いとその後を、ほのぼのとした温かみのある絵柄で、ユーモラスに描いた絵本です。様々な帽子のデザインも楽しい。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

カマキリ(やあ!出会えたね 2)

今森 光彦/文・写真

アリス館 (2003.4)

カマキリの大きな複眼、カマについた鋭いとげ、しなやかな動きを、鮮やかに見せてくれる写真絵本。親しみを込めて、昆虫を撮り続ける写真家の目は、カマキリの姿を周囲の自然ごと美しくとらえる。語りかけるようなかざらない文章とあわせて、秋から冬にかけての野山に居合わせたような臨場感とすがすがしさを感じさせる。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

かめのヘンリー(日本傑作絵本シリーズ)

ゆもと かずみ/作 ・ ほりかわ りまこ/絵

福音館書店 (2003.4)

ぬいぐるみのヘンリーは、古びてほこりっぽくなったので、病気のちよみちゃんから引き離され、物置に入れられてしまいます。きれいになろうと、初めて自分の力で歩き出します。ぎこちない動きで、大好きなちよみちゃんのために奮闘するヘンリーの姿がほほえましい絵本。白を効果的に使った、色鮮やかな絵が印象的です。(幼児から)

物語小学校高学年から

さすらいの旅 -生きのびるために 続-

デボラ・エリス/作 ・ もりうち すみこ/訳

さ・え・ら書房 (2003.4)

タリバン政権下、13歳のパヴァーナはようやく再会できた父と死に別れた。親とはぐれた子どもたちと出会い、兄弟のように支えあいながら荒野をさまよう。水さえも満足にない悲惨な状況の子どもたちが痛ましい。それでもわずかな喜びを見出し、なんとか生きのびようとする姿に勇気づけられる。戦時下の人々の様子を丁寧に描く。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

はるになったら

シャーロット・ゾロトウ/文 ・ ガース・ウィリアムズ/絵

徳間書店 (2003.4)

小さい女の子が、幼い弟に語りかけます。海に行ったら、巻き貝を拾って波の音を聞かせてあげる。夢にお化けが出てきたら、助けに行くわ。弟に何をしてあげようかと、あれこれと空想する女の子の、お姉さんらしい愛情が伝わってきます。淡彩の優しい絵がおだやかな印象を残す絵本。出版社が変わり、新訳で出版されました。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ピクニックにいこう!

パット・ハッチンス/作・絵 ・ たなか あきこ/訳

徳間書店 (2003.4)

メンドリとカモとガチョウがピクニックに出かける。良い場所を探して進むうち、お弁当はネズミやリスに食べられて減っていくが、彼らは気がつかない。のんびりした鳥たちと、こっそりとお弁当をぬすんでいく動物たちの対比が、ユーモラスな絵本。くっきりとした輪郭に鮮やかな色彩の絵が、分かりやすく、細部まで楽しめる。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ロージーのおひっこし(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

ジュディ・ヒンドレイ/ぶん ・ ヘレン・クレイグ/え

評論社 (2003.4)

ロージーは、ひっこしすることにしました。そして、見つけた家をきれいに片付けて、家までの道も作りました。すると、海や空からたくさんの友だちがやって来ました。秘密の場所を持った子どものわくわくした気持ちを、夢いっぱいに描いています。柔らかいタッチで細かく描きこまれた絵が、よりお話を引き立てています。(幼児から)

物語小学校高学年から

サークル・オブ・マジック -邪悪の彫像/王様の劇場-

デブラ・ドイル/著 ・ ジェイムズ・D.マクドナルド/著

小学館 (2003.4)

騎士見習のランドルは、城を訪れた魔法使いに魅せられ、魔法学校の門をたたく。劣等生ながら勉強に励み、優秀な先生の個人指導を受けるが、そこには思わぬ陰謀があった。『邪悪の彫像/王様の劇場』では修行の旅の途中での2つの冒険を、『ブレスランドの平和』では故国ブレスランドを救うための戦いを描く。一途な少年が試練に立ち向かい成長する姿や、リュート弾きのリース、いとこの騎士ウォルターとの固い友情が胸を打つ。魔法や予知夢の描写が物語の世界に深みを与えている。意外な展開と次々にふりかかる困難に息つく暇もない。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

冥界伝説・たかむらの井戸(あかね・新読み物シリーズ 15)

たつみや 章/作 ・ 広瀬 弦/絵

あかね書房 (2003.3)

悟はおばあちゃんの家の井戸が、あの世につながっているという伝説を聞く。井戸に入ってみると、「たかむら」と名乗る少年の姿のおばけと出会い、友だちになる。井戸をつぶす計画を知った彼らは、やめさせようとさまざまないたずらをする。この世と冥界を行き来していたという小野篁(おののたかむら)の伝説を交えた物語。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

小さい水の精

オトフリート・プロイスラー/作 ・ ウィニー・ガイラー/絵

徳間書店 (2003.3)

水車の池の底で生まれた水の精の赤ちゃんは、池の中から岸辺へと、遊び場を広げながら大きくなる。探検やいたずらに夢中になっている様子が楽しく、池の世界の色彩や音、においなどが、主人公の喜びや驚きを通してよく伝わる。家族のふれあいや人間の子どもたちとの交流も温かい。新訳でさし絵も追加し、版元を変えて復刊。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

バドの扉がひらくとき

クリストファー・ポール・カーティス/作 ・ 前沢 明枝/訳

徳間書店 (2003.3)

大恐慌さなかの30年代アメリカ。10歳のバドは、里親の家を飛び出して、まだ見ぬ父親を探す旅に出た。「どんなに闇が深くても、ちゃんとべつの扉がひらくからね」。亡き母の言葉と幼い知恵、持ち前の明るさだけを武器にして、バドは未来をきりひらいてゆく。困難な時代を懸命に生きる人々の姿を、軽妙な筆致で描く。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ねえどっちがすき?(福音館の幼児絵本)

安江 リエ/ぶん ・ 降矢 奈々/え

福音館書店 (2003.3)

男の子と小ギツネが、目玉焼きと卵焼きを見比べています。「ねえ どっちがすき?」という問いかけの繰り返しとともに、ぴっかり、ほっかり、ころころと読んで楽しい擬音がリズムを生み出し、のびやかでユーモラスな絵と文章が良くあっています。自分で何かを選ぶというワクワクした感覚が、子どもをひきつける絵本です。(幼児から)

物語小学校低学年から

グレー・ラビットとヘアとスキレル スケートにいく(グレー・ラビットのおはなし 1)

アリスン・アトリー/さく ・ マーガレット・テンペスト/え

童話館出版 (2003.3)

グレー・ラビットと大ウサギのヘア、リスのスキレルは森のはずれの小さな家に住んでいます。3匹はある日、池へスケートに出かけます。その頃、家では事件が起きていました。のどかな田舎暮らしを楽しむ個性的な動物たちの姿が、素朴で温かな色彩の絵で描かれています。イギリス初版の挿絵を網羅し、改訳して復刊されました。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

ロケットにのって(風の文学館 2-8)

泉 啓子/作 ・ 関口 シュン/絵

新日本出版社 (2003.3)

小学校卒業を目前にして、渡米していた連が戻り、翼たちは歓迎する。転校によっていじめを体験した連は、不登校の根岸を放っておけず、彼の部屋に忍び込み親しくなる。卒業までの出来事を幼なじみの雪乃ら4人の目で描く。いじめ・不登校・家族の不和などの問題を、登場人物の個性と軽快な物語展開でサラリと読ませる。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語中学生から

黄金の騎士フィン・マックール(ケルト神話)

ローズマリー・サトクリフ/作 ・ 金原 瑞人/訳

ほるぷ出版 (2003.2)

アイルランドがエリンと呼ばれていた頃、フィンは、奪われていたフィアンナ騎士団長の座を知恵と力で取り戻す。卓越した能力を持ったケルト神話の代表的な英雄と友情に厚く勇敢な団員たちの姿を、力強くそして鮮やかに描く。妖精たちとのロマンスやこっけいなエピソードによって、騎士たちの人間味あふれる魅力が味わえる。(中学生から)

物語小学校低学年から

おにいちゃんといっしょ(どうわコレクション)

ウルフ・スタルク/作 ・ 菱木 晃子/訳

小峰書店 (2003.2)

パパとママの旅行中、おにいちゃんとぼくはおじさんの家に預けられた。いい子にしていたらもらえるごほうびが、ぼくは楽しみでたまらない。兄に散髪してもらったらまるぼうずになってしまった話など、子どもらしい騒動をユーモラスに描く。同い年のいとこの優しさもほほえましい。小さな子から大人までそれぞれに楽しめる。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

ナタリーはひみつの作家(講談社文学の扉)

アンドリュー・クレメンツ/作 ・ 田中 奈津子/訳

講談社 (2003.2)

ナタリーは、文章を書くのが上手な12歳の女の子です。自分の書いた小説を出版したいのですが、編集者の母には書いたのが自分だと知られたくありません。そこで親友のゾーイに協力してもらいます。慎重なナタリーと勝ち気なゾーイが、性格の違いを生かして、大人の社会で認められ成功するまでを描く、さわやかな友情の物語。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

もっと!そばかすイェシ

ミリヤム・プレスラー/作 ・ 斎藤 尚子/訳

徳間書店 (2003.2)

8歳のイェシは、時々、突拍子もないことをします。ある日、おまじないが効いて良い事が起こると思い込み、かえって大失敗します。でも、家族はそんな彼女を温かくむかえます。イェシを主人公にした連作短編で、子どもの姿が肯定的に描かれ、心温まる結末に安心感があります。続編に『もっと!そばかすイェシ』があります。(小学校中学年から)

物語中学生から

神の守り人 [1] 来訪編(偕成社ワンダーランド 28)

上橋 菜穂子/作 ・ 二木 真希子/絵

偕成社 (2003.2)

女用心棒のバルサが助けた兄妹は、妹アスラが「神を招く者」であったため、彼女の力を政治に悪用しようとする陰謀に巻き込まれる。アスラは、憎しみのため強大な力で復讐するが、周囲の愛情で自分を取り戻す。人を思う気持ちの素晴らしさを描くファンタジー。表現に迫力があり、一気に読ませる。「守り人」シリーズの続編。(中学生から)

物語中学生から

神の守り人 [2] 帰還編(偕成社ワンダーランド 29)

上橋 菜穂子/作 ・ 二木 真希子/絵

偕成社 (2003.2)

女用心棒のバルサが助けた兄妹は、妹アスラが「神を招く者」であったため、彼女の力を政治に悪用しようとする陰謀に巻き込まれる。アスラは、憎しみのため強大な力で復讐するが、周囲の愛情で自分を取り戻す。人を思う気持ちの素晴らしさを描くファンタジー。表現に迫力があり、一気に読ませる。「守り人」シリーズの続編。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

北の魔女ロウヒ

バーバラ・クーニー/絵 ・ トニ・デ・ゲレツ/原文

あすなろ書房 (2003.1)

遠い遠い北の国に住む魔女のロウヒは、ある日いたずら心から月と太陽を盗み出す。しかし、かじ屋が泥棒につけるための鉄の首輪と鎖を打つのを見て恐ろしくなり、そっと返しに来る。フィンランドの民族叙事詩を挿絵の流れに沿って再話した絵本。北欧の美しい自然と、そこに暮らす人々の様子が、やわらかな色彩で描かれている。(幼児から)

物語小学校中学年から

すえっこOちゃん

エディス=ウンネルスタッド/作 ・ 石井 桃子/訳

フェリシモ (2003.1)

Oちゃんは、7人きょうだいの末っ子。猫を赤ちゃんがわりに乳母車に乗せたり、小さいからと邪魔者扱いされるのに腹を立てて、木に登るが降りられなくなったりと、騒動を巻き起こす。だが、彼女は家族に笑顔と幸せをもたらす存在である。おませな末っ子の気持ちがよく描かれている。翻訳を見直し、版元を変えて復刊された。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

旅するベッド

ジョン・バーニンガム/作 ・ 長田 弘/訳

ほるぷ出版 (2003.1)

ジョージは、ある呪文を唱えると自由に旅をすることができる古い不思議なベッドを買ってもらった。そして、呪文を見事に言い当て、様々な場所へと旅にでかける。パステルと水彩を用いた淡い色遣いで描かれた絵は、夢広がる物語ともよくあっている。どの時代にも共通した、わくわくする子ども心が伝わってくる愉快な物語。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

おっと合点承知之助(声にだすことばえほん)

齋藤 孝/文 ・ つちだ のぶこ/絵

ほるぷ出版 (2003.1)

おじいちゃんとこどもたちが忍者ごっこをするうちに、「何か用か九日十日」「すいませんねん亀は万年」などゴロあわせやシャレがとびだします。昔からあることばあそびを楽しむきっかけになる絵本で、声に出すことで語感の転がるような勢いが味わえます。ユーモラスでどこかなつかしい絵も遊びの気分をもり立てています。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

きいてほしいの、あたしのこと -ウィン・ディキシーのいた夏-(ポプラ・ウイング・ブックス 13)

ケイト・ディカミロ/作 ・ 片岡 しのぶ/訳

ポプラ社 (2002.12)

引っ越してきたばかりの10歳のオパールは、人なつこいのら犬と出会い、ウィン・ディキシーと名付ける。父との2人暮らしで孤独だった彼女は、犬を飼うことをきっかけに、街の人々と親しくなる。他人の心の痛みを知り、父との絆を取り戻していく過程を温かい視点で軽やかに描く。寂しさを乗り越え、成長していく姿に共感できる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

サークル・オブ・マジック -魔法の学校-

デブラ・ドイル/著 ・ ジェイムズ・D.マクドナルド/著

小学館 (2002.12)

騎士見習のランドルは、城を訪れた魔法使いに魅せられ、魔法学校の門をたたく。劣等生ながら勉強に励み、優秀な先生の個人指導を受けるが、そこには思わぬ陰謀があった。『邪悪の彫像/王様の劇場』では修行の旅の途中での2つの冒険を、『ブレスランドの平和』では故国ブレスランドを救うための戦いを描く。一途な少年が試練に立ち向かい成長する姿や、リュート弾きのリース、いとこの騎士ウォルターとの固い友情が胸を打つ。魔法や予知夢の描写が物語の世界に深みを与えている。意外な展開と次々にふりかかる困難に息つく暇もない。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ラモーナとあたらしい家族([ゆかいなヘンリーくんシリーズ])

ベバリイ・クリアリー/作 ・ 松岡 享子/訳

学研 (2002.12)

ラモーナを主人公にしたシリーズの4作目。姉とのけんか、飼い猫の死、おばの結婚、妹の誕生などの「事件」を通じて、ラモーナは少しずつ成長する。一つ一つの問題に向き合い、乗り越えようとする子どもらしさに好感が持てる。彼女の感情を、作者が丁寧に描き出しており、ラモーナの気持ちに寄りそって読むことができる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

バイバイ。

李 慶子/文 ・ 下田 昌克/絵

アートン (2002.11)

和子は、在日韓国・朝鮮人であることを級友には隠しているが、そんな自分が腹立たしくもある。貧困、通名と本名、外国人登録、結婚などの問題を、日常生活の様子とともにみずみずしく描く。1960年頃の北陸を舞台に、懸命に生きる人々の心情が伝わってくる。和子と親友スナちゃんの、自らを受け入れて成長する姿が頼もしい。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

チンドンひとすじ70年(岩波フォト絵本)

菊乃家 〆丸/語り ・ 栗原 達男/写真

岩波書店 (2002.11)

菊野家〆丸さんは85歳の今も現役のチンドン屋さんです。チンドン屋さんとは、奇抜な格好をして、楽器を演奏しながら町を練り歩き、お店の宣伝などをする人たちです。今ではすっかり見かけなくなったこの仕事をするおじいさんを、昔の写真も多数交えながら紹介しています。この道一筋の、老人の心意気が伝わってきます。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

みえないってどんなこと?(いのちのえほん 12)

星川 ひろ子/写真・文

岩崎書店 (2002.11)

あそびを通して目が見えないということを理解するワークショップから生まれた写真絵本。子どもたちは目の見えないめぐみさんの話を聞きながら、アイマスクをかけて目の見えない状態を体験する。会話を中心にした文章で、子どもたちの感じたことが素直に伝わってくる。あたたかな視点で撮られた写真が、読んだ後も心に残る。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

わたしのいえはごにんかぞく(世界の絵本)

トメク・ボガツキ/絵 ・ エミリー・ジェンキンス/文

講談社 (2002.11)

私の家はお父さんとお母さん、2匹のネコとの5人家族。5人は同じところもあれば、それぞれ違うところもある。ネコを含めた家族の様子を、軽妙なリズムの語りで紹介していく。暖色を基調とした絵で、家族の幸せな暮らしぶりを描いている。平面的な構図が、子どもの目から見た家族の風景を、巧みに表現している。(幼児から)

物語小学校中学年から

そばかすイェシ

ミリヤム・プレスラー/作 ・ 斎藤 尚子/訳

徳間書店 (2002.11)

8歳のイェシは、時々、突拍子もないことをします。ある日、おまじないが効いて良い事が起こると思い込み、かえって大失敗します。でも、家族はそんな彼女を温かくむかえます。イェシを主人公にした連作短編で、子どもの姿が肯定的に描かれ、心温まる結末に安心感があります。続編に『もっと!そばかすイェシ』があります。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

白鳥とくらした子

シシリー・メアリー・バーカー/作・絵 ・ 八木田 宜子/訳

徳間書店 (2002.11)

お父さんが航海に出ている間、スーザンはディナージ夫人に預けられますが、ひどい扱いを受けて逃げ出します。救ってくれたのは、以前お父さんが助けたことのある白鳥でした。幼い少女と川の王である白鳥との幻想的な物語を、『花の妖精』シリーズの画家として名高い著者が、写実的で美しい挿絵とともに描きます。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

かえるの平家ものがたり(日本傑作絵本シリーズ)

日野 十成/文 ・ 斎藤 隆夫/絵

福音館書店 (2002.11)

のどかな夏の朝、がまじいさんが、若いカエルたちを集めて、むかしの沼の戦いの物語を始める。平家物語を下敷きとし、登場人物にもカジカガエルの牛若丸やトノサマガエルの頼朝など、趣向がこらされている。見開きいっぱいに描かれた鮮やかな水彩の絵は、ユーモラスで細部まで楽しめ、絵巻物のような雰囲気がある。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

あそぼうあそぼうおかあさん(かがくのとも傑作集)

浜田 桂子/さく

福音館書店 (2002.11)

お休みの1日を、家族みんなで思う存分遊ぶ絵本です。ふとんで「のりまき」にしたり、エプロンで劇ごっこをしたり、身近な物を使った体をふれあう遊びをたっぷり紹介しながら、遊びの輪が家の中から公園へ広がります。子どもの元気さが柔らかいタッチの絵からあふれてきます。『あそぼうあそぼうおとうさん』の姉妹編です。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

だんだんやまのそりすべり(日本傑作絵本シリーズ)

あまん きみこ/作 ・ 西村 繁男/絵

福音館書店 (2002.11)

そりすべりが恐いいっちゃんが、山の上に1人残っていると、山の動物の子たちが現れ、やはりそりすべりの苦手なコギツネが残されます。不得意な事に向かおうとする子どもの気持ちに沿って描き、成功する喜びも伝わってきます。くっきりとした輪郭とぬくもりのある色調の絵が、冬の遊びの様子を生き生きと描いています。(幼児から)

よみつがれてきた物語幼児から

しらゆきひめ(評論社の児童図書館・文学の部屋)

ベリンダ・ダウンズ/刺繡 ・ ジョーン・エイキン/再話

評論社 (2002.11)

白雪姫が美しさゆえに継母に憎まれるグリムの有名な昔話を、イギリスの児童文学作家エイキンが新たな語り口で物語ります。挿絵は、刺しゅう芸術家ダウンズによるもので、多彩な糸や布などの素材を上手く使い、物語の世界を見事に表現しています。大判の絵本で、あざやかな絵巻物を見ているような雰囲気を味わえます。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ちいさなしろくまくんのおはなし

ドロシー・シェリル/作 ・ 湯沢 朱実/訳

こぐま社 (2002.1)

しろくまくんは3人兄弟の末っ子です。普段は良い子なのですが、言い付けを破り、ある晩1人で外出してしまいます。自分で行動したいと思いはじめる幼い子の心情を温かく描いています。ぬいぐるみとして描かれているしろくまくんたちが愛らしく、優しく語りかけるような文章とともに、親子で楽しむのにふさわしい絵本です。(幼児から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

やまとゆきはら -白瀬南極探検隊-(日本傑作絵本シリーズ)

関屋 敏隆/さく

福音館書店 (2002.1)

1910年、白瀬のぶを隊長とする南極探検隊は出発した。旅道具や食料を積み、アイヌの人々の応援を得て、カラフト犬も連れていくが、極地探検は困難をきわめる。型染めの技法と効果的な構図を用い、南極の厳しい風土を力強く描く。隊員たちの表情が豊かで、旅の苦労とともにその合間の喜びや悲しみがよく伝わってくる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

魔女狩り人の復讐(ルイスと魔法使い協会)

ジョン・ベレアーズ/著 ・ 三辺 律子/訳

アーティストハウスパブリッシャーズ (2002.1)

休暇中に訪れた親類の屋敷内で、迷路の地図を見つけたルイスは、探検にでかける。だが、そこには恐ろしい敵が待ち受けていた。名探偵ホームズ気取りのルイスと友人のバーティが邪悪な霊を退治するまでを描いた物語。イギリスの魔女裁判の史実を下敷きに、魔法の小道具やなぞ解きが多く盛り込まれ、楽しく読める。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

アンブラと4人の王子

アン・ローレンス/作 ・ 金原 瑞人/訳

偕成社 (2002.1)

17歳で女王になったアンブラは、立派な国を作ろうと努力する。彼女は隣国の王子たちの影響を受け、次々と新しいことに夢中になるが、それに国中が巻き込まれていく。自分らしさを見失っていたアンブラが、本当の幸せを見つけるまでをおとぎ話の形で描き、現代に通じるものがある。登場人物が個性的で魅力的に描かれている。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

ドングリ山のやまんばあさん

富安 陽子/作 ・ 大島 妙子/絵

理論社 (2002.9)

ドングリ山に住んでいる、やまんばあさんは車と競走するほど元気で、クマを持ち上げるほど力持ちな、296歳の山姥だ。栗泥棒の怪物を探したり、あらしの日にうれしくなって難破船ごっこをしたり、豪快で、気の良いやまんばあさんがくりひろげる、全5編のゆかいなお話。表情豊かな挿絵が、明るい物語に良く合っている。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

ケンスケの王国(評論社の児童図書館・文学の部屋)

マイケル・モーパーゴ/著 ・ 佐藤 見果夢/訳

評論社 (2002.9)

家族とともにヨットでの世界一周の航海に出たマイケルは、南太平洋で飼い犬と海に落ちてしまう。打ちあげられた孤島には、元日本兵ケンスケが隠れ住んでおり、一緒に生活するうちに2人の心は通じ合うようになる。戦争が終わっても日本に戻れず南の島で暮らし続けるケンスケの生き方など、読み終わった後に余韻の残る1冊。(小学校高学年から)

物語中学生から

ヴァイキングの誓い

ローズマリー・サトクリフ/作 ・ 金原 瑞人/訳

ほるぷ出版 (2002.9)

ジェスティン少年は、ヴァイキングのトーモッドに奴 隷として買われる。やがて二人は兄弟の契りを結び、生死をかけた長い旅に乗り出す。運命にほんろうされながらも、自分の居場所と新しい生き方を見つけるまでを描く。きずなとは、故郷とは何かという問いかけを軸に、きびきびとした文体でつづる、壮大な歴史ファンタジー。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

わたしのて

ジーン・ホルゼンターラー/ぶん ・ ナンシー・タフリ/え

童話館出版 (2002.9)

わたしの手は、さまざまなことができます。ボタンを とめる。絵をかく。犬をかわいがる。でも、一番素敵なのは、ほかの人の手を握れるということ。落ち着いた赤・黄・緑を基調とした色づかいと、手を強調した構図が新鮮です。シンプルな線と簡潔な文章がすっきりとした印象を与えます。小さい子から楽しめる絵本です。(幼児から)

物語小学校中学年から

歌うねずみウルフ(偕成社おはなしポケット)

ディック・キング=スミス/作 ・ 三原 泉/訳

偕成社 (2002.9)

子ネズミのウルフは、老婦人ハニービーさんのピアノを聞くのが好き。きれいな声で歌うこともできる。そのことに気づいた彼女は、ウルフを誘ってレッスンを始める。人間とネズミが音楽を通して次第に親しくなる様子が描かれている。それぞれ同じことを考えている姿が楽しい、ほのぼのとした物語。シンプルな挿絵も愛らしい。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ぼくのお姉さん(偕成社文庫 3241)

丘 修三/作 ・ かみや しん/絵

偕成社 (2002.9)

ぼくは、友だちにからかわれ、ダウン症の姉をうとましく思う。しかし、姉が初めての給料で、家族に夕食をごちそうするのを見て、作文に姉のことを書き始める。表題作など6編の短編集。障がい児の現実を描く一方、周りの人の心の内を厳しい目で見つめる。文庫化による再刊だが、内容は古びず、読むたびに心を打つ。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

シャングリラをあとにして

マイケル・モーパーゴ/作 ・ 永瀬 比奈/訳

徳間書店 (2002.8)

11歳の女の子セシーの家に、突然祖父がやって来た。幼いころに別れた彼に父はかたくなな態度をとる。祖父は事故がもとで記憶を失うが、セシーの協力で回復し、なぞめいた彼の過去が明らかになる。祖父と父が和解する過程を織り混ぜ、セシーと祖父をとりまく人々との関係や家族のきずなが深まる様子が、温かく描かれている。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

洲本八だぬきものがたり

木戸内 福美/文 ・ 長野 ヒデ子/絵

アリス館 (2002.8)

淡路島に伝わるタヌキの話を元に書かれた物語。芝居が好きで、大阪まで見物に出かけた柴右衛門だぬきが、道頓堀の中座で神様として祭られる話など8話をおさめる。人とタヌキが近所づきあいをしていたようなほのぼのとした語り口がおもしろい。登場するタヌキには、名前がついており、地元の人たちの親しみがこもっている。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

魚とり名人・弥太さんの川遊び学校 -生き物と遊ぶ、生き物に学ぶ-(Be-pal books)

宮崎 弥太郎/語り ・ かくま つとむ/聞き書き

小学館 (2002.8)

宮崎弥太郎さんは高知県仁淀川で現役の川漁師をしている。アユやウナギはどんなエサが好きで、どんな場所にいるのか。魚の習性を観察し、推理、想像して捕まえる。本書は宮崎さんの語りを、かくまさんが聞き書きしたもの。宮崎さんが真剣に魚との知恵比べを楽しんでいる所に好感がもてる。図や写真も多くわかりやすい。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ナイトシミー -元気になる魔法-

アンソニー・ブラウン/絵 ・ グエン・ストラウス/文

平凡社 (2002.7)

エリックは誰とも口を利かない。ナイトシミーはそんな彼の心の中に住んでいる唯一の理解者だ。しかしマーシャという友人が出来たことで、いなくなってしまう。引っ込み思案な少年の心の世界を、ナイトシミーという存在がうまく表している。明暗を効果的に使い分けた絵が、エリックの心境の変化をよく伝えている。(小学校低学年から)

物語中学生から

ケルトとローマの息子

ローズマリー・サトクリフ/作 ・ 灰島 かり/訳

ほるぷ出版 (2002.7)

ケルトの部族で育ったベリックは、敵対するローマ人の子どもだった。そのため村から追放された上に、故郷のローマ帝国でも奴隷として売られてしまう。過酷な運命と想像を絶する苦しみに耐え、自分の居場所を求めて懸命にたたかう少年の心情が細やかに表現される。古代ローマ時代を背景に描かれた読み応えのある歴史物語。(中学生から)

物語小学校中学年から

ティナのおるすばん

イリーナ・コルシュノフ/作 ・ 石川 素子/訳

徳間書店 (2002.7)

8歳の女の子ティナが楽しみにしていた留守番は想像もしなかったことばかり。友だちとのけんか、家の鍵を忘れる、苦手だった管理人のやさしい一面を知るなど、失敗と発見の連続の1日となった。1977年当時のドイツを舞台に子どもの日常生活が描かれる。1987年福武書店版とは画家が変わり、現代風の挿絵が親しみやすい。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

アレックと幸運のボート

リー・キングマン/作 ・ 山内 玲子/訳

岩波書店 (2002.7)

ボートレースに出たかったアレックは幸運が重なり、ミス・エル号で出場することになる。全力を傾け、孤独な練習に励む彼に、強敵との競り合いやおぼれそうになる事故など、次々に困難が起こる。父や周りの人々に助けられてゴールにたどりつくまでの少年の成長を描く。海辺に住む人の海への愛着が感じられるさわやかな物語。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

きつねのルナール(世界傑作童話シリーズ)

レオポルド・ショヴォー/編 ・ 山脇 百合子/訳・絵

福音館書店 (2002.7)

ずる賢いキツネのルナールは、人間や他の動物をだまして、食べ物を調達したり、彼らがひどい目にあうのを見て楽しんだりする。時には逆にだまされたり失敗もする。挿絵が愛らしく、豊かでのどかな田園風景を舞台にユーモラスなお話が展開する。中世フランスの動物叙事詩『狐物語』を子ども向けに編集している。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

マイ・ベスト・フレンド(チア・ブックス 13)

ジャクリーン・ウィルソン/作 ・ 小竹 由美子/訳

偕成社 (2002.7)

10歳のマンディーは、年上で自由奔放なターニャに憧れ、友だちになる。しかし、彼女が万引きをするところを目撃し戸惑う。いじめ問題、過保護な母への不満など様々な悩みを抱えながらも、境遇の異なる友人と出会うことで、成長してゆく少女の姿を描く。重いテーマを軽妙な語り口で表現し、後味の良い作品となっている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ジンガくんいちばへいく(日本傑作絵本シリーズ)

ふしはら のじこ/さく・え

福音館書店 (2002.7)

ジンガは世話した鶏が産んだ卵を持って、初めて1人で市場に行く。見るものすべてが珍しくとまどいながらも、周囲の人に助けられ、仕事をやりとげた喜びを描く。市場のにぎわいや人々の表情を、明るい色彩でいきいきと表現している。丁寧に描きこまれた絵をじっくり見ていると、アフリカの日常生活や現状が伝わってくる。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

まいごのフォクシー(大型絵本)

イングリ・ドーレア/文・絵 ・ エドガー・ドーレア/文・絵

岩波書店 (2002.6)

まいごになった犬のフォクシーは、動物に芸を教えるおじさんに拾われ、歌をうたう犬として舞台に立ちます。ところが、観客の中に飼い主の男の子を見つけて、うれしい再会を果たします。単色と多色遣いをページごとに交互に配し、柔らかなタッチで描かれた絵は、愛らしい犬の表情や、その時々の犬の気持ちをよく表しています。(幼児から)

物語小学校高学年から

おばあちゃんはハーレーにのって

ニーナ・ボーデン/作 ・ こだま ともこ/訳

偕成社 (2002.6)

11歳の少女キャットは、たくましく誇り高い祖母との2人暮らしが気に入っているが、有名人となった両親が引きとりたいと言い出す。祖母か、好きになれない両親か、どちらと住むべきかで揺れる彼女の心情を様々なエピソードを交え、温かくユーモラスに描く。弁護士に相談に行くなど、自分で考え行動する姿が共感をよぶ。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ちゃんとたべなさい(世界の絵本コレクション)

ケス・グレイ/文 ・ ニック・シャラット/絵

小峰書店 (2002.5)

デイジーは豆が大嫌い。食べたらアイスクリームをあげるとか、遅くまで起きていてもいいとか、ママの出す交換条件は、だんだんエスカレートしていきます。画面をいっぱいに使って描かれた、はっきりとした線と色遣いの絵が母親と子どもの日常のやりとりを巧みに表現しています。ユニークで親しみの持てる絵本。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

オリビア サーカスをすくう

イアン・ファルコナー/作 ・ 谷川 俊太郎/訳

あすなろ書房 (2002.5)

ブタの女の子オリビアは、学校で、休日にサーカスに行った話をする。全員休場の団員たちに代わり、ゾウやライオンの調教、綱わたりに空中ブランコ、トランポリンなど、お話の中で彼女は1人で何でもこなす。自由奔放で想像力豊かな子どもの姿が、モノトーンに赤をきかせた色づかいで描かれ、しゃれた印象を与える絵本。(幼児から)

物語中学生から

コーンウォールの聖杯 :改訂新版

スーザン・クーパー/作 ・ 武内 孝夫/訳

学研 (2002.5)

休暇でおじさんの家を訪れた3人兄弟は、古文書を発見した。それは、長い間人々が探し求めてきた聖杯の隠し場所の地図だった。聖杯を探そうとする3人と、妨害する「闇」の勢力との戦いを描いたイギリスのファンタジー。アーサー王伝説を元に、子どもたちだけで謎を解こうとするストーリーに引きこまれる。1972年刊の復刊。(中学生から)

物語中学生から

8つの物語 -思い出の子どもたち-

フィリッパ・ピアス/著 ・ 片岡 しのぶ/訳

あすなろ書房 (2002.5)

ロープで川の向こうに渡る遊びが怖いのに言い出せず悩む少年の話「ロープ」など、8つの物語を集めた短編集。どの話も、いつの時代も変わらない子どもならではの孤独感や痛み、喜びなどを描く。子どもたちがみずみずしく、確かな存在として描写され、無駄のないストーリーとも相まって鮮やかに心に残る作品となっている。(中学生から)

物語小学校中学年から

橋の下のこどもたち

ナタリー=サベッジ=カールソン/作 ・ なかがわ ちひろ/訳

フェリシモ (2002.5)

少し昔のパリ。橋の下で気ままに暮らすアルマンじいさんは、家を追い出された一家と出会う。なついてくる3人の子どもたちに家族のような愛情を感じ、アルマンじいさんは変わっていく。ジプシーやホームレスなど、偏見を持って見られている人たちを温かく描き、心に余韻を残す物語。原著の挿絵を用い、新訳で復刊された。(小学校中学年から).

物語中学生から

カモ少年と謎のペンフレンド

ダニエル・ペナック/[著] ・ 中井 珠子/訳

白水社 (2002.5)

カモ少年は母親との約束で、3カ月で英語をマスターするために文通を始める。次第に文通相手にひかれていくが、なぜか相手の手紙は18世紀末に書かれたものらしく、他にも過去の人たちと文通する同級生がいた。文通により語学が上達するという設定がおもしろい。謎解きを盛り込み、意外な結末が楽しめるフランスの物語。(中学生から)

物語中学生から

どろぼうの神さま

コルネーリア・フンケ/著 ・ 細井 直子/訳

WAVE出版 (2002.5)

家出をしたプロスパーとボーの兄弟は、ヴェネツィアで身寄りの無い子どもたちだけで生活している。2人を捜す探偵とのやりとりや、「子どもを大人にし、大人を子どもに還す」伝説のメリーゴーラウンドにまつわる冒険を描いた、軽妙なファンタジー。大人になりたいと望む子どもの憧れ、あせり、いらだちなどが伝わってくる。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ゆうかんになったユージン

エレン・コンフォード/文 ・ ジョン・ラレック/絵

リブリオ出版 (2002.5)

ユージンは、夜行性のフクロネズミなのに暗闇が怖くなります。こわがりを治そうと夜の森に出かけますが頼りの姉さんが穴に落ち、勇気をふりしぼって助け出します。姉弟のさりげない助け合いがほほえましい物語。青を基調にしたペン画が星明かりの森を静かに広々と描いていて話をひきたてています。出版社が変わって再刊。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

かぼちゃスープ

ヘレン・クーパー/さく ・ せな あいこ/やく

アスラン書房 (2002.4)

大げんかの末、アヒルが家出した。残った猫とリスだけではいつものスープもおいしく作れない。2匹はアヒルを探しにゆく。リズミカルな文章と、動物たちの表情豊かで、ユーモアたっぷりに描かれた絵がよく合っている。絵の構図や配置に工夫がこらされ、ぬくもりある色づかいは、スープのにおいまで伝わってくるようだ。(幼児から)

絵本/絵童話小学校中学年から

カモノハシくんはどこ? -生きものの分類学入門-(福音館のかがくのほん)

ジェラール・ステア/さく ・ ウィリー・グラサウア/え

福音館書店 (2002.4)

動物の学校で、カモノハシはどのグループにも入ることができない。やがて皆は姿や形で分けることよりも、異なる者同士が協力しあうことの大切さに気づく。細密に描きこまれた絵で、それぞれの動物の質感がよく表現されている。巻末に、動物の分類について詳しい説明がつき、子どもたちに興味を抱かせる絵本となっている。(小学校中学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

とどまることなく -奴隷解放につくした黒人女性ソジャーナ・トゥルース-

アン・ロックウェル/作 ・ もりうち すみこ/訳

国土社 (2002.4)

初めて奴隷の競売にかけられた時、イザベラはたったの9歳だった。その後自由になった彼女は「ソジャーナ(たえず先ヘ進んでいく人)」と名のり、奴隷制がいかに人間性を無視したものであるかについて恐れることなく語り始めた。19世紀のアメリカの実話をもとに、1人の黒人女性の生き方を力強いタッチで描いた絵本。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ママってすごいね!(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

ミック・マニング/さく ・ ブリタ・グランストローム/さく

評論社 (2002.4)

この本には、さまざまな動物のママたちが登場する。魚をとるまで何日もがんばるペンギンや、世界一大きなシロナガスクジラなど。いろいろな大きさや姿だけれど、みんな赤ちゃんを育てるために一生懸命がんばっているスーパー・ママだ。温かな色調で描かれた絵と、動物と人間の親子を対比させた構図が効果をあげている。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

かさかしてあげる(福音館の幼児絵本)

こいで やすこ/さく

福音館書店 (2002.4)

雨の日、傘を忘れた女の子に、アリやウサギなどの動物たちが貸してくれた傘は、小さかったり、雨漏りしたり、大きすぎたりとしっくりきません。でも犬のジョンが赤い傘を届けてくれました。水彩で描かれた淡い色調の背景に登場人物がくっきりと浮かび上がり、目を引きます。それぞれの傘が特徴的で楽しく描かれています。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

アニマルアイズ -動物の目で環境を見る- 5 においの地図

宮崎 学/著

偕成社 (2002.3)

人工の生活空間が広がり、自然との摩擦が起こる。貝の代わりに洗剤のキャップを背負うヤドカリや、枝の代わりにビニールひもを使った鳥の巣など、野生動物が人間の生活に適応する一方で、人間が自然を感じることは少なくなっている。表題作には、人間の生活から出る生ゴミがゴミ捨て場に集まり、たくさんの野生動物が狩りをやめて、ゴミ搬送車を待つ姿などが収められており、本文と併せて、写真が語りかけてくる。写真家である著者が、環境問題を含め、人間と自然との関わりを、動物の生態に目を向けてとらえた全5冊のシリーズ。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

アニマルアイズ -動物の目で環境を見る- 4 あったかねぐら

宮崎 学/著

偕成社 (2002.3)

人工の生活空間が広がり、自然との摩擦が起こる。貝の代わりに洗剤のキャップを背負うヤドカリや、枝の代わりにビニールひもを使った鳥の巣など、野生動物が人間の生活に適応する一方で、人間が自然を感じることは少なくなっている。表題作には、人間の生活から出る生ゴミがゴミ捨て場に集まり、たくさんの野生動物が狩りをやめて、ゴミ搬送車を待つ姿などが収められており、本文と併せて、写真が語りかけてくる。写真家である著者が、環境問題を含め、人間と自然との関わりを、動物の生態に目を向けてとらえた全5冊のシリーズ。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

鏡のなかの幽霊(ルイスと魔法使い協会)

ジョン・ベレアーズ/著 ・ 三辺 律子/訳

アーティストハウス (2002.3)

失われた魔力を取り戻す旅に出たツィマーマン夫人とローズ・リタは、19世紀のペンシルヴァニア地方に着いてしまう。そこでは、夫人のかつての師、ヒルダ・ヴァイスの一家が黒魔術の力によって追われようとしていた。スリリングなストーリー展開で、気さくな老魔女と気の強い少女の一風変わった友情も魅力的に描かれている。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

やねのうえのもも(絵本・こどものひろば)

織茂 恭子/作

童心社 (2002.3)

大人たちから一方的にしかられたももは、私は悪くないと主張するが、わかってもらえない。屋根にのぼり、悔しさと寂しさをこらえているうちに、空は夕焼けに染まりだす。子どもの日常の一コマを題材に、ももの元気よさを力強いタッチでのびのびと描く。桃色を生かした色あいが、彼女の切ない気持ちを温かく包みこんでいる。(幼児から)

物語中学生から

トニーノの歌う魔法(大魔法使いクレストマンシー)

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/作 ・ 野口 絵美/訳

徳間書店 (2002.3)

魔法の呪文作りで名高い2つの家が憎しみあっている間に、小国カプローナは侵略されそうになる。それを防ぐためには、天使の歌を探さなければならない。両家の子どもたちトニーノとアンジェリカは力を合わせてたちむかい、邪悪な魔法使いのもくろみを阻止する。異世界のイタリアを舞台にした格調高く美しいファンタジー。(中学生から)

知識の本小学校中学年から

アニマルアイズ -動物の目で環境を見る- 1 ごちそう砦

宮崎 学/著

偕成社 (2002.3)

人工の生活空間が広がり、自然との摩擦が起こる。貝の代わりに洗剤のキャップを背負うヤドカリや、枝の代わりにビニールひもを使った鳥の巣など、野生動物が人間の生活に適応する一方で、人間が自然を感じることは少なくなっている。表題作には、人間の生活から出る生ゴミがゴミ捨て場に集まり、たくさんの野生動物が狩りをやめて、ゴミ搬送車を待つ姿などが収められており、本文と併せて、写真が語りかけてくる。写真家である著者が、環境問題を含め、人間と自然との関わりを、動物の生態に目を向けてとらえた全5冊のシリーズ。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

タガメビオトープの1年 -田んぼの学校-(わたしの研究 10)

市川 憲平/文 ・ 今井 桂三/絵

偕成社 (2002.3)

著者は人工的に池を作って、タガメがすめる生態系を復元しようとする。地元の小学生に、生き物の観察や米作り体験を通して、自然と人間のかかわりを教え、一緒に楽しんだ実践記録。著者やボランティアとの共同作業のなかで、子どもたちが日を追うごとに、昆虫や魚を追いかけていきいきと遊ぶようになる様子を温かく描く。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

氷の海とアザラシのランプ -カールーク号北極探検記-

ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン/文 ・ ベス・クロムス/絵

BL出版 (2002.3)

1913年、カナダの北極探検隊の船は氷に閉じ込められ難破した。流氷の上にとり残された乗組員は、氷や雪で家を造り、協力して助けを待つ。そして、同行したイヌピアク族の猟師の一家を中心に、たくましく極地の1年を生き抜き救助される。感動的な実話を元に描かれた。素朴でダイナミックな版画風のさし絵が印象的な絵本。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

チンチンでんしゃのはしるまち(かがくのとも傑作集)

横溝 英一/さく

福音館書店 (2002.3)

早朝に出庫してから、通勤通学客や買い物へ行く人たちを乗せて、市内を走り回る路面電車の1日を描いた絵本。乗客の姿や町の風景を交えて、丁寧に描き込まれた精密な絵が、路面電車の魅力を伝える。電車がポイントを曲がる仕組みやスリップしないための工夫など、あまり知られていない事柄も詳しく紹介されていて興味深い。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

アニマルアイズ -動物の目で環境を見る- 3 明るい夜

宮崎 学/著

偕成社 (2002.3)

人工の生活空間が広がり、自然との摩擦が起こる。貝の代わりに洗剤のキャップを背負うヤドカリや、枝の代わりにビニールひもを使った鳥の巣など、野生動物が人間の生活に適応する一方で、人間が自然を感じることは少なくなっている。表題作には、人間の生活から出る生ゴミがゴミ捨て場に集まり、たくさんの野生動物が狩りをやめて、ゴミ搬送車を待つ姿などが収められており、本文と併せて、写真が語りかけてくる。写真家である著者が、環境問題を含め、人間と自然との関わりを、動物の生態に目を向けてとらえた全5冊のシリーズ。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

アニマルアイズ -動物の目で環境を見る- 2 死を食べる

宮崎 学/著

偕成社 (2002.3)

人工の生活空間が広がり、自然との摩擦が起こる。貝の代わりに洗剤のキャップを背負うヤドカリや、枝の代わりにビニールひもを使った鳥の巣など、野生動物が人間の生活に適応する一方で、人間が自然を感じることは少なくなっている。表題作には、人間の生活から出る生ゴミがゴミ捨て場に集まり、たくさんの野生動物が狩りをやめて、ゴミ搬送車を待つ姿などが収められており、本文と併せて、写真が語りかけてくる。写真家である著者が、環境問題を含め、人間と自然との関わりを、動物の生態に目を向けてとらえた全5冊のシリーズ。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

シロクマをさがしに

ハリー・ホース/作 ・ 千葉 茂樹/訳

光村教育図書 (2002.2)

シロクマを北極で見るために老人は地図を片手に、ゴルフバッグに荷物をつんで、犬のルーと出発した。旅を彩るのは、何百羽ものペンギン、屋根の上のオオカミ、降りやまない雪、そしてゴルフクラブ。おてんばな犬のルーとのやりとりが楽しいナンセンスな絵本。淡い色彩の絵は、ピンチの時もどこか温かくユーモラスである。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

ねむいねむいじけん(めいたんていネート)

マージョリー・W.シャーマット/さく ・ ロザリンド・ワインマン/さく

大日本図書 (2002.2)

9歳のネートは、夜中の2時に友だちのロザモンドからの電話で起こされる。彼女の飼い猫のまくらカバーを探してほしいとの依頼だった。ネートは眠いのをこらえてひきうける。『ぼくはめいたんてい』に続く全6冊の新シリーズで、ネートが聞きとりをした結果などから推理を組みたてていくという探偵ぶりがおもしろい。ネートと一風変わった友だちとのやりとりを、簡潔な文章でユーモアたっぷりに描いている。他の巻でも、2塁ベースが盗まれたり、ペット・コンテストの賞品がなくなったりと、日常的な事件が題材となっていて楽しめる。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

いそがしいクリスマス(めいたんていネート)

マージョリー・W.シャーマット/さく ・ クレイグ・シャーマット/さく

大日本図書 (2002.2)

9歳のネートは、夜中の2時に友だちのロザモンドからの電話で起こされる。彼女の飼い猫のまくらカバーを探してほしいとの依頼だった。ネートは眠いのをこらえてひきうける。『ぼくはめいたんてい』に続く全6冊の新シリーズで、ネートが聞きとりをした結果などから推理を組みたてていくという探偵ぶりがおもしろい。ネートと一風変わった友だちとのやりとりを、簡潔な文章でユーモアたっぷりに描いている。他の巻でも、2塁ベースが盗まれたり、ペット・コンテストの賞品がなくなったりと、日常的な事件が題材となっていて楽しめる。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

ペット・コンテストは大さわぎ(めいたんていネート)

マージョリー・W.シャーマット/さく ・ マーク・シマント/え

大日本図書 (2002.2)

9歳のネートは、夜中の2時に友だちのロザモンドからの電話で起こされる。彼女の飼い猫のまくらカバーを探してほしいとの依頼だった。ネートは眠いのをこらえてひきうける。『ぼくはめいたんてい』に続く全6冊の新シリーズで、ネートが聞きとりをした結果などから推理を組みたてていくという探偵ぶりがおもしろい。ネートと一風変わった友だちとのやりとりを、簡潔な文章でユーモアたっぷりに描いている。他の巻でも、2塁ベースが盗まれたり、ペット・コンテストの賞品がなくなったりと、日常的な事件が題材となっていて楽しめる。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

2るいベースがぬすまれた?!(めいたんていネート)

マージョリー・W.シャーマット/さく ・ マーク・シマント/え

大日本図書 (2002.2)

9歳のネートは、夜中の2時に友だちのロザモンドからの電話で起こされる。彼女の飼い猫のまくらカバーを探してほしいとの依頼だった。ネートは眠いのをこらえてひきうける。『ぼくはめいたんてい』に続く全6冊の新シリーズで、ネートが聞きとりをした結果などから推理を組みたてていくという探偵ぶりがおもしろい。ネートと一風変わった友だちとのやりとりを、簡潔な文章でユーモアたっぷりに描いている。他の巻でも、2塁ベースが盗まれたり、ペット・コンテストの賞品がなくなったりと、日常的な事件が題材となっていて楽しめる。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

だいじなはこをとりかえせ(めいたんていネート)

マージョリー・W.シャーマット/さく ・ マーク・シマント/え

大日本図書 (2002.2)

9歳のネートは、夜中の2時に友だちのロザモンドからの電話で起こされる。彼女の飼い猫のまくらカバーを探してほしいとの依頼だった。ネートは眠いのをこらえてひきうける。『ぼくはめいたんてい』に続く全6冊の新シリーズで、ネートが聞きとりをした結果などから推理を組みたてていくという探偵ぶりがおもしろい。ネートと一風変わった友だちとのやりとりを、簡潔な文章でユーモアたっぷりに描いている。他の巻でも、2塁ベースが盗まれたり、ペット・コンテストの賞品がなくなったりと、日常的な事件が題材となっていて楽しめる。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

きえた草のなぞ(めいたんていネート)

マージョリー・W.シャーマット/さく ・ マーク・シマント/え

大日本図書 (2002.2)

9歳のネートは、夜中の2時に友だちのロザモンドからの電話で起こされる。彼女の飼い猫のまくらカバーを探してほしいとの依頼だった。ネートは眠いのをこらえてひきうける。『ぼくはめいたんてい』に続く全6冊の新シリーズで、ネートが聞きとりをした結果などから推理を組みたてていくという探偵ぶりがおもしろい。ネートと一風変わった友だちとのやりとりを、簡潔な文章でユーモアたっぷりに描いている。他の巻でも、2塁ベースが盗まれたり、ペット・コンテストの賞品がなくなったりと、日常的な事件が題材となっていて楽しめる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ウッレのスキーのたび

エルサ・ベスコフ/さく ・ 石井 登志子/やく

フェリシモ (2002.2)

ウッレは6歳の誕生日にスキーをもらいました。雪のつもる森に出かけたウッレは霜じいさんに出会い、雪王様の城に案内されます。自然の精霊と少年の交流を軸に、季節の移り変わりを描いた、詩のように美しい物語。ベスコフのやわらかで透明感のある絵が、読む人の心をひきつけます。版元を改め、新訳で出版されました。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

こちら『ランドリー新聞』編集部(世界の子どもライブラリー)

アンドリュー・クレメンツ/作 ・ 田中 奈津子/訳

講談社 (2002.2)

5年生のカーラは、無気力なラーソン先生の授業で新聞を作るが、そこには先生に対する批判が書かれていた。彼は新聞を見て初めは怒るが、それ以後、授業はユニークで活発なものに変わっていく。子どもたちの新聞作りを題材に、報道の自由、新聞・マスコミの影響力などについて、考えるきっかけにもなる楽しい物語。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語幼児から

こびととくつや -グリム兄弟の童話から-

グリム/[原作] ・ グリム/[原作]

平凡社 (2002.2)

貧しいけれど正直な靴屋が眠っている間に、こびとが仕事を片付けてくれる有名な昔話が絵本になった。白地の背景を生かした絵が、こびとや靴を引き立て、物語の展開を追いやすい。水彩のにじみを上手に利用することにより、味のある絵に仕上がっている。易しい言葉遣いの文章が、素朴で温かな物語の雰囲気によく合っている。(幼児から)

物語小学校高学年から

生きのびるために

デボラ・エリス/作 ・ もりうち すみこ/訳

さ・え・ら書房 (2002.2)

タリバン政権下のアフガニスタンでは、女性は自由に外出できなかった。11歳の少女パヴァーナは、父を兵士に連れ去られ、家族を養うために少年として働き始める。過酷な暮らしの中でも人間性を失わずに生きようとする人々の姿を描く。女性の権利や反戦問題に取り組む著者が、難民キャンプでの取材をもとに厳しい現実を訴える。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

もりのへなそうる(福音館創作童話シリーズ)

わたなべ しげお/さく ・ やまわき ゆりこ/え

福音館書店 (2002.2)

てつた君とみつや君は、森で変な恐竜のへなそうるに会う。ヘなそうるは、体ばかり大きくて、とても憶病者。そのうえ、ものすごい食いしん坊だ。へなそうるの個性や子どもたちとの交流が、表情豊かなさし絵とともによく描かれており、ユーモラスな幼年童話になっている。

物語小学校高学年から

ローワンと伝説の水晶(リンの谷のローワン 3)

エミリー・ロッダ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

あすなろ書房 (2002.1)

水辺の民を束ねる<水晶の司>の選任役として、ローワンは母と共にマリスの地へ赴く。後継者争いに巻き込まれ毒を盛られた母を救う解毒剤を求め、ローワンはなぞの詩を手掛かりに禁断の島へ足を踏み入れる。憶病な少年が、自らを信じ、様々な危険を乗り越え成長する。スピーディな展開で一気に読ませる冒険ファンタジー。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ぜったいたべないからね(チャーリーとローラのおはなし)

ローレン・チャイルド/作 ・ 木坂 涼/訳

フレーベル館 (2002.1)

好き嫌いが山ほどある妹に手をやくお兄ちゃんが、いいことを思いつく。にんじんを木星の「えだみかん」、さかなフライは人魚の「ころもうみ」など、奇想天外な名前につられて、妹は思わず食べてしまう。兄妹ならではのやりとりがおもしろい。コラージュを活かした明るい画面に、二人の表情がユーモラスで現代的な絵本。(幼児から)

物語中学生から

辺境のオオカミ

ローズマリ・サトクリフ/作 ・ 猪熊 葉子/訳

岩波書店 (2002.1)

誤った判断で撤退をしたアレクシオスは、辺境に左遷された。あくの強い部下の信頼を得、原住の氏族との友情を築いたが、思わぬ事件で、彼は再び困難な撤退を決断することになる。ローマ時代のイギリスを舞台に、辺境の情景や行軍の過程を綿密に描写した重厚な歴史物語。失敗と苦悩を乗り越え、成長する人間の強さが心を打つ。(中学生から)

物語小学校高学年から

ライディング・フリーダム -嵐の中をかけぬけて-(ポプラ・ウイング・ブックス 6)

パム・M.ライアン/作 ・ こだま ともこ/訳

ポプラ社 (2001.12)

孤児院育ちのシャーロットは、馬が好きで扱いも巧みだった。自分の牧場を持つという夢を実現するため、彼女は男装して、駅馬車の御者として働きはじめる。女性に選挙権もなかった19世紀のアメリカで、男性として生きた彼女の人生を、実話を元に描く。左目の失明という逆境に打ち勝ち、たくましく生きる姿に共感できる。(小学校高学年から)

物語中学生から

モスフラワーの森(レッドウォール伝説)

ブライアン・ジェイクス/作 ・ ゲリー・チョーク/挿絵

徳間書店 (2001.12)

森の動物たちは、ヤマネコ族の支配に苦しんでいた。だが、旅の勇者ネズミ、マーティンと共に反旗を翻す決意をする。リスやカワウソの素早い動きを生かした攻撃、統率の取れた攻防、なぞ解きの妙味など、様々な要素を盛り込んだ展開に引き込まれる。勇者マーティンが、平和と自由を取り戻すため活躍するシリーズ第2作。(中学生から)

物語中学生から

魔女と暮らせば(大魔法使いクレストマンシー)

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/作 ・ 田中 薫子/訳

徳間書店 (2001.12)

キャットと姉は、大魔法使いにひきとられたが、魔法を使うのを禁止され、有能な魔女といわれた姉は様々な嫌がらせをした上、姿を消してしまう。個性的な登場人物が魅力的で、自信家の姉に振り回されるキャットに共感できる。大魔法使いが活躍するシリーズの1冊で、『魔女集会通り26番地』を改題・改訳し、出版された。(中学生から)

物語小学校高学年から

フクロウはだれの名を呼ぶ

ジーン・クレイグヘッド・ジョージ/著 ・ 千葉 茂樹/訳

あすなろ書房 (2001.12)

フクロウ保護のため森林の伐採が禁じられ、きこりの父が失業した。ボーデンはフクロウに復しゅうしようとするが、逆に巣から落ちたひなを連れて帰り、家族で世話をすることになる。アメリカ北西部の原生林を舞台に、人間の生活を優先していた家族が、環境保護の大切さを知るまでを描く。自然との共生をさりげなく考えさせる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

けんかのきもち(からだとこころのえほん 2)

柴田 愛子/文 ・ 伊藤 秀男/絵

ポプラ社 (2001.12)

仲良しだったこうたとのけんかに負けて家に帰った僕は、くやしさをどうにも押さえられない。でも、そんな僕をみんなが優しく迎えに来てくれた。けんかをして初めて経験する心の動揺を通して、少しだけ強くなった主人公の姿を描いている。画面いっぱいに配された子どもたちの表情が豊かで、その心情がよく伝わってくる。(幼児から)

物語小学校中学年から

ラモーナ、八歳になる([ゆかいなヘンリーくんシリーズ])

ベバリイ・クリアリー/作 ・ 松岡 享子/訳

学研 (2001.12)

3年生になったラモーナは、家族の期待に応えようとがんばるが、時にはわがままを言いたくなる。学校で失敗した時の先生の言葉に傷ついたりと、悩みも多い。人一倍感受性の強い少女が、日々の暮らしの中で、様々な事を考え、成長していく様を、明るい筆致で描く。ささいなことに一喜一憂するラモーナの姿が共感をよぶ。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ブルックフィールドの小さな家(世界傑作童話シリーズ)

マリア・D.ウィルクス/作 ・ ダン・アンドレイアセン/画

福音館書店 (2001.11)

19世紀のアメリカ、父を事故で亡くした5歳のキャロラインは、残された家族とともに、助け合いながらつましく生活していた。さまざまな困難を乗り越え、ささやかな楽しみを見いだしていく開拓時代の暮らしぶりを、丁寧な取材を元に、活写している。『大草原の小さな家』の「かあさん」の子ども時代を描く、シリーズ1作目。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ぼくたち、ロンリーハート・クラブ(おはなしプレゼント)

ウルフ・スタルク/作 ・ 菱木 晃子/訳

小峰書店 (2001.11)

トールたち4人は、「コドク」な人のために活動するクラブを結成する。そして、一人暮らしのお年寄り2人を動物園への遠足に誘う。子どもたちの無邪気な計画と行動力で、老人たちが心を通わすまでを独特のユーモアを用いて描く。孤独をいやすという題材を嫌みなく表現し、さわやかな後味を残す作品に仕上がっている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ゆきとトナカイのうた(名作絵本復刊シリーズ 1)

ボディル・ハグブリンク/作・絵 ・ 山内 清子/訳

ポプラ社 (2001.11)

マリット・インガの家族は、トナカイを世話しながら夏や秋のキャンプ地から冬の家へと移り住みます。伝統的な自給自足の暮らしをおくるラップ人の一家を素朴な温かい絵で描いた絵本。民族衣装の鮮やかな色が美しく、自然と結びついた生活は、都会の生活とは別の豊かさを感じさせます。出版社が代わって、復刊されました。(小学校低学年から)

物語中学生から

ぼく、ママのおなかにいたいの…

ジュゼッペ・ペデリアーリ/作 ・ 関口 英子/訳

くもん出版 (2001.11)

「ママのおなかの方が居心地が良い」といって生まれてこようとしない赤ちゃんに、フランチェスカは友人のディエゴたちと、外の世界のすばらしさを伝えようとする。発明家のおじさんや魔女など珍妙な脇役が、想像をかきたて、肩の力を抜いて読める。子どもの人権問題をからめて、社会風刺をきかせたイタリアの物語。(中学生から)

よみつがれてきた物語小学校高学年から

けものたちのないしょ話 -中国民話選-(岩波少年文庫 096)

君島 久子/編訳

岩波書店 (2001.11)

中国のプミ族に伝わる表題作など27編を収録した民話集。欲張り者と正直者の対比をユーモラスに描いた話や、七夕伝説と羽衣伝説が結びついた話など、日本の昔話に類似したものが多く親しみやすい。各民族に受け継がれてきた多様な歴史や信仰、知恵なども巧みに織り込まれていて、民話の奥深さや魅力を十分に味わえる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

マリアンヌの夢(岩波少年文庫 095)

キャサリン・ストー/作 ・ 猪熊 葉子/訳

岩波書店 (2001.11)

病気になり寝込んだ10歳のマリアンヌが、偶然見つけた鉛筆で絵を描くと、その絵の通りの夢を見る。病気という不安の為、夢は恐ろしいものになっていくが、夢の中で出会った少年とともに、夢から脱出しようとする。子どもが不安を克服し、成長していく過程を象徴的に描いたファンタジー。冨山房から出版されたものの復刊。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語小学校高学年から

不思議の国の物語 -インド民話の森- 1 世界がこわれる音

小山 和/編著 ・ 小山 いをり/挿画

人類文化社 (2001.11)

大きな音に驚いたウサギが世界が壊れると言って走り出した。つられてウシやゾウなど草原中の動物たちが一斉に走りだす。それを見たシシの大王が騒ぎを鎮める表題作を含む、19話を収めたインドの民話集。インドの神や信仰が根底にあり興味深い。サルの心臓を取ろうとしたカメの話など日本の昔話と似たものもあり、親しめる。(小学校高学年から)

物語中学生から

カニグズバーグ作品集 9 13歳の沈黙

カニグズバーグ/[著]

岩波書店 (2001.11)

コナーは、言葉を話さなくなったブランウェルのため、彼が犯人とされている事件の真相を調べ始める。真相に迫る中で、彼らの事情も少しずつ明らかにされる。親の再婚など家族関係の問題も絡め、思春期の少年の感情の機微が、日常の描写の中に浮かび上がる。推理仕立ての構成が興味をつなぎ、結末まで息をつかせない。(中学生から)

知識の本幼児から

コウテイペンギンのおやこ(親と子の写真絵本 4)

内山 晟/写真・文

ポプラ社 (2001.11)

コウテイペンギンは、氷に直接触れないように足の上で卵をかえす。灰色の産毛が生えたひな鳥は、口移しで食べ物をもらい親鳥の後をついて歩くようになる。そして厳しい吹雪に耐え、約半年で親と同じくらいの大きさに成長する。カメラのフィルムが割れるほど極寒の世界の、ペンギンたちの愛らしい姿を豊富な写真で紹介する。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ねえとうさん

佐野 洋子/作

小学館 (2001.11)

くまの子は久しぶりに帰ってきたとうさんと森へ散歩にでかけます。子どものおねだりにとうさんは次々こたえてくれます。「ねえとうさん」「よしよし」と繰り返される会話が期待を膨らませ、父親に憧れる子どもの気持ちをよく表しています。茶色の紙に落ち着いた色合いのパステルで力強く描かれた絵が生き生きしています。(幼児から)

物語中学生から

預言の子ラノッホ

デイヴィッド・クレメント・デイヴィーズ/作 ・ 多賀 京子/訳

徳間書店 (2001.1)

預言にうたわれる王の印をもって生まれた子鹿ラノッホは、鹿の王の暴力から逃れ、北の地へ向かう。様々な獣たちと出会う中で、自分の不思議な能力に気づく。預言にあらがいながらも、課せられた運命を受け入れていくラノッホの姿を、重厚な世界観で描く。古代スコットランドの雄大な自然を舞台にした動物ファンタジー。(中学生から)

物語中学生から

クリストファーの魔法の旅(大魔法使いクレストマンシー)

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/作 ・ 田中 薫子/訳

徳間書店 (2001.1)

クリストファーは、幼いころから夢の中の別世界に遊びに行っていたが、それは九つの命をもつ特別な魔法使いだからこそ可能なことだった。大魔法使いが活躍するシリーズの1冊。将来を決められていると思い込み、反発する子どもの気持ちがよく伝わってくる。強い魔力をもつ少女など、登場人物が生き生きと描かれている。(中学生から)

物語小学校中学年から

ふたごのルビーとガーネット(チア・ブックス 12)

ジャクリーン・ウィルソン/作 ・ 小竹 由美子/訳

偕成社 (2001.1)

ルビーとガーネットは、父親とそのガールフレンドとの4人で郊外の村へ引っ越すことになった。それを機に、何をするのも同じだった彼女たちの生活が変わり始める。2人が1冊のノートに気持ちをつづる形式で、それぞれの心の動きをきめ細かく追う。戸惑いながらも自分の道を選んでいく少女たちの成長をユーモアを交えて描く。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

きのこはともだち -さがす・みつける・たべる-

松岡 達英/構成 ・ 下田 智美/絵と文

偕成社 (2001.1)

森や林に生えるキノコ、毒のあるものや形の変わったものなど60種類以上を、精密な絵とともに紹介した知識の絵本。キノコ探しに出かける女の子と森の動物たちが、愛らしいイラストで描かれている。キノコ狩りをするときの注意や、料理法なども載っており、親子で楽しめる。様々な自然の恵みを取り上げたシリーズの1冊。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

年をとったひきがえる

バーニース・フレシェット/ぶん ・ ロジャー・デュボアザン/え

童話館出版 (2001.1)

年をとったヒキガエルが岩の上で日光浴をしている。それをねらってサギが近づいてくるが、間一髪カエルは逃げ切る。サギが一歩一歩近づいてくる様子が、素朴な色合いの絵と淡々とした語り口によって描かれ、緊迫感を高める。夏の水辺の豊かな自然の中で、ツグミやリスなどの動物たちが暮らしている様子も描かれている。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

のら犬ウィリー

マーク・シーモント/さく ・ みはら いずみ/やく

あすなろ書房 (2001.1)

ピクニックに出かけた家族は子犬を見つけ、ウィリーと名付けて一緒に遊ぶ。家族は、連れて帰ってこなかった子犬のことが忘れられず、一週間後に出かけて再会する。彼らが、のら犬を飼うようになるまでを描いた心あたたまる絵本。柔らかな色調で表情豊かな絵から、家族がウィリーを想う気持ちが、十分に伝わってくる。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ダイアナと大きなサイ

エドワード・アーディゾーニ/作 ・ あべ きみこ/訳

こぐま社 (2001.1)

ダイアナの家に、大きなサイがやってきた。両親は大騒ぎするが、彼女は、ひどい風邪をひいているサイに薬をやり、バターつきトーストをふるまい、寝床を与える。ともに成長し、年老いていくふたりの姿を、やさしい色使いの水彩画と、味わい深いペン画で丁寧に描く。年を経ても変わらない愛情の素晴らしさを教えてくれる。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

くつがあったらなにをする?(世界傑作絵本シリーズ)

ビアトリス・シェンク・ドゥ・レニエ/ぶん ・ モーリス・センダック/え

福音館書店 (2001.1)

問いかけにこたえて、男の子と女の子が存分にごっこあそびを楽しみます。いすやほうきやコップなど身近な道具を次々に別のものに見立ててしまいます。ふざけるのが大好きな、幼い子どもの遊び心をくすぐるナンセンスな詩に、軽妙なタッチの絵がよく合っています。画家本人が色付けした新版を新しい訳で出版されました。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

コックのジンジャー -チムもうひとつのものがたり-(世界傑作絵本シリーズ)

エドワード・アーディゾーニ/さく ・ なかがわ ちひろ/やく

福音館書店 (2001.1)

船乗りになりたい少年チムは、大きな汽船にもぐりこみ船の手伝いをするようになる。ところが嵐で、船が沈みだす。船長とチムは船に取り残されるが、危機一髪、救命ボートに救われる。スケッチのように写実的な絵と、工夫された構図の取り方が、船上の生活を生き生きと見せ、船の揺れる感じまで伝わってくる。チムシリーズは既に6編日本で紹介されていたが、今回11編全てが刊行された。1巻以外は全て新訳になる。海から流れて来た女の子を助けたり、悪人から灯台を守ったり、海を舞台に困難を周りの人と助け合い乗り越えるチムの姿を描く。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

チムさいごのこうかい(世界傑作絵本シリーズ)

エドワード・アーディゾーニ/さく ・ なかがわ ちひろ/やく

福音館書店 (2001.1)

船乗りになりたい少年チムは、大きな汽船にもぐりこみ船の手伝いをするようになる。ところが嵐で、船が沈みだす。船長とチムは船に取り残されるが、危機一髪、救命ボートに救われる。スケッチのように写実的な絵と、工夫された構図の取り方が、船上の生活を生き生きと見せ、船の揺れる感じまで伝わってくる。チムシリーズは既に6編日本で紹介されていたが、今回11編全てが刊行された。1巻以外は全て新訳になる。海から流れて来た女の子を助けたり、悪人から灯台を守ったり、海を舞台に困難を周りの人と助け合い乗り越えるチムの姿を描く。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

リバータウン

ボニー・ガイサート/文 ・ アーサー・ガイサート/絵

BL出版 (2001.9)

北アメリカには大きな川沿いにできた町がたくさんあります。 トーボートと呼ばれる引き船が行き交う川が、冬には凍りつき、春には洪水もおこります。自然の移り変わりに織り込まれた人々の暮らしぶりが温かく描かれています。 淡彩の銅版画で細々と描き込まれた絵は、見るたびにいろいろな物を発見する楽しみがあります。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

冷たい心臓 -ハウフ童話集-(福音館古典童話シリーズ 38)

ヴィルヘルム・ハウフ/作 ・ 乾 侑美子/訳

福音館書店 (2001.9)

砂漠を旅する商人たちが、退屈しのぎに一人ずつ話を語っていく『隊商』などを収めている。作中に別の物語を語る「枠物語」で構成され、舞台や人物などイスラム情緒がただよう。それぞれの作中の話だけでも楽しめるが、枠物語で読むとまた味わい深い。ドイツで長く読み継がれてきたハウフのおとぎ話3話を1冊にまとめた。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

ねずみの家

ルーマー・ゴッデン/さく ・ おびか ゆうこ/やく

徳間書店 (2001.9)

メアリーはおもちゃのネズミの家に、飽きてしまいます。一方、地下室のネズミ一家の寝床からはみ出した末っ子ボニーは、メアリーのネズミの家をみつけます。テンポ良く進む話の展開が鮮やかで、互いの望みどおりに落ちつく結末までを、生き生きとしたネズミの姿とともに描いています。丁寧で愛らしい絵も魅力的な幼年童話。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

ふたりのあか毛

ウィル/さく ・ ニコラス/さく

童話館出版 (2001.9)

赤毛の少年と赤毛の猫はお互いが好きではなかった。ある日通りに出た二人は、同じものを見ながらもやはり違う反応をするが、角でぶつかったことで友だちとなる。平行線だった二人の行動が最後に交わる。展開が鮮やかでおもしろい。猫のせりふなど言い回しも軽妙。赤を基調に色数を抑えて、線画で描かれた絵が強い印象を残す。(幼児から)

物語小学校高学年から

Xをさがして

デボラ・エリス/作 ・ もりうち すみこ/訳

さ・え・ら書房 (2001.9)

11歳のカイバーは母親と自閉症の弟たちと暮らしている。生活は苦しくても家族とは理解し合っていると思っていたが、ある事件で信頼を失ってしまう。潔白を証明するため、証人となる親友のXを探しに家を飛び出す。思春期の少女が自分と向き合い、家族との関係を見つめ直し、成長していくさまを等身大に描くカナダの作品。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

チムひょうりゅうする(世界傑作絵本シリーズ)

エドワード・アーディゾーニ/さく ・ なかがわ ちひろ/やく

福音館書店 (2001.9)

船乗りになりたい少年チムは、大きな汽船にもぐりこみ船の手伝いをするようになる。ところが嵐で、船が沈みだす。船長とチムは船に取り残されるが、危機一髪、救命ボートに救われる。スケッチのように写実的な絵と、工夫された構図の取り方が、船上の生活を生き生きと見せ、船の揺れる感じまで伝わってくる。チムシリーズは既に6編日本で紹介されていたが、今回11編全てが刊行された。1巻以外は全て新訳になる。海から流れて来た女の子を助けたり、悪人から灯台を守ったり、海を舞台に困難を周りの人と助け合い乗り越えるチムの姿を描く。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

チムとうだいをまもる(世界傑作絵本シリーズ)

エドワード・アーディゾーニ/さく ・ なかがわ ちひろ/やく

福音館書店 (2001.9)

船乗りになりたい少年チムは、大きな汽船にもぐりこみ船の手伝いをするようになる。ところが嵐で、船が沈みだす。船長とチムは船に取り残されるが、危機一髪、救命ボートに救われる。スケッチのように写実的な絵と、工夫された構図の取り方が、船上の生活を生き生きと見せ、船の揺れる感じまで伝わってくる。チムシリーズは既に6編日本で紹介されていたが、今回11編全てが刊行された。1巻以外は全て新訳になる。海から流れて来た女の子を助けたり、悪人から灯台を守ったり、海を舞台に困難を周りの人と助け合い乗り越えるチムの姿を描く。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

チムのいぬタウザー(世界傑作絵本シリーズ)

エドワード・アーディゾーニ/さく ・ なかがわ ちひろ/やく

福音館書店 (2001.9)

船乗りになりたい少年チムは、大きな汽船にもぐりこみ船の手伝いをするようになる。ところが嵐で、船が沈みだす。船長とチムは船に取り残されるが、危機一髪、救命ボートに救われる。スケッチのように写実的な絵と、工夫された構図の取り方が、船上の生活を生き生きと見せ、船の揺れる感じまで伝わってくる。チムシリーズは既に6編日本で紹介されていたが、今回11編全てが刊行された。1巻以外は全て新訳になる。海から流れて来た女の子を助けたり、悪人から灯台を守ったり、海を舞台に困難を周りの人と助け合い乗り越えるチムの姿を描く。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

フェアマウント通り26番地の家

トミー・デ・パオラ/著 ・ 片岡 しのぶ/訳

あすなろ書房 (2001.9)

絵本作家である著者が新しい家に引っ越すまでの1年間の出来事を描く自伝的物語。大家族での暮らしや、嫌だった幼稚園のこと、家の壁に家族の絵を描いたことなどを語りかけるような文体でつづっている。幼い頃の驚きや疑問をありのままに描き、親しみがわく。挿絵は温かみがあり、子ども時代の雰囲気をよく伝えている。(小学校低学年から)

物語中学生から

魔法使いはだれだ(大魔法使いクレストマンシー)

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/作 ・ 野口 絵美/訳

徳間書店 (2001.8)

魔法使いだとわかると火あぶりになる世界で、魔法が使えると気づいた寄宿学校の生徒たちが、次々に珍騒動を引き起こす。それぞれの思惑が混乱を呼び、行き詰まった子どもたちは大魔法使いを呼び出す。登場人物が個性的に描かれた魅力的なファンタジー。ストーリー展開も巧みで謎解きの楽しみも味わえる。(中学生から)

物語小学校中学年から

家出の日

キース・グレイ/作 ・ まえざわ あきえ/訳

徳間書店 (2001.8)

11歳のジェイソンは両親のケンカが嫌で、家出をした。リバプールの兄の所へ行くために列車に乗るが、不安でたまらない。「家出屋」を名乗るジャムという少年に出会い、振りまわされるが、家出は意外な結末を迎える。思春期に差しかかった少年が、日常の生活から離れることによって起きた心の変化を、丁寧に描く。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

オバケのことならまかせなさい!(おはなしパレード)

なかがわ ちひろ/作

理論社 (2001.8)

遠足の時に撮った写真を見てから、奇妙な感じが続いていた。ぼくがその正体を探りに放課後の学校へ行ってみると、たくさんのおばけに出くわした。灰色の背景におばけがくっきりと白く浮き出る構成の絵と工夫された場面展開が、簡潔な文章と合っている。遊び心いっぱいにおばけの世界を楽しめるナンセンスな物語。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

ほんとうの空色(岩波少年文庫 088)

バラージュ/作 ・ 徳永 康元/訳

岩波書店 (2001.8)

フェルコーは不思議な青色の絵の具を手に入れました。それで絵を描くと、本当の空のように太陽や月が輝くのです。絵の具のせいで、友だちに誤解されたり、聖者に間違えられたりと思いもしなかった出来事が次々に起こります。著者自身の貧しかった少年時代を思わせる叙情豊かな物語。ハンガリーの古典的名作の新訳版です。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ワニがうちにやってきた!(新しい世界の文学 6)

ポール・ファン・ローン/作 ・ ジョージーン・オーバーワーター/絵

岩崎書店 (2001.8)

8歳の誕生日にエミーにワニの卵が届く。ペットが欲しかった彼女が強く願うと、卵がかえり、大きく育つ。動物嫌いの両親に隠れてかわいがるが、見つかってしまい、靴にされそうになる。エミーと西部劇好きで風変わりな祖母が、自己中心的な両親をこらしめ、ワニと一緒に暮らすまでを描く風刺にみちたオランダの物語。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ちいさなおんどり

ウィル/さく ・ ニコラス/さく

童話館出版 (2001.8)

農場で産まれたとても小さなオンドリは、他の動物とは仲良くしていましたが、仲間の鶏たちにはのけ者にされていました。小さなオンドリが、自分にしかできない方法でキツネ退治に一役買い、皆に認められるまでを描いた物語。少ない色を効果的に用いた大胆な絵と、工夫された構図が見やすく、読者をひきつける絵本。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

かきねのむこうはアフリカ

バルト・ムイヤールト/文 ・ アンナ・ヘグルンド/絵

ほるぷ出版 (2001.8)

お隣のデジレーさんが、庭に穴を掘ったり、粘土を入れたり、変わった事を始めた。近所の人が遠まきに見つめる中、興味を持った僕が見ていると、できたのは彼女の故郷、アフリカ式の家だった。北欧に住む少年と、アフリカからやって来たデジレーさんとの心温まる交流を描く。表情豊かな絵が、話の理解をより深めている。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

虚空の旅人(偕成社ワンダーランド 27)

上橋 菜穂子/作 ・ 佐竹 美保/絵

偕成社 (2001.8)

新ヨゴ皇国の皇太子チャグムは、サンガル王国の王位継承式に参列する。そこでは、まじない師が暗躍し、王家への謀反が企てられていた。彼は王家の次男タルサンらを助け、共に陰謀に立ち向かう。人々の思惑と、国同士の駆け引きの中で、誠実に生きようとする少年たちの姿を描く重厚なファンタジー。「守り人」3部作の外伝。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ローワンと黄金の谷の謎(リンの谷のローワン 2)

エミリー・ロッダ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

あすなろ書房 (2001.7)

謎の眠り病に倒れた村人を救うため、来訪中の「旅の人」たちに会いにいったローワンは、伝説の黄金の谷へわけいる。内気で憶病な少年が、二つの民の友情のため、知恵と勇気をだして活躍する冒険物語。巧みなストーリー展開で個性的な登場人物を描き分け、読みごたえのある1冊。『ローワンと魔法の地図』に続く第2作。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

レイチェルと滅びの呪文

クリフ・マクニッシュ/作 ・ 金原 瑞人/訳

理論社 (2001.7)

レイチェルは、弟とともに魔女の支配する異星イスレアに連れ去られる。その星で魔女は、地球の子どもを奴隷として扱っていたが、レイチェルが特別な力を持っていたため、仲間に引き入れようとする。彼女が魔法を手に入れ、邪悪な魔女に屈せず倒すまでを、映像的描写とテンポの良さで、一気に読ませるファンタジー。(小学校高学年から)

物語中学生から

奇跡の子

ディック・キング=スミス/作 ・ さくま ゆみこ/訳

講談社 (2001.7)

羊飼いの夫婦が、赤ん坊を拾い育てるが、その男の子は成長しても言葉をあまり話さず、学校にも通えなかった。しかし、彼は、不思議な力で動物と心を通わせ、やさしい父母や周りの人々に見守られながら自分の役割を見つけて、幸せに暮らす。第2次大戦初期のイギリスの農園を舞台に、人の幸せとは何かを考えさせる作品。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

チムとシャーロット(世界傑作絵本シリーズ)

エドワード・アーディゾーニ/さく ・ なかがわ ちひろ/やく

福音館書店 (2001.7)

船乗りになりたい少年チムは、大きな汽船にもぐりこみ船の手伝いをするようになる。ところが嵐で、船が沈みだす。船長とチムは船に取り残されるが、危機一髪、救命ボートに救われる。スケッチのように写実的な絵と、工夫された構図の取り方が、船上の生活を生き生きと見せ、船の揺れる感じまで伝わってくる。チムシリーズは既に6編日本で紹介されていたが、今回11編全てが刊行された。1巻以外は全て新訳になる。海から流れて来た女の子を助けたり、悪人から灯台を守ったり、海を舞台に困難を周りの人と助け合い乗り越えるチムの姿を描く。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

チムききいっぱつ(世界傑作絵本シリーズ)

エドワード・アーディゾーニ/さく ・ なかがわ ちひろ/やく

福音館書店 (2001.7)

船乗りになりたい少年チムは、大きな汽船にもぐりこみ船の手伝いをするようになる。ところが嵐で、船が沈みだす。船長とチムは船に取り残されるが、危機一髪、救命ボートに救われる。スケッチのように写実的な絵と、工夫された構図の取り方が、船上の生活を生き生きと見せ、船の揺れる感じまで伝わってくる。チムシリーズは既に6編日本で紹介されていたが、今回11編全てが刊行された。1巻以外は全て新訳になる。海から流れて来た女の子を助けたり、悪人から灯台を守ったり、海を舞台に困難を周りの人と助け合い乗り越えるチムの姿を描く。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

チムひとりぼっち(世界傑作絵本シリーズ)

エドワード・アーディゾーニ/さく ・ なかがわ ちひろ/やく

福音館書店 (2001.7)

船乗りになりたい少年チムは、大きな汽船にもぐりこみ船の手伝いをするようになる。ところが嵐で、船が沈みだす。船長とチムは船に取り残されるが、危機一髪、救命ボートに救われる。スケッチのように写実的な絵と、工夫された構図の取り方が、船上の生活を生き生きと見せ、船の揺れる感じまで伝わってくる。チムシリーズは既に6編日本で紹介されていたが、今回11編全てが刊行された。1巻以外は全て新訳になる。海から流れて来た女の子を助けたり、悪人から灯台を守ったり、海を舞台に困難を周りの人と助け合い乗り越えるチムの姿を描く。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

ふれ、ふれ、あめ!(海外秀作絵本 4)

カレン・ヘス/作 ・ ジョン・J.ミュース/絵

岩崎書店 (2001.7)

日照り続きの夏の日、人も植物も皆が雨を待ち望んでいる。遠くに雲を見つけて息詰まるような期待が高まる中、ついに雨が降り出す。雨を浴びて水着姿で踊る子どもたちの様子から、弾けるような喜びが伝わってくる。抑えた色合いの水彩画は構図も工夫されていて、詩のような文章とぴったり合い、空気の色までも感じさせる。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

くものいえ :改訂

得田 之久/さく

童心社 (2001.6)

夏の夜、1匹のクモが枝にぶら下がると、おしりから糸を出した。糸を出しながら行ったり来たり、ぐるぐる回ったりして、やがてクモの巣ができた。語るような文章と、真っ黒の背景に白い糸が印象的な細密な絵で描く科学の絵本。1本の糸から徐々に巣ができる様子や獲物を捕らえる様子が興味深い。1975年刊の新装復刻版。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

なまけものの王さまとかしこい王女のお話

ミラ・ローベ/作 ・ ズージ・ヴァイゲル/絵

徳間書店 (2001.6)

食べて寝てばかりのナニモセン王家で、ピンピ王女だけは毎日元気いっぱい。ある日、王様が病気になり、ピンピは薬を探すためお城を飛び出す。羊飼いのおじいさんに教わった治療法を実行するため、子どもらしい知恵をめぐらせ、王様を働き者に生まれ変わらせる。風刺のきいた愉快な物語が、訳と版元を変えて出版された。(小学校中学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

ねんころりん

ジョン・バーニンガム/さく ・ 谷川 俊太郎/やく

ほるぷ出版 (2001.6)

疲れて眠くなったネコやカエルなど、様々な動物たちが寝床を探し求めている。やがて、それぞれが心地よい場所を見つけると、穏やかな眠りにつく。眠たそうな表情や、安らかな寝顔が、柔らかな筆使いで愛らしく描かれ、はり絵の技法が絵の印象を深めている。繰り返しの多い文章がリズミカルで、聞き手を眠りへと誘う。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話小学校低学年から

チムとゆうかんなせんちょうさん :新版(世界傑作絵本シリーズ)

エドワード・アーディゾーニ/さく ・ せた ていじ/やく

福音館書店 (2001.6)

船乗りになりたい少年チムは、大きな汽船にもぐりこみ船の手伝いをするようになる。ところが嵐で、船が沈みだす。船長とチムは船に取り残されるが、危機一髪、救命ボートに救われる。スケッチのように写実的な絵と、工夫された構図の取り方が、船上の生活を生き生きと見せ、船の揺れる感じまで伝わってくる。チムシリーズは既に6編日本で紹介されていたが、今回11編全てが刊行された。1巻以外は全て新訳になる。海から流れて来た女の子を助けたり、悪人から灯台を守ったり、海を舞台に困難を周りの人と助け合い乗り越えるチムの姿を描く。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

チム、ジンジャーをたすける(世界傑作絵本シリーズ)

エドワード・アーディゾーニ/さく ・ なかがわ ちひろ/やく

福音館書店 (2001.6)

船乗りになりたい少年チムは、大きな汽船にもぐりこみ船の手伝いをするようになる。ところが嵐で、船が沈みだす。船長とチムは船に取り残されるが、危機一髪、救命ボートに救われる。スケッチのように写実的な絵と、工夫された構図の取り方が、船上の生活を生き生きと見せ、船の揺れる感じまで伝わってくる。チムシリーズは既に6編日本で紹介されていたが、今回11編全てが刊行された。1巻以外は全て新訳になる。海から流れて来た女の子を助けたり、悪人から灯台を守ったり、海を舞台に困難を周りの人と助け合い乗り越えるチムの姿を描く。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

チムとルーシーとかいぞく(世界傑作絵本シリーズ)

エドワード・アーディゾーニ/さく ・ なかがわ ちひろ/やく

福音館書店 (2001.6)

船乗りになりたい少年チムは、大きな汽船にもぐりこみ船の手伝いをするようになる。ところが嵐で、船が沈みだす。船長とチムは船に取り残されるが、危機一髪、救命ボートに救われる。スケッチのように写実的な絵と、工夫された構図の取り方が、船上の生活を生き生きと見せ、船の揺れる感じまで伝わってくる。チムシリーズは既に6編日本で紹介されていたが、今回11編全てが刊行された。1巻以外は全て新訳になる。海から流れて来た女の子を助けたり、悪人から灯台を守ったり、海を舞台に困難を周りの人と助け合い乗り越えるチムの姿を描く。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

かしこいちいさなさかな(世界傑作絵本シリーズ)

バーナディン・クック/ぶん ・ クロケット・ジョンソン/え

福音館書店 (2001.6)

つりの大好きな男の子がいました。ある日、大きな魚が3匹もつれてしまいました。ところが、小さな魚は、知恵を働かせて逃げてしまいました。繰り返しの多いリズム感のある文章が、小さな子どもにも楽しめます。2色刷のコミカルな絵で、ページごとに男の子と魚の動きを連続して描き、お話の楽しさとよくあっています。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

スマッジがいるから(あかね・新えほんシリーズ 9)

ナン・グレゴリー/作 ・ ロン・ライトバーン/絵

あかね書房 (2001.6)

ダウン症のシンディは子犬を拾い、飼おうとしますが、彼女の住むホームでは、犬は飼えずとりあげられてしまいます。子犬に寄せるひたむきな思いが、彼女の働くホスピスの患者の心にも届き、思いがけない結末を呼びます。色鉛筆の柔らかい筆致で温かみを感じさせる絵と淡々と抑えた語り口が、様々な余韻を残します。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

おすのつぼにすんでいたおばあさん

ルーマー・ゴッデン/文 ・ なかがわ ちひろ/訳・絵

徳間書店 (2001.5)

つぼの形の家に住む、貧しいおばあさんは、助けた魚の王様に願いをかなえてもらえることになりました。初めは控えめだったおばあさんが、どんどん欲張りになっていきます。物語の名手である著者が、家で語り継がれた昔話に、ネコを登場させるなどして新たに創作。最後に、反省するおばあさんを、魚が許す場面が印象的です。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

ぼうしのおうち(世界傑作絵本シリーズ)

エルサ・ベスコフ/さく・え ・ ひしき あきらこ/やく

福音館書店 (2001.5)

小人のお母さんと3人の子どもたちは、すてきな帽子の家に住んでいました。ある日、母親が留守の間に、火事になり家が燃えてしまいますが、親切な小人のおじさんに助けられます。透明感のある柔らかい筆使いの水彩で描かれており、意外な結末も楽しい。70年前の作品だが、古さを感じさせず、魅力的なスウェーデンの絵本。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

笛ふきイワーヌシカ -ロシアの昔話-(世界の昔話傑作選)

M.ブラートフ/再話 ・ 松谷 さやか/訳

偕成社 (2001.5)

昔、イワーヌシカという笛の得意な少年がいた。羊飼いとして雇われるが、主人夫婦が給金を払おうとしない。そこで、笛を使って彼らを踊らせ、恥をかかせてこらしめる。羊に変装して邪魔をしに来る主人と彼とのやりとりがおもしろい。色鮮やかで個性的な絵が、話をよりこっけいに見せる。ロシアの楽しい昔話。(幼児から)

物語小学校中学年から

紳士とオバケ氏(ものがたりのもり)

たかどの ほうこ/作 ・ 飯野 和好/絵

フレーベル館 (2001.5)

マジノ・マジヒコ氏と彼の家に代々住みつくオバケ氏はうり二つ。決して出会うことのなかったまじめな2人が偶然顔を合わせ、やがて友だちになった。お互いが入れ替わって、周りの人をきょとんとさせたりするなどのいたずらを通して、それぞれが生きる楽しさを見つけていく。挿絵も個性的で、ナンセンスな物語に合っている。(小学校中学年から)

物語中学生から

えんの松原(福音館創作童話シリーズ)

伊藤 遊/作 ・ 太田 大八/画

福音館書店 (2001.5)

怨(おん)霊に両親を奪われ、主人にも追い出された音羽は、宮中に身を寄せていたある日、東宮・憲平に出会い親しくなった。やがて、えんの松原にいる怨霊が、出生にまつわる秘密のせいで憲平にとりついていることを知る。その正体を暴き、命がけで友を不幸な境遇から救い出すことで成長する少年の姿を描いたファンタジー。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

はちみついろのうま(世界傑作絵本シリーズ)

小風 さち/作 ・ オリガ・ヤクトーヴィチ/絵

福音館書店 (2001.4)

はちみつ色の髪の娘が、いいなずけの鍛冶屋のために、きのこのスープを作ろうと森に入り、鬼ばばに馬にされてしまう。しかし、娘の機転で、鍛冶屋は馬になった娘に気付き、鬼ばばを退治して、最後はめでたく結婚する。見開き全体に透明感のある絵で描かれた、昔話風の物語。柔らかな色使いの背景が、登場人物を引き立たせている。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

弟なんていらない

ニーナ・シンドラー/作 ・ クリスティアーネ・ピーパー/絵

さ・え・ら書房 (2001.4)

パウルは10歳。母親と新しいパートナーとの3人暮らしに慣れかけたところに、今度は赤ちゃんが生まれることになる。新しい家族の中で寂しさを感じるパウルだが、頼もしいガールフレンドのリキの助けや、新しい父親との心の触れ合いを通して居場所をみつけていく。揺れ動く男の子の気持ちを、コミカルにカラッと描いている。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

かえるだんなのけっこんしき

ジョン・ラングスタッフ/再話 ・ フョードル・ロジャンコフスキー/絵

光村教育図書 (2001.3)

カエルが、ネズミと結婚式をあげることになり、コガネムシ、アライグマなど、様々な動物がお祝いに現れる。動物たちが、細部まで丁寧に描き込まれ、表情豊かでユーモラス。アメリカで親しまれている「おはなし歌」を元にして作られた絵本。歌詞であった言葉がリズミカルで楽しい。最後にメロディの一部も紹介されている。(幼児から)

知識の本小学校高学年から

地図を見て、歩いてさがした水辺の知恵(調べるっておもしろい!)

渡辺 一夫/著

アリス館 (2001.3)

小枝を組んだマットを沈め、川底の侵食を防ぐ、粗朶沈床(そだちんしょう)。著者は、この工事の見学をきっかけに、昔から、川とともに暮らしてきた人々の、様々な水辺の知恵に興味をひかれていく。インターネットや地図を使って調べていく過程が、豊富な写真や図版とともに丁寧に描かれ、調べる楽しさが伝わってくる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ふしぎなおたまじゃくし

スティーブン・ケロッグ/さく ・ すずき まさこ/やく

錨といるか社 (2001.2)

ルイスは、誕生日プレゼントに、おじさんがネス湖で捕まえたオタマジャクシをもらった。アルフォンスと名付け、大切に育てたが、カエルにはならず、家に入らないほど大きくなる。彼はアルフォンスを飼うプールを作るため、宝探しに行く。淡い色調のユーモラスな絵が、話をより楽しくしている。版元を変えて再刊された。(幼児から)

よみつがれてきた物語幼児から

セルコ -ウクライナの昔話-

内田 莉莎子/文 ・ ワレンチン・ゴルディチューク/絵

福音館書店 (2001.2)

農家で飼われている老犬セルコは、役立たずになったと、追い出されてしまった。偶然会ったオオカミの協力で一芝居うち、飼い主に喜ばれる。セルコはお礼として、飼い主の家での結婚式に、オオカミをこっそり招待するが……。犬やオオカミ、農民の表情を生き生きと、また、風俗を丁寧に描いている。力強く多彩な絵の大型絵本。(幼児から)

物語小学校高学年から

シャーロットのおくりもの

E.B.ホワイト/作 ・ ガース・ウイリアムズ/絵

あすなろ書房 (2001.2)

ひ弱な子豚ウィルバーは、農場の娘ファーンに育てられ、別の農場に売られる。そこで羊やガチョウと楽しく暮らすうち、ハムにされる運命だと知った。友達のクモのシャーロットは、ウィルバーを救うために一計を案じる。表情豊かな挿絵とともに、動物たちの暮らしを描いたファンタジーの古典。版元を改め、新訳で再刊された。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ぼくとオペラハウス

アンドレア・ホイヤー/絵・文 ・ 宮原 峠子/訳

河合楽器製作所・出版事業部 (2001.2)

僕は、元舞台美術家のおじいちゃんに連れられてオペラを見に行った。次の日は、舞台裏の見学をすることになった。舞台監督や照明係、衣装係など、普段目にすることができない仕事をする人や、稽古をする出演者達を、丁寧に描き込まれた絵とともに紹介する。日本ではなじみのない世界が垣間見ることができる、楽しい一冊。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

トムのほんとうのうち

ジョーン・リンガード/作 ・ こだま ともこ/訳

徳間書店 (2001.1)

養子のトムは、両親から「とくべつな子」と聞かされてきた。8歳の誕生日に赤ちゃんが生まれることを知らされ、実の子の方が「とくべつ」だと思い、木の上の隠れ家で、時間を過ごすようになる。妹の誕生により「ほんとうの」家族について考え始めたトムの気持ちが、平易な言葉で丁寧に描かれ、素直に共感できる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

魔法使いの卵

ダイアナ・ヘンドリー/作 ・ 田中 薫子/訳

徳間書店 (2001.1)

スカリーは、魔法使いの卵。一人前になる試験を控え、学校の勉強に身が入らない彼に、指導員モニカが付くが、彼女はどこか謎めいている。そこに魔法の力を手に入れようとする悪党サソリ団が現れた。彼は特訓中の変身術などを使って、魔法を守ろうと頑張る。個性豊かな両親や、級友リジーとの関わりを交えて描くファンタジー。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

いいことってどんなこと(こどものとも傑作集)

神沢 利子/さく ・ 片山 健/え

福音館書店 (2001.1)

屋根の雪が溶け、しずくが楽しそうに踊っているので私が尋ねると、「いいことがあるからよ」と歌うように答える。何があるのか探しに外へ出ると、小鳥や川や風も、みんなうれしそう。北国の女の子が、春が来る喜びを見つけるまでを、柔らかな文章で描く。素朴な味わいのある水彩画で、小さな女の子のしぐさが印象的な絵本。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

化石をみつけた少女 -メアリー・アニング物語-(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

キャサリン・ブライトン/さく ・ せな あいこ/やく

評論社 (2001.1)

海辺で、弟と「掘り出し物」を探していた11歳のメアリーは、岩に埋もれた6メートルもある不思議な生物の骨を見つける。それは何百万年も昔の恐竜の化石だった。19世紀初頭、化石の専門家メアリー・アニングが初めて化石を発見したときの物語。コマ割りを効果的に用い、丁寧な水彩の絵で、少女の驚きと感動を鮮やかに描く。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

エジプトのミイラ

アリキ/文と絵 ・ 神鳥 統夫/訳

あすなろ書房 (2000.12)

およそ5千年前、古代エジプト人は、死後の世界を信じて、死者の魂が体に戻ってこられるように、死体を保存する方法を考えた。祈りを捧げる、内臓を取り出すなど、ミイラを作る際の儀式や方法が、遺跡で発見された絵画や彫刻を基にして描かれた絵と共に、具体的に紹介されている。今回、出版社を変えて、新たに出版された。(小学校中学年から)

物語中学生から

ルーム・ルーム

コルビー・ロドースキー/作 ・ 金原 瑞人/訳

金の星社 (2000.12)

5年生のリビィは、唯一の肉親である母を亡くし、母の友人ジェシーに引きとられる。以前と全く違う生活に彼女はなじめない。しかし、大切な機織りの部屋(ルーム・ルーム)を自分のために空けてくれた事を知り、心を開いていく。リビィが人々の温かさにふれ、新しい生活を受け入れるまでを、母に語りかける形で丁寧に描く。(中学生から)

知識の本小学校低学年から

庭の1年 -生まれて死んで、また生まれる-(小さな地球 1)

たかはし きよし/絵・文 ・ 菱山 忠三郎/監修

偕成社 (2000.12)

著者の自宅の庭には四季の移り変わりとともにさまざまな花が咲き、昆虫や鳥が訪れる。定点観測という方法を用いて、植物の成長と庭の変化、そこに集まる動物などの生態を、1年を通じて観察し記録した1冊。細部まで描き込まれた写実的な絵と、巻末の解説とで、身近にある自然のおもしろさや不思議を知ることができる。(小学校低学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

よりぬきマザーグース(岩波少年文庫 068)

谷川 俊太郎/訳 ・ 鷲津 名都江/編

岩波書店 (2000.11)

英語圏に伝わる、伝承童謡「マザーグース」。その日本語訳で定評のある谷川俊太郎訳の中から、「ロンドンばしがおっこちる」など、有名な詩を50編選び所収。いきいきとしたリズム感のある詩が楽しめる1冊。巻末に、英語原詩と、時代背景や遊び方などの解説が盛り込まれ、より深くマザーグースを知ることができる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ペンギンくん

せかいをまわる ・ M.レイ/作

岩波書店 (2000.11)

ラジオでおはなし番組を担当するペンギンくんは、話の種を探すため旅に出た。 大砲に隠れて空中に飛ばされたり、ボールだと思って蹴った卵からダチョウがかえったり、愉快な冒険をする。そして、素敵なおみやげを持って帰る。天真らんまんなペンギンの、ユーモアたっぷりのほのぼのとしたお話。色鮮やかな水彩画の美しい絵本。(幼児から)

物語小学校低学年から

ぼくのぼうけん(福音館創作童話シリーズ)

なかの ひろたか/さく

福音館書店 (2000.11)

ぼくは、ふねの絵を描いた。この船に乗って、島探しの冒険へ出かける。大ダコに捕まったり、お化けが出てきたりと危険がいっぱい。でも、次々と乗り越えてゆく。お父さんと子どもの会話で展開されるほのぼのとしたお話。太い線画に青やオレンジで着色した、はっきりとした絵も魅力的。子どもの想像力を沸き立たせる一冊。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

ソラマメばあさんをおいかけろ

たかどの ほうこ/作

文化出版局 (2000.11)

タンタは、観察の宿題のソラマメをなくしてしまった。ある日、デパートでそのソラマメが、おばあさんに化けて買い物をしているのを見つける。姉のカオルと2人で追いかけるが、野菜人間の町に迷い込んでしまう。危険を感じた彼らが野菜に化けたりして、不思議な町を脱出するまでを、軽快な語り口でつづったナンセンスな物語。(小学校中学年から)

知識の本中学生から

漁師さんの森づくり -森は海の恋人-

畠山 重篤/著 ・ カナヨ・スギヤマ/絵

講談社 (2000.11)

気仙沼でカキの養殖業を営む著者は、海の汚染が気になり調べ始める。原因が上流の森の荒廃に関係があると考え、仲間と山に植樹する運動を起こす。森の栄養分を川が運び、沿岸の海の生き物をはぐくむことが、分かりやすく説明されている。本文に登場する百種類近くの動植物を丁寧に描いた絵は、見ているだけでも楽しい。(中学生から)

物語小学校高学年から

あやつられた学校(Mystery club)

ジリアン・クロス/作 ・ 安藤 紀子/訳

偕成社 (2000.11)

11歳の少女ダイナは2人の男の子のいるハンター家の里子になる。彼女に反感を持つロイドと優しいハービー。彼らの通う学校はとても妙だった。ロボットのように、規律正しく、みな同じ行動をする生徒たち。校長が催眠術で操っているのだ! ダイナは、兄弟ら仲間と一緒に、悪魔のような校長の野望を打ち砕く。痛快な学園物語。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

おへそのひみつ(かがくのとも傑作集)

やぎゅう げんいちろう/さく

福音館書店 (2000.11)

丸いおへそ、縦長のおへそ、いろんな形があるけれど、おへそって何だろう。お母さんと赤ちゃんをつなぐへその緒の役割や、おへその形になるまでを、シンプルで大胆なイラストと、子どもに語りかけるような文章で説明している。雷はおへそをとるのか、おへそのごまをとるとお腹が痛くなるのかなど、素朴な疑問にも答える。(幼児から)

知識の本中学生から

納豆はただものではない!(調べるっておもしろい!)

樋口 清美/著

アリス館 (2000.11)

「7月10日は納豆の日」という広告を見た著者は、納豆について調べ始める。高タンパクで、病原菌を押さえる力があるなど多くの効能をもつ納豆に、納豆の歌があったことも発見する。著者は、疑問に思うことは納得がいくまで追求している。納豆作りに挑戦した話や、納豆繊維の研究者に聞いた話などがわかりやすく書かれている。(中学生から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

子どもに語るトルコの昔話

児島 満子/編・訳

こぐま社 (2000.11)

トルコの伝説になっている人物ホジャがでてくる「ナスレッディン・ホジャのわらい話」など、お話15編を収録。民衆に親しまれ、今でも人々の格言となって生きている話もある。トルコの昔話を研究する編者がわかりやすく紹介し、語るのに最適な昔話集。ヨーロッパとアジアの文化の交流点トルコの異国情緒あふれる一冊。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ムッシュ・ムニエルのサーカス

佐々木 マキ/作

絵本館 (2000.1)

ヤギのムッシュ・ムニエルは魔術師。魔法の空飛ぶパイから落ちて、手品師の仕掛けを台なしにし、代わりにサーカスに出る。鶏を卵に変えて戻そうとしたら、お客が全員卵になり、お客を戻すと綱渡りの女性の足が伸び、と失敗の連続。コマ割りと吹き出しを駆使し、くっきりとした黒の輪郭に鮮やかな色使いの、ナンセンスな絵本。(幼児から)

物語小学校中学年から

ジャネットとアランのおはなし玉手箱

ジャネット・アルバーグ/絵と文 ・ アラン・アルバーグ/絵と文

朔北社 (2000.1)

ジャックという名の男の子たちのいたずらに、悩まされている巨人の家族がいた。ジャックお断り、の張り紙や「ジャック取り粉」も効果なし。奥さんは出て行くと言い出す始末。「ジャックと豆の木」のパロディ「いたずらジャック」など、ユーモアや皮肉たっぷりのお話6編。挿絵も、楽しい話の雰囲気をよく引き出している。(小学校中学年から)

知識の本小学校高学年から

学校は小鳥のレストラン(人と“こころ"のシリーズ 2)

漆原 智良/著

アリス館 (2000.1)

栃木県の農村に、20年ほど前から、近隣の林に「小鳥のレストラン」と名付けた巣箱を設置し、野鳥の観察を続けている小学校がある。廃校になる事は決まったが、「野鳥の学校」として残るよう、実のなる木を植えるなどの活動を行う。子どもたちが地域の人々と協力し、小鳥の住みよい環境づくりに工夫をこらす姿を温かく描く。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

口で歩く(おはなしプレゼント)

丘 修三/作 ・ 立花 尚之介/絵

小峰書店 (2000.1)

天気の良い日に、タチバナ青年は散歩に出かける。体が不自由なので、通りすがりの人に声をかけ、車輪をつけたベッドを押してもらうのだ。予備校生や老人など、人の手を借りることが出会いのきっかけにもなっている。ユニークな社会参加を試みる主人公に託して、人は皆支え合って生きている、という作者の思いを表現した一冊。

物語中学生から

ライアルと5つの魔法の歌

キャサリン・ロバーツ/著 ・ 吉田 利子/訳

サンマーク出版 (2000.1)

こだまの島に住む歌使いたちは、喜びや悲しみの感情を制御する5つの魔法の歌で、世界の秩序を守る。歌使いの少女ライアルは、人間に乱獲される半人半魚のマーリーたちを救う使節の一員として旅に出る。反発しあうライアルと少年ケロンが、黒幕の大僧正を倒すために協力し、お互いを認めあうようになるまでを感動的に描く。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

かたつむりハウス(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

アラン・アールバーグ/ぶん ・ ジリアン・タイラー/え

評論社 (2000.1)

おばあちゃんが孫たちをひざにお話します。「昔、3人のきょうだいがいてね、ある日、豆みたいに小さくなったので、家をこっそり抜け出して、カタツムリの家に住むことにしたの……。」子どもたちを主人公に、優しく言葉を交わしながら語られるお話です。花や草や虫など、自然をいきいきと映し出した絵とともに描かれています。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

パパが宇宙をみせてくれた

ウルフ・スタルク/作 ・ エヴァ・エリクソン/絵

BL出版 (2000.1)

「ウルフ、今から宇宙を見せに連れて行ってあげよう」ある日、パパが僕に言った。町の中を歩き、日が暮れた頃、近所の原っぱについた。そこで僕は一生忘れない体験をする。作者の少年時代の楽しい思い出。パステル調の淡い色彩と柔らかなタッチの絵が、過去の幸せな記憶をほのかに匂わせる。何げない親子の会話が魅力的。(幼児から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

きらぼしひめの物語ほか -おひめさまがいっぱいの物語-(評論社の児童図書館・文学の部屋)

ベリンダ・ダウンズ/刺繡 ・ アニー・ダルトン/再話

評論社 (2000.1)

動物の言葉を理解する若者が、アリやトラの助けを借りて、輝くように美しい姫と結婚する、インドのおとぎ話「きらぼしひめの物語」など、8つの世界中のお姫様の物語を、ユーモアに富んだ語りで描く物語絵本。お話の時代や舞台に合った、英国の刺しゅう芸術家ダウンズによる美しい布や糸で表現した絵が、鮮やかで目をひく。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

るんぷんぷん -昔話おとぎ話の行進-

ハンス・フィッシャー/作 ・ さとう わきこ/ことば

架空社 (2000.9)

「ブレーメンの音楽隊」などの動物が行進するフィッシャーの絵に、日本の絵本作家が楽しい言葉をつけた。表情豊かな動物たちが横長の見開きいっぱいに描かれている。「ドンドコ」「ポロポロ」などの言葉を使った文はリズム感があり、動きのある絵とよく合っている。絵だけ見ても楽しいし、言葉のおもしろさも味わえる。(幼児から)

物語小学校中学年から

おふろのなかからモンスター(世界の子どもライブラリー)

ディック・キング=スミス/作 ・ 金原 瑞人/訳

講談社 (2000.9)

カースティーが海岸で見つけて持ち帰った卵が、翌日風呂場でかえっていた。祖父のガミーによると、水馬という恐竜らしい。クルーソーと名づけたものの、それからが大変。何でも食べてどんどん大きくなるからだ。人なつこくて、愛すべき恐竜を無事に湖に放すまで、彼女たち一家が知恵を絞り、奮闘する姿を描く楽しい物語。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

満月をまって

メアリー・リン・レイ/ぶん ・ バーバラ・クーニー/え

あすなろ書房 (2000.9)

僕たち一家は山奥に住んでいる。父さんは木を編んで、かごを作り、満月の日に町へ売りに行く。9歳になった僕は、ついに町へ連れて行ってもらうが、自分たちがさげすまれていることを知る。ショックを受ける僕を支えたのは、周囲の人と「風の声」だった。百年以上前のアメリカ東部が舞台。厚みのある絵で山深い生活を描く。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ローザからキスをいっぱい

ペトラ・マザーズ/さく ・ えんどう いくえ/やく

BL出版 (2000.9)

母が入院し、ローザは一人で田舎のおばさんの家へ行った。いとこのビルギットと散歩したり、ブルーベリーを摘んでジャムを作ったり。手紙には必ずキスを添えて、お母さんを励ました。家族と一緒にクリスマスを過ごせるようになるまでの、寂しいが楽しくもある暮らしを、著者の経験を元に描く。丁寧な水彩画が温かみを添える。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

フンコロガシのフレッド、クワガタのパーティーへ行く

アンネ・マール/文 ・ ヴェレーナ・バルハウス/絵

徳間書店 (2000.9)

歌うことが好きなフレッドの友達は、ミミズのロルフだけ。ところがおじさんの遺した様々な模様の衣装を着ると、色々な虫に変身できて、一躍人気者に。憧れのクワガタからの招待で出かけたら、仮装舞踏会が開かれていた。うぬぼれやのクワガタに一矢報いるてん末が、痛快。鮮やかな色彩の楽しい絵も、お話を引き立てている。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

おさわがせなバーティくん

ケネス・グレアム/作 ・ アーネスト・H.シェパード/絵

徳間書店 (2000.9)

クリスマスが近い冬の夜、黒ブタのバーティは、退屈しのぎに友だちのウサギ2匹と街へ出かける。彼らはごちそうをもらえる事を期待し、人間の家の前で歌い出すが大失敗。その埋め合わせにモグラも誘ってパーティーを開くことにする。作者自身も登場する愉快な物語。愛らしく丁寧なペン画が、内容によく合っている。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ぶたのフレディ名探偵(子どもの文学・青い海シリーズ 13)

ウォルター・ブルックス/作 ・ 小沢 正/訳

童話館出版 (2000.9)

読書家のフレディは、ホームズに憧れて探偵を始めた。行方不明の子ウサギやおもちゃを見つけ、ずるいネズミの悪だくみを暴く。同じ農場に住む猫や牛たちに助けられ、変装して2本足で歩くなど苦労の末、愛敬のある駆け出し探偵が活躍する様を、表情豊かな絵を添えて描く。アメリカで約70年前に書かれた、のどかで愉快なお話。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ハーモニカのめいじんレンティル

ロバート・マックロスキー/ぶんとえ ・ まさき るりこ/やく

国土社 (2000.9)

歌が歌えず口笛も吹けないレンティルは、一心にハーモニカの練習に励んだ。ある日、町一番のお偉方が帰郷、町中の人が歓迎の支度をするが、苦虫じいさんの策略で楽団の演奏ができない。そこでレンティルが大活躍。力強い黒の鉛筆画で、アメリカの小さな町の一大事を、表情豊かに描き出す愉快な絵本。著者の自伝的作品。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

口笛ジャックをおいかけて(文研ブックランド)

L.ニューベリー/作 ・ 長滝谷 富貴子/訳

文研出版 (2000.8)

運河を船で旅しているジャックと犬のロジャーは、ふとしたことではぐれてしまう。ロジャーはジャックを探しまわるが、親切な人の助けで、かえってすれ違う。彼らが再会するまでをコミカルに描いた物語。イギリスの運河や船での暮らしを、温かな雰囲気の絵で表現している。人と犬との心の結びつきの深さも印象に残る。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ローワンと魔法の地図

エミリー・ロッダ/作 ・ さくま ゆみこ/訳

あすなろ書房 (2000.8)

村一番内気なローワンは、魔女と呼ばれるシバに地図を授けられ、川の水を取り戻すため、勇者たちと共に竜が住むと伝わる山に入った。しかし、数々の罠が行く手をさえぎり仲間はどんどん脱落していく。主人公が恐れながらも困難を乗り越え、目的を達するまでを描いた冒険物語。個性あふれる人物描写がより読者をひきつける。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ぼくとオーケストラ

アンドレア・ホイヤー/絵・文 ・ 宮原 峠子/訳

河合楽器製作所・出版事業部 (2000.8)

オーケストラの演奏当日、チェロ奏者のおじさんが、音楽好きのぼくをホールに連れていってくれた。本番前に、ホルンをはじめ演奏者の準備の光景や、裏方のスタッフの仕事ぶりを目にする。やがて演奏が始まり……。オーケストラに初めて出会った感動とともに、それに関わる人々や、楽器を温かみのある絵で描く。(小学校低学年から)

物語中学生から

ミルデンホールの宝物(評論社の児童図書館・文学の部屋)

ロアルド・ダール/作 ・ R.ステッドマン/絵

評論社 (2000.7)

地主に頼まれて畑を耕していたゴードンは、大きな皿を掘り当てた。埋蔵物に詳しいフォードに相談するが、それがローマ時代の銀器だと気づいた彼は、ゴードンの無知に付け込んで、宝を奪おうとする。1942年のイギリスの実話をもとにした物語。斬新なタッチの絵で、人間の純真さと欲深さを対照的に描き出した大型の本。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

おさんぽさえこちゃん

伊東 美貴/作・絵

偕成社 (2000.7)

さえこちゃんは、おばあちゃんや犬のペロとお散歩に。ペロの仲良しのロビィに会い、次はイス、スケッチブックと、道で見かけたものでしりとりを始めました。町の人達の細かな動作が生き生きと描かれた絵本で、散歩の様子もよく分かります。軽やかな、明るい色彩の絵の中に、しりとりの答えがあるので、一緒に探してみては。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

北の島だより(絵本図鑑シリーズ 21)

杣田 美野里/文と写真 ・ 中島 祥子/絵

岩崎書店 (2000.7)

日本最北端の島、礼文島。ここは、日本で一番遅く春が来て、一番早く秋が来る。季節によって変化する、島の花や生き物、風景、生活などを、豊富な写真と楽しいイラストで紹介する。カニ釣りや海水での塩作り、木の実のジャム作りやアイスキャンドル作りなど、四季の遊びを織り交ぜて、自然と共に暮らす楽しさを伝える。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

暗やみにかがやく巣 -グーズベリーパークの仲間たち-(文研じゅべにーる)

シンシア・ライアント/作 ・ 若林 千鶴/訳

文研出版 (2000.6)

町の公園に住むリスのスタンピィは、赤ちゃんと幸せに暮らしていたが、ある日氷あらしに襲われる。友達である犬のコナは、自らの危険も顧みず救助に向かう。知恵のあるヤドカリ、陽気なコウモリ、噂話の大好きなイタチなど魅力あふれる動物たちが登場し、ユ-モアいっぱいで楽しい本。友達を思う心の貴さも伝わってくる。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

空へつづく神話

富安 陽子/作 ・ 広瀬 弦/絵

偕成社 (2000.6)

『津雲の史蹟』という本を手にした理子の前に、地神だという白髪の神様が現れる。永い眠りについていたが、誰かに呼び起こされたと言う。本の背に記された蛾の模様と関係があるらしく、彼女はそれを調べ始めた。織り込まれた津雲(九十九)の歴史と伝説に謎を解く鍵が隠されている。愛敬のある神様と理子のやりとりも楽しい。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語幼児から

まほうのたいこ -シベリアの昔話-(世界傑作絵本シリーズ)

うちだ りさこ/ぶん ・ シェイマ・ソイダン/え

福音館書店 (2000.6)

夏に、霧深いツンドラで迷子になった女の子は、女の人に助けられ、海や山の幸いっぱいの穴の中ですごしていた。秋になって家へ帰る時、女の人から魔法の太鼓をもらう。祭りの日、女の子がうたいながらその太鼓を打つと……。鮮やかな色使いで、民族衣装や祭りの風景が、細かに描かれている。シベリアの昔話をもとにした絵本。(幼児から)

物語中学生から

ティーパーティーの謎(岩波少年文庫 051)

E.L.カニグズバーグ/作 ・ 小島 希里/訳

岩波書店 (2000.6)

毎週土曜にティーパーティーをするようになった6年生の4人は、担任の先生から「博学競技大会」の代表に選ばれる。大会の進行を描く導入部と、各自の独白部を絡ませて話は進む。ばらばらに思えた部分が徐々につながり、パズルがはまっていく面白さがある。それぞれが、お互いや自分の中に優しさを見いだしていく姿を描く。(中学生から)

物語中学生から

真夜中のパーティー(岩波少年文庫 042)

フィリパ・ピアス/作 ・ 猪熊 葉子/訳

岩波書店 (2000.6)

ハエの羽音で目を覚ましたチャーリーは、水を飲みに台所へ。そこにきょうだいが集まり、子ども4人の秘密のパーティーに、という表題作ほか7話を収めた短編集。心のかっとうや大人との関わりを透徹したまなざしで見つめ、子どもの日常に潜む小さなドラマを、淡々とした語り口でつづる。他社で絶版だったものが、復刊された。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

うちのペットはドラゴン

マーガレット・マーヒー/文 ・ ヘレン・オクセンバリー/絵

徳間書店 (2000.6)

ベルサーキ家のお父さんが、息子のペットに買ってきたのは、なんと小さなドラゴン。家族の自慢になるけれど、どんどん大きくなり、庭では飼えなくなってしまう。魔法の島に行くというドラゴンに誘われ、一家で遊びに行くことに。ごく普通の家族が、風変わりなペットを飼う、おかしな物語。表情豊かでユーモラスな絵で描く。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

ネコのミヌース

アニー・M.G.シュミット/作 ・ カール・ホランダー/絵

徳間書店 (2000.6)

内気な新聞記者ティベの元にやってきた、奇妙な若い女性ミヌース。ネコだった彼女の情報でティベの仕事はうまくいき、ある日町の有力者がかかわる事件の一端をつかむ。ネコたちの奔走を知り、ティベも真相を伝えようと奮起する。物知りで気丈なノラをはじめ、個性豊かなネコたちが活躍する、オランダの代表的作家の作品。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

エーミールと探偵たち(岩波少年文庫 018)

エーリヒ・ケストナー/作 ・ 池田 香代子/訳

岩波書店 (2000.6)

少年エーミールは、ベルリンにいる祖母を一人で訪ねることになった。母親から預かったお金をポケットにピンでとめて列車に乗るが、山高帽の男に盗まれてしまう。街で知り合ったグスタフやその仲間たちと協力して、犯人を捕まえるまでをユーモアを交えて生き生きと描く。古典的な作品の新訳版。登場人物の独特な口調も楽しい。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

かもとりごんべえ -ゆかいな昔話50選-(岩波少年文庫 013)

稲田 和子/編

岩波書店 (2000.6)

かもとりごんべえ昔話を訪ね歩いた経験をもつ著者が、聞いた昔話や数々の資料から編んだ日本の昔話集。凍った鴨を縄で腰に結わえたが、鴨が飛び立ち空に昇ったごんべえの話など、ほら話を中心に、動物昔話や神話が50話紹介されている。伝えられた話の多様さ、巧みに織りこまれた方言の豊かさ、添えられた解説が、語りの魅力をよく伝えている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

トロールのばけものどり(世界傑作絵本シリーズ)

イングリ・ドーレア/作 ・ エドガー・ドーレア/作

福音館書店 (2000.6)

オーラと3人の妹は森で大きなばけもの鳥に出くわした。馬を狙って家まで追ってきた鳥を、オーラは銀のボタンをこめたラッパ銃でしとめる。丸焼きにしてみんなで食べていると、飼い主のトロールがやってきて……。ノルウェーの民話をもとにした愉快な物語。赤と黄を印象的に使った色鮮やかな絵が、話の雰囲気をよく伝える。(幼児から)

物語小学校低学年から

くつなおしの店(世界傑作童話シリーズ)

アリスン・アトリー/さく ・ 松野 正子/やく

福音館書店 (2000.6)

ニコラスじいさんは、腕のいい靴職人だが、貧しく暮らしていた。ある日、孫のジャックの頼みで、足の不自由な少女ポリーの靴を作る。その余りの革で小さな人形の靴を作り、窓につるすと妖精がやってきて……。イギリスの古い村を舞台にした、美しい奇跡の物語。やわらかな色使いの絵も、おはなしの雰囲気をよく伝えている。(小学校低学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

アラジンと魔法のランプ

アンドルー・ラング/再話 ・ エロール・ル・カイン/絵

ほるぷ出版 (2000.6)

魔法のランプを手に入れたアラジンが、魔法使いの悪だくみに打ち勝って、皇帝の娘と幸せになる。千夜一夜物語の有名な一作を、細部を生かしながら、子どもにも読みやすく再話している。絵は、昔話の絵本化で定評のある、イギリスの画家ル・カイン。アラビア風の技法を用いた絵で、異国情緒をたっぷりと満喫できる。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

夢の守り人(偕成社ワンダーランド 23)

上橋 菜穂子/作 ・ 二木 真希子/絵

偕成社 (2000.6)

呪術師タンダは人の夢を糧とする「花の世界」に入り姪を救おうとするが、罠にかかり体が乗っ取られ、人鬼となってしまう。女用心棒バルサや仲間たちは、「花の世界」に捕らわれた人々やタンダを救出しようとする。彼らが知恵と勇気を振り絞って愛しい者を助けるまでの活躍を描くファンタジー。「守り人」三部作の完結編。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

悪者は夜やってくる

マーガレット・マーヒー/作 ・ 幾島 幸子/訳

岩波書店 (2000.5)

フォーンビーは、自分でお話を考えて本を書く宿題で、悪党スクウィジーがゲームを盗む話を思いつく。ところが主人公が現実に彼の前に現れて内容に口をはさんだり、妹が続きを横取りして書いたりと大混乱。結末はいかに。お話を創る楽しさに引き込まれていく少年の様子を、大人たちへの風刺も織り交ぜて描くユーモアいっぱいの本。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

ほら、きのこが…(たくさんのふしぎ傑作集)

越智 典子/文 ・ 伊沢 正名/写真

福音館書店 (2000.5)

雨あがり、土の中から顔を出すキノコたち。胞子が飛んで、菌糸をのばし、また新たなキノコが生まれる。栄養となるのは落ち葉や枯れ木、動物のふん、死がいなど。この本は、色鮮やかな美しい写真と、詩のようなリズムのある文章で、キノコの生態について書かれたもの。絵本仕立てだが76種類ものキノコが紹介されている。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

のはらクラブのこどもたち(おはなしパレード)

たかどの ほうこ/作

理論社 (2000.5)

ある日、野原を歩くのが好きなおばさんが、子どもたちと草花の話をしようと「のはらクラブ」を思いつく。8人の子どもが集まり、カーラちゃんがカラスノエンドウについてなど、それぞれがよく知っていることを話す。野草の名の由来や、草笛や草ずもうなど昔ながらの草花遊びが、豊富な絵で紹介されており、親子で楽しめる。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語幼児から

ヨッケリなしをとっといで -スイスのわらべうた-

フェリックス・ホフマン/え ・ おか しのぶ/やく

架空社 (2000.4)

「ヨッケリなしをとっといで」親方が言うが、ヨッケリは取ろうとしない。親方は犬にヨッケリを噛むように言うが犬は噛まず、次は棒に犬を打つように言うが棒も打たず……。繰り返しとリズムの良さが楽しいスイスの古詩。横長の小さな画面に、木版の絵で、ヨッケリや犬や棒など、登場するものをくっきりと、効果的に描く。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

きょうりゅうのたまご

なかがわ ちひろ/さく・え

徳間書店 (2000.4)

恐竜が大好きなぼくの部屋に、なくなった卵を探して本物の恐竜がやってきた。ぼくも一緒に、恐竜型の遊具でいっぱいの遊園地や、化石のある博物館の中を探し回る。ついには地面の奥までぐんぐん掘り進む。鮮やかな彩色の表情豊かな絵で、卵が見つかるまでの冒険を描く。工夫された構図が、子どもたちをひきつける絵本。(幼児から)

物語中学生から

時間だよ、アンドルー

メアリー・ダウニング・ハーン/作 ・ 田中 薫子/訳

徳間書店 (2000.4)

両親が外国に行く間、12歳のドルーは、叔母さんの家に預けられる。ある日、屋根裏で自分と瓜二つの少年アンドルーに出会う。そして、過去から来たひん死の彼を救うため、代わりに1910年へ行くことになる。憶病な少年が、対照的な性格の少年と入れ替わることで、自分自身を見つめ直し、成長する姿を描いた冒険ファンタジー。(中学生から)

物語小学校高学年から

おとぎばなしはだいきらい(チア・ブックス 9)

ジャクリーン・ウィルソン/作 ・ ニック・シャラット/絵

偕成社 (2000.4)

トレイシーは10歳の女の子。養護施設で暮らして、里親になってくれる人を捜している。ある日、作家のカムが雑誌の取材にやってきた。自分の記事を書いてもらおうと、彼女は躍起になるが……。強がってはいても、おとぎ話のように自分を愛してくれる家族を夢見ている少女を描く。ユーモラスな挿絵が話に彩りを添えている。(小学校高学年から)

物語中学生から

第八森の子どもたち(世界傑作童話シリーズ)

エルス・ペルフロム/作 ・ ペーター・ファン・ストラーテン/絵

福音館書店 (2000.4)

第二次大戦末期のオランダ。11歳のノーチェと父さんは、ドイツ軍に占領された町を出て森の中の農家に身を寄せた。抵抗運動をしていた若者をかくまい、森に隠れ住むユダヤ人一家の出産に立ち会いながら、農家の仕事を手伝う。少女の視点から淡々と語られる、日常生活の一つ一つのエピソードが、物静かに、だが深く心に迫る。(中学生から)

知識の本小学校低学年から

むしたちのさくせん(かがくのとも傑作集)

宮武 頼夫/文 ・ 得田 之久/絵

福音館書店 (2000.4)

敵から身を守るため、バッタやトンボは、自分そっくりの色をした葉や枝に隠れている。また、羽や前足を広げて脅かしたり、死んだふりをする虫もいる。このような虫の生態を、「作戦」という言葉を使い、子どもに話しかけるような形で紹介した絵本。明るい色彩で精密に描かれた絵が、虫たちの作戦の巧みさを具体的に伝える。(小学校低学年から)

歴史・伝記物語中学生から

正義をもとめて -日系アメリカ人フレッド・コレマツの闘い-(ノンフィクション・Books)

スティーヴン・A.チン/著 ・ 金原 瑞人/訳

小峰書店 (2000.3)

真珠湾攻撃後、アメリカ西海岸に住む日系アメリカ人は、強制収容所行きを命ぜられる。祖先が日本人というだけで、不当な行為を受け、犯罪者のように扱われた。フレッド・コレマツは、国家に、これは人種差別だと訴え「自由と平等」を勝ちとるため孤独な闘いに挑む。勇気をもって信念を貫くことの大切さを教えてくれる一冊。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ちいさいオーちゃん

エディス・ウンネルシュタード/文 ・ マイ・ファーゲルベリィ/絵

徳間書店 (2000.3)

夏休み、オーちゃんは家族と別荘に来ましたが、建て増しすることになり皆大忙し。誰も遊んでくれません。そこで皆を心配させようと木に登りますが……。仲間はずれにされた幼い子のちょっぴり悔しい気持ちと、それを家族に受けとめてもらい満足するまでの様子を、淡い色彩の温かみのある絵で描きます。スウェーデンの絵本。(小学校低学年から)

歴史・伝記物語中学生から

生きのびる -クラクフとユダヤ人-(母と子でみる 48)

田村 和子/文 ・ 山本 耕二/写真

草の根出版会 (2000.3)

第二次大戦中、ナチスはユダヤ人を絶滅させる政策を採用。ドイツ以外でも大量虐殺を行った。ポーランドの古都クラクフに留学した著者は、生きのびた人やその体験記に出会う。当時子どもだった人々が、家族から引き離され、死と隣り合わせの悲惨な現実を語る。虐げられ、差別される痛みを伝え、平和を訴えるシリーズの一冊。(中学生から)

物語小学校中学年から

うちのおばあちゃん

イルゼ・クレーベルガー/作 ・ ハンス・ベーレンス/さし絵

徳間書店 (2000.2)

ヤン達6人兄弟の自慢のおばあちゃんは、ローラースケートをしたり、冬の湖でおぼれた子を助けたり、すごくかっこいい。ヤンの家出や妹のブリギッテのはしかの話など、12のお話で大活躍。ユーモアにあふれ子どもの気持ちをよく理解し、時にはぴしりとしつけをする、おばあちゃんが魅力的。ドイツで長年読みつがれている本。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

おおきなのはら

ジョン・ラングスタッフ/文 ・ フョードル・ロジャンコフスキー/絵

光村教育図書 (2000.2)

日当たりのいい大きな野原には、様々な生き物が住んでいる。穴を掘るカメ、木の上で歌うコマドリなど、動物の親子のやりとりを順に描いた絵本。2色と多色で交互に配された美しい絵は、動きがあり、ほほえましい。1から10まで子どもの数が増えていく数え歌のような形で、リズム感があり、読み聞かせにむいている。(幼児から)

物語中学生から

てのひらに毛がはえるとき

ジャン・マーク/著 ・ 三辺 律子/訳

パロル舎 (2000.1)

授業の脱線時間と延長時間、一週間でどちらが多く貯まるか、クラス全員で賭けをすることになった。お互い自分の賭けた方が有利になるように授業の邪魔をしたり、無理に引き伸ばしたり。授業時間をめぐって大騒ぎする「時間でかせげ」ほか1編を収録。ともに、個性豊かな子どもたちが学校を舞台に繰り広げる騒動を描く。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ぼくのいぬがまいごです!

エズラ・ジャック・キーツ/作・絵 ・ パット・シェール/作・絵

徳間書店 (2000.1)

ホワニートはニューヨークに引っ越してきたばかり。スペイン語しか話せないので、友達が出来るか心配だった。その上飼い犬までがいなくなり、捜しに出かける。途中で会った様々な人種の子どもに助けられ、犬を捜し出すまでをいきいきと描いた話。黒と赤の2色使いの素朴な絵が、たくましい子どもたちを巧みに表現している。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

チャールズのおはなし(世界傑作童話シリーズ)

ルース・エインズワース/さく ・ 上条 由美子/やく

福音館書店 (2000.1)

4歳のチャールズは、何でも集めるのが好き。ある日、おじいさんのたき火がくすぶっていたので、たき付けに集めた松ぼっくりをあげ、お礼に素敵なボートをもらう。他にも、ぬいぐるみが泊まりに来た日や、パーティーが待ち遠しい朝など、無邪気な子どもの日常を描いた12編のお話集。母との会話が楽しく、読み聞かせにも最適。(小学校低学年から)

知識の本幼児から

かさぶたくん(かがくのとも傑作集)

やぎゅう げんいちろう/さく

福音館書店 (2000.1)

けがをした時にできる「かさぶた」。かゆいし、ざらざらしていて、取りたくなる。いったい、何で出来ていて、どんな働きがあるのだろう。日常、気にもとめない体の不思議なしくみを、単純だがインパクトのある絵と、ユーモラスな会話調の文章で、紹介した絵本。素朴な疑問から始まる子どもたちの好奇心を満たしてくれる。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

雪のかえりみち(えほん・ハートランド 28)

藤原 一枝/作 ・ はた こうしろう/絵

岩崎書店 (2000.1)

大雪になりそうなので、授業は昼まで。帰りのバスを待っていると、なんだか不安になってきた。雪はどんどん降ってくるし、子どもは僕一人。親切な人に励まされ、優しいおばさんに手袋をもらい、やっと家にたどり着いた。不安な様子と、ほっとした気持ちがよく伝わってくる。軽妙なタッチのかわいい絵で、温かみのある絵本。(小学校低学年から)

物語中学生から

ルールをやぶれ!

サンドラ・グローバー/著 ・ シェリー佐藤/訳

星の環会 (1999.12)

里親と暮らす14歳のス-ジ-は、職業体験先の老人ホ-ムで、老人たちが大切に扱われていないことを知る。彼らが生きる意欲や人間としての尊厳を取り戻すことを願い、彼女は行動を起こす。問題児の彼女が介護の体験を通して、人を思いやる心を育て、社会に目を向け、自己を確立していく姿を周囲の人との関わりを交えて描く。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

うたいましょうおどりましょう(あかねせかいの本)

ベラ B.ウィリアムズ/作・絵 ・ 佐野 洋子/訳

あかね書房 (1999.12)

おばあちゃんが病気なので、家族が集まるいすも、皆で小銭をためている瓶も空っぽ。家の中が寂しいと感じた私は、元気なころのように瓶をいっぱいにしようと、友達4人で楽団を作ることを思い付く。淡々とした少女の語りと水彩の絵から、おばあちゃんを心配し、元気になってもらおうと頑張る子どもたちの姿が伝わってくる。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

「イグルー」をつくる

ウーリ・ステルツァー/写真と文 ・ 千葉 茂樹/訳

あすなろ書房 (1999.12)

イグルーとは、イヌイットという狩猟民族が住んでいた雪で作った家のこと。トゥーキルキー親子は、今でも猟の時、テント代わりに作る。ナイフとノコギリで雪のブロックを切り出し、渦巻き状に積んでいく過程が、白黒の写真と簡潔な説明とで紹介されている。思わず作ってみたくなるほど引き付けられる、魅力のある一冊。(小学校中学年から)

知識の本小学校高学年から

ウミガメの旅 -太平洋2万キロ-(地球ふしぎはっけんシリーズ 2)

香原 知志/著 ・ 亀崎 直樹/監修

ポプラ社 (1999.12)

日本で生まれたアカウミガメの子は、暖流に乗り、遠く離れたメキシコの豊かな海を目指す。そこで成長したカメは産卵のため日本へ帰る。それは2万キロの旅だ。何百万年もの歴史を持つウミガメの謎や、生態についてわかりやすく書かれた本。7種類いるウミガメの口の形が食べる物によって違うことなど、いろいろと興味深い。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

オールド・ブルー -世界に1羽の母鳥-

メアリ・テイラー/作 ・ 百々 佑利子/訳

さ・え・ら書房 (1999.12)

ブラックロビンは、ニュージーランド東方のチャタム島にのみ生息する鳥。だが、人間の開拓によって、5羽だけになってしまった。絶滅の危機にひんした時、ブルーと名付けられた年とった雌鳥は、突然連れ合いを変え、卵を産み始める。種を守るため、懸命な努力をした研究者たちとブルーの姿を、精密な絵で描いた大判の本。(小学校中学年から)

物語中学生から

ハリー・ポッターと賢者の石([「ハリー・ポッター」シリーズ] [1])

J.K.ローリング/作 ・ 松岡 佑子/訳

静山社 (1999.12)

孤児のハリーは、11歳の誕生日に魔法学校の入学通知を受け取り、自分に思いもよらぬ力があると知った。そして、永遠の命を与える「賢者の石」を守ろうと、級友や先生の助けを借り、両親を殺した闇の魔法使いと対決する。英国伝統の寄宿舎をモデルに、魔法界のスポーツや不思議な道具が続出し、一気に読ませるファンタジー。(中学生から)

知識の本小学校中学年から

ただいまお仕事中 -大きくなったらどんな仕事をしてみたい?-

おち とよこ/文 ・ 秋山 とも子/絵

福音館書店 (1999.11)

おもちゃ屋、モデル、刑事等、28種類の職業を、大判のページに見開きで紹介する。花屋は見た目はきれいだが、肉体労働で、冬は水が冷たい。歌手には、声を守る七つ道具があるなど、現場の声を取り上げていて、興味深い。対話型の文章と、動きのある絵で、生き生きと仕事の様子が伝わってくる。どこから読んでも楽しめる本。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ロバになったトム

アン・ロレンス/作 ・ イオニクス/挿絵

徳間書店 (1999.11)

怠け者のトムは、妖精から贈り物としてまじないをかけられる。そのため夜明けに始めた事は日暮れまで終わらず、また旅先で会ったジェニファーの一言でロバの姿になってしまう。賢く働き者の彼女に助けられつつ、トムはまじないを上手に使い、商売を始めて、成長してゆく。しっかりした構成を持つ、昔話風の機知に富む物語。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

ぼくは農家のファーブルだ -トマトを守る小さな虫たち-(イワサキ・ライブラリー 7)

谷本 雄治/著

岩崎書店 (1999.11)

温室でのトマト作りにおいて、害虫対策は悩みの種。農家の石川さんは、農薬を使わず、「虫で虫をやっつける」という、安全で自然な天敵農法に挑戦している。失敗を繰り返しながらも、専門家顔負けの研究心と、地道な観察や実験で生まれるアイデアを生かし、野菜作りに励む。意欲的に新しい農業に取り組む姿勢に共感できる。(小学校中学年から)

歴史・伝記物語中学生から

ヘレン・ケラーを支えた電話の父・ベル博士

ジュディス・セントジョージ/著 ・ 片岡 しのぶ/訳

あすなろ書房 (1999.11)

ヘレン・ケラーを、闇の世界から救おうとした人の中に、グラハム・ベルがいた。耳の不自由な母と妻のいるベルは聴覚障がい者教育に一生を捧げた。彼はヘレンとアニー・サリヴァンを引き合わせ、彼女たちと障がい者の自立を目指す親友となった。あまり知られていないベルとヘレンの親交を軸に、二人の人生をより鮮明に描き出す。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

あかてぬぐいのおくさんと7にんのなかま(世界傑作絵本シリーズ)

イ ヨンギョン/ぶん・え ・ かみや にじ/やく

福音館書店 (1999.11)

昔、赤てぬぐいをかぶった裁縫の上手な奥さんがいた。ある日奥さんの昼寝中に、物差しや針などが、針仕事がうまくできるのは自分のおかげだと言い合う。ところが、奥さんに私の腕がいいのだと怒られしょんぼりする……。奥さんも道具も皆大切だと分かって仲直りする、心温まる韓国の絵本。鮮やかな色彩の表情豊かな絵で楽しめる。(幼児から)

知識の本中学生から

生きもののおきて(ちくまプリマーブックス 133)

岩合 光昭/著

筑摩書房 (1999.11)

ヌー(牛の仲間)に食らいつく雌ライオンたち。透き通った青空と緑の大地とキリンの一群。アフリカの広大なサバンナを、そこで暮らす動物写真家の目から紹介する。著者は野生動物の生から、人知を超えた掟のようなものを感じるという。60枚の写真は動物の生態を様々な角度から捉えており、彼の話を一層引き立たせる。(中学生から)

絵本/絵童話小学校中学年から

大森林の少年

キャスリン・ラスキー/作 ・ ケビン・ホークス/絵

あすなろ書房 (1999.11)

実話に基づいた古きアメリカの物語。10歳のマーベンは、伝染病の猛威から逃れて、家族を残し一人で、北部の大森林の伐採場に向かった。伝票整理の仕事にも慣れ、きこり達の話すフランス語を覚えて仲間になる。雪解け前に帰郷した彼を、家族全員が無事で迎えた。少年の不安と喜び、自立を、色鮮やかな絵で描いた大型の絵本。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語小学校低学年から

子どもに語るアイルランドの昔話

渡辺 洋子/編訳 ・ 茨木 啓子/編訳

こぐま社 (1999.11)

物語の宝庫と言われるアイルランドで、主に村の語り手が語った話を編集し、原文を尊重して子どもに分かりやすく訳した民話集。赤ん坊を育てるために、雌牛をさらう妖精の話や、ジャックという仕立屋が、3人の大男をやっつける話など14話を収める。不思議な世界の住人が多数登場し、昔話の面白さを満喫させてくれる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

おしゃまなリリーとおしゃれなバッグ

ケビン・ヘンクス/作 ・ いしい むつみ/訳

BL出版 (1999.1)

リリーはスリンガー先生が大好き。でもある日、新しいバッグやメガネを、学校で見せびらかそうとして取り上げられた。怒って悪口を描いた絵を先生のかばんに入れたが、先生の優しさに触れ猛反省。子どもによくある経験を、両親や先生に温かく見守られる元気な子ネズミの姿に託して描く。鮮やかな彩色の軽妙なペン画も愉快。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

おさるのジョージゆめをみる

M.レイ/原作 ・ H.A.レイ/原作

岩波書店 (1999.1)

子猿のジョージは、とても知りたがりや。ある日、チョコレート工場に行き、チョコレートの作り方が知りたくなる。そこで、機械の中をのぞこうとして皆を混乱させるが、4本の手足で箱づめを助ける。表情豊かな絵で、無邪気な子どもらしさが伝わってくる絵本。「ひとまねこざる」でおなじみのキャラクターをもとに、著者のレイ夫妻の死後作られた全8冊のシリーズ。映画館の映写室に入り込んだり、気球のロープを登ったり、好奇心から様々な騒ぎを引き起こすが、最後は皆を楽しませたり助けたりと、どれも満足感のあるほのぼのとしたお話。『おさるのジョージどうぶつえんへいく』、『おさるのジョージききゅうにのる』、『おさるのジョージえいがをみる』、『おさるのジョージこいぬをかう』、『おさるのジョージスキーをする』、『おさるのジョージパンケーキをつくる』、『おさるのジョージゆめをみる』 (幼児から)

絵本/絵童話幼児から

おさるのジョージパンケーキをつくる

M.レイ/原作 ・ H.A.レイ/原作

岩波書店 (1999.1)

子猿のジョージは、とても知りたがりや。ある日、チョコレート工場に行き、チョコレートの作り方が知りたくなる。そこで、機械の中をのぞこうとして皆を混乱させるが、4本の手足で箱づめを助ける。表情豊かな絵で、無邪気な子どもらしさが伝わってくる絵本。「ひとまねこざる」でおなじみのキャラクターをもとに、著者のレイ夫妻の死後作られた全8冊のシリーズ。映画館の映写室に入り込んだり、気球のロープを登ったり、好奇心から様々な騒ぎを引き起こすが、最後は皆を楽しませたり助けたりと、どれも満足感のあるほのぼのとしたお話。『おさるのジョージどうぶつえんへいく』、『おさるのジョージききゅうにのる』、『おさるのジョージえいがをみる』、『おさるのジョージこいぬをかう』、『おさるのジョージスキーをする』、『おさるのジョージパンケーキをつくる』、『おさるのジョージゆめをみる』 (幼児から)

絵本/絵童話幼児から

おさるのジョージスキーをする

M.レイ/原作 ・ H.A.レイ/原作

岩波書店 (1999.1)

子猿のジョージは、とても知りたがりや。ある日、チョコレート工場に行き、チョコレートの作り方が知りたくなる。そこで、機械の中をのぞこうとして皆を混乱させるが、4本の手足で箱づめを助ける。表情豊かな絵で、無邪気な子どもらしさが伝わってくる絵本。「ひとまねこざる」でおなじみのキャラクターをもとに、著者のレイ夫妻の死後作られた全8冊のシリーズ。映画館の映写室に入り込んだり、気球のロープを登ったり、好奇心から様々な騒ぎを引き起こすが、最後は皆を楽しませたり助けたりと、どれも満足感のあるほのぼのとしたお話。『おさるのジョージどうぶつえんへいく』、『おさるのジョージききゅうにのる』、『おさるのジョージえいがをみる』、『おさるのジョージこいぬをかう』、『おさるのジョージスキーをする』、『おさるのジョージパンケーキをつくる』、『おさるのジョージゆめをみる』 (幼児から)

絵本/絵童話幼児から

おさるのジョージこいぬをかう

M.レイ/原作 ・ H.A.レイ/原作

岩波書店 (1999.1)

子猿のジョージは、とても知りたがりや。ある日、チョコレート工場に行き、チョコレートの作り方が知りたくなる。そこで、機械の中をのぞこうとして皆を混乱させるが、4本の手足で箱づめを助ける。表情豊かな絵で、無邪気な子どもらしさが伝わってくる絵本。「ひとまねこざる」でおなじみのキャラクターをもとに、著者のレイ夫妻の死後作られた全8冊のシリーズ。映画館の映写室に入り込んだり、気球のロープを登ったり、好奇心から様々な騒ぎを引き起こすが、最後は皆を楽しませたり助けたりと、どれも満足感のあるほのぼのとしたお話。『おさるのジョージどうぶつえんへいく』、『おさるのジョージききゅうにのる』、『おさるのジョージえいがをみる』、『おさるのジョージこいぬをかう』、『おさるのジョージスキーをする』、『おさるのジョージパンケーキをつくる』、『おさるのジョージゆめをみる』 (幼児から)

絵本/絵童話幼児から

おさるのジョージえいがをみる

M.レイ/原作 ・ H.A.レイ/原作

岩波書店 (1999.1)

子猿のジョージは、とても知りたがりや。ある日、チョコレート工場に行き、チョコレートの作り方が知りたくなる。そこで、機械の中をのぞこうとして皆を混乱させるが、4本の手足で箱づめを助ける。表情豊かな絵で、無邪気な子どもらしさが伝わってくる絵本。「ひとまねこざる」でおなじみのキャラクターをもとに、著者のレイ夫妻の死後作られた全8冊のシリーズ。映画館の映写室に入り込んだり、気球のロープを登ったり、好奇心から様々な騒ぎを引き起こすが、最後は皆を楽しませたり助けたりと、どれも満足感のあるほのぼのとしたお話。『おさるのジョージどうぶつえんへいく』、『おさるのジョージききゅうにのる』、『おさるのジョージえいがをみる』、『おさるのジョージこいぬをかう』、『おさるのジョージスキーをする』、『おさるのジョージパンケーキをつくる』、『おさるのジョージゆめをみる』 (幼児から)

絵本/絵童話幼児から

おさるのジョージチョコレートこうじょうへいく

M.レイ/原作 ・ H.A.レイ/原作

岩波書店 (1999.1)

子猿のジョージは、とても知りたがりや。ある日、チョコレート工場に行き、チョコレートの作り方が知りたくなる。そこで、機械の中をのぞこうとして皆を混乱させるが、4本の手足で箱づめを助ける。表情豊かな絵で、無邪気な子どもらしさが伝わってくる絵本。「ひとまねこざる」でおなじみのキャラクターをもとに、著者のレイ夫妻の死後作られた全8冊のシリーズ。映画館の映写室に入り込んだり、気球のロープを登ったり、好奇心から様々な騒ぎを引き起こすが、最後は皆を楽しませたり助けたりと、どれも満足感のあるほのぼのとしたお話。『おさるのジョージどうぶつえんへいく』 、『おさるのジョージききゅうにのる』、『おさるのジョージえいがをみる』、『おさるのジョージこいぬをかう』、『おさるのジョージスキーをする』、『おさるのジョージパンケーキをつくる』、『おさるのジョージゆめをみる』 (幼児から)

絵本/絵童話幼児から

おさるのジョージききゅうにのる

M.レイ/原作 ・ H.A.レイ/原作

岩波書店 (1999.1)

子猿のジョージは、とても知りたがりや。ある日、チョコレート工場に行き、チョコレートの作り方が知りたくなる。そこで、機械の中をのぞこうとして皆を混乱させるが、4本の手足で箱づめを助ける。表情豊かな絵で、無邪気な子どもらしさが伝わってくる絵本。「ひとまねこざる」でおなじみのキャラクターをもとに、著者のレイ夫妻の死後作られた全8冊のシリーズ。映画館の映写室に入り込んだり、気球のロープを登ったり、好奇心から様々な騒ぎを引き起こすが、最後は皆を楽しませたり助けたりと、どれも満足感のあるほのぼのとしたお話。『おさるのジョージどうぶつえんへいく』、『おさるのジョージききゅうにのる』、『おさるのジョージえいがをみる』、『おさるのジョージこいぬをかう』、『おさるのジョージスキーをする』、『おさるのジョージパンケーキをつくる』、『おさるのジョージゆめをみる』 (幼児から)

絵本/絵童話幼児から

おさるのジョージどうぶつえんへいく

M.レイ/原作 ・ H.A.レイ/原作

岩波書店 (1999.1)

子猿のジョージは、とても知りたがりや。ある日、チョコレート工場に行き、チョコレートの作り方が知りたくなる。そこで、機械の中をのぞこうとして皆を混乱させるが、4本の手足で箱づめを助ける。表情豊かな絵で、無邪気な子どもらしさが伝わってくる絵本。「ひとまねこざる」でおなじみのキャラクターをもとに、著者のレイ夫妻の死後作られた全8冊のシリーズ。映画館の映写室に入り込んだり、気球のロープを登ったり、好奇心から様々な騒ぎを引き起こすが、最後は皆を楽しませたり助けたりと、どれも満足感のあるほのぼのとしたお話。『おさるのジョージどうぶつえんへいく』、『おさるのジョージききゅうにのる』、『おさるのジョージえいがをみる』、『おさるのジョージこいぬをかう』、『おさるのジョージスキーをする』、『おさるのジョージパンケーキをつくる』、『おさるのジョージゆめをみる』 (幼児から)

物語中学生から

穴(ユースセレクション)

ルイス・サッカー/作 ・ 幸田 敦子/訳

講談社 (1999.1)

不運な一家の四代目、スタンリーは無実の罪で砂漠にある施設に送られる。毎日穴を掘り続ける決まりには何か訳がありそう。そんなある日仲間のゼロが逃げ出した。少年は過酷な状況の中で、自己を見つめ、希望を捨てず、命をかけて友を助けようと脱出を図る。一族の不運を覆すまでを、昔の因縁を織り混ぜて描く痛快な冒険物語。(中学生から)

物語小学校低学年から

ふゆのものがたり(世界傑作童話シリーズ)

ルース・エインズワース/作 ・ 河本 祥子/訳・絵

福音館書店 (1999.1)

毎夜窓をたたく何かに気づき、ダークは目を覚ます。だが両親には夢を見たのだと信じてもらえない。友達がほしくて会いに来ていたという孤独なトナカイと仲良くなるが、ある日、背に乗った途端、山奥に連れ去られる。ダークは帰りたいと頼むが……。少年の多感な心の動きを、トナカイとの交流を通して描いた不思議な物語。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

バレエをおどりたかった馬(世界傑作童話シリーズ)

H・ストルテンベルグ/作 ・ 菱木 晃子/訳

福音館書店 (1999.1)

田舎に住む馬は、初めて見たバレエにうっとり。町のバレエ学校に通い、努力の末に最優秀で卒業するが、劇場では「馬はいらん」と雇ってくれない。故郷からの電話を機に、馬は応援してくれた大家さんたちと帰郷し、友達の動物達に美しい踊りを披露する。ユーモラスな会話と、純朴な馬を受け入れる周囲の温かさが印象的。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

黒ねこのおきゃくさま(世界傑作童話シリーズ)

ルース・エインズワース/作 ・ 荒 このみ/訳

福音館書店 (1999.1)

ある雪の夜、貧しいおじいさんの家に、みすぼらしい黒猫がやってきた。ミルクやパンをあげるが、猫は足りないと鳴き、家中の物をすっかり食べてしまう。翌朝、出て行く猫は、見送るおじいさんを振り返り……。優しい老人と不思議な猫の、心温まる魔法の物語。柔らかな色調と細やかな筆使いの、丁寧な絵が添えられている。(小学校低学年から)

知識の本小学校高学年から

ぼくたちのまちづくり 4 楽しいまちなみをつくる

福川 裕一/文 ・ 青山 邦彦/絵

岩波書店 (1999.9)

先生と小学生との対話形式で、町づくりを考える全4冊のシリ-ズ。この巻では、京都やベネチアなど魅力的で住み良い町並みには、狭い敷地を有効に利用し、道に沿って軒を連ねた町家が多い理由が分かる。2巻目からは、駄菓子屋の店じまいを機に商店街の活性化、川の変化から環境問題、そして空き地での実際の町並みづくりといった、町の発展と共に生じる問題を考えていく。都市計画の専門家である著者が、町づくりの現在の課題と最先端の事例を、易しい言葉で紹介している。また、元建築家の描く挿絵や図解が豊富で、読者の理解を助ける。(小学校高学年から)

知識の本小学校高学年から

ぼくたちのまちづくり 3 まちに自然をとりもどそう

福川 裕一/文 ・ 青山 邦彦/絵

岩波書店 (1999.9)

先生と小学生との対話形式で、町づくりを考える全4冊のシリ-ズ。この巻では、京都やベネチアなど魅力的で住み良い町並みには、狭い敷地を有効に利用し、道に沿って軒を連ねた町家が多い理由が分かる。2巻目からは、駄菓子屋の店じまいを機に商店街の活性化、川の変化から環境問題、そして空き地での実際の町並みづくりといった、町の発展と共に生じる問題を考えていく。都市計画の専門家である著者が、町づくりの現在の課題と最先端の事例を、易しい言葉で紹介している。また、元建築家の描く挿絵や図解が豊富で、読者の理解を助ける。(小学校高学年から)

知識の本小学校高学年から

ぼくたちのまちづくり 2 商店街を救え

福川 裕一/文 ・ 青山 邦彦/絵

岩波書店 (1999.9)

先生と小学生との対話形式で、町づくりを考える全4冊のシリ-ズ。この巻では、京都やベネチアなど魅力的で住み良い町並みには、狭い敷地を有効に利用し、道に沿って軒を連ねた町家が多い理由が分かる。2巻目からは、駄菓子屋の店じまいを機に商店街の活性化、川の変化から環境問題、そして空き地での実際の町並みづくりといった、町の発展と共に生じる問題を考えていく。都市計画の専門家である著者が、町づくりの現在の課題と最先端の事例を、易しい言葉で紹介している。また、元建築家の描く挿絵や図解が豊富で、読者の理解を助ける。(小学校高学年から)

知識の本小学校高学年から

ぼくたちのまちづくり 1 ぼくたちのまち世界のまち

福川 裕一/文 ・ 青山 邦彦/絵

岩波書店 (1999.9)

先生と小学生との対話形式で、町づくりを考える全4冊のシリ-ズ。この巻では、京都やベネチアなど魅力的で住み良い町並みには、狭い敷地を有効に利用し、道に沿って軒を連ねた町家が多い理由が分かる。2巻目からは、駄菓子屋の店じまいを機に商店街の活性化、川の変化から環境問題、そして空き地での実際の町並みづくりといった、町の発展と共に生じる問題を考えていく。都市計画の専門家である著者が、町づくりの現在の課題と最先端の事例を、易しい言葉で紹介している。また、元建築家の描く挿絵や図解が豊富で、読者の理解を助ける。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

葉の裏で冬を生きぬくチョウ -ウラギンシジミ10年の観察-(わたしの研究 6)

高柳 芳恵/文 ・ 村山 純子/絵

偕成社 (1999.9)

ウラギンシジミは、成虫のまま葉の裏につかまって厳しい冬を越す。そのチョウを主婦が10年の間、観察・飼育した記録。冬越しへの太陽や風の影響、透明なパックの裏側から見た幼虫からさなぎへの変化等が、豊富な写真と詳しい絵で紹介される。目で見た事実を記録し、疑問点は更に観察していくという姿勢が貫かれている。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

つきにでかけたおんなのこ

ジェラール・フランカン/さく ・ ほりえ としゆき/やく

フレーベル館 (1999.9)

夢見がちで、家族からは「また月に行ってる」と決まり文句でからかわれている女の子。そんなに言うなら、と腹を立て、本当に月に行ってしまう。月では変わった友達もでき、楽しく暮らしたが、家族のことが気になって、やっぱり家に帰ることにする。風変わりな話を、筆の柔らかなタッチで描き出した、黄色が印象的な絵本。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

あと10ぷんでねるじかん

ペギー・ラスマン/作・絵 ・ ひがし はるみ/訳

徳間書店 (1999.9)

「あと10分で寝る時間」と父さんが言った時、ぼくの家にハムスターの大家族がやって来た。わが家のハムスターが呼んだらしい。おやつを食べたり、ハミガキをしたり……。おまけにどんどん増えてきて、あちこちで大騒ぎ。寝る時間には、寝室中ハムスターだらけに。明るい水彩の絵に、遊び心がたっぷりの、絵を読む絵本。(幼児から)

物語中学生から

ハルモニの風(心にのこる文学 39)

堀内 純子/作 ・ 山中 冬児/画

ポプラ社 (1999.9)

1945年ソ連軍の侵攻により、満州の日本人学校に通う14才のヘジャの平穏な生活は一変する。家を捨て友人と別れ、家族と祖国に向かう旅が始まる。朝鮮人でありながら日本人として生きてきた彼女は、様々な人と出会い民族意識にめざめる。人を思いやる事をハルモニ(おばあさん)から学び、平和を願って懸命に生きる姿を描く。(中学生から)

物語中学生から

マリーを守りながら

ケヴィン・ヘンクス/作 ・ 多賀 京子/訳

徳間書店 (1999.8)

12歳のファニーは、大切な紙の人形マリーを捨てられそうになったり、飼っていた子犬をよそへやられたりと、気難しい画家のパパに不信感を募らせていた。だが、パパが連れてきた犬のディナーにより、二人に信頼が芽生え始める。互いを大切に思う故に、すれ違ってしまう父娘の感情のもつれや変化を細やかに描いた心温まる一冊。(中学生から)

物語小学校中学年から

ロックフォール団のねずみたち

サンディ・クリフォード/作・絵 ・ 本間 裕子/訳

徳間書店 (1999.8)

お嬢さんネズミのニコルは、いなくなった双子の子ネズミを探しに、恐ろしいうわさのある原っぱへやって来た。ロックフォール団と名乗る3匹のネズミに出会い、彼らの協力で、冒険の末、双子を助け出す。街の片隅で暮らす気の良いネズミたちの、そう快な物語。著者の挿絵でネズミたちの様子がより具体的に伝わってくる。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

みみずのカーロ -シェーファー先生の自然の学校-

今泉 みね子/著 ・ 中村 鈴子/画

合同出版 (1999.8)

ドイツのメルディンガー小学校には、ゴミ箱が1つしかない。ゴミについて学習を繰り返し、子どもたちがゴミを出さなくなったからだ。カーロと名付けたミミズがゴミを土に還す様子を観察したり、川岸に木を植えたり。子どもと自然の関わりを大切にする先生が、地域の人達とともに続ける環境教育について、具体的に書いた本。(小学校高学年から)

物語中学生から

勇者の剣(レッドウォール伝説)

ブライアン・ジェイクス/作 ・ ゲリー・チョーク/挿絵

徳間書店 (1999.7)

ネズミたちが平和に暮らすレッドウォール修道院を、残忍なドブネズミ〈鞭のクルーニー〉軍団が襲う。敵を倒す為に必要な、伝説の勇者の剣を探し、修道士の若いネズミ、マサイアスは冒険を始める。仲間のアナグマやリスなどが個性を生かし繰り広げる、機知に富む攻防の様子を織り混ぜて、主人公の成長を描く。骨太な物語。(中学生から)

絵本/絵童話小学校低学年から

アーサーのペット屋さん(アーサーとなかまたちシリーズ)

マーク・ブラウン/作 ・ ふたみ あやこ/訳

青山出版社 (1999.7)

子犬を飼いたいアーサーは、両親に世話ができることを認めてもらうために、ペットを預かる仕事を思いつく。最初に頼まれたパーキーは手のかかる犬だが懸命に世話をする。返す日に子犬を生んだので、飼い主からお礼に子犬までもらって大喜び。明るく親しみの持てる絵と簡潔な文とによる、アリクイのアーサーシリーズの一冊。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

水晶さがしにいこう -ひけつとこころえ-(絵本・ふしぎはたのしい)

関屋 敏隆/作

童心社 (1999.7)

水晶マニアのじいちゃん、父ちゃん、そして三代目の僕。今日は3人で水晶山に行く。一日探し歩いてついに、がま(水晶の集まっている穴)を見つけた! 苦労しながらも楽しんでいる様子が、目の細かい布地に描きこまれている。7つ道具や秘訣と心得、水晶の形と色なども紹介されている、著者の体験をもとにした楽しい物語。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

ウエズレーの国

ポール・フライシュマン/作 ・ ケビン・ホークス/絵

あすなろ書房 (1999.6)

はみだしっこのウエズレーは、夏休みの自由研究に自分だけの文明を作ることを思いつく。独自の作物から洋服や遊びをつくりだし、庭を「ウエズランディア」と名付け、文字を作った。そのうちみんながひきこまれて仲間になる。鮮やかな色と工夫された構図の絵が、彼の国をリアルに描きだす。テンポの良い独創的な作品。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ショーティーとねこ(日本傑作絵本シリーズ)

バーナディン・クック/ぶん ・ 小風 さち/やく

福音館書店 (1999.6)

子犬のショーティーは、同じ家に住む猫と仲良しで、いつも一緒です。でも台所の隅に箱が置かれてから、猫は中に入ったきり。箱に近付くと追い払われてしまいます。ある日、隙を見て中をのぞくと子猫がいました。やさしい文章と、墨の輪郭に落ち着いた彩色の絵で、猫は迫力満点に、ショーティーは表情豊かに描かれています。(幼児から)

物語小学校高学年から

ひみつの友だち

エリザベス・レアード/作 ・ ジェイソン・コックロフト/挿絵

徳間書店 (1999.6)

ルーシーは中学校入学式の朝、ラファエラの大きく目立つ耳のことをからかった。それがきっかけで彼女を孤立させてしまう。だが、学校外では親しくし、特別な友達になる。彼女の死後ルーシーが、罪の意識に苦しみながらも、ラファエラの家族の愛情に救われ、乗り越えてゆく姿を丹念に描く。二人の友情を育む様子が心に残る。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

だまされたトッケビ -韓国の昔話-(世界傑作童話シリーズ)

神谷 丹路/編・訳 ・ チョン スンガク/絵

福音館書店 (1999.6)

韓国に伝わる不思議な生き物、いたずらもののトッケビにまつわる昔話集。お金を返したのを忘れて何十年も返し続けていたトッケビが、お蔭で大金持ちになったキムさんに仕返しをしようとして、また失敗する表題作など、15話を収める。日本の昔話に似た物語もあり、黒の濃淡で描かれた挿絵が、庶民の暮らしをよく伝えている。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

鼻のこびと

ヴィルヘルム・ハウフ/作 ・ リスベート・ツヴェルガー/絵

太平社 (1999.6)

不気味なばあさんの家に野菜を届けたヤーコプは、そこで7年間掃除や料理をさせられる。やっと町に戻るが魔法で鼻の長いこびとにされていた。誰にも相手にされず、悩んだ末に腕を生かして公爵の料理人になるが……。早世した著者の 170年前に書いた不思議な物語が、ツヴェルガーの味わい深い水彩画でよみがえる。大型の本。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

おじいちゃんの応えん団(文研ブックランド)

早川 真知子/作 ・ 関口 シュン/絵

文研出版 (1999.5)

4年生の歩は、離れて住む一人暮らしのおじいちゃんが大好き。祖父母と同居している幼なじみの静香がうらやましい。祖父の入院をきっかけにしばらく一緒に暮らすことになった歩は喜ぶが……。自律し生きいきと生きる老人でも同居が良いのか、家族の有り様はいかにあるべきかを、少年と祖父の姿を通して考えさせる一冊。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

合言葉はフリンドル!(世界の子どもライブラリー)

アンドリュー=クレメンツ/作 ・ 田中 奈津子/訳

講談社 (1999.5)

次々におもしろいことを考えては、それを実行してしまうニック。でも5年生の国語担当のグレンジャー先生は手ごわい。ある日ニックは先生との問答から「ペン」を「フリンドル」と呼ぶことを思いつく。それはアメリカ中に広まって……。ユニークな少年とベテラン教師の言葉をめぐる戦いが楽しく、心の交流が感動的な一冊。(小学校高学年から)

物語中学生から

シャーロット・ドイルの告白

アヴィ/作 ・ 茅野 美ど里/訳

偕成社 (1999.5)

19世紀半ば、イギリスの学校を卒業した令嬢シャーロットは、父が手配した船で一人アメリカへ帰ることになる。しかしその船は、いわくつきの船だった。残酷な船長に対する船員たちの復讐や殺人事件に巻き込まれるが、自らの殻を破り乗組員となって、危機を切り抜けて行く少女の活躍をモノローグで語る。ラストが爽快な冒険物語。(中学生から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

介助犬ターシャ

大塚 敦子/写真・文

小学館 (1999.5)

ターシャは、体の不自由な人が、自分ひとりではできないことを手助けする介助犬。今は、赤ちゃんの時に事故で右足が不自由になった、ステファニーのパートナーをしている。ステファニーとの信頼関係や、ターシャが介助犬になるまでの訓練を、報道写真家が写真と文章でわかりやすく紹介する。ふたりの一生懸命な姿が印象的。(小学校中学年から)

知識の本中学生から

ものづくりに生きる(岩波ジュニア新書 318)

小関 智弘/著

岩波書店 (1999.4)

町工場でネジを作る。1個7銭。 100万個に1個の不良品も許されない。そこには大量に安く作るための様々な工夫がある。一方で、1万分の1ミリの精度を求められる仕事もある。機械まかせでなく、機械を自分の手として使いこなし、ものづくりに打ち込む老若男女の姿を、生活感あふれる話をまじえて、元旋盤工の著者が語る。(中学生から)

知識の本小学校中学年から

鳥の巣の本(絵本図鑑シリーズ 19)

鈴木 まもる/著

岩崎書店 (1999.4)

メジロは木の枝の上に、ウグイスは草の中に、カワセミは土手に穴を掘って巣を作る。田舎のメジロは材料にコケや草を使うが、町のメジロはビニールひもを使う。様々な形や作り方を、絵本作家の著者が絵に写真を添えておもしろく解説している。話の内容は多彩で、巣というテーマから、鳥の生活や自然の不思議がみえてくる。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

キッズのための50のガーデニング -ステップ・バイ・ステップで学べる-

クレア・ブラッドレイ/文 ・ ジョン・フリーマン/写真

マルモ出版 (1999.4)

こどもからおとなまで楽しめる園芸入門書。初めに道具や種まきの仕方、続いて季節ごとのガーデニングについて、写真とともに詳しく述べる。古靴に土を入れて花を咲かせる、害虫を食べる虫を呼ぶ、野菜くずでミミズを飼って肥料を作るなど、身近な素材と意外なアイデアで生き物や環境についても有益な体験ができる大判の本。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ねこのホレイショ

エリナー・クライマー/文 ・ ロバート・クァッケンブッシュ/絵

こぐま社 (1999.4)

ホレイショは、自尊心の高い、ケイシーさんの家の雄猫です。ある日、あまりに家の中が騒がしいので、へそを曲げて出て行きました。町を歩き回るうち、親のいない2匹の子猫に出会います。生意気な外見とは裏腹に、生来の気の良さから世話をしてしまう猫の姿を、ユーモアのにじみ出る文章と、温かい絵柄の版画で描きます。(小学校低学年から)

知識の本小学校高学年から

自然のかくし絵 :改訂新版 -昆虫の保護色と擬態-

矢島 稔/作

偕成社 (1999.4)

昆虫のなかには、スズメバチになりすましたスカシバというガや、木の葉そっくりのコノハチョウなど、擬態や保護色で敵から身を守るものがいる。このような普段肉眼で捉えることの難しい身近な昆虫の生態を、著者の長年にわたる観察記録と撮影した写真とで紹介した興味深い一冊。鮮明で美しい写真が、読者の目を引き付ける。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

コブタをかぞえてⅠからMM

アーサー・ガイサート/作 ・ 久美 沙織/訳

BL出版 (1999.3)

I、V、X、L、C、D、Mの7文字の組み合わせで、あらゆる数をあらわすローマ数字。この本はそれぞれのローマ数字が示す数だけコブタを描いたもの。その数1からなんと2000まで! 背景も細かく丁寧に描き込まれており、木や小屋や地面の穴など、コブタのほかにも数えるものがいっぱいある。楽しくて、役に立つ絵本。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ネス湖の怪獣とボガート

スーザン・クーパー/作 ・ 掛川 恭子/訳

岩波書店 (1999.3)

スコットランドの古城に住むボガートは、いたずら者の妖精。何世紀もの間マクデボン一族と楽しく暮らしていたが、所有者が亡くなり、カナダに住むエミリーとジェサップの父が城を相続する。荷物に入ってトロントに送られたボガートは様々な騒動を引き起こすが……。ボガートに愛着を感じ始めたエミリーたちとの心の交流が、ケルトの伝説や美しい情景描写を織り混ぜて語られる。続編の『ネス湖の怪獣とボガート』では、ネッシーの探索が始まった湖で、怪獣の姿のまま眠り続ける仲間のボガートを助けようと奔走するエミリーたちの姿を描く。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

どこいくの?(かがくのほん)

高田 勝/文 ・ 叶内 拓哉/写真

福音館書店 (1999.3)

日本にはさまざまな渡り鳥がいる。春に来て子育てする鳥、冬をすごす鳥、途中立ち寄るだけの鳥。また、日本から動かない鳥もいる。渡り鳥はなぜそれほど長い旅をするのか、なぜ渡りのコースが分かるのか。鮮明な写真とともに、ふたりの男の子の質問にお兄さんが答える形で、最新の研究についてもわかりやすく紹介した絵本。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

おはなしまくらのねんねおじさん(おやすみのまえに 5)

西内 ミナミ/作 ・ なかの ひろたか/絵

フレーベル館 (1999.3)

ねんねおじさんは、ミドリおばあさんがゆうちゃんにくれたまくら人形です。おばあさんと暮らすうちにお話を覚え、ゆうちゃんのまくらになるまでのいきさつをはじめ、おじさんが話してくれた7話が収められています。ほのぼのとした絵と心地良い文章で描かれ、子どもたちのおやすみ前に読んであげるのに、最適なお話集。(小学校低学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

夕あかりの国

アストリッド・リンドグレーン/文 ・ マリット・テルンクヴィスト/絵

徳間書店 (1999.3)

ヨーランは足が悪く、この一年ベッドで過ごしている。ある夕暮れ時、小さい不思議な男の人が窓から入ってきて、「夕あかりの国」へ行こうと誘う。街の上を飛んだり、電車の運転をしたり、できないことは何もない。子どもの悲しみを包み込む、スウェーデンの人気作家の幻想的なファンタジーに、やわらかい色調の絵を添えた本。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

世界でいちばんやかましい音

ベンジャミン・エルキン/作 ・ 松岡 享子/訳

こぐま社 (1999.3)

世界一やかましい町ガヤガヤの中でも、一番やかましいのは今度6歳になるギャオギャオ王子。王子が誕生日の贈り物に望んだのは「世界でいちばんやかましい音」だった。そこで世界中の人がお祝いの言葉を一斉に叫ぶことになったが……。意外な結末の楽しいお話。語り聞かせるのにも適している。明るく表情豊かな挿絵も良い。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

古城の幽霊ボガート

スーザン・クーパー/作 ・ 掛川 恭子/訳

岩波書店 (1999.2)

スコットランドの古城に住むボガートは、いたずら者の妖精。何世紀もの間マクデボン一族と楽しく暮らしていたが、所有者が亡くなり、カナダに住むエミリーとジェサップの父が城を相続する。荷物に入ってトロントに送られたボガートは様々な騒動を引き起こすが……。ボガートに愛着を感じ始めたエミリーたちとの心の交流が、ケルトの伝説や美しい情景描写を織り混ぜて語られる。続編の『ネス湖の怪獣とボガート』では、ネッシーの探索が始まった湖で、怪獣の姿のまま眠り続ける仲間のボガートを助けようと奔走するエミリーたちの姿を描く。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

闇の守り人(偕成社ワンダーランド 21)

上橋 菜穂子/作 ・ 二木 真希子/絵

偕成社 (1999.2)

幼い日バルサは、王位を巡る陰謀の巻き添えで国を追われた。故国カンバルへ向かう洞窟で、闇の守り人に襲われた養父ジグロのおい、カッサを助ける。また叔母を訪ねてジグロの汚名を知り、再び追われる身となる。地底の儀式の秘密、闇の守り人の正体とは。謎解きのおもしろさを持つファンタジー。『精霊の守り人』の姉妹編。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

ぺちゃんこスタンレー

ジェフ・ブラウン/文 ・ トミー・ウンゲラー/絵

あすなろ書房 (1998.12)

ある日、目が覚めるとスタンレーはぺちゃんこになっていました。彼は、封筒に入って郵便で友達の家に行ったり、美術館で絵になりすまして泥棒を捕まえたりと、大活躍。弟は、そんな彼がうらやましくてたまりません。でも、やがてその姿を笑われることに……。線画の挿絵も楽しい、ナンセンスでとぼけた味わいのお話。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

ネズの木通りのがらくたさわぎ(子どもの文学・緑の原っぱシリーズ 4)

リリアン・ムーア/作 ・ アーノルド・ローベル/絵

童話館出版 (1998.12)

ある朝のこと、ネズの木通りで大そうじが始まり、どの家の前にも古い家具やおもちゃが積み上げられました。けれど、みんながその中から欲しかった物を見つけて持ち帰り、がらくたはきれいに片付きました、という表題作など、7話が収められています。子どもに読んであげるのにちょうどよい、のどかでユーモラスなお話集です。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

はじめてのクリスマス・ツリー

エレナー・エスティス/作 ・ 渡辺 茂男/訳

岩波書店 (1998.12)

ニューヨークに住む5年生のマリアンナは、家でクリスマス・ツリーを飾ったことがない。人と同じことをするのが嫌いなママが許してくれないからだ。今年こそはと決心し、級友や兄とモミの木を裏庭に運び込むが……。ツリーへのあこがれを抱いた少女の心情を、友達や母親とのやりとりの中でこまやかに描く、心温まる物語。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

みしのたくかにと

松岡 享子/作 ・ 大社 玲子/絵

こぐま社 (1998.12)

台所で種を見つけたおばさんは、庭に植えて、「とにかくたのしみ」と札を立てた。通りかかった王子がそれを反対から読んでしまう。毎日勉強ばかりでうんざりしていた王子は、その実が食べたい、と大騒ぎ。おばさんの機転で和やかな結末になる、ウィットに富んだお話。淡い色調の挿絵を加え、改題・版元を変えて再刊。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

紙人形のぼうけん

マーガレット・マーヒー/作 ・ 清水 真砂子/訳

岩波書店 (1998.11)

手をつないだ白い紙人形5人が、風に吹かれて旅をして人間に会ううちに、ひとりずつ顔と名前を持って生き始めます。冒険好きなアルファ、お話上手なキャサベル、涙のエロディー、賢いイカシア、笑いのザマイラ。そして、紙人形と会った人間にも変化が起こり、成長して自分の人生へと旅立って行きます。やさしい魔法の物語。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

メアリーの鳩(偕成社コレクション)

アン・ターンブル/作 ・ 渡辺 南都子/訳

偕成社 (1998.11)

姉と違って家事の苦手なメアリーは、職探しでいない父の代わりに伝書鳩の世話をしている。夢は鳩がレースで優勝すること。しかし生活が苦しく母さんは何羽かの鳩を料理してしまう。怒った彼女は家を飛び出すが……。1930年代の英国を舞台に友達や周囲の人々との関わりを通して、自我をもちつつ少女が成長していく姿を描く。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

きょうりゅう大すき!

アンジェラ・マカリスター/作 ・ 多賀 京子/訳

徳間書店 (1998.11)

8歳のディニーは、夏休みに家族で念願の恐竜の国へ行けることになり、大喜び。不安がっていた両親も、時間旅行した恐竜時代の生活がすっかり気に入り、ディニーだけ先に帰るよう言う始末。怒った彼女は仲良くなった恐竜の子を連れて戻って来る。恐竜好きの少女がおこした騒動を、軽妙な語り口で楽しく描いたファンタジー。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

チョコレート王と黒い手のカイ

ヴォルフ・ドゥリアン/作 ・ シャーロッテ・パノフスキー/挿絵

徳間書店 (1998.11)

ヨーロッパでチョコレートを売るための広告王を求めて、チョコレート王がアメリカから来た。こどもたちの秘密結社「黒い手団」のリーダー・カイ少年と仲間たちは、広告王の座をめぐって、専門家を相手に奇想天外な宣伝合戦を繰り広げる。ベルリンの町を舞台に、少年たちの大人顔負けの活躍を、スピーディに描く愉快な物語。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

アレックスとネコさん(おはなしはらっぱ 9)

ヘレン V.グリフィス/作 ・ 長滝谷 富貴子/訳

あかね書房 (1998.11)

アレックスは愉快な子犬です。オオカミにあこがれて冒険に出たものの夜を怖がったり、冬はきらいだと言って落ち葉にもぐり込んだのに、突然降ってきた雪に大喜びして駆け回ったり。ちょっととぼけたアレックスと、一緒に飼われているクールなネコとの日常のやりとりが、楽しい挿絵とともにユーモラスに描かれた物語です。(小学校低学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

くまのテディちゃん

グレタ・ヤヌス/作 ・ ロジャー・デュボアザン/絵

こぐま社 (1998.11)

テディちゃんは、黄色いつりズボンと小さなエプロン、青いいすとテーブル、緑のコップとお皿にスプーンを持っています。それらが見開きごとに紹介され、誇らしげなテディちゃんが描かれます。発色の良いシンプルな絵は、落ち着いて親しみがあり、簡潔な文の繰り返しは、リズム感を作り出します。赤ちゃんから楽しめる小さな絵本。(赤ちゃんから)

知識の本小学校低学年から

あかんぼうがいっぱい!(大型絵本)

ミック・マニング/作 ・ ブリタ・グランストローム/作

岩波書店 (1998.1)

地球上のあらゆるところで、赤ん坊が生まれ育ってゆく。赤ん坊はどうやって大きくなるんだろう? 人間の赤ちゃんの育つ過程を、いろんな動物の子育てのエピソードと合わせて楽しく描いた知識の絵本。我が子に語るようなやさしい言葉と黒コンテの線に水彩で色付けした温かな絵に、小さな生命へのあふれる愛情が感じられる。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

光草(ストラリスコ)(Y.A.books)

ロベルト・ピウミーニ/作 ・ 長野 徹/訳

小峰書店 (1998.1)

トルコの絵かきサクマットは、光を浴びることのできない病の少年マドゥレールのために、彼の部屋の壁一面に絵を描くことになる。壁には、あらゆる風景に時の流れる様が描かれ、少年は光草という空想の植物を創りだす。二人の心の交流や情景が表現豊かな文章で綴られ、読み手の心に浮かびあがる。静かな感動を生む物語。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校中学年から

ジャムおじゃま

マーガレット・マーヒー/文 ・ ヘレン・クレイグ/絵

徳間書店 (1998.1)

勤めに出るママの代わりに、パパが家事をすることになったカッスル家。パパの主夫ぶりは、完璧。ところが、庭に落ちてきたプラムの実をひとつ残らずジャムにするうち、家中がジャムだらけになってしまう。それを家族全員でやっと食べきった頃に……。明るい色調と細かいタッチのペン画が目を引き、楽しみながら読める一冊。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

おもちゃ屋へいったトムテ(世界傑作童話シリーズ)

エルサ・ベスコフ/さく ・ 菱木 晃子/やく

福音館書店 (1998.1)

田舎の人形作りの姉妹の家に住むトムテ(小人)のヌッセは、クリスマス前のある夜、人形と間違えられ町のおもちゃ屋へ送られてしまう。店に飾られ、大好きな少年のもとへ買われたものの、家が恋しくなった彼が少年のためにしたことは……。その家の人々の幸せを守っているといわれる、スウェーデンのトムテの心温まるお話。(小学校低学年から)

物語中学生から

鬼の橋(福音館創作童話シリーズ)

伊藤 遊/作 ・ 太田 大八/画

福音館書店 (1998.1)

平安初期の京都。12歳の篁(たかむら)は妹を死なせた自責の念から、生きてあの世へ足を踏み入れた。死後も都を守る坂上田村麻呂に追い返され、五条橋の下に住む少女や角を折られた鬼の非天丸と交わるうち、己の無力さを思い知る。陸奥の国司となった父を支えて生きようとし始めるまでを、実在の貴族の伝説に基づいて描く。(中学生から)

物語小学校中学年から

かけぬけて、春 -直樹の学校戦争-

山口 理/作 ・ たじま じろう/絵

小学館 (1998.1)

東京から転校してきた5年生の直樹は、先生の決めたことに生徒は従うだけ、という学校の雰囲気になじめず疑問をもつ。子どもたちの意志で楽しい学校をつくろうと、学級委員になってまわりにはたらきかけるが……。先生や同級生たちと摩擦を繰り返しながらも、次第に理解を得て成長していく少年の2年間をさわやかに描く。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ねんねんネコのねるとこは(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

エレノア・ファージョン/ぶん ・ アン・モーティマー/え

評論社 (1998.1)

ネコが寝るのはどんなところ? ひざの上やおしいれの中、ときには靴の中など、どんな場所でもネコたちはすやすやと眠ります。この絵本はそんな姿を、リズムのよい文章と写真と見まがう細密な絵で描いたもの。心地よさそうに眠るネコたちの表情がなんとも言えない可愛らしさで、ネコ好きでなくともぜひ手にしてほしい一冊。(幼児から)

物語中学生から

北極星を目ざして -ジップの物語-

キャサリン・パターソン/作 ・ 岡本 浜江/訳

偕成社 (1998.9)

幼いとき荷馬車から落ち、救貧農場で育てられた少年ジップは、精神を病んだ男パットの世話をするうち、しだいに心を通わせ、父親とも慕うようになる。だが、少年の素性を探る謎の男が現れ、意外な事実が明らかになる。19世紀のアメリカを舞台に、孤児として育った少年が自身を見つめ、自由を求めて旅立つまでを描いた物語。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

テーブルのした

マリサビーナ・ルッソ/絵と文 ・ 青木 久子/訳

徳間書店 (1998.9)

壁ぎわの長いテーブルの下は、末っ子のハナの大好きな場所。宝物を持って入りこみ、ある日クレヨンで自分の顔と名前を書き、毎日少しずつ描きたすうち、テーブルの裏は絵でいっぱいに。パパとママがそれを見つけて驚くが……。素直な子どもと、大らかな両親との日常を、表情豊かな水彩画とあたたかみのある文章とで描き出す。(幼児から)

物語小学校高学年から

犬のウィリーとその他おおぜい

ペネロピ・ライヴリー/作 ・ ディヴィッド・パーキンス/絵

理論社 (1998.9)

大好物のお茶っ葉の入ったティーポットに閉じ込められたネズミ。人生の目的は浴槽の内壁をよじのぼることだという、年配者の言葉に疑問を差しはさむワラジムシ。まぬけな中年犬ウィリーをはじめ、一軒の家に住む生きものたちを主役に、人間とさして変わらない生活ぶりがユーモアたっぷりに描かれた短編11話が収められている。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語幼児から

わらのうし -ウクライナの昔話-

内田 莉莎子/文 ・ ワレンチン・ゴルディチューク/絵

福音館書店 (1998.9)

昔々、貧乏なおじいさんとおばあさんが、タールを塗ったわらのうしを作りました。おばあさんがわらのうしを連れて丘へいくと、タールを求めてやってきたクマやオオカミたちが次々と捕まりました。淡い落ち着いた色彩で、捕まった動物たちとおじいさんとのやりとりがユーモラスに描かれた、ウクライナの代表的な民話の絵本。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

おてだまのたね -秋田・向陽幼稚園の実践記録より-(かがくのとも傑作集)

織茂 恭子/絵

福音館書店 (1998.9)

おひさま幼稚園に、米寿を迎えた近所のおばあさんから、88個のお手玉が送られてきた。お手玉遊びに夢中になり、中から出てきたたね・小豆を栽培し、更におはぎを作って食べるまでの、新鮮な驚きと楽しさが伝わってくる。お手玉の小布模様の美しさと、縁取りなしで単純に描かれた、明るい色使いの絵が印象的な1冊。(幼児から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

盲導犬グレフ誕生物語

パトリシア・カーチス/文 ・ メアリー・ブルーム/写真

小学館 (1998.9)

聴導犬とは、耳の不自由な飼い主が聞き取れない音を聞き分け、手助けする役目を担った犬です。そのため、目覚まし時計やチャイムの鳴った音などを正しく判断し、伝えることができなければなりません。捨てられ、施設に収容されていた雑種犬のシンディが訓練を受け、一人前の聴導犬となるまでを、やさしい文章と生き生きとした写真でつづっています。同シリーズの、ラブラドル・レトリバーの子犬が盲導犬になるための訓練の様子を描いた『盲導犬グレフ誕生物語』と共に、ペット以上の良きパートナーとしての犬の姿が紹介されています。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

聴導犬シンディ誕生物語

パトリシア・カーチス/文 ・ デービッド・カップ/写真

小学館 (1998.9)

聴導犬とは、耳の不自由な飼い主が聞き取れない音を聞き分け、手助けする役目を担った犬です。そのため、目覚まし時計やチャイムの鳴った音などを正しく判断し、伝えることができなければなりません。捨てられ、施設に収容されていた雑種犬のシンディが訓練を受け、一人前の聴導犬となるまでを、やさしい文章と生き生きとした写真でつづっています。同シリーズの、ラブラドル・レトリバーの子犬が盲導犬になるための訓練の様子を描いた『盲導犬グレフ誕生物語』と共に、ペット以上の良きパートナーとしての犬の姿が紹介されています。(小学校中学年から)

知識の本中学生から

数の悪魔 -算数・数学が楽しくなる12夜-

エンツェンスベルガー/著 ・ ベルナー/絵

晶文社 (1998.9)

算数の苦手な少年ロバートの夢に、話術巧みな老紳士、「数の悪魔」が現れた。夜ごと砂漠のオアシスやジャガイモ畑を舞台に、1や0の不思議、素数の秘密やフィボナッチ数列などのレッスンを続けるうち、彼は算数の先生の鼻を明かすまでになる。数学者しか知らない数のマジックにも、楽しい挿絵で知らず知らずに親しめる。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

だっこしていいこいいこ(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

フィリス・ルート/ぶん ・ ジル・バートン/え

評論社 (1998.8)

泣き出す赤ちゃんに、みんなが次々と、花やガチョウや雌牛や羊や小鳥を連れて来ます。でも赤ちゃんは、また泣き出します。いったい何がほしいのでしょう。繰り返される易しいストーリーに、画面いっぱいにユーモラスに描かれた、赤ちゃんを取り巻く家族と動物たち。やわらかな筆遣いと温かな色合いの、ほほえましい絵本。(幼児から)

知識の本中学生から

目玉かかしの秘密(ちくまプリマーブックス 122)

城田 安幸/著

筑摩書房 (1998.7)

筆者は、蚕の幼虫に目玉模様を発生させる研究の中で、その模様が大きいほど、鳥に食べられにくいことを発見する。そこから、目玉模様が鳥よけとして有効なのではないかと仮説を立て、実用化を図る。実験によってデータを積み重ね、検証していく科学的手法の重要性と、鳥と人間との共存の可能性をユーモラスな語り口で説く。(中学生から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

もうひとつの『アンネの日記』

アリソン・レスリー・ゴールド/著 ・ さくま ゆみこ/訳

講談社 (1998.7)

アンネ・フランクの幼なじみで親友のハンナ・ホスラーが語った、アンネとの思い出やナチス占領下での彼女自身のつらい体験をまとめたもの。『アンネの日記』では書かれることのなかった収容所でのユダヤ人の過酷な日々を私たちに伝える。家族、友人を思い、幼い妹を守りながら懸命に生きるハンナの姿が痛ましくも感動的。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

エマおばあちゃん

ウェンディ・ケッセルマン/文 ・ バーバラ・クーニー/絵

徳間書店 (1998.7)

エマおばあちゃんの72歳の誕生日、孫やひ孫が集まってにぎやかです。でもいつもは一人ぼっち。話し相手は飼い猫だけ。お祝いにもらったふるさとの絵を毎日眺めているうちに、自分の覚えている村の絵をかこうと決心します。描くことに生きがいを見いだしたおばあちゃんの気持ちと明るい色調の絵がマッチした、心温まる絵本。(幼児から)

物語小学校高学年から

トイレまちがえちゃった!(世界の子どもライブラリー)

ルイス=サッカー/作 ・ 唐沢 則幸/訳

講談社 (1998.7)

5年生のブラッドリーはクラスのきらわれ者。話し相手は動物の人形だけ。そんな彼が転校生のジェフやカウンセラーのカーラとの出会いをきっかけに変わり始める。自分を好きになるのが一番大切だというカーラに支えられながら、自身を見つめ自分の力で真の友達を得るまでの心の軌跡をクラスメートとの関わりを交えて描く。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

マンヒのいえ

クォン ユンドク/絵と文 ・ みせ けい/訳

セーラー出版 (1998.7)

マンヒは狭いアパートから祖父母の広い家に引っ越しました。調度品がいっぱいのアンバン(座敷)や、かまどのある庭、かめの置かれた納屋など、家の中の様子が見開きごとに、抑えた色彩で細やかに描かれています。ソウルに実在する家をそのまま描いたこの絵本からは、韓国の家の中やそこに住む家族の生活が伝わってきます。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

時計つくりのジョニー

エドワード・アーディゾーニ/作 ・ あべ きみこ/訳

こぐま社 (1998.7)

手先が器用で、ものを作るのが大好きなジョニーは、ある日、本物の大時計を作ろうと思い立つ。両親には理解されず、学校でもいじめられるが、スザンナやかじやのジョーに励まされながら、材料を集めて大時計を完成させる。交互に展開される水彩画とペン画は味わい深く、男の子の豊かな心の動きを鮮やかに描き出している。(小学校低学年から)

物語中学生から

アップルバウム先生にベゴニアの花を

ポール・ジンデル/作 ・ 田中 美保子/訳

岩波書店 (1998.6)

高校生のゼルダとヘンリーは、アップルバウム先生が不治の病に冒されていることを知る。二人は独創的で感性豊かな先生から影響を受けつつ、残された時間を共有するうちに人間同志の深い絆で結ばれていく。死と直面した時、人はどう生きどんな死を選ぶのか、ニューヨークを舞台に3人と周囲の人々との関わりを通して描く。(中学生から)

物語小学校高学年から

地下脈系

マーガレット・マーヒー/作 ・ 青木 由紀子/訳

岩波書店 (1998.6)

父親と半島の端で暮らす11歳の憶病な少年トリスは、ある日、父親に追われている少女ウィノーラと出会い、空想上の危険なゲームが現実に始まる。少年と周囲の人々の心の中に潜む空洞と、侵食でできた地下空洞とを、巧みに掛け合わせ、家族との絆や居場所を求める子どもたちの心の揺れや成長をミステリアスに描いた物語。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

柳川みず物語(いのちのゆりかごシリーズ)

関口 シュン/作・絵

佼成出版社 (1998.6)

かつて日本では、水路(掘割)が生活用水や交通手段として使われていたが、近代化の過程で姿を消していった。福岡県柳川市でも掘割はなくなろうとしていたが、その価値を説く一人の人物の呼びかけをきっかけとして、再び美しい姿がよみがえった。自然と共存してきた日本人の知恵のありようを、コマ割りを用いて平易に描く。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ヘイスタック

ボニー・ガイサート/文 ・ アーサー・ガイサート/絵

BL出版 (1998.6)

ヘイスタックとは干し草をまとめて大きく平らに積み上げたもの。少し前までは北米の大草原地帯によく見られた。春、草を刈って作られ、家畜たちのえさに、夏の日よけに、冬の家になり、ついには草を育てる肥料となる。無駄のないヘイスタックの一年には人々の知恵が生きていた。落ち着いた色彩の、丁寧に描きこまれた絵本。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

白い馬をさがせ(子どもの文学・青い海シリーズ 11)

ディック・キング=スミス/作 ・ 谷口 由美子/訳

童話館出版 (1998.6)

保健所に連れてこられた犬のラバーは、危機一髪のところを猫のスクウィンタムに助けられる。2匹は「白い馬が見える丘」のふもとにあるラバーの家をめざして出発。途中で出会ったハトと犬のコリーンも加わり、困難も力を合わせて切り抜け家にたどり着く。動物たちそれぞれに個性をもたせて、生き生きと描く楽しい冒険物語。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

不思議を売る男

ジェラルディン・マコーリアン/作 ・ 金原 瑞人/訳

偕成社 (1998.6)

古道具屋の娘エイルサは、図書館で出会った奇妙な男、MCC・バークシャーを家に連れて帰る。古本を一日中読みふける彼は、大時計や傘立てなどの古道具にまつわる話を、店にくる客に即興で聞かせる。舞台を異にするいくつもの物語を男が語り、やがてその男の素性も明かされるという、凝った構成をとる不思議な味わいの物語。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ポピー -ミミズクの森をぬけて-(ジョイ・ストリート)

アヴィ/作 ・ B・フロッカ/絵

あかね書房 (1998.5)

数の増えすぎたネズミたちは、森の主のミミズクに新しいすみかへの引っ越しを願い出るが、却下される。恋人を目前でミミズクに食べられた雌ネズミのポピーは、自分たちを外敵から守っているというミミズクが引っ越しを許さない謎を探るために、単身旅立つ。若いネズミが勇気を奮って冒険に挑み、成長していく姿を描く物語。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

サンタのなつやすみ

レイモンド・ブリッグズ/さく ・ さくま ゆみこ/やく

あすなろ書房 (1998.5)

イギリスに住むサンタクロースは、夏休みを海外で過ごそうと、キャンピングカーに改造したソリで出かけます。フランスでは食べすぎに苦しみ、スコットランドでは寒い思いもしますが、ラスベガスではぜいたくに過ごしてご満悦。サンタの旅先での珍騒動をマンガ形式で描く絵本です。『サンタのたのしいなつやすみ』の改訳版。(幼児から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

ぼくたちが日本のおとしよりに学んだこと。(21世紀知的好奇心探求読本 4)

毎日新聞社会部「長命社会を生きる」取材班/編

ポプラ社 (1998.5)

妻が痴ほう症になり、介護していた自分もまたぼけて居場所を転々とする男性。自らの老後を見据え、医療と福祉の充実した自治体への介護移住の道を選ぶ老夫婦。90歳でなお小料理屋を切り盛りする女性など、さまざまなお年寄りを、若い記者3人が新聞連載のため取材し、迫りくる高齢社会の問題点を10代の若者に投げかける。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

アントンは菓子食い怪じゅう(新・世界の子どもの本 12)

エバ・ベクセル/作 ・ カーリン・S・レーデル/絵

偕成社 (1998.4)

アントンは両親兄妹と、祖父母宅の近くへ引っ越してきました。おやつを食べに通ったり、近所の犬を散歩させたりとご機嫌です。一方おじいちゃんは、孫たちの引き起こす騒ぎに、毎日悩まされることになりました。1年生になったアントンの成長ぶりや、取り巻く人達の個性が、ユーモアたっぷりに生き生きと描かれています。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

ゴム風船の実験(たのしい科学あそび)

立花 愛子/著 ・ 藤田 ひおこ/絵

さ・え・ら書房 (1998.4)

子どもたちが大好きなゴム風船。割ったり飛ばしたり、誰もがしたことのある風船遊びの中にも科学が潜んでいるのです。この本には風船の不思議を解き明かす実験や遊びがたくさん紹介されています。ストローやペットボトルを使って、ふくらんだ風船が戻ろうとする力を測るなど、簡単な実験で楽しく「科学する」ことができます。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ハンナのあたらしいふく(世界傑作絵本シリーズ)

イツァク・シュヴァイゲル・ダミエル/さく ・ オラ・アイタン/え

福音館書店 (1998.4)

サバス(ユダヤの安息日)に着る白い服を作ってもらったハンナは、大喜びで新しい服を着て出かける。汚されないように気をつけて犬や牛に見せて歩くが、炭焼きのおじいさんの手伝いをして汚してしまう。泣き出すハンナにお月さまが光をさしのべると……。明るい色彩の素朴な絵で、小さな女の子の心情をこまやかに描いた絵本。(幼児から)

物語小学校中学年から

大きいカアアと小さいカアカア

アヒム・ブレーガー/作 ・ 松沢 あさか/訳

さ・え・ら書房 (1998.4)

リュックを背負ったカラスのカアアとカアカアは、ある日人間の学校へ行きます。それを他のカラスたちに笑われますが、2羽は協力して授業に参加します。短編が21話ある中に、この2羽の話が連作のように繰り返され、その間に、他の不思議な話やおかしな話、日常の話などが収められています。ほのぼのした味わいの作品集です。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ほんとにほんとにほしいもの(あかねせかいの本)

ベラ B.ウィリアムズ/作絵 ・ 佐野 洋子/訳

あかね書房 (1998.4)

もうすぐ、わたしの誕生日。びんに貯まったお金で、ほしいものを買ってもらえることになり、かあさんとわたしは町へでかけます。ローラースケート、それともドレスとサンダル。大切なお金の使い道を思い悩むこども心、温かく見守るおとなの姿が描かれます。色鮮やかで大胆な水彩画の絵本です。『かあさんのいす』の続編。(幼児から)

物語小学校高学年から

ビクトルの新聞記者大作戦

ジョルディ・シエラ・イ・ファブラ/作 ・ 宇野 和美/訳

国土社 (1998.4)

11歳のビクトルの夢は作家になること。ある日、学校に来た有名な作家の一言をきっかけに新聞作りを始める。仲間集めから町の特ダネ探しなど、悪戦苦闘の末完成した創刊号を完売。だが、その新聞が町中に大騒動を巻き起こす。夢に対するまっすぐな情熱を持った元気な男の子の成長を描く、ユーモアあふれるスペインの児童文学。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

かえでがおか農場のなかまたち

アリス・プロベンセン/作・絵 ・ マーティン・プロベンセン/作・絵

童話館出版 (1998.4)

かえでがおか農場には多くの動物がいます。同じ動物でもその個性によって、ふるまいは様々です。ネコのマックスはヘビがきらい、ウマのラッキーはくいしんぼうなど、それぞれの特徴をとらえた絵が、大判の絵本の見開きいっぱいに並んでいます。農場に喜びと笑いと命を運んでくれる動物たちを愛情こめて描いた絵本です。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

アルフはひとりぼっち(子どもの文学・緑の原っぱシリーズ 2)

コーラ・アネット/作 ・ スティーブン・ケロッグ/絵

童話館出版 (1998.4)

ロバのアルフは働き者。でも、おじいさんたちは、イヌ、ネコ、カナリアばかりかわいがるので、アルフは屋根の上に家出をします。一人になりさみしい思いをして初めて、三匹の役割の大切さや、自分も愛されていることに気づくロバの心の動きが丹念に描かれています。シンプルな挿絵がほほえましい幼年童話の改訳復刊。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

時の旅人(岩波少年文庫 3148)

アリソン・アトリー/作 ・ 松野 正子/訳

岩波書店 (1998.3)

病弱な少女ペネロピーは、ロンドンから親戚の農場へ移った。そこは16世紀末、囚われの女王メアリーを救おうとしたバビントン家の屋敷だった。当時の世界に彼女は入りこみ、人々と心を通わせる。幾世紀も続く農園に並存する2つの時を往き来した少女の旅を、巧みな構成でありありと物語る。英国の代表的ファンタジーの新訳。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

筋ジストロフィーとたたかうステファン

トーマス・ベリイマン/写真 文 ・ 石井 登志子/訳

偕成社 (1998.3)

9歳のステファンは次第に筋肉が衰えていく病気、筋ジストロフィーにかかっている。一人で立ち上がることも困難だが、電動車いすに乗り、カヌーも楽しむ。病気や障がいのある子どもたちの姿を撮り続けてきた写真家が、まわりの人たちの支援を受けながら懸命に生きようとする少年の日常を紹介する。表情豊かな少年の姿が印象的。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

はいけい女王様、弟を助けてください

モーリス・グライツマン/作 ・ 唐沢 則幸/訳

徳間書店 (1998.3)

弟がガンと知らされたコリンは、オーストラリアからイギリスの親戚の家に預けられる。女王様に世界一の名医を紹介してもらおうと、手紙を書き、宮殿に忍び込もうと奮闘するが失敗。恋人の死に直面する同性愛の青年との出会いから、弟にとって何が一番大切なのかに気づく。難しいテーマをユーモラスに描いた、心を打つ作品。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

妹になるんだワン!

スーザン・E・ヒントン/作 ・ こだま ともこ/訳

徳間書店 (1998.3)

新しい家族のもとに引き取られた子犬のアリーシャ。家になじむうちに、お兄さんのニックと同じ人間になって、いろいろな楽しいことをするのだとひそかに変身計画をたてる。やんちゃな犬が人間になるまでのゆかいな成長を、ユーモアたっぷりに描いたファンタジー。ふんだんに入った挿絵が物語の楽しさを倍増させている。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

植物あそび

ながた はるみ/さく

福音館書店 (1998.3)

植物の栽培、ジャムの作り方から野草の食べかた、草木染めにリースづくり、昔から伝わる草花あそび。植物に触れ、遊び、楽しむ方法が、わかりやすい絵で詳しく紹介されています。道ばたの野草、校庭や公園の草花、冷蔵庫の中の野菜など身近な植物で楽しく仲良く遊び、そして植物をよく知るための絵本仕立てのガイドブック。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

点字・はじめの一歩(点字の世界へようこそ 2)

黒崎 惠津子/文 ・ 中西 恵子/絵

汐文社 (1998.3)

目の見えない人の文字、点字。今では歩道や駅に敷かれた点字ブロック、券売機・公衆電話の表示などいろいろなところで見かけるようになりました。でもこの点字がなかった時、視覚障がい者は自分で本を読むことすら困難でした。本書には点字ができるまでの歴史が、それに関わった人々の苦労や工夫、完成した時の喜びを交えながら、平易な文章で書かれています。同シリーズの2巻目『点字・はじめの一歩』は点字の書き方・読み方について、3巻目『点字について話そう』は、実際に点字を使っている2人と著者との、日常生活についてのてい談。(小学校中学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

わが道は白衣とともに -看護婦として女性の自立に命をもやした萩原タケ-(PHP愛と希望のノンフィクション)

森下 研/作 ・ 高田 勲/絵

PHP研究所 (1998.3)

明治6年、奥多摩に生まれた萩原タケは、貧しさのために苦学し、日赤看護婦養成所に入学。看護、戦時救護に従事した後、侯爵夫人のお供で洋行し、欧米の女性の生き方に目を開かれた。父母の理解と信頼、ナイチンゲールの言葉を糧に、女性の地位向上や日本看護婦協会設立に尽力した女性の生涯を、時代をふまえて描いている。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

点字のれきし(点字の世界へようこそ 1)

黒崎 惠津子/文 ・ 中西 恵子/絵

汐文社 (1998.2)

目の見えない人の文字、点字。今では歩道や駅に敷かれた点字ブロック、券売機・公衆電話の表示などいろいろなところで見かけるようになりました。でもこの点字がなかった時、視覚障がい者は自分で本を読むことすら困難でした。本書には点字ができるまでの歴史が、それに関わった人々の苦労や工夫、完成した時の喜びを交えながら、平易な文章で書かれています。同シリーズの2巻目『点字・はじめの一歩』は点字の書き方・読み方について、3巻目『点字について話そう』は、実際に点字を使っている2人と著者との、日常生活についてのてい談。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

点字について話そう(点字の世界へようこそ 3)

黒崎 惠津子/文 ・ 中西 恵子/絵

汐文社 (1998.2)

目の見えない人の文字、点字。今では歩道や駅に敷かれた点字ブロック、券売機・公衆電話の表示などいろいろなところで見かけるようになりました。でもこの点字がなかった時、視覚障がい者は自分で本を読むことすら困難でした。本書には点字ができるまでの歴史が、それに関わった人々の苦労や工夫、完成した時の喜びを交えながら、平易な文章で書かれています。同シリーズの2巻目『点字・はじめの一歩』は点字の書き方・読み方について、3巻目『点字について話そう』は、実際に点字を使っている2人と著者との、日常生活についてのてい談。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

ひと・どうぶつ行動観察じてん(たくさんのふしぎ傑作集)

池田 啓/文 ・ 柳生 弦一郎/絵

福音館書店 (1998.2)

授業中、先生に当てられないように生徒が目を伏せてじっとしているのは、動物の「擬死(ぎし)」に似ている。子どもたちの日常の何げない行動をユーモラスに描いた絵と、動物たちの表情豊かな生態を撮った写真とが交互に展開される。読み進めていくうちに、ヒトと動物とに共通する習性を楽しみながら知ることができる1冊。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

カケスの森(森の新聞 11)

中村 浩志/著

フレーベル館 (1998.1)

信州の戸隠山にすむカケスの生態や行動が、写真をふんだんに使って解説されている。ドングリ好きのカケスが秋に行う貯食行動が、ミズナラ林の存続や拡大に役立ってきた。かつて、木からまきをとるなど、いろいろな形で森を利用していた人間と森とカケスとの関係を説き、里山の自然の大切さを考える。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

めざせ!犬の訓練士(ポプラ社いきいきノンフィクション 25)

ゆーち みえこ/著

ポプラ社 (1998.1)

犬の訓練士の仕事に興味を持った著者は、泊まり込みで見習いをさせてもらう。犬の訓練やえさやり、排便をさせるのは大変な作業。それだけではなく、飼い主が犬を扱えるように指導することも大切な仕事だ。その忙しい中で、聴導犬の育成や、各競技会に挑む訓練士たちの姿を、著者の楽しいイラストとともに、描いている。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

じいちゃん、いつまでも家族だよ(童話の海 19)

高山 栄子/作 ・ 岡本 順/絵

ポプラ社 (1997.12)

ゆうきの祖父が死んだ。母の日や家族との遠出、運動会など日常生活を送る中で、ゆうきの脳裏に、時にはけんかをしたり、仲良く背くらべをしたりした祖父との日々がよみがえる。肉親の死に遭遇した少年が、時がたつ内に、その事実を少しずつ思い出として昇華していき、素直に受け入れられるまでを淡々と描く。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

わんぱくピート(あかね世界の文学シリーズ)

リーラ・バーグ/作 ・ 幸田 敦子/訳

あかね書房 (1997.12)

ピートは一人遊びの上手な男の子。自分のかげぼうしを連れて毎日あちこちへ遊びに出かける。小枝も、水たまりも、水もれのする蛇口も、見つけたものはみんなおもちゃに早変わり。彼が日常で見せる豊かな表情をほのぼのと描いている。負けず嫌いの元気な幼児と、彼にやり込められる大人たちとのやりとりが楽しい。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

日曜日だけのママ(講談社青い鳥文庫 195-1)

メブス/作 ・ 平野 卿子/訳

講談社 (1997.12)

養護施設で育った8歳の「あたし」に、日曜日だけママになってくれる人が出来た。少しも母親らしくないその人ウラに、はじめは軽い失望を覚える彼女だが、その温かさに触れるうちに、かたくなだった心も徐々に解きほぐされていく。自分が受け入れられる事への期待と不安に揺れながら、成長していく少女の姿を描く。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ぼくたちの散歩(おはなしメリーゴーランド)

工藤 直子/作 ・ 長 新太/絵

文渓堂 (1997.12)

春の初めに子犬が生まれた。カンタと名づけられた子犬のことを風がニュースに流し、海・山・野原は、楽しみに聞いた。カンタの1年の日記に詩とお話がついた構成で、四季の移り変わりと身近な動植物とのふれあいが描かれている。のびやかな挿絵とほのぼのとした内容がよく溶け合って、穏やかなやさしさに満ちている。(小学校中学年から)

物語小学校低学年から

がんこおじいちゃんとこりないアントン(新・世界の子どもの本 11)

エバ・ベクセル/作 ・ カーリン・S・レーデル/絵

偕成社 (1997.12)

アントンとお兄ちゃんは、クリスマス休みに祖父母の家へ行きます。アントンは、妹が生まれて少し面白くありません。ぼくはもう小さくないと言いますが、迷子になってパトカーに乗ったり、届いた郵便を近所に配ったりして、相変わらずおじいちゃんを悩ませます。ユーモアたっぷりの文章と、個性的な挿絵も楽しい物語。(小学校低学年から)

物語中学生から

ウルフ・サーガ 下

ケーテ・レヒアイス/作 ・ 松沢 あさか/訳

福音館書店 (1997.12)

巨大オオカミのショーガル・カンは、古いおきてを破り、動物たちを支配するために次々と他の群れを従えていった。シリキたち7頭はそれに逆らい、1羽のカケスとともに夏の国をめざして歩きだした。オオカミの生態を生き生きと描きながら、そこに人間の姿をも重ね合わせ、全ての生き物を支配することへの警鐘を鳴らす。(中学生から)

物語中学生から

ウルフ・サーガ 上

ケーテ・レヒアイス/作 ・ 松沢 あさか/訳

福音館書店 (1997.12)

巨大オオカミのショーガル・カンは、古いおきてを破り、動物たちを支配するために次々と他の群れを従えていった。シリキたち7頭はそれに逆らい、1羽のカケスとともに夏の国をめざして歩きだした。オオカミの生態を生き生きと描きながら、そこに人間の姿をも重ね合わせ、全ての生き物を支配することへの警鐘を鳴らす。(中学生から)

よみつがれてきた物語幼児から

きつねにょうぼう(日本傑作絵本シリーズ)

長谷川 摂子/再話 ・ 片山 健/絵

福音館書店 (1997.12)

昔、貧乏な男が旅の女を泊めたことから、2人は夫婦となり、男の子が生まれた。ある時、母親の正体がキツネだということが知れてしまい、母親は家を去るが、父子をこっそり助けるのだった。子を思う母心あふれる昔話が軽妙に語られる。大胆な構図と濃厚な色使いの絵は躍動感があり、印象的な味わいを醸し出している。(幼児から)

よみつがれてきた物語幼児から

かものむすめ -ウクライナ民話-(こどものとも世界昔ばなしの旅 3)

松谷 さやか/訳 ・ オリガ・ヤクトーヴィチ/絵

福音館書店 (1997.11)

昔、おじいさんとおばあさんは森で傷ついたカモを見つけ、家に連れ帰りました。それからは、2人が家に帰ると部屋は片付き、食事ができているのでした。不思議に思った2人が、こっそり様子をうかがうと……。ウクライナ地方に伝わる民話が、細かく描き込まれた淡い色調の絵でロシアの雰囲気たっぷりに語られています。(幼児から)

よみつがれてきた物語幼児から

銀のうでわ -中国の民話-(大型絵本)

君島 久子/文 ・ 小野 かおる/絵

岩波書店 (1997.11)

昔、アーツという女の子がいて、継母たちにひどい仕打ちを受けて暮らしていた。村長のところで大きなお祭りがある時も連れて行ってもらえない。嘆くアーツを、カササギが一番鶏が鳴いたら帰ってくると約束させて行かせてくれた。中国四川省のイ族の伝承を元に再話した物語。少数民族の暮らしぶりも書き込まれ興味深い。(幼児から)

物語小学校低学年から

エパミナンダス(愛蔵版おはなしのろうそく 1)

東京子ども図書館/編

東京子ども図書館 (1997.11)

ストーリーテリングの小冊子「おはなしのろうそく」が、子どもたちにも読めるように編集しなおされ、丈夫な製本で出版された。表題作は、言われたとおりにするあまりにトンチンカンなことばかりしてしまう男の子の笑い話。ほかに昔話や手遊び、なぞなぞなど多彩なお話が紹介され、大人も子どもも楽しめる本になっている。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

パーシーとアラビアの王子さま(新しいこどもの文学)

ウルフ・スタルク/著 ・ 菱木 晃子/訳

小峰書店 (1997.11)

ウルフの友達のパーシーが引っ越すことになった。別れが辛いパーシーは、学校が嫌いになることばかりして、それを見たみんなはせつなくなる。一方ウルフの家には、パパが無線で知り合ったアラビアの王子様がくることになり家中大騒ぎになる。少年たちの毎日を小気味よいテンポで描いたユーモアたっぷりの物語。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

パコのあきまつり -メキシコのケツァルダンス-(えほん・こどものまつり)

なおえ みちる/作 ・ いまい とし/絵

リーブル (1997.11)

メキシコのある地方では、秋祭りにケツァルダンスを踊ります。6歳のパコは今年初めてなのでうまく踊れるか心配です。祭りに心ときめかす子どもの様子が、村をあげて準備をする人々や祭りのにぎわいの情景とともに丹念に描かれています。力強いカラフルな線の版画が、メキシコの明るい空気と暮らしぶりをよく伝えています。(幼児から)

物語小学校高学年から

父さんの納屋

アヴィ/作 ・ 谷口 由美子/訳

偕成社 (1997.11)

家に帰ったベンを待っていたのは、突然倒れ寝たきりになった父さんだった。兄弟3人だけで、畑を耕し父さんの介護をする生活が始まった。病気に対する怒り悲しみの中、ベンは父さんが建てたかった納屋を、無理をしてでも建てようとする。ベンの心情と家族の結び付きが、短い章で歯切れ良く語られ、最後まで一気に読ませる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ワトソン一家に天使がやってくるとき

クリストファー・ポール・カーティス/作 ・ 唐沢 則幸/訳

くもん出版 (1997.11)

4年生のケニーは、小さい妹ジョーイと悪ガキの兄バイと両親の5人家族。バイの悪さに手を焼いた両親は、祖母に預けようと一家で南部へ行く。ところがジョーイが行った教会で爆弾事件が起こり、助けようとしたケニーは、その惨状を目の当たりにする。互いに愛し合って暮らす黒人一家の、涙と笑いの日々と少年の成長を描く。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

ぼくらのドングリランド(いのちのゆりかごシリーズ)

佐藤 ヒロシ/作・絵

佼成出版社 (1997.1)

高松市の郊外にあるドングリランドは、ドングリをお金に見立てて、払い戻しに苗木を渡すというドングリ銀行の活動をしている。ドングリランドの四季の姿を通して、里山と呼ばれる雑木林の自然を守っていく大切さが描かれる。ドングリの種類や料理法もあり、コマ割りを効果的に使った絵でわかりやすく楽しめる。(小学校低学年から)

物語中学生から

ヒーローのふたつの世界

マーガレット・マーヒー/作 ・ 清水 真砂子/訳

岩波書店 (1997.1)

冗舌な家族の中でヒーローは、しゃべらない事で自分を位置づけようとする。ある日彼女は、ひょんな事からクレデンス屋敷の庭掃除のアルバイトをする事になる。自宅と屋敷を行き来するうち彼女は、徐々に奇妙な出来事に巻き込まれていく。様々な事件を経験するうちに自我に目覚めていく少女の姿を、凝った構成で描く。(中学生から)

物語中学生から

小川は川へ、川は海へ(Y.A.books)

スコット・オデール/作 ・ 柳井 薫/訳

小峰書店 (1997.1)

インディアンの少女サカジャウィアは、生後間もない息子を抱いて、大統領の命を受けた西部探検の旅にガイド兼通訳として同行した。ロッキー山脈を越え太平洋へと向かう困難に満ちた旅が、彼女の視点から語られる。旅の過程で出会った様々な部族のインディアン達の暮らしぶりも克明に描かれ、当時のアメリカの様子を伝える。(中学生から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

ゴリラを描きたくて -世界のゴリラを訪ねて-(ポプラ社いきいきノンフィクション 22)

阿部 知暁/著

ポプラ社 (1997.1)

画家の著者は、スケッチブック片手に日本をはじめ世界各地を訪ね歩き、大好きなゴリラの絵ばかり描き続けてきた。個性豊かなゴリラたちや、彼らを守り育てる人たちとのめぐりあいをつづる。1頭1頭のさりげない表情やしぐさまで、こまやかに描いた作品も多く掲載されていて、著者の温かいまなざしが感じられる。(小学校中学年から)

知識の本小学校高学年から

北の森の十二か月 -スラトコフの自然誌- 下(福音館のかがくのほん)

ニコライ・スラトコフ/文 ・ ニキータ・チャルーシン/絵

福音館書店 (1997.1)

北の森を歩いてみると、いろいろな発見がある。ホシムクドリが渡るのを見て春を感じたり、クロライチョウがいつも同じ時間に歌い始めるのが聞こえたりする。ロシアの森の中で息づく自然とさまざまな動物たちの様子が、自然を愛する著者の眼から情緒豊かに、ある時は、茶目っ気を交えて語られ、挿絵とともに楽しめる歳時記。(小学校高学年から)

知識の本小学校高学年から

北の森の十二か月 -スラトコフの自然誌- 上(福音館のかがくのほん)

ニコライ・スラトコフ/文 ・ ニキータ・チャルーシン/絵

福音館書店 (1997.1)

北の森を歩いてみると、いろいろな発見がある。ホシムクドリが渡るのを見て春を感じたり、クロライチョウがいつも同じ時間に歌い始めるのが聞こえたりする。ロシアの森の中で息づく自然とさまざまな動物たちの様子が、自然を愛する著者の眼から情緒豊かに、ある時は、茶目っ気を交えて語られ、挿絵とともに楽しめる歳時記。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

ちびくまくんといもうとララ(どうぶつ幼年童話)

イングリート・ユーベ/さく ・ ヘルガ・シュピース/え

偕成社 (1997.1)

ある日、ちびくまくんは小さな妹のララを連れて、友だちと森にサーカスを見に行きます。ところが、サーカスの後、ララがいないのに気づき、大あわてします。兄妹の関係を築き始めた二人を中心に心温まる物語が展開されます。柔らかいタッチの挿絵もよくあっています。「ちびくまくん」シリーズの6作目です。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

ハロウィーンの魔法(チア・ブックス 6)

ルーマ・ゴッデン/作 ・ 渡辺 南都子/訳

偕成社 (1997.1)

セリーナの愛馬ハギスは、いつもいうことをきかずに、マックじいさんの畑へ入ってしまう。ある日セリーナは、畑で倒れたマックじいさんを助け、世話をしに通うことになる。不器用な少女と、へそ曲がりな老人との心の交流を中心に、周囲の人々やスコットランドの農村の風物がよく描かれた、素朴な温かみのある物語。(小学校高学年から)

知識の本小学校中学年から

だまし絵であそぼう(科学であそぼう 12)

杉原 厚吉/文 ・ 早川 司寿乃/絵

岩波書店 (1997.9)

だまし絵とは、立体を表しているようにも見えるけれど、その立体の形が本当には作れそうにない絵のことです。この本では、だまし絵を自分でも描いてみる事ができるように図解し、またボール紙を使っただまし絵立体を作る方法が、丁寧に解説され工作することができます。不思議なだまし絵の世界を体験できる、興味深い1冊。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

あなたが守るあなたの心・あなたのからだ

森田 ゆり/作 ・ 平野 恵理子/絵

童話館出版 (1997.9)

安心・自信・自由という3つの大切な権利。それが奪われそうな時、自分を守るため何ができるかが、いじめなど身近な例を挙げながら分かりやすく説明されています。CAP(子どもへの暴力防止)のワークショップをもとに書かれており、“あなたは世界にただ1人の大切な存在"と語りかけてきます。親子で読みたい一冊です。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

十三階の海賊たち(Mystery club)

シド・フライシュマン/作 ・ 谷口 由美子/訳

偕成社 (1997.9)

行方不明になった姉を捜していたバッドは、ビルにあるはずのない13階から、300年前の世界に迷い込む。そこで彼は自分の祖先の船長と少女とに出会う。財宝をめぐる海賊の争いにまきこまれて漂流したり、魔女裁判で代理弁護人として活躍したりする少年の姿を、テンポよく描く。軽妙な語り口の冒険ファンタジー。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

ジョシィ・スミスのおはなし(世界傑作童話シリーズ)

マグダレン・ナブ/さく ・ たていし めぐみ/やく

福音館書店 (1997.9)

ジョシイ・スミスは小さい女の子。お母さんの誕生日にプレゼントを買うお金を稼ごうと、雑貨屋、農家、八百屋でお手伝いをしますが、どれもうまくいかなかったと思いこんで、走って逃げてしまいます。いろいろな失敗を重ねながらも、家族や町の人たちの温かいまなざしに支えられて、少しずつ成長していく姿を描きます。(小学校低学年から)

よみつがれてきた物語幼児から

ノックメニーの丘の巨人とおかみさん -アイルランドの昔話-

トミー・デ・パオラ/再話・絵 ・ 晴海 耕平/訳

童話館出版 (1997.9)

昔、ノックメニーの丘に、善良な巨人のフィン・マクールとおかみさんが楽しく暮らしていた。そこに、乱暴な巨人ククーリンがやってきた。ずっと彼から逃げ回ってきたフィンは、賢いおかみさんの知恵を借りて、立ち向かう。おかみさんとククーリンのやりとりが愉快なアイルランドの昔話。シンプルな絵と合わせて楽しめる。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

いるかのうみ(日本傑作絵本シリーズ)

菅 瞭三/さく

福音館書店 (1997.9)

嵐の去った翌朝、けんたは、海辺で動けなくなっていたイルカを助けた。彼はイルカと仲良くなり、海に潜ったり泳いだりして楽しく過ごす。ところがまた嵐がきて、イルカが姿を見せなくなってしまう。豊かな自然に包まれて友情をはぐくむ少年とイルカの姿をほのぼのと描いている。躍動感あふれる絵が、物語をひきたてている。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

一年生になるんだもん

角野 栄子/文 ・ 大島 妙子/絵

文化出版局 (1997.9)

もうすぐ1年生になるさっちゃんに入学のお知らせが来ます。学校ごっこをしたり、健康診断へ行ったり、お道具もいっぱいそろいました。小学校へ上がるのを楽しみにする子どもの様子が、入学式当日まで丹念に描かれます。クレヨン画のような絵は親しみやすく、多彩な色使いから、うれしい気持ちや期待感が伝わって来ます。(幼児から)

物語小学校低学年から

チビ台風アントンがやってきた(新・世界の子どもの本 10)

エバ・ベクセル/作 ・ カーリン・S・レーデル/絵

偕成社 (1997.9)

アントンは、元牧師で頑固なおじいちゃんと優しいおばあちゃんの家に兄のカールとやってきた。好奇心おう盛な孫たちと、彼らにふりまわされるおじいちゃん、おばあちゃんとの間で日々繰り広げられる騒動を、生き生きとした文章でユーモアたっぷりに描く。個性的な挿絵が登場人物をいっそう親しみ深くしている。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

きみにあえてよかった(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

エリザベス・デール/ぶん ・ フレデリック・ジュース/え

評論社 (1997.9)

ベンの大切な犬、スクランピイが死んでしまった。ママは新しい犬を飼ってみたらと勧めるが、彼は悲しくてそんな気になれない。時がたち、ベンはスクランピイのことを楽しい思い出と感じられるようになった自分に気づく。愛する者を失った悲しみを乗り越え成長する子どもの姿を、ほのぼのとしたタッチの絵で描いた絵本。(幼児から)

物語小学校中学年から

水のねこ

テレサ・トムリンソン/作 ・ 久慈 美貴/訳

徳間書店 (1997.8)

ジェーンは、家族と海辺の村に引っ越してきたが、なじめない。ある日いつもぬれている奇妙な猫を見つけ、そのなぞを追ううちに、洞くつに住むおじいさんに出会い、村に伝わる人魚伝説の事を知る。1950年代のイギリスを舞台に、様々な出会いの中で新しい環境になじんでゆく少女の様子を、なぞ解きとともに描くファンタジー。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

しりっぽおばけ

ジョアンナ・ガルドン/再話 ・ ポール・ガルドン/絵

ほるぷ出版 (1997.8)

じいさまが奇妙な動物のしっぽを切ったら、その夜、そいつが「しりっぽを返せ」とうめきながらおし入ってきた。アメリカに伝わる昔話に、くすんだ色彩の絵をそえて、何とも恐しいふん囲気をうまく表現した絵本。こわい話を期待する子にすすめたい1冊。

絵本/絵童話幼児から

おっきょちゃんとかっぱ(こどものとも傑作集 112)

長谷川 摂子/文 ・ 降矢 奈々/絵

福音館書店 (1997.8)

おっきょちゃんは、川でかっぱの子に誘われ、キュウリのおみやげを持って、かっぱのお祭りに行った。かっぱの国で楽しく遊び暮らしていたが、ふとしたことから家が恋しくなり、長老の知恵を借りて、家に帰ることにする。女の子の不思議な旅を、色鮮やかなやさしい筆使いの水彩で幻想的に描く、夏を感じさせる絵本。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

四季・クマの住む森(ハートシリーズ)

米田 一彦/著

中央法規出版 (1997.8)

日本のツキノワグマの生態を、20年以上研究している著者が出会ったクマたち。その食事や冬眠などさまざまな姿を、四季それぞれの時期に分けて紹介している。自然の中でのびのびと暮らすクマの様子が、豊富な写真とともに愛情深いまなざしで語られ、絶滅の危機にひんするクマを守ろうとする著者の気持ちが伝わってくる。(小学校中学年から)

物語中学生から

ビルマはるかなる空へ

幅 房子/作 ・ 永井 潔/絵

理論社 (1997.7)

和彦の死んだ祖父の元に、第二次大戦の復員兵でつくるビルマ会からの慰霊会の通知が届く。和彦は、祖父が生前とった不可解な行動の意味が、ビルマ会に参加すればわかるのではと考える。当時、兵士や従軍看護婦として参戦したビルマ会の人々の戦場での悲惨な体験が、淡々とした筆致で描かれる。実話を元にした記録文学。(中学生から)

物語小学校低学年から

石のねずみストーン・マウス

ジェニー・ニモ/作 ・ ヘレン・クレイグ/絵

偕成社 (1997.7)

マリアおばさんの家で2ひきのネコと暮らすストーン・マウスは、人と話せる石のねずみ。マウスは、夏休みに家族でやってきたエリーとはすぐに仲良くなるが、兄のテッドからはなぜかいじめられる。傷ついた少年のやり場のない気持ちが起こす行動を通し、不思議な小石と子どもたちとの心の交流を描いたファンタジー。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

オーディンとのろわれた語り部

スーザン・プライス/作 ・ パトリック・リンチ/挿絵

徳間書店 (1997.7)

アイスランドの邪悪な魔法使いが、北の国の女王と結婚するため、国一番の語り手トードに自分をたたえさせようとする。だがトードは断り、報復のため死霊を送り込まれる。トードに物乞いの老婆が授けた知恵とは何か。北欧神話を下敷きに、北国の長く荒々しく厳しい冬の闇と光、語りの力の不思議さが描かれた物語。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

アイラのおとまり

バーナード・ウエーバー/作・絵 ・ まえざわ あきえ/訳

徳間書店 (1997.7)

アイラは友だちの家に泊まることになりました。初めてのお泊まりにわくわくしながらも、お姉ちゃんに脅かされて、ちょっぴり心配になってきました。そんな子どもの気持ちを、ユーモアたっぷりに描いた絵本です。黒の濃淡をうまく使ったやわらかいタッチの絵が、登場人物の様子をいきいきととらえています。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

はいっちゃだめ!(大型絵本)

マイケル・ローゼン/文 ・ ボブ・グレアム/絵

岩波書店 (1997.7)

みんなで遊ぼうともってきたダンボールのうちを、ジョージが独り占めしてしまった。入ろうとする仲間たちを「入っちゃだめ!」と次々に追い出してしまう。遊び道具をめぐる子どもたちのやりとりをたくみにとらえた絵本。場面の展開に応じてモノトーンとカラーをうまく使い分けた、軽妙なタッチのペン画が楽しい。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

しんかんせんでおいかけろ!(のりものえほん)

横溝 英一/文と絵

小峰書店 (1997.7)

たつくんは小6のお姉さんと2人で、寝台特急で東京から熊本へ行く事になりました。ところが、お姉さんが勘違いから電車に乗り遅れてしまいました。お姉さんは慌てて新幹線で追いかけます。在来線と新幹線が並走する鉄道の風景を交じえ、のんきな弟と、きまじめな姉との好対照な姿をほのぼのと描く、ユーモラスな絵本です。(小学校低学年から)

物語中学生から

炎の鎖をつないで -南アフリカの子どもたち-

ビヴァリー・ナイドゥー/著 ・ さくま ゆみこ/訳

偕成社 (1997.7)

ある日突然ナレディたちの家に、白ペンキでくっきりと番号がつけられた。強制移住が始まったのだ。抗議の声は無視され、デモ行進しようとした子どもたちは、警官に攻撃された。ナレディは傷つき抵抗する中で、新しい友情を知り強くなっていく。闘いはこれからなのだ。1991年まで続いたアパルトヘイトの実態を描いた物語。(中学生から)

物語小学校低学年から

子犬のラッキーかんがえる(おはなしフェスタ 13)

B.ダフィ/作 ・ 長滝谷 富貴子/訳

あかね書房 (1997.7)

ジョージは、子犬を買ってもらいました。一週間でしつけないとお店に返されてしまいます。でも、期日になってもラッキーはいうことを聞きません。子犬をしつけようとする少年と、飼い主をしつけたい子犬が、それぞれに知恵を絞りながら歩み寄り、家族となっていく姿が、子どもと子犬の視点からユーモラスに描かれています。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

極北の犬トヨン

ニコライ・カラーシニコフ/作 ・ 高杉 一郎/訳

徳間書店 (1997.6)

腕利きの猟師だが不幸続きだったグランの人生は、少年ダーンと子犬のトヨンを引き取ってから一転した。優れた猟犬となったトヨンは、一家の守り神のようにさまざまな幸運をもたらした。シベリアの厳しい自然の中にとけこみ暮らす人々の姿や犬と人との心の交流を、歯切れのよい文体で丹念に描いている。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語小学校高学年から

アラビアン・ナイト(福音館古典童話シリーズ 33)

ケイト・D・ウィギン/編 ・ ノラ・A・スミス/編

福音館書店 (1997.6)

世界で一番不思議な本といわれる『アラビアン・ナイト』。その260以上にもなる物語の中から、アラディンが指輪とランプの魔物を使って悪い魔法使いと戦う「アラディンと魔法のランプ」など8編を短編集の形で収録している。奇想天外で幻想的な物語と、版画を用いた挿絵からアラビアの雰囲気が濃厚に伝わってくる。(小学校高学年から)

よみつがれてきた物語幼児から

カラスとよる(フレーベル館の新秀作絵本 7)

ニコール・ヴェルヘル・デ・ディオス/原作 ・ 太田 大八/絵

フレーベル館 (1997.6)

遠い昔、人間が生まれてまもないころ、大きな川のほとりに小さな村がありました。皆仲良く暮らしていましたが、ただひとつ太陽が沈まない事だけが悩みの種でした。困った村の人々は、太陽を隠すものがなにかないかと、色々と探します。アメリカ先住民を素材にした物語を、色調豊かな絵と簡潔な文章で仕上げた絵本です。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

野鳥記

平野 伸明/著

福音館書店 (1997.6)

ここに登場する野鳥は、主に関東地方とその周辺で撮影されている。月ごとの自然観察カレンダーの構成で、野鳥やそれをとりまく自然の姿が写し出されている。巣づくりやえさをとる様子など、大きな判型を生かして、ページごと、または見開きいっぱいに、豊富な写真がわかりやすく配置されており、変化を見比べて楽しめる。(小学校中学年から)

知識の本幼児から

あそぼうあそぼうおとうさん(かがくのとも傑作集)

浜田 桂子/さく

福音館書店 (1997.5)

親子で、互いに山や乗り物や食べ物になりきって、体をぶつけあったり、しがみついたり、のっかったりして、楽しく遊んでみませんか。この絵本では、日常生活の中でできるふれあい遊びが、数多く紹介されています。ほのぼのとした家族のふれあいの様子が、親しみやすく温かみのある絵柄で描かれています。(幼児から)

物語中学生から

魔法使いハウルと火の悪魔(空中の城 1)

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/作 ・ 西村 醇子/訳

徳間書店 (1997.5)

魔法の国インガリーに住むソフィーは、荒れ地の魔女の呪いで老婆に変えられてしまいます。家を出て、悪名高い魔法使いハウルの空中の城に住み込み、呪いを解いてもらう機会をうかがううちに、彼の意外な素顔を知り、力を合わせて魔女と戦おうとします。独創的な世界を意外性のある展開で描いたファンタジー。(中学生から)

物語小学校高学年から

まぼろしの白馬(岩波少年文庫 2141)

エリザベス・グージ/作 ・ 石井 桃子/訳

岩波書店 (1997.5)

13歳の孤児マリアは、家庭教師の先生と一緒に、田舎のおじさまの館で暮らすことになりました。すてきな館と美しい自然、穏やかな村、そこにはマリアのご先祖と月姫にまつわる謎があり、彼女の興味をひきつけます。19世紀イギリスの田園を舞台に、伝説と現実が合わさって展開する優しさあふれる物語。1967年訳の改訂版。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

はしれ!チビ電(絵本・ちいさななかまたち)

もろはし せいこう/作

童心社 (1997.5)

ユウキたちは、捨ててあった台車で、電車を作ることにした。つぎつぎと、仲間が集まって来た。みんなで手分けをし、アイデアを出し合い、ついに完成いざ町へ。絵には、立体感と動きがあり、見るほどによく描き込まれている。こどもたちの生き生きとした表情から、思い切り遊んだ満足感が、伝わって来る。(小学校低学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

アイガモ家族 -カモが育てるゆかいな米づくり-(ポプラ社いきいきノンフィクション 19)

佐藤 一美/著

ポプラ社 (1997.5)

完全無農薬有機農業にとりくむ古野さんは、試行錯誤を繰り返しながら、アイガモのヒナを水田に放して草取りをさせるアイガモ農法を確立させる。5人の子どもたちもできる仕事を分担し、家族で農業にとりくむ一家の暮らしぶりが豊富な写真で紹介されている。環境にやさしい農業のあり方をわかりやすく解説した本。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

けんか(ともだち絵本)

シャーロット・ゾロトウ/文 ・ ベン・シェクター/絵

童話屋 (1997.5)

突然冷たくなった友達の態度に悲しむ女の子。しうちの一つ一つを思い出し、「メアリなんてきらい。だいっきらいよ」と怒ります。そこへかあさんが、勇気を出してわけをきいてごらんなさい、といいました。けんかを題材に、子どもの揺れ動く心の移り変わりを、短い文とシンプルな絵で、生き生きと描き出しています。(幼児から)

物語中学生から

アンネがいたこの一年

ニーナ・ラウプリヒ/作 ・ 松沢 あさか/訳

さ・え・ら書房 (1997.5)

ザビーネが親友になったアンネは、白血病だった。ザビーネは彼女のことは好きだったが、病気と闘うアンネの気持ちや死への恐怖を感じとりながらも、その時は充分に話を聞いてあげることができなかった。アンネの死後、彼女との思い出をなぞるなかで、その死を受け入れていく12歳の少女の心の揺れや成長が描かれる。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

ふしぎなトイレくん

ニコラス・アラン/作 絵 ・ 山内 智恵子/訳

徳間書店 (1997.4)

ジェフリーは、すごくきれい好きなおばさんと二人暮らし。彼が見つけた魔法の薬も、取り上げられトイレに流されてしまう。だが、薬の効果でトイレが怪物に変身してしまい、おばさんをペロリと飲み込んでしまう。さみしい男の子とトイレをめぐるナンセンスな絵本。マンガ的な表現も楽しく、ほのぼのとした結末も安心できる。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

いろんな場所の虫さがし -昆虫図鑑-(みぢかなかがく)

藤丸 篤夫/文・写真

福音館書店 (1997.4)

著者は子どものころから虫が好きで、身近な自然に生きる虫たちの姿を撮り続けてきました。この本では、美しい写真を通して、雑木林や町なか、水辺や草地など、それぞれの場所に潜む昆虫たちの姿が、一匹一匹生き生きと紹介されています。何気なく見過ごしていた虫たちを、思わず自分でも探してみたくなる一冊です。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

幽霊屋敷で魔女と(山中恒よみもの文庫 7)

山中 恒/作

理論社 (1997.4)

4年生のマイは、祖母の急死と父の再婚で、新しいママとその連れ子シューと暮らすことになる。引っ越した家は評判の幽霊屋敷の上、シューはママが魔女じゃないかと言い出す。次々起こる奇妙な出来事に、祖母の幽霊まで現れ、魔女にまつわる屋敷の秘密を見せる。軽妙なタッチで描かれ、読み進むうちに怖さの忍び寄る話。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

わんぱくきょうだい大作戦(岩波少年文庫 1057)

マヤ・ヴォイチェホフスカ/作 ・ 清水 真砂子/訳

岩波書店 (1997.3)

お母さんが死んでから、モットたち3人兄弟は、事あるごとにわめいたり、けんかしたりするようになっていました。彼らは、自分たちを理解してくれる新しいお母さんを探そうと、作戦を練り始めます。3人の個性や感情が巧みに描き出されており、読者の共感を誘います。1981年刊の「岩波ようねんぶんこ」版を改訳したもの。(小学校中学年から)

知識の本小学校高学年から

兄姉弟妹(きょうだい)とくらべられても自分は自分(おとなになること 10)

水井 笙子/著 ・ 宮本 忠夫/絵

岩崎書店 (1997.3)

人と比べられるのは、誰にとっても不愉快なのに、大人は子どもたちを比べてばかりいる。親たちに比較されて育ち、投げやりになったり傷ついたりした思春期の子どもたちの実例をとりあげて、そこからの抜け道を探っている。子どもたちに、自分の個性に自信を持ち、自分らしく前向きに生きていこうと提案し、勇気づける本。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

地の底にいななく

富永 敏治/作 ・ 中谷 省三/絵

解放出版社 (1997.3)

吉郎の父は、彼が生まれて間もない時に、労働闘争がもとで逮捕され、囚徒坑夫として三池炭鉱で強制労働させられていた。そんな父に一目なりとも会いたい吉郎は、炭鉱で働く馬の世話をする事になる。明治末期の炭鉱を舞台に、厳しい労働に携わるうち、責任感に目覚めて成長していく少年の姿を、方言を交えて淡々と描く。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

もっとデッカイ世界があるぞ(自分探しの旅シリーズ 6)

秋山 仁/著

ポプラ社 (1997.3)

今は数学の教授である筆者は、中学、高校、大学とすべての受験に失敗したのは、当時の自分が本当の意味で自立していなかったからだと振り返る。そして、勉強とは、受験のためにする事ではなく、必ず報われるわけではないが、失敗を繰り返しても好きな事に向かって努力し続ける事だと、時に熱く時にユーモラスに語る。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

自分の部屋があったら(世界の子どもライブラリー)

マリア=グリーペ/作 ・ 山内 清子/訳

講談社 (1997.2)

ロッテンは、住み込みで働くママと暮らしています。いじめられっこの転校生ドリーを守ろうと、雇い主の娘と共に奮闘するロッテンですが、近ごろ、ママも彼女に秘密を持っているようなのです。多くの悩みを抱えながら、少しずつ成長していく思春期の少女の日常を丁寧に描いた作品です。『エレベーターで4階へ』の続編。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ロリーの勇気(フォーチュン団のなかまたち 2)

マーガレット・マーヒー/作 ・ ジョン・ファーマン/絵

岩波書店 (1997.2)

ロリーは名字が違うせいでフォーチュン一族のいとこ達の仲間に入れてもらえない女の子。ある日、両親が大げんかし、父親が家を出てしまいます。ロリーは両親を仲直りさせるために作戦をたて、自分自身も勇気のある女の子に変身して、フォーチュン団と共に大活躍します。同シリーズの他の作品、『木の上のひみつ基地』『テッサのお金もうけ』『ふしぎな暗号』と共に、子どもたちが日常生活の中でであう様々な問題を通して自分自身を見つめ、個性的に成長していく姿が、ユーモアたっぷりに生き生きと描かれています。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

馬と遊び馬と走るモンゴルの大草原(アジアの子どもたち 内モンゴル)

岡本 央/写真・文

草土文化 (1997.2)

どこまでも続く大草原には、すましたり、いたずらっぽく笑ったり、日本人によく似た顔の人がたくさん。そんな彼らは何を食べ、どんな家に暮らしているのだろうか。馬や羊とともに生きる日々が、子どもたちの生活を中心に写真で紹介されている。特に、モンゴルの祭りナーダムの少年競馬での子どもたちの晴れ姿が印象深い。(小学校低学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

子どもに語るアジアの昔話 2

松岡 享子/訳

こぐま社 (1997.2)

絶版になっていたユネスコの『アジアの昔話』全6巻の再編集版。アジアならではのユーモラスな話や不思議な話など、14カ国の昔話27篇を収録しています。それらは土着的なものでありながら、「昔話の根は深くのびて、『人間はみな同じ』というところにまで届いている」という言葉通り、国境をこえて私たちの心に入ってきます。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語小学校中学年から

子どもに語るアジアの昔話 1

松岡 享子/訳

こぐま社 (1997.2)

絶版になっていたユネスコの『アジアの昔話』全6巻の再編集版。アジアならではのユーモラスな話や不思議な話など、14カ国の昔話27篇を収録しています。それらは土着的なものでありながら、「昔話の根は深くのびて、『人間はみな同じ』というところにまで届いている」という言葉通り、国境をこえて私たちの心に入ってきます。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

よるのどうぶつえん(子どもたのしいかがく)

川口 幸男/ぶん ・ 村田 エミコ/え

大日本図書 (1997.2)

飼育係になったばかりの青木さんが、先輩と夜の動物園を見回ります。ナマケグマや象はいびきをかいて寝ていますが、クロヒョウのように、人の気配に敏感なものいます。私たちがなかなか見ることのできない夜の動物たちの姿を、黒白をうまく使った力強いタッチの木版画とともに見て楽しめる、ユニークな本。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

ネコ -みぢかなともだち-(みぢかなかがく)

田中 豊美/作

福音館書店 (1997.2)

塀の上で寝ていたり、路地裏を走り抜けたり、町で見かける様々なネコたち。彼らの鳴き声やしぐさの意味、出産・育児のしくみから飼い方まで、その生態を多角的にとらえて、丁寧に紹介した絵本です。長年の観察を通して、彼らの表情を写実的に描いた、たくさんのスケッチが、迫力と説得力とをもって、その魅力を伝えます。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校低学年から

はらっぱ -戦争・大空襲・戦後…いま-(童心社の絵本)

西村 繁男/画 ・ 神戸 光男/構成 文

童心社 (1997.2)

町の片隅の「はらっぱ」には、こどもが遊び、大人が集い、紙芝居や物売りもきます。しかしのどかな空き地も戦争の激化につれ様子が変わってきます。そして東京大空襲、敗戦。焼け野原からだんだん復興してゆく町。小さな空き地を通し、下町の1930年代から60年間の移り変わりが、四季の風物をまじえて丁寧に描かれています。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

さて、ぼくは?

モニカ・フェート/作 ・ 松沢 あさか/訳

さ・え・ら書房 (1997.2)

ハンネスは、双子の兄弟ヨーの影のように暮らす事が苦痛だった。しかし、ハンネスに友人ができ、二人の関係が少しずつ変わり始めた矢先、ヨーが事故死してしまう。自分が双子の片割れでなく、一人の人間である事を、身近な人々との触れ合いやヨーの死を通して学んでゆく姿を、様々なエピソードとともに描く。(小学校高学年から)

物語中学生から

アリスの見習い物語

カレン・クシュマン/著 ・ 柳井 薫/訳

あすなろ書房 (1997.2)

家も名前もなく放浪していた少女は、産婆見習いをするうちに、自分をアリスと名づけ、少しずつ自信を持ち、やがて、自分の居場所を見いだす。中世イギリスの農村を舞台に、村の一員として認められていく少女の姿を鮮やかに描いている。村の自然や人々の暮らしぶりとともに、人の心のもろさや温かさをこまやかに描いた物語。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

やさいのおなか(幼児絵本シリーズ)

きうち かつ/さく・え

福音館書店 (1997.1)

1つの野菜の断面がシルエットで描かれています。「これなあに」ページをめくると、同じ断面を彩色したものと、その野菜の全体の形が描かれています。11種類の身近な野菜の不思議な形のおなかを描くという、意外な構成で、1つずつ紹介しており、楽しめます。1984年出版のものを一回り大きくして見やすくした改訂版。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ほらみてみて(世界の絵本)

マイケル・グレイニエツ/作 ・ いとう ひろし/訳

講談社 (1997.1)

病気で寝ていなくてはならない「ぼく」ができることは、窓から外を眺めるくらい。でも、窓の下の通りや向かいのアパートでの出来事を見ていると、退屈なんてどこかにいってしまった。明るい色づかいに紙の凹凸を生かした表現で、子どもたちにも親しみやすい。様々なドラマが同時進行していて、絵から探す楽しみも味わえる。(幼児から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

光はやみより -愛と希望の灯台守タケオ・イワハシの伝記-(ハートシリーズ)

手島 悠介/作 ・ 藤本 四郎/絵

中央法規出版 (1996.12)

20歳で失明した岩橋武夫は、苦しみを乗り越え、周囲の協力で英文科を卒業し、英国に留学する。苦学する中、1920年代の先進的盲人福祉に触れた彼は、盲人福祉活動「ライトハウス運動」を日本に根付かせようとす。戦後、努力のかいあって、様々な法が制定され、組織が設立される。盲人福祉の礎を築いた人の感動的な伝記。(小学校高学年より)

物語小学校高学年から

ねこのお客(岩波少年文庫 1055)

ルース・エインズワース/作 ・ 河本 祥子/訳

岩波書店 (1996.12)

キャンディおくさんの庭にすみついたカメは、世界中を旅したお話の名人。初めはカメにやきもちをやいた動物たちとも仲良くなり、様々なお話をしてくれます。このような設定で始まるお話集には、嵐の夜貧乏なおじいさんの家にやってきた不思議な黒猫とのかかわりを描く表題作など10話が収められています。2巻目の『魔女のおくりもの』にも13のお話が収められています。昔話に題材をとったもの、子どもたちの日常に潜む不思議な出来事、妖精や魔女の出てくる話などバラエティに富んだ話が、巧みな構成で語られ、温もりと余韻を残します。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ちよのさんの森のさんぽ(おはなしランドくじらの部屋 4)

久米 直子/作 ・ 西巻 茅子/絵

理論社 (1996.12)

町外れに住むちよのさんは、朝の散歩が大好き。春一番が吹いた日、生まれたばかりのクマの子と一緒に、春の気配を探しに行きます。福寿草の香り、フキノトウの苦さなど、二人で身近なところで春をたくさん見つけました。四季折々の森で出会った動物たちと、おばあさんとの交流を、ほのぼのとしたイラストとともに描きます。(小学校中学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

ブータンの朝日に夢をのせて -ヒマラヤの王国で真の国際協力をとげた西岡京治の物語-(くもんのノンフィクション・愛のシリーズ 25)

木暮 正夫/作 ・ こぐれ けんじろう/絵

くもん出版 (1996.12)

1964年、西岡京治は、国交さえなかったヒマラヤの王国ブータンに農業指導のためやってきた。住民の理解と信頼を得るために妻と農場に住みつき、その人柄と勤勉さで着実に成果を上げる。農場が流された際には、時の総理大臣に面会し援助を約束させたりと、開発に尽力。やがて国王から「ダショー(最高の人)」の称号を受け、その地で亡くなった。その誠実な生き方が胸を打つ伝記。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

うちじゅうのいちにち

中村 まさあき/作

文化出版局 (1996.12)

ありそ町の親子5人は、どんな1日を過ごしているのでしょうか。家族の住む家を中心に、学校や職場でのそれぞれの暮らしぶりが、淡い色づかいの絵だけで1時間ごとに描かれていきます。イヌやネコのしぐさなど、細かいところを見ていくのがとても楽しい絵本。同じ町の人々の1日を表現した『いろいろないちにち』の続編。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

わたしのおひめさま

エリサ・クレヴェン/作・絵 ・ たが きょうこ/訳

徳間書店 (1996.12)

ある日、女の子は紙でお姫さまの人形をつくりました。服の色は塗りましたが、髪の毛をどうしようか迷っているうちに、お姫さまは風にさらわれてしまいました。あちこち飛ばされ、とうとうゴミ箱に捨てられたお姫さま。お姫さまは女の子の元に帰れるでしょうか?コラージュの技法で描かれた温かい色合いの絵が印象的な絵本です。(幼児から)

物語小学校低学年から

ソフィーのねがいごと

ウェンディー・オルー/文 ・ ゆあさ ふみえ/訳

あすなろ書房 (1996.12)

ソフィーには一緒に遊べるいとことペットが欲しいという、到底かなえられそうにない願い事がありました。彼女は7才の誕生日に、あこがれていたペットショップで店の老夫婦と出会い、ペットの世話をしたりして、楽しく過ごします。チャンスと夢をあきらめないことの大切さを教えてくれる、温かい気持ちになれる一冊です。(小学校低学年から)

知識の本小学校高学年から

ヘルシー沖縄料理 -子どもと一緒に楽しくつくろう!-

棚原 増美/著

沖縄出版 (1996.11)

栄養の偏りがちな食生活が問題になっている今、ヘルシーな沖縄の家庭料理をつくってみませんか。カラー写真と豊富なイラストで、つくり方が分かりやすく紹介されています。コラムなどで、沖縄の食材や食文化について知ることも出来ます。3色食品群表と栄養成分値つきで、栄養学的な配慮もされています。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

よるのおるすばん(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

マーティン・ワッデル/ぶん ・ パトリック・ベンソン/え

評論社 (1996.11)

ある夜、3羽のフクロウのひなたちが目をさますと、おかあさんがいない。そこで、ひなたちは考えて、巣の外にある木の枝に止まって、待つことにした。親鳥の帰りを待つひなたちの姿がほほえましい。見開き一杯に描かれた絵は、黒を効果的に使って、神秘的な夜の森の様子をうまく表現している。色使いの美しい絵本。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

とべ!出水のツル(いのちのゆりかごシリーズ)

関口 シュン/作・絵

佼成出版社 (1996.11)

鹿児島県出水市は、ナベヅルなど7種のツルの越冬地。43年間ツルの世話係をしている又野さんの目から見た、ツルの一日の生活やロシアでの子育ての様子、また、農作物を荒らさないように始めたえづけの苦労などが、ほのぼのとしたイラストとともに描かれている。又野さんのツルへの愛情と環境保護の大切さが伝わってくる絵本。(小学校低学年から)

物語中学生から

狼とくらした少女ジュリー

ジーン・クレイグヘッド・ジョージ/作 ・ ジョン・ショーエンヘール/挿絵

徳間書店 (1996.11)

両親と離別し、13歳で嫁いだ家も逃げ出したエスキモーの少女ジュリーは、広大なツンドラ地帯で道に迷う。生き延びるため、オオカミの仲間になろうと、そのしぐさや習性を学んだ彼女は、やがて群れの一員として受け入れられる。厳しい大自然の中、オオカミや民族の心の豊かさに触れ、強く生き抜く少女の姿を、克明に描く。(中学生から)

知識の本小学校低学年から

地球はえらい(みぢかなかがく)

城 雄二/案 ・ 香原 知志/文

福音館書店 (1996.11)

地球が生まれたのは46億年前。ではヒトの祖先が現れたのは、いつごろだろう。長い地球の歴史のひとコマひとコマが、ダイナミックな絵で描かれていく。人間は、地球の多くの生きものの中のひとつにすぎないということがわかる。広い宇宙でただひとつ、生きものがいる地球を、未来へ伝えることの大切さを考えさせられる1冊。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

キロコちゃんとみどりのくつ(おはなしフェスタ 7)

たかどの ほうこ/作・絵

あかね書房 (1996.11)

わがまま娘のキロコは、小さな靴屋で、奇妙な緑色の靴をみつける。その靴は、彼女の気持ちにおかまいなく踊りだしたり、塀の上を軽々と歩いたり、様々な騒動をひきおこす。しかし、キロコと靴は協力して楽しむ事を覚えていく。主人公の成長もからめて、周囲の人たちとのかかわりがユーモラスに描かれ、楽しく読める物語。(小学校中学年から)

物語中学生から

星条旗よ永遠なれ

アヴィ/作 ・ 唐沢 則幸/訳

くもん出版 (1996.11)

フィリップは、陸上選手を夢見る高校生。彼は、静聴すべき朝礼時に国歌を歌ったことで停学になる。この小さな事件が家庭と学校の枠を超え、マスコミを通じて全米に波紋を広げる。それぞれの主張を、日記や連絡文書、会話などで構成し、現代社会に隠された様々な問題を浮き彫りにしたドキュメンタリー・タッチのドラマ。(中学生から)

物語小学校高学年から

ダルメシアン -100と1ぴきの犬の物語-(Modern classic selection 1)

ドディー・スミス/著 ・ J・グラハム=ジョンストン/絵

文溪堂 (1996.11)

ロンドンに、ポンゴとミセスというダルメシアンの夫婦がいました。子犬も15匹産まれ幸せでしたが、その子犬たちが悪徳毛皮商にさらわれてしまいました。ロンドン周辺の動物たちを巻き込んでの大捜索と、あちこちからさらわれた百匹近い子犬たちの脱出劇がスリリングに展開します。映画でもおなじみのお話の完訳版です。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

山んばあさんとむじな

いとう じゅんいち/作・絵

徳間書店 (1996.1)

村一番の年寄り、山んばあさんの言うことには、裏山で日暮れまで遊ぶと、ムジナが化けて出るそうな。これを聞き流したいたずら坊主4人は、暗くなるまで遊んでいて、ムジナにさんざん脅かされてしまう。昔話が息づく村で生きる人間と化け物双方を、表情豊かで個性的な絵が、迫力たっぷりユーモラスに描き出す。(幼児から)

物語小学校高学年から

あるがままを受け入れて -新しいきずな-(文研じゅべにーる)

クリスティ・ホール/作 ・ 清水 奈緒子/訳

文研出版 (1996.1)

ジューンは母と共に、フランクリン老人の家へ引っ越した。中学生になって変化した友人たちへのとまどいや、著しい環境の変化に緊張する彼女は、頑固で無愛想な彼と折り合いをつけられずに悩む。血のつながりを越えて「家族」となる道を模索する人々を、少女の視点から描き出す。「ほんとうの家族のように」の続編。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

大きな木のおくりもの

アルビン・トレッセルト/作 ・ アンリ・ソレンセン/絵

あすなろ書房 (1996.1)

森の中にそびえたつナラの木。木陰を作り、鳥やリスなどの安心な住家となり、ドングリの実をふらせ、土を肥やす葉を落とします。営みを続け樹齢を重ねるうちに、木はだんだん年老いて弱り、ついに倒れます。一本の木が自然界で生きて朽ちてゆき、また再生する様が、淡々とした文と柔らかな筆使いの絵で描かれた本。(幼児から)

物語小学校中学年から

かぼちゃ畑の女王さま

キャサリン・パターソン/作 ・ 岡本 浜江/訳

偕成社 (1996.1)

大好きだった父の死後、9才の少女ヴィニーは、母と弟とともに田舎の祖母の家で暮らす事になった。そこでの生活になじめないうえ、父の死のショックで口をきかなくなった弟に悩まされる彼女は、リュープという名の奇妙な少女と出会う。肉親の死で傷ついた子どもの心が様々な思いに揺らぎながらいやされるまでを描いた物語。(小学校中学年から)

よみつがれてきた物語幼児から

ダチョウのくびはなぜながい? -アフリカのむかしばなし-

ヴァーナ・アーダマ/文 ・ マーシャ・ブラウン/絵

富山房 (1996.1)

ずーっと昔、ダチョウは短い首をしていました。ある時、水辺に住むワニが歯痛になり、助けを求めに来ますが、動物たちは皆ワニを恐れて近寄りません。ダチョウだけは哀れに思い助けてやろうとしますが……。太い線と大胆なタッチの絵が、動物たちの豊かな表情を際立たせ、ユーモラスな味わいを醸し出した愉快な絵本。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ねこ ねこやなぎ(福音館の幼児絵本)

古矢 一穂/え ・ 岸田 衿子/ぶん

福音館書店 (1996.1)

ネコ ネコヤナギ、ネズミ ネズミサシ、クマ クマイチゴという風に、子どもたちにもなじみ深い動物とそれにちなんだ名前の実在の植物が登場します。柔らかいタッチで描かれた美しい色彩の絵が、動物たちを表情豊かに表しています。言葉遊びのような軽妙な詩も楽しく、ゆっくりと読み聞かせてあげたい絵本です。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

ウミガメの海岸(森の新聞 5)

内田 至/著

フレーベル館 (1996.1)

ウミガメは海で暮らす動物だが、砂浜にしか産卵できない。ところが、日本の海岸は埋め立てや護岸工事などで姿を変え、産卵場所が減っている。この本は、ウミガメの生態を、写真をふんだんに使って語るとともに、ウミガメを通して、海岸という場所の大切さを語り、人間と自然が共存していく道を探っている。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

ハリーのひみつのオウム(世界の子どもライブラリー)

ディック・キング=スミス/作 ・ 三村 美智子/訳

講談社 (1996.9)

ハリーは、死んだ大おじさんからオウムのマディスンを贈られた。会話もチェスも人間以上のすごいオウムであることは、ハリーと両親だけの秘密。ある日強盗が入り、マディスンをさらって逃げてしまう。電話や声色を駆使したマディスンの逃走劇を、オウムと人間たちのおかしなやりとりとともに、ユーモアたっぷりに描く。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ジグザグトラック家族(わくわくライブラリー)

ひろた みを/作 ・ 野村 たかあき/絵

講談社 (1996.9)

5年生の良太は、父親に入れられた施設を飛び出した。万引きの現場を、長距離トラックの運転手シーチャンに見つかり助けられる。離婚した母親の元へ連れていってもらうことになるが、彼女の人柄に触れ、親子ごっこをするうちに、心を開いていく。丁寧な人物描写で、家族のつながり、温かさについて考えさせられる作品。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

フィオリモンド姫の首かざり(岩波少年文庫 2135)

ド・モーガン/作 ・ 矢川 澄子/訳

岩波書店 (1996.9)

世にも美しいフィオリモンド姫が、魔法の首飾りを使って、並み居る婚約者を宝石に変えていく表題作の他、竪琴ひきとその妻の哀切な物語「さすらいのアラスモン」など7編を収めている。イギリス・ヴィクトリア朝時代に発表されたもので、幻想的でロマンチックな中にも、作者の女性ならではの細やかな視点が生きている。(小学校高学年から)

知識の本小学校高学年から

子供の科学流手づくり食品

増尾 清/著

誠文堂新光社 (1996.9)

現在、工場で大量生産されている食品も、かつては家庭で手作りされていた。本書では、ジャムやマヨネーズ、うどんやふりかけなどの34の食品の作り方を絵入りで示し、保存方法や添加物なしで作れる理由、市販品との違いについて説明している。実際に手作りを楽しみながら、食生活について考えることができる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

パンケーキにのっけたバターみたい

ジョナサン・ロンドン/ぶん ・ G・ブライアン・カラス/え

ほるぷ出版 (1996.9)

小さな男の子の一日は、温かくてとろけそうな太陽の光から始まります。そして、家の中や外の様々な音、朝食のおいしそうなにおいへと、ゆっくりゆっくり進んでいきます。なにげないけれど楽しさあふれる一日が、くりかえしのある詩のような言葉遣いと、シンプルな優しい感じの絵とで、リズミカルに描き出されています。(幼児から)

よみつがれてきた物語幼児から

みにくいむすめ(世界の絵本 23)

レイフ・マーティン/作 ・ デイヴィッド・シャノン/絵

岩崎書店 (1996.9)

ある村に村娘があこがれる『見えない人』 がいた。彼と結婚するには姿が見えなければならない。村に住む三人姉妹の姉二人も姿が見えたと偽り出かけるが、すごすごと帰ってくる。だがみにくい妹には、どこを見ても彼の顔が見えるのだった。ネイティブ・アメリカンに伝わるシンデレラ物語が深みのある絵で豊かに語られている。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

くまにてがみをかきました

ジョアナ・ハリスン/作 ・ 竹下 文子/訳

偕成社 (1996.9)

ケイティは元気な女の子ですが、階段の下の物置にクマが住んでいると思い込んで、とても怖がっています。お母さんの勧めで彼女がクマに手紙を書くと、クマからも返事が送られてきました。夢と現実のはざまに生きる女の子と、そんな彼女を温かく見守る両親をマンガ的なコマ割りを併せて描く、ほのぼのした絵本です。(幼児から)

物語中学生から

シャンハイ・ボーイ チア・リ君(ヤング・アダルト文庫 14)

秦 文君/作 ・ 片桐 園/訳

岩崎書店 (1996.8)

チア・リ君は中学1年生。双子の妹チア・メイを芸術クラブの花形にするために、特訓したまではよかったが、妹を更に目立たせようとして大失敗する。やんちゃで、どことなく憎めない主人公の姿が、親友ルー君とともに、愛情を込めて描かれている。中国で最大の都市シャンハイを舞台とした、歯切れの良いユーモラスな物語。(中学生から)

知識の本中学生から

砂糖の世界史(岩波ジュニア新書 276)

川北 稔/著

岩波書店 (1996.7)

私たちの身の回りにある砂糖。インドネシア発祥といわれる砂糖がこのように世界中に広まるようになったのは、欧州諸国が進めた奴隷制による砂糖きび栽培に原因がありました。「世界商品」たる砂糖の歴史に焦点をあてることで、限られた地域や年代ではわかりにくい近代から現代への世界史の大きな動きを描いています。(中学生から)

知識の本小学校高学年から

恐竜のタマゴ

ヒサ クニヒコ/文 絵

講談社 (1996.7)

1923年にゴビ砂漠で恐竜の卵と巣の化石が発見されて、恐竜は卵を産む動物だということがわかった。各地で見つかる卵の大きさや形、産卵法は、実にさまざまだ。本書はこれらの化石の研究から、科学的な推理に基づいて、恐竜の暮らしや子育てなどをまとめている。写真や図版が豊富にあって、わかりやすく、楽しく読める。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ぼくはこどものぞうです

タナ・ホーバン/しゃしん ・ ミエラ・フォード/ぶん

リブロポート (1996.7)

水に片足を入れて、次に両方の足。水しぶきをあげたりもぐったりと、水浴びする子ゾウの動きを1ページ1枚の写真と簡潔な文で追ってゆきます。普段は立ち姿しか思い浮かばない動物園のゾウの、様々な姿態と表情を見ることができます。その喜び戯れる様子は人間の子どもとかわりがないようです。のどかでほほえましい絵本。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

恐竜とともだちになる本

松岡 達英/絵 ・ 富田 京一/文

ブロンズ新社 (1996.7)

恐竜が、はちゅう類の仲間だという事を知っていましたか。では、恐竜が鳥の先祖だった事は。本書では、恐竜の誕生、進化、発掘、分類、暮らしなどの最新情報を豊富なイラストとともにわかり易く紹介しています。クイズやQ&Aなど工夫がいっぱいで、楽しみながら恐竜について知ることが出来る一冊です。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

「坂岡」はぼくらの始発駅(文研ブックランド)

木村 セツ子/作 ・ 福田 岩緒/絵

文研出版 (1996.7)

4年生の弘たちの住む坂岡村には私鉄の終着駅がある。駅を通って町からやってくるものは、子どもたちの内にちょっとした波乱を巻き起こす。あこがれの先生や新米駅員など、町から来た人たちと少年たちとの個々の話が重なり合って、鉄道廃止寸前の村を舞台に、自分を見つめ直す彼らの姿を等身大に描き出す。(小学校中学年から)

物語中学生から

金曜日うまれの子

M.ムシェロヴィチ/作 ・ 田村 和子/訳

岩波書店 (1996.7)

16歳のアウレリアは、母親の死後、別れて暮らしていた父親に引き取られるが、新しい生活になじめない。そんな時、夏休みを田舎で過ごすことになり、祖母の自然で誠実な態度に彼女は心を開いていく。現代のポーランドを舞台に、思春期の少女の微妙な心の動きを、彼女と関わる人々の視点も織り混ぜて、丁寧に描いた物語。(中学生から)

物語小学校高学年から

精霊の守り人(偕成社ワンダーランド 15)

上橋 菜穂子/作 ・ 二木 真希子/絵

偕成社 (1996.7)

精霊の卵を宿した皇子チャグムを守るため、女用心棒バルサは、彼と共に旅に出る。皇国の建国史と原住民ヤクーの伝説のはざまに隠れた精霊の卵とその天敵、卵食いの正体とは……。姿の見えない敵との戦いと、バルサや彼女の仲間との触れ合いの中で、人間として成長していくチャグムの姿を描くファンタジー。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

ベルナの目はななえさんの目(絵本・こどものひろば)

郡司 ななえ/さく ・ 織茂 恭子/さく

童心社 (1996.7)

ななえさん夫婦は目が見えません。子ども好きな二人ですが、子育ては不安です。そこで、こうじさんは盲導犬と暮らすことを提案します。犬嫌いだったのが、ベルナと厳しい訓練を受けるうちに大切な家族の一員になるのですが。著者が実体験を語るなかからうまれた絵本。人物の表情やしぐさが切り絵で豊かに表現されています。(幼児から)

物語小学校高学年から

トウシューズ

ルーマ・ゴッデン/作 ・ 渡辺 南都子/訳

偕成社 (1996.7)

貧しい境遇に育ったロッテは、バレエダンサーを目指す10歳の少女。寄宿制のバレエ学校の入学試験に受かって、新しい世界に飛びこんでいく。様々な出来事や悩みを乗り越えて、バレエに打ち込んでいく少女の姿が描かれる。ロッテを取り巻く周囲の人々の的確な人物描写とともに、語り口のうまさにひきこまれる。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

トラねこマーチンねずみをかう(あかね世界の文学シリーズ)

D.キング=スミス/作 ・ 金原 瑞人/訳

あかね書房 (1996.6)

ネコはネズミが大好物。でもマーチンは、食べずにペットにしている。ネズミが可愛いくてしょうがないのだ。えさをやり、すみかを調え、せっせと世話をする。普通と違うことで、みんなにはバカにされ、面倒にも巻き込まれるが、自分の気持ちに正直に生きていく。好奇心豊かであいきょうのあるネコの姿を、愛情を込め、ユーモアたっぷりに描いた作品。挿絵にも温かみがあふれている。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ささやき貝の秘密(岩波少年文庫 2134)

ヒュー・ロフティング/作 ・ 山下 明生/訳

岩波書店 (1996.6)

ジャイルズとアンは、魔女と呼ばれるアグネスばあさんから魔法のささやき貝をもらう。貝の力を借りて王の危機を救ったジャイルズは、騎士として王に取り立てられる。さがしもの係となったジャイルズは自らの機知とささやき貝の力によって、様々な事件を解決していく。中世のヨーロッパを舞台とした冒険と魔法のファンタジー。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

どうぶつえんのたんけん -飼育係のしごと-(みぢかなかがく)

なかの ひろみ/文 ・ 福田 豊文/写真

福音館書店 (1996.6)

動物園の探検とはいえ、この本の主役は飼育係。表からは見えない、動物にあわせたえさの用意、子ども向けの行事などの多種多様な仕事や、動物たちのくつろいだ表情が、数多くの写真で紹介されている。全国各地で取材された飼育係の見せる笑顔も印象的。飼育係、獣医さんになりたい人へのアドバイスも書かれている。(小学校低学年から)

知識の本小学校低学年から

おねしょの名人(福音館のかがくのほん)

山田 真/著 ・ 柳生 弦一郎/著

福音館書店 (1996.6)

どうしておねしょをするのかな。この問いに小児科医である山田先生は、おしっこの出来る仕組みから説明していく。そしておねしょをする子どもはゆっくりと大人になっていく性質で、ほとんどの場合病気ではないと説く。柳生さんによる手書き文字とユーモラスなイラストが、内容をさらに親しみやすいものにしている。(小学校低学年から)

知識の本小学校中学年から

ハヤブサの都市(森の新聞 2)

宮崎 学/著

フレーベル館 (1996.5)

海沿いの絶壁に生息するハヤブサが、都市にすみつき始めた。えさになるドバトを追って来たのだ。厳しい自然の中での狩りや子育ての様子、海外の都市部での保護活動について、生き生きした写真とともに分かりやすく説明されている。減少するハヤブサの問題を通して、人間と動物の共生のあり方を考えさせられる一冊。(小学校中学年から)

知識の本小学校中学年から

ズ~ムイン・アザラシ(旺文社ジュニア・ノンフィクション)

中村 庸夫/写真・文

旺文社 (1996.4)

アザラシは、世界の海や湖に19種類も住んでいる。アザラシとはどんな動物か。その暮らしぶりが、豊富な写真によって紹介されていて、気軽に読める。著者は海をテーマに写真を撮り続けており、アザラシの愛らしいのびのびとした姿を表情豊かにとらえている。人間と自然のかかわり方についても考えさせられる本。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

西風のくれた鍵(岩波少年文庫 2132)

アリソン・アトリー/作 ・ 石井 桃子/訳

岩波書店 (1996.4)

ジョンが西風からもらった木の実は、鍵だった。なぞをとき、木をあけると、小さな戸棚を発見する。そこには、木の秘密が隠されていた。現実の中に垣間見える不思議を、美しい自然の情景とともに描き出す、幻想的な物語。表題作の外、スパイス売りの老女の話など、人間と妖精の二つの世界が交錯する、5話を収めた短編集。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

ねこのくにのおきゃくさま(世界傑作絵本シリーズ)

シビル・ウェッタシンハ/さく ・ まつおか きょうこ/やく

福音館書店 (1996.4)

猫の国の住人たちは、よく働くが楽しむことを知らなかった。ある日仮面をつけた風変わりな二人連れが訪れ、猫たちに音楽と踊りの楽しさを教える。喜んだ王様に請われ、仮面をとった二人だが・・・・。明るい色使い、丸みを帯びたタッチで描かれた猫たちの絵と、温かみのあるお話とがあいまって、ユーモラスな魅力を備えた絵本。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

コッコさんのかかし(日本傑作絵本シリーズ)

片山 健/[作]

福音館書店 (1996.4)

コッコさんは、お父さんとお兄ちゃんと3人でかかしをつくり、近所の畑に立ててもらいました。自分のつくったものを一途に見つめる幼い子どもの目を通して、かかしの変化と、春から晩秋にかけての生命力にあふれた畑の情景が、鮮やかに描かれます。素朴なタッチで濃密にかきこまれた独特の絵が心に残る本。(幼児から)

物語小学校高学年から

ライオンと歩いた少年

エリック・キャンベル/作 ・ さくま ゆみこ/訳

徳間書店 (1996.2)

アフリカのサバンナで飛行機が墜落した。乗っていた3人のうちパイロットは重傷、父は骨折して動けない。都会育ちの少年、クリスは1人で助けを求めに行く決意をする。アフリカの大自然で繰り返される動物たちの生と死のドラマとともに、少年と老ライオンの魂のふれあいを骨太な文章で生き生きと描く。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

せかいいち大きな女の子のものがたり

ポール O.ゼリンスキー/絵 ・ アン・アイザックス/文

富山房 (1996.2)

アメリカうまれのアンジェリカは、世界一大きな女の子。その力をいかし町の人を助け、「てんしちゃん」と呼ばれている。ある日、力自慢の男たちが何人かかっても倒せなかった大グマと、5日間にわたって、大地をゆるがし格闘する。薄板に、画面いっぱい描かれた油絵が、おおらかな物語を読者に印象的に語りかけてくる。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

せんせい(かがくのとも傑作集)

大場 牧夫/ぶん ・ 長 新太/え

福音館書店 (1996.2)

せんせいって、ときどきうまだよ。おおかみだよ。かんごふさんだよ。こぶたぐみの子供たちの言葉通りに、色々な姿で先生が登場します。ページをめくると、園生活の楽しい一コマが描かれ、子供たちの抱く先生のイメージが解き明かされます。先生を慕う子供たちの気持ちが伝わる一冊。色使いや絵柄も大胆で印象的です。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

ぼくたちのコンニャク先生

星川 ひろ子/写真 文

小学館 (1996.2)

ぼくの先生はね、走れないし、しゃべるのも苦手だけど、足で絵をかいたりしてくれて面白いんだ。生まれた時、脳性まひっていうのになったんだって。コンニャク先生の保育園での生活を園児の視点からまとめた写真絵本。写真にとらえられた数々の豊かな表情が、子供たちと先生の間で育まれてきた理解と情愛を雄弁に物語る。(幼児から)

物語小学校高学年から

ごめん

ひこ・田中/作

偕成社 (1996.1)

ファミコン好きの6年生の聖市は町でひと目ぼれした少女に果敢にアタックする。気持ちはこどものままでも体だけ勝手に大人になってしまうという思春期特有のとまどいの中で、やりなおしのきかない現実があることに気づく。個性豊かな級友や大人たちとのかかわりを交えつつ、性に目覚める少年の等身大の日常を淡々と描く。(小学校高学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

せかいいちうつくしいぼくの村(えほんはともだち 40)

小林 豊/作・絵

ポプラ社 (1995.12)

ヤモは、父と町へ果物を売りにいく。のどかな村や活気にあふれた町にも、戦争が影を落している。彼は買ってもらった羊をみせようと、兄の帰りを待つ。豊かな色彩で細やかに描きこまれた絵が、人々の暮らしぶりをいきいきと伝える。内戦中のアフガニスタンを舞台に、間接的に戦争の悲惨さを訴えた印象的な絵本。(小学校低学年から)

物語中学生から

ギンヤンマ飛ぶ空(新こみね創作児童文学)

北村 けんじ/作 ・ 石倉 欣二/絵

小峰書店 (1995.12)

日中戦争さなかの昭和15年、5年生のケンボは、がき大将のグンちゃんや仲間たちとトンボとりや戦争ごっこの日々を過ごしている。平凡にくり返される日常だが、友だちの父親の出征や食料不足など、戦争の影は次第に色濃くなっていく。著者の少年時代を題材に、ぶつかりあいながら成長していく子どもたちの姿を淡々と描く。(中学生から)

物語中学生から

わたしを置いていかないで(ときめき文学館 1)

I・スコーテ/作 ・ 今井 冬美/訳

金の星社 (1995.12)

父さんが行方不明になった。帰宅した父に浮気の疑いをかけるシルヴィだが、アルツハイマー病のためだとわかる。記憶を失っていく父の変化に耐えられず、おいつめられる母娘だったが・・・・。会話もなくばらばらだった家族が、病に冒された父と向きあい受け入れていくことで、きずなを取り戻していく様子を少女の視点から描く。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

いたずらビリーとほしワッペン

パット・ハッチンス/さく ・ いぬい ゆみこ/やく

偕成社 (1995.12)

幼稚園に通うことになったかいじゅうビリーは、先生の言うことをきこうとしません。しかし悪いことをすれするほど、先生は「かいじゅうらしい!」と感心し、ほうびにほしワッペンをつけてくれます。大胆な色使いで奇妙なかいじゅうたちを表情豊かに描いた絵本。幼い子どもの共感を呼ぶ愉快なシリースの4作目。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

マザーツリー(科学絵本)

松岡 達英/絵 ・ 村田 真一/文

小学館 (1995.12)

青森県と秋田県にまたがって広がる白神山地の原生林の中に、300年以上生きている1本のブナの大木マザーツリーがある。マザーツリーをとりまく森の一年を、そこに生きる多くの昆虫や鳥などの動物たち、様々な植物の姿とともに描き出す。丁寧に描かれた美しい絵が、生命のつながりや自然のしくみを豊かに表現している。 (小学校低学年から)

物語中学生から

弟の戦争

ロバート・ウェストール/作 ・ 原田 勝/訳

徳間書店 (1995.11)

イギリスの典型的な家庭に生まれ育った15歳のトムは、感応力の鋭い弟のアンディをかわいがっていた。ある夜、アンディが夢うつつで、知らない言葉を話し始め、トムは彼がイラクの少年兵の魂と入れ替わっていることに気付く。1990年の湾岸戦争を背景に、日常の平和に潜む戦争の影を、印象的な筆致で浮き彫りにしている。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

おやすみなさい

イヴ・ライス/作 ・ かたやま れいこ/訳

ほるぷ出版 (1995.11)

本をあけると静かな夜の手ざわりが迎えてくれます。モノトーンにやわらかな黄色のあかりが、ふしぎなぬくもりを伝えています。「おやすみなさい」と言い交わし眠りにつこうとする人々と街の様子が、易しく短い文と言葉のくりかえしのリズムで心地よく描かれています。幼い子の就寝前に読んであげたい一冊。(幼児から)

絵本/絵童話小学校低学年から

しりたがりやのこぶたくん(こぶたくんのおはなしシリーズ 2)

ジーン・バン・ルーワン/さく ・ アーノルド・ローベル/え

童話館出版 (1995.11)

今日はかあさんの休日。こぶたくんと妹のアマンダの面倒を、おばあちゃんが見に来てくれました。何もかも普段と違っていて、かあさんが恋しくなった二人ですが、おばあちゃんが教えてくれる素敵な歌のおかげで、いつもと違う楽しさを見いだします。このほかとうさんとかぼちゃを作る話など、こぶたくん一家のなにげない日々の一角を、温かく描き出す4編の話が収められています。素朴で親しみが持てる絵も魅力を添えて、前作『こぶたくん』とともに楽しめる作品です。子供たちがこぶたくんやアマンダに等身大の自分の姿を映すことでしょう。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

クリスマスをさがして(世界の絵本ライブラリー)

T・S・ハイマン/作・絵 ・ 若林 千鶴/訳

金の星社 (1995.11)

クリスマスというものを知らない女の子が、森へさがしに出かけます。途中出会った動物たちとともに、まだ見ぬクリスマスへの思いをふくらませていきます。それはどんな形?どんな味?そして見つけたものは・・・・・・・。素朴なイマジネーションの世界に遊ぶ楽しさに満ち、心豊かになれるお話。色数を抑えた絵が印象的。(幼児から)

物語中学生から

ブロックルハースト・グローブの謎の屋敷(メニム一家の物語)

シルヴィア・ウォー/作 ・ こだま ともこ/訳

講談社 (1995.1)

近所つきあいのほとんどないメニム一家の正体。それは、感情を持ち生きている等身大の布製の人形だった。痛みも空腹も感じず、四十年間人間「ごっこ」を繰り返してきた。ある日届いた一通の手紙がこの家の平和を脅かす。次々と起こる騒動の中、人ならぬ者たちの苦悩や愛の絆を、確かな筆致で描き出したファンタジー。(中学生から)

物語小学校低学年から

泣かないで、くまくん

アン-マドレイヌ・シェロット/作・絵 ・ 菱木 晃子/訳

徳間書店 (1995.1)

ある日、砂場に忘れられたくまくんは、置きざりにされたおもちゃたちが楽しく暮らす切り株の家へ招待された。持ち主が迎えに来てくれるのを待ちながら、その素敵な家での生活になじむ。親切な大くまさんや他の仲間とのふれあいの中でくまくんはある決意をする。愛らしいカラーのさし絵が全編に散りばめられた心温まる物語。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

めんどりペニー

ポール・ガルドン/おはなしとえ ・ 谷川 俊太郎/やく

童話館出版 (1995.1)

ある日、めんどりペニーは、どんぐりが頭に当たったのを空が落ちてきたのだと勘違いし、王様に知らせようと鳥たちと共に道を急いでいた。そこへ、狐が現われ、近道を教えてやると、みんなをほら穴へ案内するが……。弱肉強食の残酷な結末だが、動きのある軽快な絵と繰り返しの言葉で奇妙な味わいのある絵本に仕立てている。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

サンタさんのいちにち

長尾 玲子/さく

福音館書店 (1995.1)

女の子がケーキを買いに行く『あっちゃんとゆびにんぎょう』、ケーキ屋さんが主人公の『100こめのクリスマス・ケーキ』、そして、トナカイと一緒にプレゼントを配る『サンタさんのいちにち』。それぞれ別々のお話でありながら、互いに接点を持ち、他人への思いやりにあふれた一つの物語が浮かび上がる。一つひとつ丁寧に仕上げられた美しい刺しゅう絵が、全編を彩り、優しく温かな雰囲気を醸し出している。一冊ずつでも、また、どれから読んでも楽しめるが、三冊そろうと納得、一層楽しめる、小さなかわいらしい絵本。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

あっちゃんとゆびにんぎょう

長尾 玲子/さく

福音館書店 (1995.1)

女の子がケーキを買いに行く『あっちゃんとゆびにんぎょう』、ケーキ屋さんが主人公の『100こめのクリスマス・ケーキ』、そして、トナカイと一緒にプレゼントを配る『サンタさんのいちにち』。それぞれ別々のお話でありながら、互いに接点を持ち、他人への思いやりにあふれた一つの物語が浮かび上がる。一つひとつ丁寧に仕上げられた美しい刺しゅう絵が、全編を彩り、優しく温かな雰囲気を醸し出している。一冊ずつでも、また、どれから読んでも楽しめるが、三冊そろうと納得、一層楽しめる、小さなかわいらしい絵本。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

100こめのクリスマス・ケーキ

長尾 玲子/さく

福音館書店 (1995.1)

女の子がケーキを買いに行く『あっちゃんとゆびにんぎょう』、ケーキ屋さんが主人公の『100こめのクリスマス・ケーキ』、そして、トナカイと一緒にプレゼントを配る『サンタさんのいちにち』。それぞれ別々のお話でありながら、互いに接点を持ち、他人への思いやりにあふれた一つの物語が浮かび上がる。一つひとつ丁寧に仕上げられた美しい刺しゅう絵が、全編を彩り、優しく温かな雰囲気を醸し出している。一冊ずつでも、また、どれから読んでも楽しめるが、三冊そろうと納得、一層楽しめる、小さなかわいらしい絵本。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

どんぐりノート -ひろってうれしい知ってたのしい-

いわさ ゆうこ/作 ・ 大滝 玲子/作

文化出版局 (1995.1)

よく見かけるコナラからオキナワウラジロガシまで、日本のどんぐりの仲間23種を紹介。1種類につき1ページをあて、実と葉から調べられるようになっています。植物学的にみたどんぐりや、食べたり遊んだりといった活用法が、豊富なイラストと写真で楽しく説明されています。どんぐりを探しに行きたくなる本。 (小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

るすばんジョージちいさくなる

ウィリアム・ジョイス/作 ・ なかがわ ちひろ/訳

徳間書店 (1995.9)

朝、目覚めると体が小さくなっていたジョージ。お出かけのパパとママからは、置き手紙で留守番をたのまれていた。スポンジをスキーにして皿を洗ったり、弟の面倒をみたりと、小さなジョージの活躍が繰り広げられる。留守番をみごとにやってのけた、ちゃめっ気あふれる子どもの想像世界を、躍動的な絵で表現している。(幼児から)

物語小学校中学年から

いたずらおばあさん

高楼 方子/作 ・ 千葉 史子/絵

フレーベル館 (1995.9)

洋服研究家の84歳のエラババ先生は着るだけで若くなる服を発明した。そこで弟子の68歳のヒョコルさんと2人して8歳の子どもに変身し、思う存分遊んで楽しむ。また、自分勝手な大人たちを次々とへこませ、大活躍する。子どもの心そのままにはしゃぎながら、長年の経験と知恵を生かした2人が繰り広げる痛快な物語。(小学校中学年から)

知識の本小学校低学年から

いもむしのうんち(ふしぎ発見シリーズ 6)

林 長閑/監修

アリス館 (1995.9)

クスノキの下に落ちている茶色のつぶつぶ、それが何だか知っていますか。なんといもむしのうんちだったのです。このうんちの形やにおい、うんちのしかたから始まって、アオスジアゲハの一生をやさしい言葉で語っていきます。うんちをする瞬間をとらえたものなど、鮮やかでユニークな写真を効果的に使った楽しい一冊です。(小学校低学年から)

物語小学校高学年から

かるいお姫さま(岩波少年文庫 2129)

マクドナルド/作 ・ 脇 明子/訳

岩波書店 (1995.9)

魔女にのろいをかけられ、重さをなくしたお姫さまは、ふわふわ浮いてしまうだけなく、心まで軽くなってしまった。のろいを解き、重さを取り戻すには……。昔話を下敷きにしたような、お姫さまと王子さまの物語が、軽妙な語り口で楽しく展開される。平易な文章が読みやすく、親しみがもてる。『ふんわり王女』の新訳。表題作のほか、幻想的な『昼の少年と夜の少女』も収録。(小学校高学年から)

歴史・伝記物語中学生から

レジーン・ミラー物語 -生きぬいたユダヤ人少女の記録-

ウォルター・ブッキグナーニ/著 ・ 薩摩 美知子/訳

金の星社 (1995.8)

1942年のベルギー。ナチスによる強制連行から逃れるため、10歳のレジーンは見知らぬベルギー人の家に預けられる。ユダヤ人連帯組織の献身的な女性の導きで、綱渡りのように受け入れ先を転々としながら、両親との再会を夢に見る。つらい待遇に耐え、名前を偽って弾圧をくぐり抜けた、もう一人の「アンネ」の貴重な記録。(中学生から)

物語小学校低学年から

いたずらっこうみにでる(新しい日本の幼年童話)

今村 葦子/作 ・ 西巻 茅子/絵

学研 (1995.8)

正太とのり子は、おとなり同士のなかよしです。ある日、のり子が遊びに行くと、正太が洗濯機の渦巻きを見つめて、「わーっ、おぼれるー」と騒いでいます。そこで、のり子も一緒になって、ごっこ遊びの始まり始まり。すのこをいかだにして、海にこぎ出します。幼児が想像力を駆使して遊ぶ姿を、温かい視点で描いています。(小学校低学年から)

知識の本小学校高学年から

子どもによる子どものための「子どもの権利条約」

小口 尚子/文 ・ 福岡 鮎美/文

小学館 (1995.8)

第6条 ぼくらは生きてていいんだ(略) 1989年に国連総会で採択された「子どもの権利条約」の条文を、中学2年生が日常の言葉にわかりやすく訳した。「子どもの権利条約翻訳・創作コンテスト」で最優秀賞を受賞した作品。条約の心をよみとった、のびのびとした表現が印象的。挿入された写真も生命の輝きにあふれている。 (小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

まあちゃんのながいかみ(こどものとも傑作集 105)

たかどの ほうこ/さく

福音館書店 (1995.8)

おかっぱあたまのまあちゃんは髪をずっとのばすつもりです。その長いことといったら……。お話をするうちに夢はどんどんふくらんで、とうとう髪は小鳥やリスや虫たちが集まるすてきな森になります。現実と空想をモノトーンとカラーで対比させた構成で、幼い女の子の長い髪への無邪気な憧れを愛らしく描いています。(幼児から)

物語小学校高学年から

マリアからの手紙

グレーテリース・ホルム/作 ・ 伊佐山 真実/訳

徳間書店 (1995.7)

14歳のマリアは重い心臓病にかかってしまい、心臓移植しか治す方法がない。自分の死と向き合った少女が、家族や親友たちとの関わりや恋人との出会い、学校や教会での出来事などを考え、生きることの意味をみつめてゆく。大好きな赤ちゃんの妹に残す手紙として語られる、正直で多感な少女の心の成長を描く物語。(小学校高学年から)

物語中学生から

壁のむこうから来た男

ウーリー・オルレブ/作 ・ 母袋 夏生/訳

岩波書店 (1995.7)

ドイツ占領下のワルシャワ、14歳のマレクは、下水道を使ってゲットーへの密輸を行う義父の手伝いを始めた。下水道での経験を通して、軽べつしていた義父を見直し、逃亡ユダヤ人との関わりから、彼らに対する偏見にも気付く。異常な状況の中でも人間性を失わず、判断力を身に付け、自立していく少年の姿を淡々と描き出す。(中学生から)

物語中学生から

フリーク・ザ・マイティ -勇士フリーク-(ユースセレクション)

ロッドマン・フィルブリック/作 ・ 斉藤 健一/訳

講談社 (1995.7)

大きな体のマックスと鋭い頭脳のケビン。対照的な2人の少年は不思議な絆で結ばれ、「勇者フリーク」を名乗って行動を共にする。幼い頃から心を閉ざしていたマックスは、ケビンとのかかわりの中で現実と向い合う勇気を奮い起こす。2人の友情、大人になることへのおそれと希望が、マックスの回想の中で語られる。(中学生から)

絵本/絵童話幼児から

まほうのじゅうたんあそび(評論社の児童図書館・絵本の部屋)

ニコラス・ヘラー/さく ・ その ひかる/やく

評論社 (1995.7)

玄関の青いじゅうたんは川に、食堂の緑色のじゅうたんは野原に早変わり。玉座もある宮殿みたいな台所や、白クマがいてアザラシやペンギンに出会える居間。床からさまざまな想像をふくらませて遊ぶわたしがいちばん好きなのは自分の部屋の迷路です。細部まで描きこまれた色彩豊かで鮮やかな絵がすみずみまで楽しめます。(幼児から)

よみつがれてきた物語幼児から

山の上の火 -エチオピアの昔話-

ハロルド・クーランダー/文 ・ ウルフ・レスロー/文

ジー・シー (1995.7)

金持ちの主人とのかけで、凍える山の上、火もたかずに裸で一晩立ち通した若者アルハ。やりとげれば家や畑をもらえる約束でしたが、主人は理不尽な言いがかりでアルハの負けを主張します。困ったアルハの相談を受けて、ある人物が一計を案じます。市井の人々の知恵とユーモアを、素朴な絵とともに伝えるお話。(幼児から)

物語小学校中学年から

ふつうのおひめさま

メアリー・マーガレット・ケイ/作 ・ 東 春見/訳

徳間書店 (1995.6)

ユメカウツツカ国の王女エイミーは、生まれた時、妖精に魔法をかけられ、美しいお姫さまから見栄えのしない普通の女の子に変身してしまう。周囲の嘆きをよそに、健やかに育ったエイミーは、結婚を強要されるのを嫌って、城を出て自活する。人生にとって本当に大切なものは何かを、昔話の形式をかりて、明るく語りかける。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

みそっかすなんていわせない(チア・ブックス 2)

ジャクリーン・ウィルソン/作 ・ ニック・シャラット/絵

偕成社 (1995.6)

両親が離婚し、引っ越したジョーンは、新しい学校になじめないでいる。友だちはいないし、いやなあだ名までつけられてしまった。クラスの劇でドブネズミ役をやる羽目になった彼女は、持ち前の度胸と行動力で、同じ役の子ども達と「みそっかす連盟」を作る。何事にもくじけない元気な女の子が、仲間を作るまでを愉快に描く。(小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ゆたかは鳥になりたかった

笹山 久三/著 ・ 後藤 えみこ/絵

河出書房新社 (1995.6)

中学受験を親から強いられ、息抜きに集まっていたファミコン仲間からはずされることを恐れたゆたかは、ソフトを万引きしてしまい、罪の意識と他者への不信感で窒息しそうになる。夏休みの田舎での生活と、同い年の勇一郎との出会いをきっかけに、自分を取り戻し、自我を確立していく姿を力強く描いている。(小学校高学年から)

知識の本小学校低学年から

ふしぎな花キノコ(かがくのほん)

七宮 清/ぶん ・ 得田 之久/え

福音館書店 (1995.6)

キノコのことをどのくらい知っていますか。例えば、キノコは植物ではないこと。私たちがキノコとよんでいるところは植物の花にあたること。キノコが木の成長を助けること。この本では、形も色もさまざまな63種類のキノコをとりあげ、写実的で色鮮やかな絵と丁寧な文章でキノコの生態をわからりやすく説明しています。 (小学校低学年から)

物語小学校高学年から

Tバック戦争(岩波少年文庫 2119)

E.L.カニグズバーグ/作 ・ 小島 希里/訳

岩波書店 (1995.6)

クロエは厄介な友人関係から逃れて、夏中叔母バーナデットの移動食堂の仕事を手伝うことになった。叔母と共にお互いを尊重した関係を築いたころ、Tバックを着始めた叔母の同僚たちと周囲の反対勢力との争いに巻き込まれる。他者に合わせ続けて息詰まっていた12歳の少女が、自分を見直し確立していく様を軽快に描き出す。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

ナオミの秘密(岩波少年文庫 2125)

マイロン・リーボイ/作 ・ 若林 ひとみ/訳

岩波書店 (1995.6)

アランの住むニューヨークのアパートに、ナオミという少女が引っ越してきた。ナチに父親を殺されたショックで心を閉ざしてしまったナオミ。友達との関係に悩みながらも、アランは彼女の心をひらこうと努力する。それが報われたかにみえた時……。戦争が残す傷の深さを知った12歳の少年のやるせない気持ちと心の成長を描く。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

小さな芸術家のための工作ブック -恐竜のタマゴからインディアン・ブレスレットまで100のアイデアとつくり方紹介-(KIDS CAN!わくわく体験シリーズ)

ローリー・カールソン/著 ・ 亀井 よし子/訳

ブロンズ新社 (1995.6)

おばけグモ・指スタンプ・恐竜の卵・・・・・・。指先の器用さがほとんど必要ないものから、完成まで1時間以上かかるものまで。子どもと大人が一緒に楽しめる遊び心いっぱいの工作100点を紹介したアメリカの本です。ものを創り出す過程を重視し、子ども達に自己表現による解放を味わわせようという著者の心意気が伝わる一冊です。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

風にのれ!アホウドリ

長谷川 博/著

フレーベル館 (1995.6)

伊豆諸島の無人島、鳥島に生息するアホウドリは乱獲のために絶滅したと思われていました。わずかに生き残ったアホウドリを守るため、著者は57回も鳥島に上陸し、20年にわたって調査を続けました。求愛行動や子育てなど、その生態も研究され、保護活動も熱心に行われています。躍動感のある写真が生き生きとした姿を伝えます。 (小学校中学年から)

絵本/絵童話赤ちゃんから

なかよしだあれ(にしまきかやこあかちゃんの本)

にしまき かやこ/作

こぐま社 (1995.6)

お庭に咲いているお花のなかよしだあれ?そうね、ちょうちょさん。おうちの窓のなかよしだあれ……。優しい問いかけで幼児のまわりのなかよしを見つけていきます。明るい色彩ののびやかな親しみあふれる絵と、繰り返しのある温かな言葉が幼児の心に寄り添います。歩きはじめた赤ちゃんの読み聞かせにも最適の絵本です。(赤ちゃんから)

絵本/絵童話幼児から

でてこいミルク!(世界傑作絵本シリーズ)

ジェニファー・A・エリクソン/さく ・ オラ・アイタン/え

福音館書店 (1995.5)

都会育ちの男の子が田舎で、雌牛に「さあミルクを出してみろ」とばかりに、なでてやったり、えさをやったり、歌を歌ってやったりと、色々試みますが、ミルクを出してくれません。鮮やかな色使いに大胆なタッチの絵と言葉のくり返しが楽しい絵本。子どもと雌牛を見守る周囲の動物たちの姿もほほえましい。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

わたしのだいすきなどうぶつは…

フローラ・マクダネル/さく ・ こだま ともこ/やく

富山房 (1995.5)

農場にいる、いぬ、あひる、やぎ、ぶたなど11種類の大好きな動物たちを、女の子が1つ1つあげてゆきます。見開き2ページに、それぞれの動物が、表情豊かに躍動感あふれる姿で迫力いっぱいに登場します。大胆な構図、明るい色彩の絵と、静かでシンプルな語り口の中、女の子と動物たちの交流を描いた、心温まる絵本です。(幼児から)

知識の本小学校低学年から

海中記

小林 安雅/著

福音館書店 (1995.5)

普段は私たちになじみのない海中に住む生き物たち。その不思議で神秘に満ちた生態を、主に伊豆半島の海で撮影した豊富で美しい写真で紹介しています。魚の正面表情集や昼夜の姿の違い、忍者のようなタコのくらし、366種の魚のカレンダー。四季を通して見つめた海中の変化、知られざる海の世界への興味がかきたてられます。 (小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

にわとりとたまご

イエラ・マリ/さく ・ エンツォ・マリ/さく

ほるぷ出版 (1995.5)

メンドリが産んだ卵の中でヒナが育ち、殻を割ってヒヨコがかえった。やがて、そのヒヨコもメンドリになって……。「ニワトリと卵」の繰り返しを、黒・黄・赤・白のコントラストを効かせた色使いで、簡潔に表現した美しい絵本。幼児がしゃがんで見ているような低い視点で細密に描いており、知識の絵本としても楽しめる。(幼児から)

物語小学校高学年から

スパイになりたいハリエットのいじめ解決法(世界の子どもライブラリー)

ルイーズ=フィッツヒュー/作絵 ・ 鴻巣 友季子/訳

講談社 (1995.5)

作家志望の11歳のハリエットの趣味はスパイ。周りの人間について容赦のない表現ですべてを書きとめる。そのノートを同級生たちに読まれ、彼女は敵視される。信頼する家庭教師との別れや自分の中の変化をうけいれ、学校で孤立しつつも不屈の精神で反撃に出る。現実味あふれる会話と痛烈な描写が小気味よい物語。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

森のようちえん

石亀 泰郎/著

宝島社 (1995.5)

世界中の子どもたちの写真を撮り続ける著者が出会ったデンマークの幼稚園。建物はなく、毎朝森に出かけていく。森の中を自由に歩き回り、木や草と遊び、お弁当を食べる。たくさんの自然とふれ合いながら、泣いたり、笑ったり、眠ったりして、豊かな心をはぐくんでいく。やさしさに満ちあふれた、色鮮やかな写真が美しい。(幼児から)

物語小学校低学年から

いじわるブライアン(スクールバスのなかまたち 2)

マージョリー・シャーマット/作 ・ アンドリュー・シャーマット/作

偕成社 (1995.5)

ブライアンは、乱暴で意地悪な嫌われ者の6年生。彼の意地悪をやめさせようと、仲間たちは悪戦苦闘する。ある時、バスの中でけんかした罰に、彼は幼稚園へ行かされてしまう。みんなにからかわれた彼が学校を抜け出すと、後を追った園児が迷子になってしまい……。彼のユニークな個性を楽しく描いた、シリーズの第2弾。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

京の走り坊さん

東 義久/文 ・ 無以 虚几/画

クレオ (1995.4)

昔京都に、大変足の速いふしぎなお坊さんがいた。毎日毎日タッタッタッと二百軒以上も壇家を走り回り、口からありがたいお札をはきだして配った。ある夏、台風で被害が出た時、薬などを運んで走りまわったが、出先でお礼のお酒を飲みすぎた夜から、姿を消してしまう。あたたかみのある墨彩画と、結末が心に残る。(幼児から)

絵本/絵童話幼児から

いっぱいいっぱい

トリシュ・クック/作 ・ ヘレン・オクセンバリー/絵

ほるぷ出版 (1995.4)

ママとあかちゃんが窓辺で待っていると、親類が次々にやってきた。みんなは、あかちゃんをいっぱいいっぱいだっこして、キスして、かわいがってくれた。パパの誕生祝いに集まった人々に愛されて、満ち足りた気持ちになった幼児の姿を温かく描いた、ユーモアたっぷりの絵本。柔らかなタッチの絵も、内容をひきたてている。(幼児から)

物語小学校中学年から

まよなかの魔女の秘密(こそあどの森の物語 [2])

岡田 淳/作

理論社 (1995.4)

あらしの夜、ポットさんが行方不明になった。そして次の朝、スキッパーがつかまえたふしぎなフクロウが奇妙な行動を起こしはじめる。思いがけない秘密が明かされてゆく中、スキッパーはふたごの女の子たちと一緒に、魔女に挑むことになった。『こそあどの森』でくりひろげられる謎と笑いと愛のつまった物語。(小学校中学年から)

知識の本幼児から

どうぶつえんガイド -よんでたのしい!いってたのしい!-(かがくのほん)

あべ 弘士/さく・え ・ なかの まさたか/デザイン

福音館書店 (1995.4)

フラミンゴがピンク色をしているのは、赤いえさを食べているからだと知っていましたか。では、ラクダのこぶには何が入ってのか、ゾウの鼻はどんなことができるのか。ヒトを含む41種類の動物たちの姿を、飼育係である著者が紹介しています。ゆかいなイラストが楽しい、遊び心いっぱいの絵本です。(幼児から)

物語小学校高学年から

わたしにはパパだっているもんね

クリスティーネ・ネストリンガー/作 ・ 松沢 あさか/訳

さ・え・ら書房 (1995.4)

ママが転職してミュンヘンに行ってしまった。フェリは、別れて暮らしていたパパのところに転がりこむ。母親の都合にふり回されつつも、父親との新しい生活になじんでゆく。ボーイフレンドや父親の恋人たちとのつきあいを通して、少女の成長と父娘の心の通い合いを、ユーモアたっぷりに小気味いい語り口で描き出す。(小学校高学年から)

物語中学生から

幸せを待ちながら

ミリアム・プレスラー/作 ・ 松沢 あさか/訳

さ・え・ら書房 (1995.4)

第2次大戦後のドイツ、幼児期に母親に虐待された12歳のハリンカは、母の姉ルーおばさんへの限りない思慕を支えに児童施設で暮らしている。ある日、おばさんの住む町への切符代欲しさに募金の一部を着服してしまう。荒廃した世相、恵まれない環境の中で、自分の目でしっかり物事を捉え成長していく少女の姿をリアルに描く。(中学生から)

詩・随筆・記録小学校高学年から

詩が大すきになる教室(さ・え・ら図書館/国語)

西口 敏治/著 ・ 大和田 美鈴/絵

さ・え・ら書房 (1995.4)

好きな詩を見つけてきて、みんなの前で暗唱し合う-こんな国語の課題を出された5年生の2年にわたる成長の様子を、指導した先生が楽しくまとめた。短い詩を卒業して長い作品に取り組む子、一人の詩人を追求する子、ことば遊びを楽しむ子など、様々な個性が発揮されてゆく。批判を加えずに見守ってきた先生の姿勢も光る。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

たんじょうパーティは大さわぎ(マシュー・マーチン物語 1)

ポーラ・ダンジガー/作 ・ 海都 洋子/訳

岩波書店 (1995.3)

マシューは、ダジャレとパソコンが得意な6年生。11歳の誕生パーティの準備に余念がない。しかし、彼のいたずらに怒ったクラスの女子全員が、彼への復讐計画を企てていた。家庭や学校など、日常生活を通して、他人への関心を深め、自己を確立していくさまを、愉快に描き出す。このシリーズは、仲良しのおばあさんの森を守ろうと奮闘する『ニコルズさんの森をすくえ』、環境問題に取り組み、地球の未来を考える『こちら宇宙船地球号』と続き、巻を追うごとに、めざましい成長をとげるマシューの姿に、共感が持てる。

物語小学校高学年から

ニコルズさんの森をすくえ(マシュー・マーチン物語 2)

ポーラ・ダンジガー/作 ・ 海都 洋子/訳

岩波書店 (1995.3)

マシューは、ダジャレとパソコンが得意な6年生。11歳の誕生パーティの準備に余念がない。しかし、彼のいたずらに怒ったクラスの女子全員が、彼への復讐計画を企てていた。家庭や学校など、日常生活を通して、他人への関心を深め、自己を確立していくさまを、愉快に描き出す。このシリーズは、仲良しのおばあさんの森を守ろうと奮闘する『ニコルズさんの森をすくえ』、環境問題に取り組み、地球の未来を考える『こちら宇宙船地球号』と続き、巻を追うごとに、めざましい成長をとげるマシューの姿に、共感が持てる。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

こちら宇宙船地球号(マシュー・マーチン物語 3)

ポーラ・ダンジガー/作 ・ 海都 洋子/訳

岩波書店 (1995.3)

マシューは、ダジャレとパソコンが得意な6年生。11歳の誕生パーティの準備に余念がない。しかし、彼のいたずらに怒ったクラスの女子全員が、彼への復讐計画を企てていた。家庭や学校など、日常生活を通して、他人への関心を深め、自己を確立していくさまを、愉快に描き出す。このシリーズは、仲良しのおばあさんの森を守ろうと奮闘する『ニコルズさんの森をすくえ』、環境問題に取り組み、地球の未来を考える『こちら宇宙船地球号』と続き、巻を追うごとに、めざましい成長をとげるマシューの姿に、共感が持てる。(小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

あかいくるまのついたはこ

モウド・ピーターシャム/作 ・ ミスカ・ピーターシャム/作

童話館 (1995.3)

赤い車のついた箱に何が入っているのかと動物たちが次々にのぞきに来ます。中にいたのは可愛い赤ちゃん。お母さんがあわてて動物たちを追い払うと、赤ちゃんも動物たちもしょんぼり。好奇心いっぱいの幼児と動物たちとののどかなふれあいを描いた、味わいのあるアメリカの古典絵本。赤色を効かせた温かい絵が印象的です。(幼児から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

絵で読む広島の原爆(かがくのほん)

那須 正幹/文 ・ 西村 繁男/絵

福音館書店 (1995.3)

50年前の8月の朝、広島に史上初めて、原爆が投下された。本書は、生存者の証言をもとに、被爆前後の広島を鳥瞰(かん)図で精密に再現し、原爆の残酷さを忠実に伝えている。また、原爆投下に至る歴史、核兵器や放射能被害などの核に関する知識についても、地図や図版を用いて、理解しやすい配慮がなされている。(小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩

はせ みつこ/編 ・ 飯野 和好/絵

富山房 (1995.3)

近・現代の日本の詩から、やさしいことばで語られたユニークな57編を収めています。ごろが良くて声に出して読むと楽しい詩や、連想ゲームのようにことばを重ねていく詩など、ことばの持つ様々な魅力が詰まっています。奔放なさし絵のおもしろさも手伝って、口と耳と目と心で、ことばの妙を感じて楽しめる1冊です。(小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

とっときのとっかえっこ

サリー・ウィットマン/ぶん ・ カレン・ガンダーシーマー/え

童話館 (1995.3)

小さなネリーとおとなりのバーソロミューおじいさんはとても仲良し。ネリーが赤ちゃんの頃は彼がカートに乗せて散歩するのが日課だった。やがて、歩けなくなったバーソロミューが車いすに乗る日が来るが、今度はネリーが車いすを押して歩く。時の流れの中で、さり気なくいたわり合い、寄りそう二人の様子がほほえましい。(幼児から)

物語小学校中学年から

イリーナとふしぎな木馬

マグダレン・ナブ/さく ・ 立石 めぐみ/やく

福音館書店 (1995.3)

イリーナが古道具屋で手に入れたベラは、夜の間だけ本物の馬になる不思議な木馬だった。孤独な彼女にとって、ベラは唯一の友達だったが、ある時野生馬の群れと共に彼女から去ってゆく。次の冬、悲しみにくれるイリーナの前に現れたのは……。幻想的な筋立ての中、大切なものとの出会いと別れを通して少女の心の成長を描く。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

パディーの黄金のつぼ

ディック・キング=スミス/作 ・ 三村 美智子/訳

岩波書店 (1995.2)

ブリジットは8歳の誕生日に、174歳の陽気な小人パディーと出会った。動物と話ができる彼と共に、メンドリをキツネから守ったり、野生のアナグマ一家を見たり、2人は楽しい日々を送る。だがある日、彼がキツネに襲われる。小人が持つという黄金のつぼの謎解きもからめて、少女と小人の友情が育つさまを軽快に描き出す。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

ホレイショー -人生っておかしなもんだね-(あかね世界の文学シリーズ)

B.G.ポリコフ/作 ・ 岡本 浜江/訳

あかね書房 (1995.2)

パパが死んで数年、今度はおじいちゃんの犬が死んでしまった。生きる意欲をなくしかけているおじいちゃんのために、ホレイショーは友達と新しい別の犬を探しに行くことを提案するが……。愛するものたちとの別れ、そして新たな死の予感。さまざまな死と向き合いながらも、悲しみをのりこえて成長していく少年の姿を描く。(小学校中学年から)

物語小学校中学年から

おじいちゃんの口笛

ウルフ・スタルク/作 ・ アンナ・ヘグルンド/絵

ほるぷ出版 (1995.2)

ぼくのおじいちゃんの話をきいて、ベッラもおじいちゃんが欲しくなった。次の日、ベッラは老人ホームで1人のおじいちゃんと仲良くなる。大好きなおじいちゃんを喜ばせようと、ベッラは彼の好きな曲を口笛で吹く練習を始めたが……。いくつかの心温まるエピソードを通して、孤独な老人と少年の心のふれあいを描く。(小学校中学年から)

詩・随筆・記録小学校中学年から

耳がきこえないエイミーのねがい -わたしのことばは手話です-

ルー・アン・ウォーカー/著 ・ マイケル・エイブラムソン/写真

偕成社 (1995.2)

エイミーは11歳、耳がほとんどきこえません。でも、目と補聴器で音をきき、手話で話すことができます。彼女は、友だちや家族、木のぼりが大好きなこと、クラスの女の子の中で走るのが1番速いこと等を話してくれました。生き生きとした彼女の、100枚あまりの写真に強く魅きつけられます。表情豊かな手話の紹介も楽しめます。(小学校中学年から)

絵本/絵童話小学校低学年から

1ねん1くみペット大会(世界の絵本 20)

アンドリュー・デイビス/作 ・ ダイアナ・デイビス/作

岩崎書店 (1995.1)

プーナンはクラスで一番小さくて、おとなしい女の子。声も小さくて、口元まで耳を近づけないと聞こえない。ある日クラスでペット大会を開くことになる。犬、猫、ウサギ等いろんな動物が集まって、会場は大騒ぎ。そこへ彼女が連れてきたのは……。ひっこみ思案の女の子が、自分から話ができるようになる様子をユーモラスに描く。(小学校低学年から)

物語中学生から

クレージー・バニラ

バーバラ・ワースバ/作 ・ 斉藤 健一/訳

徳間書店 (1994.11)

タイラーの夢は、鳥類写真家になる事。だが、厳格な父には相手にされず、周囲からは変人扱いされる始末。唯一の理解者だった兄は、同性愛者である事が父の怒りを買い、家を出て行った。そんなある日、彼は自分と同じ夢を持つ少女と出会う。恋を知り、自分自身を見つめ直すうちに成長してゆく少年の姿をさわやかに描く。(中学生から)

物語小学校高学年から

空中の王国 -九つの愛の物語-

マーガレット・マーヒー/作 ・ 青木 由紀子/訳

岩波書店 (1994.11)

空中ブランコのりのアクウィリ-ナは一度も地面に降りたことがなく、ブランコの背後に「空中の王国」を思い描いていた。ある日、女王や王子に演技を見せることになったが、幼い頃「謎(なぞ)狩り森」に入りこんだ王子の額にある星に、彼女は気づく。現実と非現実的世界が交錯する不思議な物語を、表題作の外に8話収載。(小学校高学年から)

知識の本幼児から

みんなのかお

さとう あきら/写真 ・ とだ きょうこ/文

福音館書店 (1994.11)

人間の顔がみんな違うように、同じ動物でもいろいろな顔があります。作者たちは日本全国の動物園をのべ300園訪れ、ヤギやゴリラなど24種類の動物の顔写真を撮りました。例えばシマウマも、顔のしま模様が微妙に違い、表情豊かな21頭の顔がそれぞれ個性を主張しています。動物園へ会いに出かけたい気持ちになる本です。(幼児から)

知識の本小学校中学年から

落としたのはだれ?(かがくのほん)

高田 勝/文 ・ 叶内 拓哉/写真

福音館書店 (1994.11)

丘のクヌギ林で拾った、緑色に輝く1本の羽。持ち主はどんな鳥なのだろう。興味を持ったつよし少年は、野鳥にくわしいお兄さんと出会って、楽しい謎説きを体験します。どんな鳥のどの部分の羽なのか。そして、なぜ林の中に落ちていたのか。1本の羽から野鳥の世界へと読者をいざなう一冊。美しい写真が印象的。 (小学校中学年から)

物語小学校低学年から

のっぽのミニのわくわくクリスマス(のっぽのミニシリーズ 3)

クリスティーネ・ネストリンガー/作 ・ クリスティーネ・ネストリンガー・Jr./絵

くもん出版 (1994.11)

初めて自分のためたお金で、ミニ自身が選んだクリスマス・プレゼントは、ママに髪どめ、パパに灰皿、兄モーリッツに乗馬用のむち。ところがクリスマスを前にして、ママは髪を切り、パパは禁煙を始め、兄は乗馬をやめてしまう。ひどく落ち込んだミニだが……。7歳の少女の家族への思いを、あたたかくユーモラスに描く。(小学校低学年から)

物語小学校中学年から

クリスマスの猫

ロバート・ウェストール/作 ・ ジョン・ロレンス/絵

徳間書店 (1994.1)

11歳のキャロラインは、クリスマスを牧師のおじの家で過ごすことになった。気弱なおじは性悪な家政婦に操られ、外は罪でいっぱいだからと外出を禁じる。そんな彼女の前に、貧しいけれど誇り高い少年が現れた。2人は身重の捨て猫をかくまうため協力しあう。社会の階級差が大きい1930年代を背景に、2人の出会いを描く。 (小学校中学年から)

物語小学校高学年から

ラクソーとニムの家ねずみ

ジェイン・レズリー・コンリー/作 ・ 越智 道雄/訳

富山房 (1994.1)

ソーンの谷間に、読み書きができる知能の高い家ネズミのコロニーがある。そこへ、集団生活に慣れない都会育ちのラクソーがやってきた。彼は、ヒーローになってみんなに一目置かせようと躍起になる。そんな中、ダム建設による水没の危機が谷間に訪れる。コロニーを守るために活躍するネズミたちが生き生きと描かれた物語。 (小学校高学年から)

歴史・伝記物語小学校高学年から

シベリウス -アイノラ荘の音楽大使-(作曲家の物語シリーズ 12)

ひの まどか/著

リブリオ出版 (1994.1)

叙事詩「カレワラ」をテーマにした曲を作るなど、フィンランドの民族の魂を描いて、国民的作曲家となったシベリウス。その生涯は厳しい自己批判の連続であったと同時に、浪費などによる経済苦との闘いの歴史でもあった。妻アイノや周囲の人々はそんな彼の芸術性に深い理解を示し、様々な手段を用いて彼を支え続けたのだ。(小学校高学年から)

物語小学校低学年から

クリスマスをまつリサベット

アストリッド・リンドグレーン/作 ・ イロン・ヴィークランド/絵

岩波書店 (1994.1)

もうすぐクリスマス。マディケンとリサベットの姉妹も準備を手伝っています。ある朝、川が凍ったことを知った2人は、りんごが丘のカールソンさんの家まで滑って行き、朝食をごちそうになるなど、楽しいひとときを過ごします。北欧の美しく澄んだ自然の中で、クリスマスを待つ子どもたちの喜びを、素朴な挿絵と共に伝えます。 (小学校低学年から)

物語小学校高学年から

オオカミは歌う

メルヴィン・バージェス/作 ・ 神鳥 統夫/訳

偕成社 (1994.1)

イギリスで500年前全滅したはずのオオカミが生き残っていた。希少動物の絶滅に執念を燃やすハンターが偶然その真実を知り、狩りを始めた。70頭いたオオカミの群れが3年後には3頭になり、ついに子オオカミのグレーカブ1頭になる。最後のオオカミとして、グレーカブはハンターと対決する。人間と動物の関係を考えさせる作品。 (小学校高学年から)

知識の本小学校高学年から

やさしいメトロポリタン美術館ガイド

ジョイ・リチャードソン/著 ・ 中野 吉郎/共訳

ほるぷ総連合/ほるぷ教育開発研究所 (1994.9)

絵画や楽器、衣装など、メトロポリタン美術館が所蔵する200万点以上の作品の中から97点をとりあげ、カラフルな図版と丁寧な文章でわかりやすく解説している。また2500人もの人が働く美術館のいろいろな仕事も、写真を使って詳しく説明している。クイズなど、隅々まで楽しめる工夫があり、美術館で作品に触れたくなる一冊。(小学校高学年から)

物語小学校中学年から

ゆかいなやねうらネズミと小さなとちの実

エセル・ポチョッキ/作 ・ デヴィッド・キャットロウ/絵

徳間書店 (1994.9)

屋根裏の荷物にまぎれ込んだちっぽけなとちの実。これを見つけたのは、屋根裏の人形の家に住むネズミの一家でした。手に入るものを精一杯工夫して使うネズミたちは、とちの実を喜んで持ち帰り、色々なことに使います、クリスマスの寸劇にもとちの実を登場させるなど、楽しく暮らすネズミの一家のほのぼのとしたお話。 (小学校中学年から)

絵本/絵童話幼児から

バーニー、いつまでもいっしょだよ

レイチェル・パンク/さく ・ さいとう みちこ/やく

徳間書店 (1994.9)

ソーニャといつも一緒だったねこのバーニーは、ある日事故にあい死んでしまいます。悲しみや寂しさを徐々に消化してゆくソーニャに、両親はこねこを贈りました。すぐに2人は仲良く庭で遊ぶようになりますが、バラのしげみだけは、いつまでもバーニーとの特別な場所なのです。女の子と動物たちとの交流を情感豊かに描きます。(幼児から)

物語小学校高学年から

ワーキング・ガール -リディの旅立ち-

キャサリン・パターソン/作 ・ 岡本 浜江/訳

偕成社 (1994.9)

家と家族を思い、宿屋での奉公を経て、紡績工場の女工となり、懸命に働くリディ。職場改善を目指すダイアナ、大学入学を考えるベッツィなどの仲間たちと出会い、職場の中で起こる色々な障がいを乗り越えた彼女は、家族との決別の後ある選択をする。1840年代のアメリカを舞台に、成長を続ける10代の少女の姿を巧みに描いた作品。 (小学校高学年から)

物語小学校低学年から

くまのローラ(世界傑作童話シリーズ)

トルード・デ・ヨング/さく ・ ジョージーン・オーバーワーター/え

福音館書店 (1994.9)

ノールが5歳の誕生日にもらったくまのぬいぐるみ、彼女の名前はローラ。パパの大事なランプを割り、ノールに万引きをそそのかす等さまざまな騒動をひきおこし、ノールもパパもふりまわされる。そんなローラが恋をして・・・・・・。女の子とくまというやんちゃなふたりの元気いっぱいの日々を、軽妙な語り口でいきいきと描いた作品。 (小学校低学年から)

物語中学生から

エヴァが目ざめるとき

ピーター・ディッキンソン/作 ・ 唐沢 則幸/訳

徳間書店 (1994.8)

エヴァが目ざめたのは、チンパンジーのケリーの中だった。事故で回復不能となった体から、記憶だけがケリーに移されたのだ。人間とチンパンジー、2つの感情を持ってしまった彼女は、苦悩しながらも新しい自分をつくり上げていく。人類滅亡の危機に、残された森で仲間と共に生きようとする少女の成長する姿を、丁寧に描く。 (中学生から)

物語小学校中学年から

サッコがいく(童心社・新創作シリーズ)

泉 啓子/作 ・ 垂石 真子/画

童心社 (1994.8)

男子にまじって野球に熱中している、おてんばなサッコは4年生。勝気な学級委員さとみたちと気が合わず、居心地が悪い。けれども軟弱だと思っていた弟の意外な一面や無口な級友の素顔を知るようになり、やがてさとみの心とも近づいていく。サッコの無鉄砲と真っ直ぐな気持ちが、人の心を開いていく。さわやかな物語。 (小学校中学年から)

物語小学校低学年から

スクールバスの子ねこ(スクールバスのなかまたち 1)

マージョリー・シャーマット/作 ・ アンドリュー・シャーマット/作

偕成社 (1994.8)

スクールバスに、子ねこが迷いこんだ。子ねこをめぐって、小学校や家の中でも、チャーリーたちは大騒ぎ。もらい手をさがすために、内緒でバスにポスターをはるが、運転手のハリーに見つかって・・・・・・。スクールバスを舞台に、個性的な登場人物たちのあたたかいふれあいを、生き生きとした文章とユニークなさし絵で楽しく描く。(小学校低学年から)

絵本/絵童話幼児から

わたしのろばベンジャミン

ハンス・リマー/文 ・ レナート・オスベック/写真

こぐま社 (1994.7)

スージーは、パパと海辺を散歩中に1頭のろばの子を拾い、ベンジャミンと名付けた。その日からふたりは、寝たり遊んだりいつも一緒。ところがある朝早く、ベンジャミンがいないことに気付いたスージーは、あわてて探しにでかけるが・・・・・・。いきいきとした写真とやさしい言葉で、幼い女の子とろばのふれあいを描いた絵本。(幼児から)

物語小学校中学年から

さらわれた王子さまと庭師の娘(世界の子どもライブラリー)

ゲルハルト=ホルツ=バウマート/作 ・ 平野 卿子/訳

講談社 (1994.7)

ある国の王子が巨人国の大女にさらわれた。それを聞いた庭師の娘は助けに行くことを決心。そこで、大女と決闘するために力をつけて、いざ出発。そして、旅の途中で受けた犬・猫・すずめの忠告を役立て、王子を救い出すことに成功したものの、逆にぐちをこぼされて・・・・・・。娘の行動力、潔さに痛快さを感じる作品。 (小学校中学年から)

物語小学校低学年から

のっぽのミニはどきどき1年生(のっぽのミニシリーズ 1)

クリスティーネ・ネストリンガー/作 ・ クリスティーネ・ネストリンガー・Jr./絵

くもん出版 (1994.7)

ミニはもうすぐ1年生。でも、心配な事があります。みんなにのっぽと言われないだろうか?うけもちの先生は?入学式に着て行く服は?ところが、学校に行ってみると、先生はやさしい人でしたし、すぐに友だちもできたのです。ミニは学校がとても気に入りました。入学前後の子どもの心情を率直かつユーモラスに描いた作品です。 (小学校低学年から)

物語小学校低学年から

ちかちゃんのはじめてだらけ(わくわくライブラリー)

薫 くみこ/作 ・ 井上 洋介/絵

講談社 (1994.7)

初めてあこがれの美容院に行かせてもらえた、夢見心地のちかちゃん。うたた寝の間に髪は切られて、見られたくない極太まゆ毛がまる出しに。このピンチ、どうしよう・・・・・・。好奇心いっぱいの8歳の女の子ちかと仲間たちは、日常の中で「はじめて」のことに次々とであっていく。躍動的な子どもの描写が楽しく、ほほえましいお話。 (小学校低学年から)

物語小学校高学年から

ひとりぼっちの不時着(くもんの海外児童文学シリーズ 10)

ゲイリー・ポールセン/作 ・ 西村 醇子/訳

くもん出版 (1994.7)

ブライアンは13歳。1か月前に両親が離婚した。夏休みを過ごすため、小型飛行機で父親のもとに向かう。だが事故で飛行機は不時着し、彼だけが助かる。深い森の中で持ち物は手おののみ。食料もなく、火をおこすこともできない。生きることに独りで立ち向かい、絶望をのりこえ成長していく少年の姿を描いた作品。 (小学校高学年から)

詩・随筆・記録小学校低学年から

いつだっていっしょだよ! -アーサー・アッシュ家族の記録-

ジーン マウトゥサミー・アッシュ/著 ・ 玉川 重徳/訳・解説

大栄出版 (1994.6)

キャメラの大好きなパパはエイズにかかっている。いつもはテニスのコーチをしたり、一緒に公園に行ったり。2人の大好きな遊びはだっことキス。でもパパの具合が悪い時はキャメラが看病する。エイズとたたかいながらともに生きている家族の姿を、キャメラの母ジーンが写しとっている。親子3人の愛情が伝わってくる作品。(小学校低学年から)

物語中学生から

海辺の王国

ロバート・ウェストール/作 ・ 坂崎 麻子/訳

徳間書店 (1994.6)

空襲で家族を失った12歳のハリーは、あてのない旅に出る、様々な出会いの中、人の善意と悪意に触れ、彼は海辺を転々とする。そしてある時、自分と同じ寂しい一人暮らしの男に巡り合う。やっと安住の地を得たかに思えたハリーだったが・・・・・・。孤独と死の恐怖をくぐり抜け成長してゆく主人公のひたむきな姿が感動を呼ぶ。(中学生から)

物語小学校中学年から

おじいちゃんは荷車にのって

グードルン・パウゼバンク/作 ・ インゲ・シュタイネケ/絵

徳間書店 (1994.6)

体は動かないし何もかもやりつくした。「もうたくさんじゃよ」 おじいちゃんは二度と戻らないつもりで、荷車にのせて山の上のがけへ行ってくれるよう、孫のペピートに頼んだ。その道中2人はペピートの先生始めさまざまな人たちと出会う。孫や周囲の人々のやりとりの中で、生きる意欲を取り戻す老人の姿を温かく描いた作品。 (小学校中学年から)

物語小学校高学年から

キャミーの八月(世界の子どもライブラリー)

ヴァジニア=ハミルトン/作 ・ 掛川 恭子/訳

講談社 (1994.5)

キャミ-はいとこのパティ=アンが大嫌い。きれいでなんでもよくできる、すましやの優等生。あんな子、いなくなってしまえばいいのに・・・・・・。でも夏のキャンプでそれが現実となった時、キャミーは大きな衝撃を受ける。11歳の少女が心の傷を家族の愛情によって徐々にいやしていき、成長するさまを巧みに描いた作品。 (小学校高学年から)

絵本/絵童話幼児から

あるげつようびのあさ

ユリ・シュルヴィッツ/作 ・ 谷川 俊太郎/訳

徳間書店 (1994.5)

「あるげつようびのあさ、おうさまと、じょおうさまと、おうじさまが、ぼくをたずねてきた。」雨に降りこめられ、部屋の中で少年の空想が広がる。陰影に富んだ街の様子と、色鮮やかな衣装をつけたおうさまたちの行列が交互に描き出されるうちに、主人公の日常や、楽しい夢の世界が読者に伝わってくる、味わい深い絵本。(幼児から)

物語小学校中学年から

ゆうかんなハリネズミマックス(あかね世界の文学シリーズ)

D.キング=スミス/作 ・ 金原 瑞人/訳

あかね書房 (1994.4)

都会に住むハリネズミたちは、ごちそうのある公園へ行きたいが、車の多い道路を渡るのは命がけ。人間は安全に渡っていると聞き、マックスは探りに行きます。事故にあったり、人間に踏まれそうになったりしながら、ついに「魔法の場所」を見つけます。やわらかいタッチで描かれた挿絵がかわいらしく、ユーモアたっぷりのお話。 (小学校中学年から)

物語小学校高学年から

おじいちゃんのカメラ

パトリシア・マクラクラン/作 ・ 掛川 恭子/訳

偕成社 (1994.3)

僕と姉さんを置いて、ママは家を出た。パパはずっと前にいなくなった。祖父は写真を撮り始め、祖母と姉は畑仕事に精を出すことで、つらさを紛らわそうとするが、僕は現実を認められずにいた。そんなある日ママの部屋で、引き裂かれた写真の箱を見つける。両親の愛情に飢えた11歳の少年が、家族の絆を見つけ出す姿を描く。(小学校高学年から)

物語小学校高学年から

シロクマたちのダンス

ウルフ・スタルク/作 ・ 菱木 晃子/訳

佑学社 (1994.3)

ラッセは学校の勉強が苦手で、友だちといたずらばかりしている。ある時、仲が良かったはずの両親が、突然離婚し、彼は大好きな父と離れてしまう。母の再婚相手は、そんなラッセを優等生に変身させようとするが・・・・・・。自分らしく生きる事の大切さや、本当の親子の絆とは何かを、時にはユーモラスに、時にはしみじみと描いた作品。 (小学校高学年から)

物語小学校高学年から

虹いろのスクールバス

メアリ・ジェーン・オーチ/作 ・ 松井 たかえ/訳

偕成社 (1994.3)

6年生のデイビーとその一家は、農場生活を夢見る母のため、田舎に引っ越したばかり。そこへ、母の叔父ウィルを引き取ったが、彼は最愛の兄を亡くして以来、時々子どもに戻ってしまい、周囲を混乱させる。コミカルな筋運びの中に、「老い」の問題をさりげなく取り入れた作品。巧みな人物描写が、物語に臨場感を与えている。 (小学校高学年から)

物語小学校中学年から

先生、コーチしてあげる!(文研ブックランド)

C・ヘイムスフェルド/作 ・ 上田 理子/訳

文研出版 (1994.2)

野球が得意なマイクは4年生。校内の試合を前にして、野球が苦手な担任のパーカー先生に、マイクたちは特訓を始め、根気よく練習につき合う。一方、本が苦手で感想文の宿題をさぼったマイクに、先生は読書のきっかけを与えてくれる。先生と生徒が互いの持ち味を認め合い、信頼で結ばれる様子をさわやかに描く。 (小学校中学年から)

物語小学校中学年から

みにくいガチョウの子

ディック・キング=スミス/作 ・ 卜部 千恵子/訳

岩波書店 (1994.1)

8歳のジャックは鳥が大好き。動物公園からダチョウの卵をこっそり持ち帰り、飼っているガチョウに温めさせる。生まれたヒナはのんきなガチョウ夫婦に受けいれられてすくすく育ち、家中の人気者になる。しかしいつかは動物公園に返さないといけない。少年と鳥の心の通いあう様子を丁寧に描いた、心あたたまる物語。 (小学校中学年から)

物語小学校低学年から

エーミルのクリスマス・パーティー

アストリッド・リンドグレーン/作 ・ ビヨーン・ベリイ/絵

岩波書店 (1994.1)

エーミルは、いたずらをしてはお父さんに作業小屋に放りこまれる男の子。今日も囲いから羊を逃がして大騒ぎ。妹のイーダはその小屋に入ってみたくて、自分もいたずらをしてみるのですが・・・・・・。著者がこどもだった頃のスウェーデンの農村を背景に、のびやかに育つこどもの日常を見事にとらえ、軽快なテンポで愉快に読ませる。他にエーミルが活躍するお話として、家じゅうのハエを退治しようとしておこる珍騒動『エーミルのいたずら325番』、クリスマスの楽しさとエーミルのやさしさが心に残る『エーミルのクリスマス・パーティー』の2冊がある。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

エーミルのいたずら325番

アストリッド・リンドグレーン/作 ・ ビヨーン・ベリイ/絵

岩波書店 (1994.1)

エーミルは、いたずらをしてはお父さんに作業小屋に放りこまれる男の子。今日も囲いから羊を逃がして大騒ぎ。妹のイーダはその小屋に入ってみたくて、自分もいたずらをしてみるのですが・・・・・・。著者がこどもだった頃のスウェーデンの農村を背景に、のびやかに育つこどもの日常を見事にとらえ、軽快なテンポで愉快に読ませる。他にエーミルが活躍するお話として、家じゅうのハエを退治しようとしておこる珍騒動『エーミルのいたずら325番』、クリスマスの楽しさとエーミルのやさしさが心に残る『エーミルのクリスマス・パーティー』の2冊がある。(小学校低学年から)

物語小学校低学年から

エーミルと小さなイーダ

アストリッド・リンドグレーン/作 ・ ビヨーン・ベリイ/絵

岩波書店 (1994.1)

エーミルは、いたずらをしてはお父さんに作業小屋に放りこまれる男の子。今日も囲いから羊を逃がして大騒ぎ。妹のイーダはその小屋に入ってみたくて、自分もいたずらをしてみるのですが・・・・・・。著者がこどもだった頃のスウェーデンの農村を背景に、のびやかに育つこどもの日常を見事にとらえ、軽快なテンポで愉快に読ませる。他にエーミルが活躍するお話として、家じゅうのハエを退治しようとしておこる珍騒動『エーミルのいたずら325番』、クリスマスの楽しさとエーミルのやさしさが心に残る『エーミルのクリスマス・パーティー』の2冊がある。(小学校低学年から)